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「互いの気配は、ときどき、幽霊がいるのかな、とでもびくっとさせるくらいに漂わせるのが理想です」(本文より)
3.11直前に教え子をいじめ自殺に追いやってしまったかもしれない元教師の妙と、沖縄新基地建設反対デモの警備中にデモ参加者を不慮の事故で死なせてしまったかもしれない便利屋の忍。過去の出来事に苛まれるふたりは、「感染者第一号」を誰もが恐れる地で出会った。
人が人を傷つけ、傷つけられる世界で、「東京からの移住者」が遂げた謎の死をめぐり、ふたりの運命は動き出す――。
第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞(選考委員:ロバート キャンベル)。
[出版社より]
「光のない場所へ手を引かれ、低酸素状態で見えてきた希望」
――金原ひとみ
「ここ最近、分断を許さないことで起きる分断のせいで、空気を読むのにずっとうんざりしていたから、ひたすら気配を読むこの読書が幸福だった」
――尾崎世界観
「世界を覆う不均衡(インバランス)に声と形を与えようとしている点において、高い評価に値する作品であることは間違いない」
――ロバート キャンベル
「究極のソーシャルディスタンスな関係? 純文学なのに気分はホラー。主人公らが味わう疎外感は他人事とは思えない」
――斎藤美奈子
「この世界が好きだ、この人たちが好きだ」
――吉行和子
著 者|木村紅美
出版社|河出書房新社
定 価|1,670円+税
判 型|四六判/上製
頁 数|152
ISBN|978-4-309-02997-9
初 版|2021年10月
Author
木村 紅美 Kumi Kimura
1976年生。2006年『風化する女』で文学界新人賞を受賞しデビュー。09年『月食の日』、18年『雪子さんの足音』がそれぞれ芥川賞候補となる。他の著書に、『夜の隅のアトリエ』『まっぷたつの先生』等。
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