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新聞、雑誌で大絶賛された傑作ノンフィクション。『AMETORA――日本がアメリカンスタイルを救った物語』の著者が描き出す「文化の謎」。
「ニューヨーク・タイムズ」「ウォール・ストリート・ジャーナル」賞賛! 本書は文化を理解するための―― そして文化を変える術を学ぶためのマニュアルである。
かつてビートルズの〈マッシュルームカット〉と呼ばれた長く、だらしない髪型は各世代から反発を招き、社会を分断するほどの騒動を全世界に巻き起こした。しかし現在では受け入れられ、むしろクラシカルな髪型となっている。トレンドは一部の過激な行動から始まり、反発を生むが、徐々に許容され、ついには一般化する。
人はなぜ集団で特定の習慣を好み、やがて別の流行に移行するのだろうか。なぜあるものが 「クール」になるのか? スタイルの革新はいかにして生まれるのか? われわれの文化に起こる絶え間ない変化のメカニズムを、本書は〈ステイタス〉――社会のなかでの各個人の重要度を示す非公式な指標――を希求するプロセスとして説明する。
本書で解き明かしていくステイタスと文化の原則は、捉えがたいものとされてきたセンスや真正性、アイデンティティ、階級、サブカルチャー、アート、ファッション、流行、スタイル、リバイバルといった概念や現象を明確にし、われわれを取り巻く世界を分析する際に極めて役に立つ。
歴史的事例と数々の分野の学問の叡智を統合する文化の普遍理論書。
(本書の問い)
I なぜ人は必然性のない行動を集団で一斉に取りはじめるのか
…〈ステイタス〉が個人を文化的慣習に駆り立て、アイデンティティを形成させる
II 独自のスタイル、慣習、センスはどのようにして生じるのか
…社会階級間の競争、サブカルチャーとカウンターカルチャー、芸術界の内部闘争
III なぜトレンドは移り変わり、わたしたちは行動を変えるのか
…何が歴史としてのちに伝えられ、何が忘れ去られるかは高ステイタス集団が決める
IV インターネットは〈ステイタス〉の構造と価値に何をもたらしたか
…コンテンツの爆発的増加、センスの否定、レトロマニアとネオマニア、そして〈文化の停滞〉
[出版社より]
「ひとは自分の〈立ち位置〉を気に掛ける。本書は私たちの文化的生態系を解明し、その「呪縛」から解放してくれる」
――栗野宏文(ユナイテッドアローズ上級顧問)
著 者|デーヴィッド・マークス
訳 者|黒木章人
出版社|筑摩書房
定 価|3,300円+税
判 型|四六版/上製
頁 数|544
ISBN|978-4-480-83652-6
刊 行|2024年07月
Contents
日本の読者に向けた序文
はじめに 文化とステイタスのタブーにまつわる大いなる謎
第1部 ステイタスと個人
第1章 ステイタスの基本原則
第2章 慣習とステイタス価値
第3章 シグナリングとステイタスシンボル
第4章 センス、真正性、そしてアイデンティティ
第2部 ステイタスと創造性
第5章 階級と感性
第6章 サブカルチャーとカウンターカルチャー
第7章 芸術
第3部 ステイタスと文化の変化
第8章 流行のサイクル
第9章 歴史と連続性
第4部 二十一世紀のステイタスと文化
第10章 インターネットの時代
まとめ ステイタスの平等化と文化の創造性
原注
書誌情報
索引
Author
デーヴィッド・マークス David Marks
デーヴィッド・マークス(W. David Marx):1978年、アメリカ生まれ、東京在住。2001年、ハーバード大学東洋学部卒業。2006年、慶應義塾大学大学院修士課程修了。日本の音楽、ファッション、アートについてTHE NEW YORKER、POPEYE、The New Republicなどで執筆。著書に『AMETORA――日本がアメリカンスタイルを救った物語』(DU BOOKS)。
Translator
黒木 章人 Fumihito Kuroki
黒木 章人(くろき・ふみひと):英米翻訳家。訳書に『シリア・サンクション』(早川書房)、『わたしはナチスに盗まれた子ども』『メガネの歴史』『ダイヤモンドの文化史』(以上、原書房)、『アウトロー・オーシャン』(白水社)などがある。
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