「ダダは一切を抱擁する。何者もダダを恋する事は出来ない。」
現実と内面、正気と狂気のあわいを超えた、詩的言語の実践。『ダダイスト新吉の詩』(1923)によって一挙に《現代詩》を到来させた日本最初のダダイスト、高橋新吉。虚無思想と禅を基盤とし、時代と社会を超越した14編のほか、解説および略年譜を収録する。
[出版社より]
著 者|高橋 新吉
編 者|松田正貴
出版社|共和国
定 価|2,600円+税
判 型|四六変型判
頁 数|264
ISBN|978-4-907986-23-0
初 版|2017年8月
Contents
ダガハジ断言 Is Dadaist
解説1:高橋がダダ新吉になる瞬間
桔梗
宇和島の闘牛
神は熟睡したもう
預言者ヨナ
解説2:狂気をどう語るのか
亡ぶる家の豚
不気味な運動
仏教
乞食夫婦
ヴィニイ
悲しき習性
高橋新吉 略年譜
生蝕記 或る浮浪人の日記
ダダイストの睡眠
焔をかかぐ
解説3:いま高橋新吉をどう読むか
編者あとがき
初出一覧
Author
高橋 新吉 Shinkichi Takahashi
1901年、愛媛県に生まれ、1987年、東京都に歿する。八幡浜商業学校を中退後、上京、放浪する。1920年、小説「焔をかかぐ」でデビュー。1923年、詩集『ダダイスト新吉の詩』(中央美術社)によって現代詩を切り拓き、その後も仏教と虚無思想を基盤とした独自の世界観を展開する。
詩集に、『高橋新吉詩集』(1928、南宋書院)、『霧島』(1942、邦画社)など、小説に、『狂人』(1936、学而書院)、『潮の女』(1961、竹葉屋書店)など多数がある。
Editor
松田 正貴 Masataka Matsuda
1974年、大阪府に生まれる。大阪電気通信大学講師。専攻は、モダニズム文学。
共著に、杉村昌昭+境毅+村澤真保呂編『既成概念をぶち壊せ!』(2016、晃洋書房)、訳書に、マウリツィオ・ラッツァラート『記号と機械』(杉村昌昭と共訳、2015、共和国。新装版=2016)、アーサー・J・バックラック『ニューメキシコのD・H・ロレンス』(2014、彩流社)などがある。
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