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苦しい時は電話して

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死にたいほどつらくて苦しい時、人は何をするのが最も良いのか?
躁鬱病を患う著者が、「死にたい人」からの電話を10年受け続けてわかったこと。

[ 著者メッセージ ]
090-8106-4666
これは僕の携帯電話の番号です。

僕は「いのっちの電話」という、死にたい人であれば誰でもかけることができる電話サービスをやっています。もちろん無償です。本家本元「いのちの電話」がほとんどかからないという現状を知り、2012年に一人で勝手にはじめました。1日に5人ほどかけてきます。なので、1年だと200人弱。もう10年近くやっています。

なんでこんなことをはじめたのか。

なぜなら、自殺者をゼロにしたいと思っているからです。
自殺者がいることが当たり前になってしまっている。そのこと自体が異常なのではないかと僕は思います。もちろん、それぞれの人生はそれぞれに決めることができるので、自ら死にたい人を止めようとするのはどうなのか、それも人間の自由ではないかと思われる方もいると思います。

僕も何度かそう言われたことがあります。そう言われれば、わからないことはありません。いや、どうかな……やっぱり納得できないところがたくさんあります。
 
なぜなら僕自身も死にたくなるからです。
あなただけではないんです!

もちろん、1年に何万人もの電話を受けることはできません。僕にできるのは1日に10人が限界だと思います。そこで、いつも電話で話していることをこの本に書いてみることで、電話だけで対応できない人々にも、死ななくてもいいんだと感じてもらえるのではないか。
そんな気持ちからこの本を書くことにしました。
[出版社より]


著 者|坂口恭平
出版社|講談社[講談社現代新書]
定 価|800円+税
判 型|新書判
頁 数|208

ISBN|9784065207765
初版|2020年8月


Contents
1章 反省禁止!
 熱が出ている時と同じ/体からのメッセージ?

2章 24時間、悩める人
 すべて僕自身の経験/悩むこと自体は悪くない

3章 不滅のジャイアン
 気持ちいいかどうかを確認する/細かな願望に気づく

4章 とても、苦しい時に
 10分、悩みまくる/朝ごはんだけ、つくってみる

5章 「いのっちの電話」から
 明けない鬱はない/周囲に漏らしていい

6章 自殺者をゼロにする
 ただの絶望ではない/警察署の刑事からの電話

7章 天下一の生真面目人間だから
 暴力をうまく活用する/死にたい人はサボらない

8章 僕の毎日の過ごし方
 どんな時も歌を歌う/迷わず仕事をやめていい

9章 苦しみ自体が力となる
 企画書をつくる/毎日1時間でいい

終章 悩むのは、才能の一つ
積み重ねが自信につながる/続けることで変化する


Author
坂口 恭平 Kyohei Sakaguchi
1978年、熊本県生まれ。2001年、早稲田大学理工学部卒業。建築家・作家・絵描き・歌い手、ときどき新政府内閣総理大臣。著書に『TOKYO 0円ハウス 0円生活』(河出文庫)、『独立国家のつくりかた』(講談社現代新書)、『幻年時代』(幻冬舎、熊日出版文化賞)、『坂口恭平 躁鬱日記』(医学書院)、『自分の薬をつくる』(晶文社)、弾き語りCDアルバムに『Practice for a Revolution』などがある。

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