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ル゠グウィンがトールキンやエディスンと並べ、名文家として名を挙げた、ケルトの魔法を歌う詩人にして神智学者である作家、ケネス・モリス。ダンセイニよりも神秘主義的と評されるその幻想小説を百年の時を経て集成した本邦初の単行本。
人は誰も宇宙の根源的な霊の一部、天の炎を内に秘めており、いつかその源に還るまで、魂を進化させることが人間の使命である――
東西の神話や伝説、音楽や色彩、動植物や鉱石、天の神秘と豊饒なる大地に題材を得て、詩情に満ちた文体で綴られた、読むことがそのまま喜びであるような体験を与えてくれる29の幻想物語。装幀=白座、装画=林由紀子「夜明けに開く薔薇」。
[出版社より]
原 書|Dafodil
著 者|ケネス・モリス
訳 者|館野浩美・中野善夫
出版社|国書刊行会
定 価|3,800円+税
判 型|四六判/上製
頁 数|520
ISBN|978-4-336-06677-0
初 版|2020年09月
Contents
東と西
王と三人の行者
薔薇と杯
詩人ハーリド
幼子アポロンの神殿
北の統治者
ヴァイオリニストの夢
ティタニアが摘んだ花
牧神の戯れ
アル・カドルの夜
白禽の宿
眼のない龍
紅桃花渓
故郷へ
子守パーリ
ショーン・アプ・シェンキン
山のデイオ
物語の彼方
人魚の悲劇
エヴァン・レイションの神曲
ドン・キホーテ最後の冒険
天上の音楽
ダフォディルの花
バッハのフーガ ニ短調
惑わしの打破
青玉の頸飾り
地獄と天国、そしてベートーヴェン
神と人
神の化身
神秘の山
智慧の林檎
勝利
惑星の王
聖者と森の神々
訳者解説 館野浩美
Author
ケネス・モリス Kenneth Morris
1879年、ウェールズ生まれの詩人・作家・神智学者。1908年アメリカに渡り、神智学コミュニティで歴史と文学を教えながら、詩、論文、小説等を執筆する。ウェールズの伝承物語マビノギオンを題材とした長編 The Fates of the Princes of Dyfed と Book of the Three Dragons 、トルテカ神話を基にした The Chalchiuhite Dragon 、そして東西の神話や伝説に独自の解釈を加えた短編は古典的ファンタジーとして評価が高い。晩年はウェールズに戻り、1937年に逝去
Translator
館野 浩美 Hiromi Tateno
1972年神奈川県生まれ。翻訳者。自身のウェブサイト影青書房(http://far-blue.com/)でフィオナ・マクラウド、ケネス・モリス等のケルト幻想文学の翻訳を公開中。訳書に、サーバン『人形つくり』(国書刊行会)、共訳書としてジーン・ウルフ『ピース』(国書刊行会)がある。
中野 善夫 Yoshio Nakano
1963年アメリカ合衆国テキサス州生まれ。立教大学理学研究科博士課程修了(理学博士)。英米幻想小説およびファンタジイ研究翻訳家。主な訳書に、ヨナス・リー『漁師とドラウグ』(国書刊行会)、シャロン・シン『魔法使いとリリス』(ハヤカワ文庫)、ヴァーノン・リー『教皇ヒュアキントス ヴァーノン・リー幻想小説集』(国書刊行会)、ロード・ダンセイニ『ウィスキー&ジョーキンズ ダンセイニの幻想法螺話』(国書刊行会)、フィオナ・マクラウド/ウィリアム・シャープ『夢のウラド F・マクラウド/W・シャープ幻想小説集』(国書刊行会)、ジェイムズ・ブランチ・キャベル『ジャーゲン』(国書刊行会)の他、共訳書として、ロード・ダンセイニ『世界の涯の物語』(河出書房新社)、『インクリングズ』(河出書房新社)などがある。
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