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私たちはまだ連帯できる――ほんとうの敵は資本主義だ。
1%の富裕層ではなく、「99%の私たち」のために、性差別・人種主義・環境破壊のない社会を。いまや世界中に拡がる女性たちの運動とも共鳴しながら、研究の第一線でも活躍するジェンダー学者たちが、性の抑圧をもたらす現代資本主義の終焉を呼びかける。分断を正確に認識することで、私たちはまだ連帯できる。
「99%のためのフェミニズムは反資本主義をうたう不断のフェミニズムである――平等を勝ち取らないかぎり同等では満足せず、公正を勝ち取らないかぎり空虚な法的権利には満足せず、個人の自由がすべての人々の自由と共にあることが確証されないかぎり、私たちは決して既存の民主主義には満足しない」(本文より)。
[出版社より]
原 書|Feminism for the 99%: A manifesto
著 者|シンジア・アルッザ、ティティ・バタチャーリャ、ナンシー・フレイザー
訳 者|惠愛由
出版社|人文書院
定 価|2,400円+税
判 型|四六判/上製
頁 数|170
ISBN|9784409241356
初 版|2020年10月
Contents
マニフェスト――分岐点
1 新たなフェミニズムの波がストライキを再構成する
2 リベラル・フェミニズムは崩壊した
──私たちは前に進まなければならない
3 私たちには反資本主義のフェミニズムが必要だ
──99%のためのフェミニズム
4 私たちは社会全体の危機のさなかを生きている
──そしてその根源は資本主義にある
5 資本主義社会におけるジェンダー的抑圧は、社会的再生産が利益目的の生産に従属していることに根ざしている
──私たちはその順番を正しくひっくり返したい
6 ジェンダーに基づく暴力には多くのかたちがあり、そのすべては資本主義と複雑に絡みあっている
──私たちはそれらすべてと闘うことを誓う
7 資本主義はセクシュアリティを規制しようとする
──私たちはそれを解放したい
8 資本主義は人種主義的・植民地主義的暴力から生まれた
──99%のためのフェミニズムは反人種主義かつ反帝国主義である
9 資本による地球の破壊から脱するために闘う
──99%のためのフェミニズムはエコ社会主義である
10 資本主義は本物の民主主義や平和と両立しない
──私たちの答えはフェミニスト的な国際主義である
11 99%のためのフェミニズムはすべてのラディカルな運動に反資本主義の反乱を呼びかける
あとがき
解説
訳者あとがき
Author
シンジア・アルッザ Cinzia Arruzza
ニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチ(the New School for Social Research)哲学科准教授。著書にA Wolf in the City: Tyranny and the Tyrant in Plato's Republic (2018, Oxford University Press)など。
ティティ・バタチャーリャ Tithi Bhattacharya
パデュー大学歴史学准教授。専攻は南アジア史。著書にThe Sentinels Of Culture: Class, Education, And The Colonial Intellectual In Bengal (2005, Oxford University Press)など。
ナンシー・フレイザー Nancy Fraser
ニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチ(the New School for Social Research)政治・社会科学科教授。翻訳書は向山恭一訳『正義の秤――グローバル化する世界で政治空間を再想像すること』(2012年、法政大学出版局)、共著に『再配分か承認か?――政治・哲学論争』(2012年、加藤泰史監訳、法政大学出版局)など。
Translator
惠 愛由 Ayu Megumi
1996年生まれ。同志社大学大学院文学研究科英文学専攻博士課程。専門は現代アメリカ文学、ジェンダー表象研究。BROTHER SUN SISTER MOONでベースとボーカルを担当。
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