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港町ブーヴィル。ロカンタンを突然襲う吐き気の意味とは……一冊の日記に綴られた孤独な男のモノローグ。
「物が「存在」であるように、自分を含めた人間もまた「存在」であることにロカンタンは気づく。そうだとすれば、われわれがこの世界に生きているのも偶然で、何の理由もないはずだろう。われわれはみな「余計な者」である。この発見は強烈で、作品全体に一種のアナーキーな空気を漂わせている。(中略)これは政治運動としてのアナーキズムの意ではなく、独りきりの孤立した人間が練り上げたラディカルな思想を指している。」(訳者あとがきより)
[出版社より]
著 者|ジャン=ポール・サルトル
訳 者|鈴木道彦
出版社|人文書院
定 価|1,900円+税
判 型|四六判/並製
頁 数|340
ISBN|9784409130315
初 版|2010年07月
Author
ジャン=ポール・サルトル Jean-Paul Charles Aymard Sartre
1905〜80年。パリに生れる。海軍技術将校だった父を亡くし、母方の祖父のもとで育つ。高等師範学校で哲学を学び、生涯の伴侶となるボーヴォワールと出会う。小説『嘔吐』(1938)、哲学論文『存在と無』(1943)で注目され、戦後「レ・タン・モデルヌ(現代)」誌を創刊。実存主義哲学の旗手として文筆活動を行い、知識人の政治参加を説いた。1964年、ノーベル文学賞に指名されるが辞退。
鈴木道彦 Michihiko Suzuki
1929年東京生まれ。東京大学文学部仏文学科卒業。一橋大学、獨協大学教授を経て、獨協大学名誉教授。M.プルースト『失われた時を求めて』(全13巻、集英社)の個人全訳で、2001年度讀賣文学賞、日本翻訳文化賞受賞。
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