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それは自発か、強制か?
日本のボランティアは、東京帝大の学生たちによる関東大震災後の救護活動およびセツルメントの開設に端を発する。だが、ヒトラー・ドイツに学んだ日本国家は彼らの社会貢献を制度化し、「勤労奉仕」に組み換える形で戦時体制に取り込んでゆく。20世紀史を鏡に、私たちの自発性と強制性の境を揺さぶる渾身の書。
[出版社より]
著 者|池田浩士
出版社|人文書院
定 価|4,500円+税
判 型|四六判/上製
頁 数|400
ISBN|9784409520772
初 版|2019年05月
Contents
序章 いまなぜ「ボランティア」なのか?
Ⅰ 日本の「ボランティア元年」――デモクラシーの底辺で
1 この私を待つ人たちがいる!
2 自発性と社会貢献の歴史を見つめなおすために
Ⅱ 自発性から制度化へ――奪われたボランティア精神
1 発展する国家を巨大自然災害が襲った
2 震災救護活動のなかで――ある大学生たちの歩み
3 「東京帝国大学セツルメント」の創生
Ⅲ ヒトラー・ドイツの「労働奉仕」――日本が学んだボランティア政策
1 ボランティア労働とナチズム
2 労働奉仕と自発性――そもそもボランティアとは何か?
3 自発性とファシズム――労働奉仕が歩んだ道
Ⅳ ボランティア国家としての「第三帝国」――結束と排除の総活躍社会
1 国民だれもがボランティアとなる
2 「帝国労働奉仕」の日々――数字と証言
3 ボランティアの日々、ホロコーストへの道
Ⅴ 「勤労奉仕」と戦時体制――日本を支えた自発性
1 大きな目標の達成に向けて――労働が青少年を組織する
2 銃後のボランティアたち――期待される女性と家庭
3 大陸の花嫁、特攻隊、愛路村――戦時下ボランティアの諸相
終章 迷路のなかのボランティア
1 世の中がボランティアを必要とする…
2 ボランティアの歴史と現実
Author
池田 浩士 Hiroshi Ikeda
1940年生まれ。ドイツ文学・ファシズム文化研究。京都大学名誉教授。主著に『ルカーチとこの時代』(平凡社、1975年)、『ファシズムと文学』(白水社、1978年)、『抵抗者たち』(TBSブリタニカ、1980年/増補新版=共和国、2018年)、『池田浩士コレクション』(インパクト出版会、刊行中)など。主編訳書として、『ルカーチ初期著作集』全4巻(三一書房、1975-76年)、『ドイツ・ナチズム文学集成』(柏書房、刊行中)など。
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