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じつに、ウルフ的、もっとも、実験的。
イマジズムの詩のような「青と緑」、姪のために書かれたファンタジー「乳母ラグトンのカーテン」、園を行き交う人たちの意識の流れを描いた「キュー植物園」、レズビアニズムを感じさせる「外から見たある女子学寮」など。
短篇は一つ一つが小さな絵のよう。言葉によって、時間や意識や目の前に現れる事象を点描していく。21世紀になってますます評価が高まるウルフ短篇小説の珠玉のコレクション。――ウルフは自在に表現世界を遊んでいる。
ウルフの短篇小説が読者に伝えるものは緊密さや美や難解さだけではない。おそらくこれまでウルフになかったとされているものもここにはある。 たぶんユーモアが、そして浄福感が、そして生への力強い意志でさえもここにはあるかもしれない。(「解説 ヴァージニア・ウルフについて 」より)
[出版社より]
著 者|ヴァージニア・ウルフ
編訳者|西崎憲
出版社|亜紀書房
定 価|1,800円+税
判 型|B6判/並製
頁 数|256
ISBN|978-4-7505-1692-9
発 行|2022年01月
Contents
ラピンとラピノヴァ……Lappin and Lapinova
青と緑……Blue & Green
堅固な対象……Solid Objects
乳母ラグトンのカーテン……Nurse Lugton's Curtain
サーチライト……The Searchlight
外から見たある女子学寮……A Woman's College from Outside
同情……Sympathy
ボンド通りのダロウェイ夫人……Mrs Dalloway in Bond Street
幸福……Happiness
憑かれた家……A Haunted House
弦楽四重奏団……The String Quartet
月曜日あるいは火曜日……Monday or Tuesday
キュー植物園……Kew Gardens
池の魅力……The Fascination of the Pool
徴……The Symbol
壁の染み……The Mark on the Wall
水辺……The Watering Place
ミス・Vの不思議な一件……The Mysterious Case of Miss V.
書かれなかった長篇小説……An Unwritten Novel
スケッチ
・電話……The Telephone
・ホルボーン陸橋……Holborn Viaduct
・イングランドの発育期……English Youth
解説 ヴァージニア・ウルフについて——西崎憲
年表
Author
ヴァージニア・ウルフ Virginia Woolf
1882年―1941年、イキリスのロンドンに生まれる。父レズリーは高名な批評家で、子ども時代から文化的な環境のもとで育つ。兄や兄の友人たちを含む「ブルームズベリー・グループ」と呼ばれる文化集団の一員として青春を過ごし、グループのひとり、レナード・ウルフと結婚。30代なかばで作家デビューし、レナードと出版社「ホガース・プレス」を立ち上げ、「意識の流れ」の手法を使った作品を次々と発表していく。代表作に『ダロウェイ夫人』『灯台へ』『波』など、短篇集に『月曜日か火曜日』『憑かれた家』、評論に『自分ひとりの部屋』などがある。
Translator
西崎 憲 Ken Nishizaki
1955年生まれ。翻訳家、作家。著書に『世界の果ての庭』『蕃東国年代記』『ヘディングはおもに頭で』『未知の鳥類がやってくるまで』『全ロック史』ほか。訳書に『郵便局と蛇』コッパード、『第二の銃声』バークリー、『ヘミングウェイ短篇集』など多数。電子書籍レーベル「惑星と口笛ブックス」主宰。
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