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ワイセツ論の政治学——走れ、エロス![増補改訂版]

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猥褻か? 芸術か? どころの騷ぎじゃない!!

チャタレイ夫人、悪徳の栄え、愛のコリーダ……、昭和の先人たちが挑んだ芸術論としての猥褻論争も今や昔。ネット社会化により混迷するワイセツ規制は、いまや「ブツ」から人々の「思考」そのものへと、その権域の拡大を試みる。海外配信から、準児童ポルノ、非実在青少年、JKリフレまで……。

「ヘア」解禁が話題となっていた1994 年に刊行された旧版を、大幅な加筆と註釈によりメタ的にリノベーション。エンタテインメント領域を中心に活躍する弁護士であり名画座「シネマヴェーラ渋谷」館主でもある著者が、昭和から現在までの豊富な判例をもとに、今日におけるワイセツ規制の問題点を実証的に描き出す。
[出版社より]


著 者|内藤篤
出版社|森話社
定 価|2,700円+税
判 型|四六判/上製
頁 数|288

ISBN|978-4-86405-123-1
発 行|2017年12月


Contents
プロローグ[1994/2017]

①───────────1994
   Ⅰ  発情するメディア───テクノロジーが駆動する欲望
   Ⅱ  まだ死ねずにいる猥褻裁判のために───チャタレイ夫人/サド/愛のコリーダ
   Ⅲ  越境の規則───税関という名の超絶理論体系
   Ⅳ  自主規制の政治学───映倫の存在理由
   Ⅴ  エンド・オブ・ザ・ロード───「有害」図書指定とは何であったのか
   Ⅵ  リベラリズムを超えて───フェミニズム・ポルノ批判異論
   幕間 メディア・セックスの彼方に───エピローグ[1994]

②───────────2017
   Ⅶ  「フリー経済」の果てに───ビデ倫摘発/海外配信
   Ⅷ  エロい芸術───エロと権力の付き合い方
   Ⅸ  エロと権力、ふたたび───準児童ポルノ/非実在青少年

エピローグ[2017]
あとがき




Author
内藤 篤 Atsushi Naito
1958年東京生まれ。弁護士、ニューヨーク州弁護士。2006年より名画座「シネマヴェーラ渋谷」館主。著書に『ハリウッド・パワーゲーム──アメリカ映画産業の「法と経済」』(1991年、TBSブリタニカ)、『エンタテインメント・ロイヤーの時代──弁護士が語る映像・音楽ビジネス』(1994年、日経BP出版センター)、『走れ、エロス!』(1994年、筑摩書房)、『エンタテインメント契約法[第3版]』(2012年、商事法務)、『円山町瀬戸際日記』(2015年、羽鳥書店)。共著に『パブリシティ権概説[第3版]』(2014年、木鐸社)、『映画・ゲームビジネスの著作権[第2版]』(2015年、CRIC)、『論集 蓮實重彦』(工藤庸子編、2016年、羽鳥書店)。翻訳書にハロルド・L・ヴォーゲル『エンターテインメント・ビジネス──その構造と経済』(1993年、リットーミュージック)など。

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