Using : ¥410 / 3 installments
女性を縛る結婚制度や社会道徳と対決し、貧乏に徹しわがままに生きたアナキスト、伊藤野枝。パートナーの大杉栄とともに国家に惨殺されるまでの二八年の生涯を、体当たりで描き話題を呼んだ、爆裂評伝。「あなたは一国の為政者でも私よりは弱い」。一〇〇年前を疾走した野枝が現代の閉塞を打ち破る! 解説=ブレイディみかこ
[出版社より]
編 者|栗原康
出版社|岩波書店[岩波現代文庫]
定 価|1,120円+税
判 型|文庫判
頁 数|280
ISBN| 9784006023164
初 版|2020年01月
Contents
はじめに
あの淫乱女! 淫乱女!/野枝のたたりじゃあ!/もはやジェンダーはない、あるのはセックスそれだけだ
第一章 貧乏に徹し、わがままに生きろ
お父さんは、はたらきません/わたしは読書が好きだ/わたしはけっしてあたまをさげない/きょうから、わたし東京のひとになる
第二章 夜逃げの哲学
西洋乞食、あらわれる/わたし、海賊になる/ど根性でセックスだ/だれかたすけてください、たすけてください/恋愛は不純じゃない、結婚のほうが不純なんだ/究極の夜逃げ
第三章 ひとのセックスを笑うな
青鞜社の庭にウンコをばら撒く/レッド・エマ/野枝の料理はまずくて汚い?/もっと本気で、もっと死ぬ気で、ハチャメチャなことをかいて、かいてかきまくれ/(一)貞操論争/(二)堕胎論争/(三)廃娼論争/大杉栄、野枝にホレる/急転直下、自分で自分の心がわからぬ!/約束なんてまもれない、結婚も自由恋愛もしったことか/カネがなければもらえばいい、あきらめるな!/オバケのはなし――葉山日蔭茶屋事件/吹けよあれよ、風よあらしよ/絶交だ、絶交である。
第四章 ひとつになっても、ひとつになれないよ
マツタケをください/すごい、すごい、オレすごい/亀戸の新生活――ようこそ、わが家へ/イヤなものはイヤなのだ/あなたは一国の為政者でも私よりは弱い/主婦たちがマジで生を拡充している/魔子は、ママのことなんてわすれてしまいました/結婚制度とは、奴隷制のことである/ひとつになっても、ひとつになれないよ/友情とは、中心のない機械である――そろそろ、人間をやめてミシンになるときがきたようだ/家庭を、人間をストライキしてやるんだ――この腐った社会に、怒りの火の玉をなげつけろ!
第五章 無政府は事実だ
野枝、大暴れ/どうせ希望がないならば、なんでも好き勝手にやってやる/絞首台にのぼらされても、かまうものか!/失業労働者よ、団結せよ/無政府は事実だ――非国民、上等! 失業、よし!/村に火をつけ、白痴になれ/わたしも日本を去り、大杉を追っていきます/国家の犬どもに殺される/友だちは非国民――国家の害毒は、もうバラまかれている
注
参考文献
写真出典
伊藤野枝略年譜
あとがき いざとなったら、太陽を喰らえ/はじめに行為ありき、やっちまいな
岩波現代文庫版あとがき
解説『村に火をつけ、白痴になれ』を語るとき、人は羨望し、祝福する……………ブレイディみかこ
Author
栗原 康 Yasushi Kurihara
1979年埼玉県生まれ。東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究。著書に『大杉栄伝 ―― 永遠のアナキズム』(夜光社)、『はたらかないで、たらふく食べたい ――「生の負債」からの解放宣言』(タバブックス)、『村に火をつけ、白痴になれ ―― 伊藤野枝伝』(岩波書店)、『現代暴力論 ――「あばれる力」を取り戻す』(角川新書)、『死してなお踊れ ――一遍上人伝』(河出書房新社)、『菊とギロチン ―― やるならいましかねえ、いつだっていましかねえ』(タバブックス)、『何ものにも縛られないための政治学 ―― 権力の脱構成』(KADOKAWA)など。
新商品やキャンペーンなどの最新情報をお届けいたします。