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モードの迷宮

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拘束したり、隠蔽したり……。衣服、そしてそれを身にまとう「わたし」とは何なのか。スリリングに語られる現象学的な身体論。

たとえば、このドレスはわたしの身体を覆っているのだろうか。逆に晒しているとはいえないだろうか。たとえば、衣服は何をひたすら隠しているのだろうか。いやむしろ、何もないからこそ、あれほど飾りたてているのではないだろうか。

ファッションは、自ら創出すると同時に裏切り、設定すると同時に瓦解させ、たえずおのれを超えてゆこうとする運動体である。そんなファッションを相反する動性に引き裂かれた状態、つまりディスプロポーションとしてとらえること、そしてそれを通じて、“わたし”の存在がまさにそれであるような、根源的ディスプロポーションのなかに分け入ってゆくこと、それが問題だ。サントリー学芸賞受賞作。解説=植島啓司。
[出版社より]


著 者|鷲田清一
出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫]
定 価|900円+税
判 型|文庫版/並製
頁 数|240

ISBN|9784480082442
刊 行|1996年01月


Contents
1 拘束の逆説
 意識の皮膚
 従順な身体
 シンデレラの夢
 誘惑の糸口
 騒がしい境界

2 隠蔽の照準
 泡だつ表面
 “肉”の回避
 最後のヴェール
 イマジネールな外縁
 同一性の遊び

3 変形の規則
 饒舌な可視性
 身体のシミュレーション
 “わたし”のもろさ
 無秩序に変えられるための秩序
 明るいニヒリズム?


Author
鷲田 清一 Kiyokazu Washida
1949年、京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。大阪大学総長などを経て、現在は京都市立芸術大学理事長・学長、せんだいメディアテーク館長。専門は哲学。現象学をベースに、臨床哲学、モード批評などを幅広く展開する。主な著書に『モードの迷宮』(ちくま学芸文庫、サントリー学芸賞)、『「ぐずぐず」の理由』(読売文学賞)、『「待つ」ということ』(以上、角川選書)、『〈ひと〉の現象学』(筑摩書房)、『哲学の使い方』(岩波新書)などがある。

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