

いっそあの方が死んで下すったなら 伊澤みゆき作品集
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少女小説の黎明期に、『少女画報』を舞台に数々の傑作を残した作家、伊澤みゆき。
その名と作品は長らく埋もれていたが、伊澤の作品が少女小説に与えた影響は大きく、吉屋信子は、「みんなが伊澤みゆきの作品がいいと思うように、自分の作品もそう思われたい」と語り、後に代表作となる『花物語』の第一編を『少女画報』に投稿したという。今あらためて、その文学的価値と独自の世界観が見直されている。
伊澤の作品には、甘く優しいだけではない、どこか影を帯びた「闇のオーラ」を放つ友愛小説が多く見られる。嫉妬や執着、ルッキズム――少女たちの内面に潜む痛みや陰りが、丁寧に、そして烈しく描かれ、百年前の少女たちの叫びは、今もなお私たちの心に鮮烈な衝撃をもたらす。
本書は、伊澤みゆき初の作品集であり、『少女画報』に掲載された全60篇を収録。テーマごとに5章に分け、彼女の多彩な作風を存分に味わえる構成とした。また、女性研究者たちによる詳細な解説も収録し、文学史的な視点からも伊澤の作品を掘り下げる一冊となっている。
[出版社より]
著 者|伊澤みゆき
出版社|国書刊行会
定 価|3,600円+税
判 型|四六判/上製
頁 数|504
ISBN|978-4-336-07764-6
発 行|2025年05月
Contents
Ⅰ「いっそあの方が死んで下すったなら──少女同士の愛」
Ⅱ「若く美しくお亡くなりに──追憶の人」
Ⅲ「余計なお世話よ──愛ちゃんのスケッチ」
Ⅳ「どうせわたしも捨てられた身だ──家庭の話」
Ⅴ「我は少女(おとめ )!──少女であること」
解說:永渕朋枝(神戸女子大准教授) /久米依子(日本大学文理学部特任教授
Author
伊澤 みゆき Miyuki Izawa
1890年宮城県仙台市生まれ。本名は伊澤英子(旧姓伊澤、のち伊東、須田)。父は医師の伊澤富次郎、伯父は東京師範学校長、東京音楽学校長を務めた伊澤修二。警視総監・台湾総督を歴任した伊澤多喜男は叔父で、劇作家の飯沢匡は従弟にあたる。妹のきみ子は宇野浩二の恋人で、小説『苦の世界』の主人公のモデル。
伊澤みゆきは1912年から16年にかけて、『少女画報』(東京社)に「闇に居て」「春も逝く」など60編もの少女小説を発表し、少女同士の熱い友情を描いた作品が読者から大きな支持を集めた。吉屋信子が同誌に『花物語』を投稿したのは、伊澤作品に魅了されたからだと述べている。『少女画報』の他にも、『青鞜』『赤い鳥』『処女地』『若草』に濱野雪・伊東英子の名で小説や童話を発表した。近年その作品は学術論文や研究誌でも取り上げられ、文学的な影響とその独自性が新たに評価されている。1973年没。
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