エレガンス入門
¥1,034
思想史、文化史、美学から現代の実践まで横断し、その力と技法を読みとく。
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エレガンスとは、優雅な振る舞いのことではありません。高価なものを身につけることでもありません。
エレガンスとは「どのように世界と関わるか」という判断の技法です。
古代ギリシアの身体観から宮廷の作法、近代の思想、科学の方法論、そして現代のビジネスや組織の設計に至るまで。エレガンスは時代を超えて、暴力と欲望を制御し、他者との距離を調整する知として機能してきました。それは装いに現れ、言葉に宿り、制度にまで及びます。美学であると同時に倫理であり、社会を動かす力として働いてきました。
アルゴリズムが「正解らしきもの」を出し続ける時代に、何を選び、何を退けるか。どこで踏みとどまるか。その判断の一つひとつが、人の品格と関係の質を形づくり、ひいては社会を変えていきます。
思想史・文化史・科学・ファッション・ビジネスを横断し、この曖昧で誤解されがちな概念を「人間理解のための思考の形式」として読み解く、前例のない試み。読むほどに世界の見え方が変わり、自分自身の振る舞いが変わる一冊です。
[出版社より]
著 者|中野香織
出版社|筑摩書房[ちくまプリマー新書]
定 価|940円+税
判 型|新書判・並製
頁 数|256
ISBN|978-4-480-68556-8
発 行|2026年05月
Contents
序 章 学問としてのエレガンスへ
Part Ⅰ エレガンスの思想
第1章 エレガンスの輪郭―美の概念として
第2章 思想史Ⅰ 古代―近世―暴力から距離を取る技法
第3章 思想史Ⅱ 近代―現代―「権威」から「区別」へ
第4章 ココ・シャネル―女性たちのアイコン
第5章 ダンディズム―男性たちの美学
第6章 美しい理論―科学が描き出すエレガンス
PartⅡ エレガンスの力
第7章 誰がエレガンスを決めるのか―「趣味」を支配する者たち
第8章 世界と仲良くしすぎないための技法―静かな反逆として
第9章 階級演出装置としてのエレガンス―特別であること
第10章 エレガンスの到達点―ロールス・ロイスと「説明しない品格」
終 章 AI時代のエレガンス
Author
中野 香織 Kaori Nakano
ラグジュアリー文化の専門家として著述・講演・教育・メディア出演・企業アドバイザリーに携わる。東京大学大学院修了、英ケンブリッジ大学客員研究員を経て、明治大学特任教授、青山学院大学客員教授などを歴任。2022年経済産業省「ファッションの未来研究会」委員。著書に『「イノベーター」で読むアパレル全史【増補改訂版】』(日本実業出版社)はじめ多数。共著に『新・ラグジュアリー――文化が生み出す経済10の講義』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。2022年「マリー・クワント展」では展覧会と図録の翻訳監修を務めた。