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母は甘やかなのか、重たいのか?
成績がよいことですべてが免罪される男たち。それを支える母と息子。その濃密な関係が日本社会の骨組みを作っている。
——男性にとって女性は恐るべき母でしかないとしたら、社会の中での女性への差別もミソジニーも当然かもしれない。
西原理恵子『毎日かあさん』、のぶみ『ママがおばけになっちゃった!』、古典ともいえる江藤淳『成熟と喪失』、村上春樹の小説群や、ひきこもり、教育ママ、相模原障害者殺人事件など、社会で起こる様々な事例を引きながら、母と息子の関係性をものさしとして、日本社会のいまを考える。
[出版社より]
著 者|品田知美
出版社|亜紀書房
定 価|1,700円+税
判 型|四六判・並製
頁 数|272
ISBN|978-4-7505-1649-3
初 版|2020年07月
Contents
まえがき
第1章 母親業はやめられない——過酷で甘美な母というお仕事
第2章 母は捧げる——自己犠牲という弱者の戦略
第3章 母の愛は有償である——イエの継承者をつくる
第4章 イギリスに「いい息子」はいない?——ジェントルマンの予備軍たち
第5章 母は稼いで世話もする——「ダメ息子」と「しっかり娘」のお約束
第6章 恐れられる母は女性蔑視を生む——マザコンを隠蔽するセクハラ
第7章 繭のなかから世界を眺める——幽閉される息子たち
第8章 豊かな世界と「ママっ子男子」の登場——友だち化する母と息子
第9章 「教育ママ」の現在と未来——マニュアルをつくる母親たち
第10章 母は見捨てる——切断する母の論理
第11章 母の喪失と崩壊——「父」なき社会の底知れぬ不安
終章 母と息子が離れるとき、日本は動き始める
あとがき
Author
品田 知美 Tomomi Shinada
社会学者、早稲田大学総合人文科学研究センター招聘研究員。
1964年三重県生まれ、愛知県育ち、2001年東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了。博士(学術)。城西国際大学福祉総合学部准教授などを経て、現職。専門は社会学。
著書に『〈子育て法〉革命――親の主体をとりもどす』(中公新書)、『平成の家族と食』(晶文社)などがある。
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