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弱さを肯定するところから、生まれるもの——。
強くあるために勇気を振り絞ろうとする。だが、そうやって強がろうとしても、勇気は湧いてこない。勇気は自分の「弱さ」と向き合いつつ、大切な人のことを思ったとき、どこかから湧出してくる——。
弱さを克服し、強くなることが善とされてきたが、それは本当だろうか? 自分と他者の弱さを見つめ、受け入れることから、信頼やつながりを育む真の強さが生まれるのではないか?
現代に鋭い問いを投げかけ続ける批評家が、危機の時代を生き抜くための叡智を、やさしく語る。
[出版社より]
著 者|若松英輔
出版社|亜紀書房
定 価|1,300円+税
判 型|四六変型判・並製
頁 数|160
ISBN|978-4-7505-1623-3
初 版|2020年08月
Contents
はじめに
1
・天耳(てんに)
・弱い自分
・おそれと向き合う
・弱さに学ぶ
・見えないものの復興
・賢者と「時」の感覚
・無常と情愛
2
・言葉のともしび
・遅れてきた新学期
・「弱さ」において「つながる」社会
・弱さの彼方にある光——敬意と愛と正義
・闇を照らす言葉
3
・いのちを守る
・いのちと経済をつなぐもの
・愛に渇く
・言葉に渇く
・言葉の護符
・仕事
おわりに
Author
若松 英輔 Eisuke Wakamatsu
1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて第14回三田文学新人賞評論部門当選、2016年『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)にて第2回西脇順三郎学術賞受賞、2018年『詩集 見えない涙』(亜紀書房)にて第33回詩歌文学館賞詩部門受賞、『小林秀雄 美しい花』(文藝春秋)にて第16回角川財団学芸賞、第16回蓮如賞受賞。
著書に『イエス伝』(中央公論新社)、『魂にふれる 大震災と、生きている死者』(トランスビュー)、『生きる哲学』(文春新書)、『霊性の哲学』(角川選書)、『悲しみの秘義』(ナナロク社、文春文庫)、『内村鑑三 悲しみの使徒』(岩波新書)、『種まく人』『詩集 幸福論』『詩集 愛について』『常世の花 石牟礼道子』『本を読めなくなった人のための読書論』『弱さのちから』(以上、亜紀書房)、『学びのきほん 考える教室 大人のための哲学入門』『詩と出会う 詩と生きる』(以上、NHK出版)、『霧の彼方 須賀敦子』(集英社)など多数。
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