感染症との闘いは人類に勝利をもたらすのか。防疫による封じ込めは、大きな悲劇の準備にすぎないのか。共生の道はあるのか。感染症と人類の関係を文明の発祥にさかのぼって考察し、社会が作り上げてきた流行の諸相を描き出す。共生とは理想的な均衡ではなく、心地よいとはいえない妥協の産物ではないのだろうか。
[出版社より]
著 者|山本太郎
出版社|岩波書店[岩波新書]
定 価|720円+税
判 型|新書版
頁 数|205
ISBN|978-4-00-431314-4
初版|2011年6月
Contents
プロローグ 島の流行が語ること
第1章 文明は感染症の「ゆりかご」であった
第2章 歴史の中の感染症
第3章 近代世界システムと感染症-旧世界と新世界の遭遇
第4章 生態学から見た近代医学
第5章 「開発」と感染症
第6章 姿を消した感染症
エピローグ 共生への道
付録 麻疹流行の数理
Author
山本太郎 Taro Yamamoto
1964年生まれ。1990年長崎大学医学部卒業。医師、博士(医学、国際保健学)。京都大学医学研究科助教授、外務省国際協力局を経て、長崎大学熱帯医学研究所教授。専門は国際保健学、熱帯感染症学。アフリカ、ハイチなどで感染症対策に従事。
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