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現実界に向かって

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ラカンの継承者ミレール、初めての入門書

ラカン自身により「私を読むことのできる少なくとも一人の人物」と評され、ラカン派の領袖として活躍する精神分析家ミレールの初めての入門書。哲学と精神分析、臨床、政治などのテーマのもと、その思想がコンパクトに論じられる。ラカンとともに、そしてラカンを超えて独自の歩みをみせる、現代ラカン派の良質な見取り図となる一冊。

「本書は、読者がミレールという人物について自分の意見をもつために十分な情報を提供する機会となるだろう。すくなくとも、私たち(筆者)はそうなることを望んでいる。とはいっても、本書がジャック= アラン・ミレールの思想のすべてを復元ないし要約していると主張する気はまったくない。しかしながら、私たちは彼の思想からアウトラインを引き出し、主要なテーゼを抜き出し、主張を明確にしたいと思う。一言でいえば、ミレールの思想の軌跡を描くことを試みたいのである」
[出版社より]


著 者|ニコラ・フルリー
訳 者|松本卓也
出版社|人文書院
定 価|2,400円+税
判 型|四六判/上製
頁 数|220

ISBN|9784409340554
初 版|2020年09月


Contents

言葉を愛する者
解明への情熱
政治的プラグマティズム

第一章 哲学から精神分析へ
サルトルの読解者としてのミレール
ルイ・アルチュセールからジャック・ラカンへ
真理の理論
主体の理論
ラカンの論理学的教義?
精神分析の方へ

第二章 精神分析臨床
分析経験
精神分析、心理学と精神医学
「繊細なもの」、あるいは実存の特異的なもの
精神分析は特異的なものの「科学」か?
精神医学臨床から精神分析臨床へ
精神病の問題
普通精神病
分析経験における情動
症状とファンタスム
症状の形式的外被
ファンタスムの論理
ファンタスムの横断――パス

第三章 ラカン的政治
毛沢東主義から政治の懐疑論へ
精神分析の倫理
精神分析からどのような政治が演繹できるか
文化における現実的袋小路
欲望は政治へと回帰するのか?
  
第四章 現実界に向かって
精神分析のパラダイムの変化
意味と現実界を分けること
シニフィカシオンから享楽へ
身体の出来事
現実的無意識
精神分析的解釈についての新たな帰結
解釈の時代の終焉
無意識は解釈する
ファンタスムの横断から症状への同一化
精神分析は偽装した快楽主義か?
人はみな妄想する

訳者解説
ミレールの著作目録



Author
ニコラ・フルリー Nicolas Floury
1978年生まれ。パリ第10大学にて、臨床心理士の資格と哲学の博士号を取得。主な著作に、『Elisabeth Roudinesco : une psychanalyste dans la tourmente』(2011)や、『De l'usage addictif : une ontologie du sujet toxicomane』(2016)などがある。現在は哲学と精神分析の関係についての研究に取り組んでいる。

Translator
松本 卓也 Takuya Matsumoto
1983年高知県生まれ。高知大学医学部卒業、自治医科大学大学院医学研究科修了。博士(医学)。専門は精神病理学。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。著書に『人はみな妄想する ジャック・ラカンと鑑別診断の思想』(青土社、2015年)、『発達障害の時代とラカン派精神分析』(共著、晃洋書房、2017年)、『創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで』(講談社メチエ、2019年)、『心の病気ってなんだろう』(平凡社、2020年)など。訳書にヤニス・スタヴラカキス『ラカニアン・レフト ラカン派精神分析と政治理論』(共訳、岩波書店、2017年)がある。

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