アフリカのンデンブ族の儀礼にみられる、豊かで複雑な象徴的事物。それは彼らにとって何を意味し、社会のどのような側面を映し出しているか。本書の前半では儀礼に対する現地の人々の解釈を収集し分析することで、その意味と構造を導き出す。
後半はファン・ヘネップの通過儀礼論を発展させた“反構造” “リミナリティ” “コムニタス”といった概念をもとに、宮廷の道化師、中世のフランシスコ修道会、さらにはヒッピーや、シェイクスピアの文学作品など、歴史・社会・文化の諸現象の理解を試みる。人類学の枠を越えて多分野に影響を与えた、象徴人類学の古典的名著。
[出版社より]
著 者|ヴィクター・W・ターナー
訳 者|冨倉光雄
出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫]
定 価|1,300円+税
判 型|文庫版/並製
頁 数|384
ISBN|978-4-480-51013-6
刊 行|2020年12月
Author
ヴィクター・W・ターナー Victor Witter Turner
1920‐83年。イギリスの人類学者。マンチェスター大学でグラックマンに師事。アフリカの部族社会の現地調査を行い、マンチェスター大学、コーネル大学、シカゴ大学、ヴァージニア大学で教授を務めた。儀礼やパフォーマンスの研究で知られ、象徴人類学の中心的存在である。
冨倉 光雄 Mitsuo Tomikura
1928‐2005年。茨城県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。専攻は比較宗教学、日本宗教史。埼玉県立衛生短期大学教授などを務めた。
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