SOLD OUT
無力な私たちは権力に対してどう声をあげるべきか?
チェコの劇作家、大統領ヴァーツラフ・ハヴェルによる全体主義をするどく突いた不朽の名著。真実の生をいきるために私たちがなすべきことは何か。
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すべてはロックミュージシャンの逮捕から始まった――。かれらの問題は自分たちの問題だと共鳴した劇作家は、全体主義の権力のあり様を分析し、「真実の生」、「もう一つの文化」の意義を説く。このエッセイは、冷戦体制下の東欧で地下出版の形で広く読まれただけでなく、今なおその影響力はとどまることを知らない。形骸化した官僚制度、技術文明の危機を訴える本書は、私たち一人ひとりに「今、ここ」で何をすべきか、と問いかける。無関心に消費社会を生きる現代の私たちにも警鐘をならす一冊。解説、資料「憲章77」を付す。本邦初訳。
[出版社より]
著 者|ヴァーツラフ・ハヴェル
訳 者|阿部賢一
出版社|人文書院
定 価|2,000円+税
判 型|四六判・上製
頁 数|154
ISBN|9784409031049
初 版|2019年08月
Contents
力なき者たちの力(一~二二)
資料 憲章77
訳注
解説
訳者あとがき
Author
ヴァーツラフ・ハヴェル Václav Havel
チェコの劇作家、大統領。1936年10月5日、プラハ生まれ。プラハの欄干劇場の裏方として働いたのち、戯曲『ガーデン・パーティ』(1963)で劇作家としてデビュー。不条理演劇の旗手として注目されるも、1970年代以降、公的な活動が制限される。1977年、スポークスマンの一人として「憲章七七」に参加。翌78年、「力なき者たちの力」執筆。ビロード革命を経て、1989年12月、チェコスロヴァキア大統領に就任。その後、チェコ共和国大統領を二期務め、2011年12月18日没。
Translator
阿部 賢一 Kenichi Abe
1972年、東京生まれ。 東京外国語大学大学院博士後期課程修了、博士(文学)。パリ第Ⅳ大学(DEA取得)、カレル大学で学ぶ。 現在、東京大学人文社会系研究科准教授。専門は、中東欧文化論、比較文学。 著書に『イジー・コラーシュの詩学』(成文社、2006)、『複数形のプラハ』(人文書院、2012)、『カレル・タイゲ ポエジーの探究者』(水声社、2017)、など。訳書に、フラバル『わたしは英国王に給仕した』(河出書房新社、2010/2019)、オウジェドニーク『エウロペアナ』(共訳、白水社、2014、第一回日本翻訳大賞)、フラバル『剃髪式』(松藾社、2014)、セイヤー『プラハ、20世紀の首都』(共訳、白水社、2018)、ベロヴァー『湖』(河出書房新社、2019)など。
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