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藤森照信のクラシック映画館

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はじめて解き明かされる日本の「映画館」の歴史!

“映画黄金期”と呼ばれた昭和30年代には7,000軒以上が存在していた映画館も、今や多くが消え、昔ながらの姿を留める館は100軒に満たない。本書では、世を風靡しながらも見過ごされてきた「映画館」の歴史を、藤森氏が丹念に掘り起こす。

浅草にはじまり、関東大震災後のバラックを経て、新宿(武蔵野館)、有楽町(日劇)へと爆発的拡大をとげ、大正期に全国へ広がった映画館はどのようにして作られたのか?地方にわずかに残る映画館の探訪記も含む、「娯楽の殿堂」の特異な軌跡!
[出版社より]


「僕らが毎週のようにつめかけた映画館は、どんな建物だったのかまったく覚えていない。夏は通路の窓はあけられ、暗幕がカーテンがわりで、天井には形ばかりの扇風機がいくつか回っているだけだった。それでも立ち見になり、ギュウギュウ詰めになり、やがて子供達は舞台によじのぼって、ゴロゴロ横になって、朝からズーッと同じ映画を暗くなるまで、見ていたっけ。昭和30年頃だったな」
——宮崎駿


著 者|藤森照信
写 真|中馬聰
出版社|青幻舎
定 価|2,500円+税
判 型|A5変型判
頁 数|232

ISBN|978-4-86152-595-7
初 版|2019年9月


Contents
はじめに 藤森照信

クラシック映画館への招待
 高田世界館(新潟県上越市)
 元宮映画劇場(福島県本宮市)
 旧八千代館(京都府京都市)
 内子座(愛媛県喜多郡)
 旭館(愛媛県喜多郡)

映画館建築の歴史
 一、浅草六区にはじまる
 二、大正期の映画館
 三、昭和の映画館

映画館で語る
 藤森照信×元宮映画劇場・田村修司
 「映写機やフィルムが残っているなんてみんな思ってなかった」
 藤森照信×旭館・森秀夫
 「町を支えた産業が消えても、その産業が遺したものは遺っている」

映写技師が歩いた“映画館東西” 2007-2019 写真・文 中馬聰

附録
映画館マップ
用語解説

おわりに 藤森照信
あとがき 中馬聰
図版撮影および出典、所蔵、提供一覧


Author
藤森照信 Terunobu Fujimori
1946年長野県生まれ。建築史家、建築家。東京大学名誉教授。著書に『日本の近代建築』『タンポポの綿毛』など多数。45歳で建築家としてデビュー以後、〈タンポポハウス〉、「ラ コリーナ近江八幡」の〈草屋根〉〈銅屋根〉など、自然と人工物が一体となった建物を多く手掛けている。

中馬聰 Satoshi Chuma
大阪府出身。映写技師として働くかたわら、2007年から全国の映画館を撮り続ける。著書に『中馬聰写真集 映画館』など。

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