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ゼロ年代のロシア文学とはなんだったのか。ソローキンなど数々の翻訳で知られる著者の初の単著にして、待望の現代ロシア文学論。
ソ連崩壊後のロシアでは、国家の形だけでなく文化や文学も多様化する。本書は90年代ロシアの新しい潮流として影響力を持った《ポストモダニズム》を軸に据え、ゼロ年代にいたる多彩なロシア文学の歩みを「一つの物語」として読む試み。現代思想やチェチェン戦争の影響など、現代ロシア文学をアクチュアルに一望する。
装幀:宗利淳一/装画:田辺耕世
[出版社より]
著 者|松下隆志
出版社|共和国
定 価|2,800円+税
判 型|菊変型判
頁 数|308
ISBN|978-4-907986-62-9
初 版|2020年2月
Contents
序章 ロシア・ポストモダニズムとは何か
第1章 ポストモダン的「空虚」の諸相
第2章 現実とノスタルジーの狭間で――「新しいリアリズム」の台頭
第3章 ザハール・プリレーピン、あるいはポスト・トゥルース時代の英雄
第4章 再定義される社会主義リアリズム――エリザーロフ『図書館大戦争』
第5章 交叉する二つの自由――自由の探求から不自由の自由へ
第6章 アイロニーの終焉――ポストソ連ロシアにおけるチェチェン戦争表象
第7章 身体なき魂の帝国――マムレーエフの創作における「我」の変容
第8章 ナショナルな欲望の再(脱)構築――二〇〇〇年代以降のソローキン
終章 ロシア文学のゆくえ
註
参考文献
あとがき
Author
松下隆志 Takashi Matsushita
1984年、大阪に生まれる。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。訳書に、ザミャーチン『われら』(光文社古典新訳文庫、2019)、ウラジーミル・ソローキン『テルリア』(2017)、同『親衛隊士の日』(2013)、同『青い脂』(共訳、2012、以上河出書房新社)など多数がある。
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