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「人間以後」の哲学 人新世を生きる

¥ 1,980

SOLD OUT

21世紀に入ってから、以前にもまして人類は、大地震、台風、集中豪雨などの自然災害に遭い、今また新しいウイルスとの共存という課題を目の前にしている。もちろん、日本も例外ではない。

ここに出現しようとしているのは、私たちが今まで意識することなく当たり前に存在することを前提にし、その中で生きていると思ってきた「世界」が根底から崩れ去ろうとしている状況ではないだろうか。その認識が示されているのが、2000年に提唱された地質時代の区分である「人新世」だろう。これは人類の著しい発展の末、地球規模の環境変化がもたらされる時代として定義される。そこでは、今まで当たり前だった世界は、まったく当たり前ではなくなる。

だが、そんな来たるべき時代にはどのような世界が出現するのか、そしてその世界の中で人間が「人間」であるための条件とは何か、そのとき私たちは何を拠り所にして生きていけばいいのか、といったことは、まだ問われ始めたばかりである。ドイツの哲学者マルクス・ガブリエル(1980年生)の名を知らしめた著作の表題になっている『なぜ世界は存在しないのか』という問いは、その一つの試みだと言うことができる。

本書は、ガブリエルのほか、近年日本語への翻訳が相次いでいる、カンタン・メイヤスー(1967年生)、ティモシー・モートン(1968年生)、グレアム・ハーマン(1968年生)といった1960年代生まれの哲学者たちを簡便に紹介しつつ、その思想を正面から検討し、日本の状況と照らし合わせる中で、これから先の世界と人間をめぐるさまざまな問いに答える方法を提示するものである。哲学・思想のみならず、建築や現代美術、演劇といった芸術の世界とも深くコミットしてきた著者が渾身の力を込めて書き上げた本書は、これまでの集大成であるとともに、「その先」に見える可能性を指し示すものにもなっている。

現代哲学の優れた概説書である本書が、同時に「予言の書」でもあることは、今後の時間の中で証明されることだろう。誠実に思索したいと思うすべての人に捧げる。
[出版社より]


著 者|篠原雅武
出版社|講談社[講談社選書メチエ]
定 価|1,800円+税
判 型|四六判/並製
頁 数|288

ISBN|978-4-06-520781-9
初 版|2020年08月


Contents
はじめに

プロローグ 2019.8.3
第1章 世界の終わり?
第2章 世界形成の原理──ガブリエルとメイヤスー
第3章 人間から解放された世界──ティモシー・モートン
第4章 「人間以後」の哲学──グレアム・ハーマン
第5章 人間の覚醒――柄谷行人
第6章 地下世界へ──フレッド・モーテン
第7章 新しい人間の条件──アーレントからチャクラバルティへ
エピローグ 2020.3.11


文献一覧
あとがき


Author
篠原 雅武 Masatake Shinohara
1975年、神奈川県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。大阪大学特任准教授などを経て、現在、京都大学総合生存学館(思修館)特定准教授。専門は、哲学・環境人文学。主な著書に、『公共空間の政治理論』(人文書院)、『空間のために』、『全‐生活論』(以上、以文社)、『生きられたニュータウン』(青土社)、『複数性のエコロジー』(以文社)、『人新世の哲学』(人文書院)など。主な訳書に、マヌエル・デランダ『社会の新たな哲学』(人文書院)、ティモシー・モートン『自然なきエコロジー』(以文社)など。

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