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感情史の始まり

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感情とは、感情史とは何か。近年、「感情」にアクセントを置いて学問のあり方を見直す動向が高まっている。「感情心理学」「感情の社会学」「感情の政治学」云々。歴史学の分野では、かつてリュシアン・フェーヴルが感情研究を提唱していたが、21世紀に入ってようやくさまざまな事件の理解や歴史文書の読み方に「感情」という新たな視点が導入されるようになった。動物やヒューマノイド機械にも感情はあるのか、感情は私たちの身体の外側に由来するのか内側に存在するのか、そして、感情は歴史を有するのか、そうだとしたらどのような史料から読み取れるのか。

このような基本的な問いを軸に、本書は感情史研究の過去・現在・未来を概観する。なかでも本書の特徴は、感情をめぐる社会構築主義と普遍主義という二つの考え方に正面から立ち向かう点だ。人間の感情は、人類学者たちが示してきたように、時代と地域と文化でそれぞれ異なる社会構築主義的なものなのか、それとも、脳科学者はじめ生命科学の領域で言われるように人類共通の普遍的なものなのか。著者はその二つの見方を架橋しながら、感情のあり方のグランドセオリーを展開し、歴史学における感情の扱い方の手法とその重要性を説く。哲学から図像分析まで、ジャンルを超えて縦横に論じる著者の叙述はじつに刺激的だ。

日本でもようやく注目されてきた感情史についての最も定評ある基本書であり、新しい人文学の可能性をひらく書でもある。
[出版社より]


原 書|GESCHICHTE UND GEFÜHL
著 者|ヤン・プランパー
監訳者|森田直子
訳 者|小野寺拓也・平山昇・辻英史・山根徹也・西山暁義
出版社|みすず書房
定 価|6,300円+税
判 型|四六判/上製
頁 数|608

ISBN|978-4-622-08953-7
初 版|2020年11月


Contents
序論 歴史と感情
1 感情とは何か
2 誰が感情を有するのか
3 感情はどこにあるのか
4 感情は歴史を有するのか
5 感情の歴史を書く際にいかなる史料を使えるのか

第一章 感情史の歴史
1 リュシアン・フェーヴルと感情
2 フェーヴル以前の感情史
3 フェーヴルの時代およびその後の感情史
4 感情史と9・11
5 バーバラ・H・ローゼンワインと感情の共同体

第二章 社会構築主義――人類学
1 感情の多様性
2 旅行記と初期の人類学における感情
3 人類学の古典における感情
4 1970年代における初期の感情人類学
  イヌイットの感情  「過大認識された」感情と「過少認識された」感情
5 言語論的転回と社会構築主義
  喜びのための首狩り  本物の感情を伝える媒体としての涙ではなく詩  社会構築主義の高み
6 ロザルド、アブー=ルゴド、ルッツ以外の社会構築主義
7 社会構築主義にもとづく感情の人類学――いくつかの暫定的結論
  補説 I 社会学
8 1990年代 I――社会構築主義後の人類学による感情研究
   補説 II 感情言語学
9 1990年代 II――社会構築主義と普遍主義との二元論の超克?
10 より新しい普遍主義的な感情人類学

第三章 普遍主義――生命科学
1 ポール・エクマンと基本感情
2 第三章の行程表
3 チャールズ・ダーウィンの『人および動物の表情について』(1872)――社会構築主義者と普遍主義者の戦場
4 感情心理学研究の始まり――気持ち、情念、心情変化がいかにして神学から心理学へと移り、その際に「感情」になったのかという問題
5 感情の実験室と実験室の感情――実験精神からの心理学的感情概念の誕生
6 いかにして社会的秩序の理念が脳の内部の秩序をも決定したのか
7 脳の感情的反応の探求
  キャノン=バード説  パペッツの情動回路  大脳辺縁系
8 フロイトに欠けている感情理論
9 1960年代以降の感情心理学の流行
10 感情の統合的な認知‐生理学理論――シャクター‐シンガー・モデル
11 評価する感情――認知心理学と評価モデル
12 神経科学、fMRIスキャニング、およびその他の画像処理法
13 ジョセフ・ルドゥーと恐怖への二経路
14 アントニオ・R・ダマシオとソマティック・マーカー仮説
15 ジャコモ・リッツォラッティ、ヴィットーリオ・ガッレーゼ、マルコ・イアコボーニ――ミラーニューロンと社会的感情
16 小人の肩の上で――人文・社会科学にとっての「トロイの木馬」としての神経科学
17 万国のアフェクタリアンよ、団結せよ! ハート、ネグリらに代表される神経科学
18 神経科学からの借用について――暫定的結論
19 あらゆる分断線を越えて――批判的神経科学との真の協働可能性
  機能特化、あるいは機能分化としても知られるもの  神経細胞の可塑性  社会神経科学

第四章 感情史の展望
1 『感情の航海術』――ウィリアム・M・レディによる社会構築主義と普遍主義の克服の試み
2 感情実践
  動員的感情実践  命名的感情実践  コミュニケーション的感情実践  調整的感情実践
3 ニューロヒストリー
4 感情史の射程
  政治史、社会運動、感情  経済史と感情  法制史と感情  メディア史と感情  オーラル・ヒストリー、記憶、感情  感情的存在としての歴史家
5 展望

結論

謝辞
訳者あとがき
用語解説
原注
主要文献目録
索引


Author
ヤン・プランパー Jan Plamper
1970年生まれのドイツの歴史家。ギムナジウム卒業後に渡米し、1992年にブランダイス大学卒業、2001年にカリフォルニア大学バークレー校で博士号を取得。その後ドイツに戻り、テュービンゲン大学やベルリンのマックス・プランク人間形成研究所で教育や研究に従事。2012年からロンドン大学ゴールドスミス・カレッジの歴史学教授、2018年からはケンブリッジ大学出版会の初歩叢書(エレメンツ・シリーズ)「感情と感覚の歴史」の編集主幹も務める。単著には、博士論文をもとにした英語の『スターリン崇拝─―権力の魔力についての考察』(2012)、ドイツ語の新著『新しい私たち─―なぜ移民はその一部なのか ドイツ人のもう一つの歴史』(2019)、編著書には、英語による『恐怖─―学問分野を超えて』(2012)ほか、ドイツ語、ロシア語によるものなど。既存の邦訳に「恐怖─―20世紀初頭のロシア軍事心理学における兵士と感情」(西山暁義訳『思想』1132号、2018年)。

Translator
森田 直子 Naoko Morita
1971年岡山県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学、ドイツ・ビーレフェルト大学歴史・哲学・神学部で博士号取得。立正大学文学部准教授。専門はドイツ近代史。著書にWie wurde man Bürger? Geschichte des Stadtbürgerrechts in Preuβen im 19. Jahrhundert (Frankfurt am Main et. al: Peter Lang, 2008)、論文に「メディアにみる近代ドイツの決闘試合」(『立正大学文学部論叢』142号、2019年)「感情史の現在」(『思想』1132号、2018年)「感情史を考える」(『史学雑誌』第125編第3号、2016)ほか。訳書にヨアヒム・ラートカウ『自然と権力─―環境の世界史』『ドイツ反原発運動小史─―原子力産業・核エネルギー・公共性』(ともに海老根剛との共訳、みすず書房、2012)など。本書では監訳以外に「序論(4, 5)、第三章(1の前半)、用語解説」の翻訳を担当した。

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