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明治洋画の開拓者・高橋由一が構想し、遂に未完に終わった「螺旋展画閣」(1881年)。時代の力動を体現するこの構想は、あるひとつの言葉、「美術」の生成と軌を一にしていた。由一の事業着想の背景、博覧会・美術館・美術学校など諸制度の誕生、フェノロサと国粋主義運動…。
入念な史料分析によって、官製訳語がいかにして成立し、定着=規範化していったか、その過程が明るみに出される。鮮烈なまでに露わとなるのは、「美術」という言葉が紛れもなく時代の分水嶺を象っていたことだ。制度論の視覚から結晶化していく概念史。それは、以降の美術史研究を一変させた。第12回サントリー学芸賞受賞。解説=足立元・佐藤道信。
[出版社より]
著 者|北澤憲昭
出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫]
定 価|1,500円+税
判 型|文庫版/並製
頁 数|464
ISBN|9784480510235
刊 行|2020年12月
Author
北澤 憲昭 Noriaki Kitazawa
1951年生まれ。美術評論家、美術史家。武蔵野美術大学客員教授、女子美術大学名誉教授
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