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超越論的なものは、新たな生を開始する——。
カント以降の哲学を相関主義として剔抉し、哲学の〈明日〉へ向かったメイヤスーに対し、現代生物学の知見を参照しつつカント哲学の読み直しを試みた注目作。理性のあらゆる経験に先立つとされるアプリオリなものは、もはや役立たずの概念なのか。遺伝子と環境のかかわりを探求するエピジェネティクスを手掛かりに、カントに、そして哲学そのものに新たな力を賦活する。
[出版社より]
「形而上学の脱構築よりも、そして認知論よりも根源的であろうとする思弁的実在論を、どう位置づけるべきなのか。一連の大転換のなかでカント哲学は、そして哲学それ自体は、どうなるのか。哲学の近年の情景を俯瞰しながら、こうした問いへの答えをつくりあげることは、私には重要だと思われた。この情景を彩ることになる主たるカント読解は、時間、思考と脳の関係、世界の偶然性という三つの問いにかかわっている」
——本書より
著 者|カトリーヌ・マラブー
訳 者|平野徹
出版社|人文書院
定 価|3,800円+税
判 型|四六判・上製
頁 数|370
ISBN|9784409030981
初 版|2018年06月
Contents
はじめに
序論
第一章 『純粋理性批判』のパラグラフ27
第二章 懐疑的態度におちいるカント読解
第三章 発生と後成的作用の差異
第四章 カントの「最小の前成説」
第五章 胚、種、種子
第六章 「新懐疑論」的テーゼとその進化
第七章 後成説からエピジェネティクスへ
第八章 暗号(コード)から書物へ
第九章 還元しがたきフーコー
第十章 時間、まったき問い
第十一章 〈一致〉はない
第十二章 袋小路のなかで
第十三章 合理性の後成的パラダイムに向けて
第十四章 超越論的なものを放棄することはできるのか
結論
訳者あとがき
参考文献
人名索引
Author
カトリーヌ・マラブー Catherine Malabou
1959年生まれ。英キングストン大学近代ヨーロッパ哲学研究センター教授。訳書に、『デリダと肯定の思考』(編著、高橋哲哉、高桑和巳、増田一夫訳、未来社、2001年)、『ヘーゲルの未来 可塑性・時間性・弁証法』(西山雄二訳、未来社、2005年)、『わたしたちの脳をどうするか ニューロサイエンスとグローバル資本主義』(桑田光平、増田文一朗訳、春秋社、2005年)、『新たなる傷つきし者 現代の心的外傷を考える』(平野徹訳、河出書房新社、2016年)がある。
平野徹 Toru Hirano
1967年生まれ。ストラスブール大学哲学部修士課程中退。仏語翻訳者。訳書に、シャルル・ドゥローネ『ジャンゴ・ラインハルト伝 ジャンゴ わが兄弟』(河出書房新社、2009年)、マラブー『新たなる傷つきし者』(河出書房新社、2016年)がある
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