SOLD OUT
われわれは既に「ポストヒューマン」の時代を生きている。にもかかわらず、なぜこれほどまでに現代社会に適応できず、存在することの不安に苦しんでいるのだろうか。この問いを考えることにこそ、技術に依存した楽観主義者の夢想でなく、また反技術主義への逃避でもない、「これからの人間」を語る可能性が残されているのだ――。
気鋭の研究者が現代思想やアートを論じつつ、「他者」と「技術」を媒介として「ポストヒューマン」な人間像を探求する《存在論的メディア論》。
[出版社より]
著 者|吉田健彦
出版社|共和国
定 価|2,800円+税
判 型|四六判/上製
頁 数|288
ISBN|978-4-907986-75-9
発 行|2021年12月
Contents
はじめに アメリカツガとポストヒューマン
第一章 閉じていく世界
他者
欲望の二重らせん
全体性とメディア
貫通
プンクトゥム
イコンと肖像画
世界のデジタル化
環境化するメディア技術
計数的な自然と存在の地図化
デジタルスティグマジー
第二章 世俗的な神
メタプログラム的世界観
テクノロジー無謬説とテクノデモクラシー
仮想化批判の仮想性
身体の喪失と残忍さ
記憶と記録
個人認証
3Dプリンタから世俗的な神へ
人新世
誰が人新世を見届けるのか
ポストヒューマンの人文学
第三章 別様の未来
除去可能性ノイズ
存在論的ノイズ
デジタル化される生命観
マイクロバイオームから他者原理へ
脳死者と人間の条件
語り出す石
信頼
メディオーム
バイオアート、木、そして全体性
memento mori
おわりに それで、きみは神になりたいのか?
注
あとがき
Author
吉田 健彦 Takehiko Yoshida
1973年、東京都に生まれる。東京農工大学非常勤講師、大阪府立大学客員研究員。東京農工大学連合農学研究科農林共生社会科学博士課程修了。博士(農学)。専門は、環境哲学、メディア論。共著に『環境哲学と人間学の架橋』(世織書房、2015)、『環境哲学のラディカリズム』(学文社、2012)がある。
新商品やキャンペーンなどの最新情報をお届けいたします。