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「一般的に病院の内科では、既往症のことをエピソードとも言う。そのエピソードがいくつか重なってメイジャーなものになると、ヒストリーとも言う」
編者のアメリカ文学研究における恩師 須山静夫氏の壮絶な半生を描いて話題となった『S先生のこと』(第61回日本エッセイスト・クラブ賞受賞)を書き終えた後、もう一人の恩師である大橋吉之輔氏(1924-93、慶應義塾大学名誉教授)のことを書かねばならないと思い立った。
大橋氏は、ヘミングウェイ、スタインベック、フォークナーといったアメリカ文学の研究、翻訳の大家として知られる。中でもシャーウッド・アンダスン研究の世界的権威であった。
しかし、その死から20年余り。記憶を辿るには遠くなった恩師の生涯を恩師自身に語ってもらうべく、書き残された文章を収集することから始めた。そうして選ばれた46篇の文学論やエッセイは、晩年に至って「私小説」の領域に近づく。
編者によるサイドストーリーを交えて描き出される、ユニークで傑出したある文学者の生涯。
[出版社より]
著 者|大橋吉之輔
編 |尾崎俊介
出版社|トランスビュー
定 価|2,700円+税
判 型|四六判/並製
頁 数|384
ISBN|9784798701820
初 版|2021年10月
Contents
小伝 大橋吉之輔先生
第1章 「大橋吉之輔」の形成
ヒロシマ・ひろしま・広島
菊池寛のトランク ほか
第2章 先生の文学論
アメリカ文学へのアプローチ
スタインベックの文学 ほか
第3章 仕事・クルマ・映画・古本
貧乏性
ヘミングウェイ架空会見記 ほか
第4章 晩年の先生
天邪鬼
インディアン ほか
第5章 最後のエッセイ
シカゴ再訪
ジョン・アンダスンのこと ほか
大橋吉之輔著作目録
Author
大橋吉之輔[オオハシキチノスケ]
1924‐1993。アメリカ文学者。慶應義塾大学名誉教授。東京大学英文科卒業。高校教師、雑誌編集などを経た後に、1952年より慶應義塾大学文学部で教鞭を執った。日本におけるアメリカ文学研究の黎明期を支えた一人。シャーウッド・アンダスン研究の世界的権威として知られ、『アンダスンと三人の日本人―昭和初年のアメリカ文学』(1984年、研究社出版)で日米友好基金特別図書賞を受賞
Editor
尾崎 俊介 Shunsuke Ozaki
1963年、神奈川県生まれ。愛知教育大学教授。慶應義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻後期博士課程単位取得。専門はアメリカ文学・アメリカ文化。著書に『S先生のこと』(新宿書房、第61回日本エッセイスト・クラブ賞)などがある
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