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技術的に可能なら、人工的に“人のいのち”をつくり変えてもよい?
誰もが願う「より健康に、より長く生きたい」という希望。iPS細胞による再生医療をはじめ、出生前診断、遺伝子治療やロボット技術――最新のバイオテクノロジーに根差す現代医療は、その願いを着実に実現しつつあり、「病気や老化を克服する」可能性さえも見えてきた。
ところが、従来不可能であったことが「できてしまう」ようになることで、私たちはこれまで想像もしなかった課題に直面しつつある。それはたとえば、「技術的に可能なら、人工的に人のいのちをつくり出してもよいのか?」「身体の特徴や能力、知性などを親が好きに選んで、子どもをデザインしてもよいのか?」など、今日の倫理観では対処できないようなジレンマだ。そしてそれらは、テクノロジーが発展するほどにますます複雑になっていく。人がただ望むままに進んでいくならば、私たちはやがて「いのちをつくり変える」領域に踏み込んでしまうのではないか。
本書では、バイオテクノロジーがもたらすこのような治療を超えた医療=エンハンスメントの課題と、生命科学と深く結びついた現代、そして未来の社会を生きるための新しい“いのちの倫理”を、読者とともに「哲学的」に考えていく。
[出版社より]
著 者|島薗進
出版社|NHK出版
定 価|1,300円+税
判 型|四六判・並製
頁 数|240
ISBN|978-4-14-081694-3
発 行|2016年01月
Contents
序章 生命科学の“夢”と“限界”
第1章 身体を“改造”すれば幸せに?――治療を越えた“エンハンスメント”
第2章 「理想の子ども」を選べるなら――出生前診断と“産み分け”
第3章 いのちをつくり変えてもいいですか?――iPS細胞と再生医療の夢
第4章 「すばらしい新世界」には行きたくない?――ある未来予想図
第5章 「いのちは授かりもの」の意味――マイケル・サンデルが問いかける
第6章 小さないのちの捉え方――「中絶」といのちの始まりの倫理
第7章 つながりのなかに生きるいのち――「脳死」に見る死生観
終章 個のいのち、つながるいのち
Author
島薗進 Susumu Shimazono
1948年東京都生まれ。東京大学文学部宗教学科卒業。同大学院人文科学系研究科博士課程単位取得退学。東京大学大学院人文社会系研究科名誉教授。現在、上智大学神学部特任教授、同グリーフケア研究所所長。主な研究領域は、近代日本宗教史、比較宗教運動論、死生学。
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