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翻訳のスキャンダル 差異の倫理にむけて

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「よい翻訳」とはなにか?

翻訳研究(トランスレーション・スタディーズ)の第一人者による代表的著作にして古典、待望の邦訳。差異を見つめ、よく読み、よく訳すための必読書。


翻訳がなぜスキャンダラスなのか──それは世界の文化、政治、経済を覆う不平等を暴いてしまうからだ。

本書の著者、ローレンス・ヴェヌティは、翻訳研究の第一人者のひとりである。ヴェヌティは言う──現今翻訳が置かれている状況こそ、スキャンダルなのだ。企業や政府、宗教団体、出版社などは、いまや翻訳なしには成り立たない。だがそれゆえに、翻訳に着目することで、それらが暗黙の裡に依拠する不均衡が暴かれる。

聖書、ホメロスの詩、プラトンの議論、ウィトゲンシュタインの理論、日本や西アフリカの小説、広告、ビジネス・ジャーナリズム……。多様な分野の事例を通じて、複雑でデリケートな諸問題が追及される。

世の主流の価値観におもねる「同化」的圧力に抗して、マイノリティの声に耳を傾け、多様性を擁護する「異化」的翻訳を提唱する本書こそ、グローバル時代を生きるために必読の書である。
[出版社より]


著 者|ローレンス・ヴェヌティ
訳 者|秋草俊一郎・柳田麻里
出版社|フィルムアート社
定 価|2,600円+税
判 型|四六判/並製
頁 数|408

ISBN|978-4-8459-2106-5
初 版|2022年05月


Contents
イントロダクション

第一章 異種性
 マイナー文学を書くということ/マイノリティ化プロジェクト/言語学の限界/科学的モデル

第二章 著者性
 二次的な著者性/学問のバイアス/翻訳の再定義

第三章 著作権
 現況/矛盾まみれの「独自な著者性」/翻訳者の著者性の根拠/救済策

第四章 文化的アイデンティティの形成
 外国文化の表象/国内の主体の創造/翻訳の倫理

第五章 文学の教育
 教室での翻訳/翻訳文学の教育学

第六章 哲学
 翻訳により得られるもの/哲学翻訳の方略

第七章 ベストセラー
 受容/編集と翻訳/ハイブラウのベストセラー

第八章 グローバリゼーション
 商業と文化の非対称/トランスナショナル・アイデンティティ/抵抗としての翻訳/モダニティを翻訳する/場所の倫理

訳者あとがき 秋草俊一郎


Author
ローレンス・ヴェヌティ Lawrence Venuti
1953年生まれ。コロンビア大学で博士号取得後、テンプル大学で40年にわたって教鞭をとった。現在はテンプル大学名誉教授。北米における翻訳研究(トランスレーション・スタディーズ)の第一人者として知られ、その同化・異化概念は後続の研究に影響をあたえた。著書に『翻訳者の不可視性──ある翻訳の歴史』(1995)、『翻訳はすべてを変える──理論と実践』(2013)、編著に『トランスレーション・スタディーズ・リーダー』(初版2000、第4版2021)がある。自身、イタリア語・フランス語・カタルーニャ語の翻訳者としても活動し、数々の賞を受けている。

Translator
秋草 俊一郎 Shunichiro Akikusa
1979年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)。
現在、日本大学大学院総合社会情報研究科准教授。専門は比較文学、翻訳研究など。
著書に、『「世界文学」はつくられる 1827–2020』、『アメリカのナボコフ──塗りかえられた自画像』など。訳書にクルジジャノフスキイ『未来の回想』、バーキン『出身国』、アプター『翻訳地帯──新しい人文学の批評パラダイムにむけて』(共訳)、レイノルズ『翻訳──訳すことのストラテジー』などがある。

柳田 麻里 Mari Yanagita
1988年生まれ。上智大学国際教養学部卒業、日本大学大学院総合社会情報研究科博士前期課程修了。現在、出版物やメディカル文書の翻訳者として活動中。

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