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戦う姫、働く少女

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ジブリの少女やディズニープリンセスは何と戦い、どう働いたのか。それは現代女性の働きかたを反映していた―。『逃げ恥』から『ナウシカ』まで。現代のポップカルチャーと現代社会を縦横無尽、クリアに論じる新しい文芸批評が誕生!
[出版社より]


著 者|河野真太郎
出版社|堀之内出版
定 価|1,800円+税
判 型|四六判・並製
頁 数|240

ISBN|978-4-906708-98-7
発 行|2017年07月


Contents
はじめに

第一章 『アナと雪の女王』におけるポストフェミニズムと労働
 革命的フェミニスト・テクストとしての『アナと雪の女王』
 二人のポストフェミニストの肖像
 トップ・ガールズとブリジットたちの和解?
 シェリル・サンドバーグは存在しない――グローバル資本主義とその本源的蓄積
 労働なき世界と「愛」の共同体

第二章 無縁な者たちの共同体――『おおかみこどもの雨と雪』と貧困の隠蔽
 承認と再分配のジレンマ
 『おおかみこどもの雨と雪』と貧困の再生産
 ポスト・ビルドゥングスロマンと成長物語の変遷
 『ハリー・ポッター』、『わたしを離さないで』と多文化主義
 無縁な者たちの共同体
 コーダ 現代版『ライ麦畑でつかまえて』としての『僕だけがいない街』

第三章 『千と千尋の神隠し』は第三波フェミニズムの夢を見たか?——アイデンティティの労働からケア労働へ
 フェイスブックという労働
 『魔女の宅急便』のポストフェミニズム
 『千と千尋の神隠し』は第三波フェミニスト・テクストか?
 『逃げるは恥だが役に立つ』?─―依存労働の有償化、特区、家事の外注化

第四章 母のいないシャカイのユートピア──『新世紀エヴァンゲリオン』から『インターステラー』へ
 スーパー家政婦、あらわる
 『インターステラー』の母はなぜすでに死んでいるのか?
 『インターステラー』の元ネタは『コンタクト』なのか?
 『コンタクト』と新自由主義のシャカイ
 セカイ系としての『インターステラー』
 『エヴァ』とナウシカのポストフェミニズム
 コーダ1 AIの文学史の可能性──『ひるね姫』と『エクス・マキナ』
 コーダ2 矛盾の回帰?─―『ゴーン・ガール』と『WOMBS』

第五章 『かぐや姫の物語』、第二の自然、「生きねば」の新自由主義
 「生きろ/生きねば」の新自由主義
 『風の谷のナウシカ』における自然と技術の脱構築
 技術と自然の脱構築と労働の隠蔽
 『風の谷のナウシカ』、『寄港地のない船』、(ポスト)冷戦の物語
 罪なき罰と箱庭

終章 ポスト新自由主義へ
 没落系ポストフェミニストたち
 主婦が勝ち組?─―ハウスワイフ2・0から『逃げ恥』へ
 セレブ主婦の蜃気楼
 貧困女子の奮起
 エイミーたちの願いとジンジャーたちの連帯


Author
河野 真太郎 Shintaro Kono
専修大学教授。1974年山口県生まれ、一橋大学大学院商学研究科准教授を経て2019年4月より現職。関心領域はイギリスの文化と社会。著書に『〈田舎と都会〉の系譜学』(ミネルヴァ書房、2013年)、共著に『文化と社会を読む 批評キーワード辞典』、(研究社、2013年)訳書にピーター・バーク『文化のハイブリディティ』(法政大学出版局、2012年)、共訳書にレイモンド・ウィリアムズ『共通文化に向けて―文化研究1』(みすず書房、2013年)など。

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