加害者への憎悪が煽られ、死刑を存置し続ける社会は何かを失っていないか。小説家が根源から問う。
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死刑廃止の国際的な趨勢に反し、死刑を存置し続ける日本。支持する声も根強い。しかし、私たちは本当に被害者の複雑な悲しみに向き合っているだろうか。また、加害者への憎悪ばかりが煽られる社会は何かを失っていないだろうか。「生」と「死」をめぐり真摯に創作を続けてきた小説家が自身の体験を交え根源から問う。
[出版社より]
著 者|平野啓一郎
出版社|岩波書店
定 価|1,200円+税
判 型|四六判/上製
頁 数|140
ISBN|9784000615402
初 版|2022年06月
Contents
・死刑は必要だという心情
・「なぜ人を殺してはいけないのか」の問いに向き合って
・多面的で複雑な被害者の心に寄り添うとは──「ゆるし」と「憎しみ」と
・なぜ死刑が支持され続けるのか
・「憎しみ」の共同体から「優しさ」の共同体へ──死刑の廃止に向けて
注
あとがき
付録 死刑に関する世界的な趨勢と日本
(1)死刑廃止国と存置国
(2)二〇二〇年に死刑を執行した国と件数
(3)日本の死刑執行者数と確定者総数の推移
(4)死刑をめぐる日本の世論
Author
平野 啓一郎 Keiichiro Hirano
1975年,愛知県生まれ.北九州市出身.1999年,京都大学法学部在学中に投稿した『日蝕』により芥川賞受賞.数々の作品を発表し,各国で翻訳紹介されている.2020 年からは芥川賞選考委員を務める.主な著書は,小説では『葬送』『滴り落ちる時計たちの波紋』『決壊』(芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)『ドーン』(Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞)『空白を満たしなさい』『透明な迷宮』『マチネの終わりに』(渡辺淳一文学賞受賞)『ある男』(読売文学賞受賞)『本心』等,エッセイ・対談集に『本の読み方 スロー・リーディングの実践』『小説の読み方』『私とは何か 「個人」から「分人」へ』『「生命力」の行方──変わりゆく世界と分人主義』『考える葦』『「カッコいい」とは何か』等がある.
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