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便利で安定した現在の米供給システムは、ありがたいもの。しかし、効率のみを重視するあまり、稲作から炊飯まで、「米をくう」営みの中に溢れていたつくる喜びや楽しみも、失われてきたのではないでしょうか?
安定した米供給システムを土台にするからこそ、安心して、思いっきり「米をくう」で遊ぶ。そんな新しい社会は、どうやったら実現できるのか?
そんな想いを胸に、本号では、『まぁまぁマガジン』編集長で文筆家の服部みれいさん、『米の日本史』などで知られる稲作文化研究の第一人者・佐藤洋一郎さん、『小さな田んぼでイネづくり』などの著者で、石垣島で稲作に取り組む笹村出さんをはじめ、各領域で、常識に囚われず、探究と実践を繰り返してきた先輩たちとの対話を通じて、これまでにない新しいものの見方や問い、余白に触れてきました。
同時に、稲作から炊飯まで、「米をくう」にまつわる営みを文明、テクノロジー、文化、技と知恵の各視点から深掘っていくことで、「米をくう」に対して、従来とは全く異なる新たな見方ができるようになりました。
できることならば皆さまと、この面白すぎた探究の道程のワクワク感を共有するとともに、この先「米をくう」で一緒に遊ぶ遊び相手になってもらえたらいいな。そんなことを考えながら、丁寧に編んだ渾身の一冊となっております。
[編集部より]
発酵人|施依依
編集長|おぼけん
発酵元|一般社団法人新百姓
定 価|3,150円
判 型|B5変形判/並製
頁 数|254[フルカラー]
発 酵|2024年10月
◾️ 雑誌『新百姓』とは
『新百姓』では、「なぜ人類はいまだに毎日を遊んで暮らせないのか?」(Why can’t we be playful everyday?)を根底の問いに掲げています。
効率性や規模の拡大を最優先に追求する経済のあり方、人間一人ひとりがそれに従順であるように求められる巨大な社会システム。そういったものに疑問を持ち、それを単に敵として抗うのではなく、その巨大なシステムすら遊び道具として活用する、そんな新しい生き方を探究している人たちの問いと実践の物語を紹介する雑誌です。
毎号、古来から人間が行ってきた根源的な営みを1つずつ特集テーマに掲げ、その意味を深め、捉え直して転回することを試みます。2号のテーマは、「米をくう」です。
■ 2号は限定8,888冊
雑誌『新百姓』は発行部数を限定し、それ以上の増刷を行いません。裏表紙に印字してある番号「123※/6966」は、「個体番号※/総発行部数」を示すことで、書籍の固有性と価値を証明します。なお本書の内容自体は、WEBにて日英中3ヶ国語にて、公開いたします。
このような発行部数限定制を導入した背景は、大好きなまちの書店と、そんな書店があるまちの景色を守りたいからです。書籍自体の発行部数が限定されることで、まちの書店が「ここにしかないもの」のある貴重な場所になっていく。これは、わたしたちにとって、つくっては余らせ、大量に捨てる現在の出版や流通のあり方とは違う、新しい出版と書店のあり方を模索する試みです。新しい試みですので、なにかとご不便をおかけすることもあるかもしれません。ともにこの企みの仲間として、楽しんでいただければ幸いです。
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