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1871年の「解放令」発布から現代にいたるまで、人々の意識に内面化され維持されてきた被差別部落の差別構造をていねいに解き明かす一冊。原著刊行後の動向を入れた増補版。
[出版社より]
著 者|黒川みどり
出版社|平凡社[平凡社ライブラリー]
定 価|1,700円+税
判 型|B6変型判/並製
頁 数|320
ISBN|9784582769388
発 行|2023年01月
Contents
第1章 近代国家の成立と再編される身分
1 賤民身分の廃止
2 「開化」と「旧習」のはざま
3 「異種」という眼差し
4 「家」/地方制度の成立と排除される被差別部落
第2章 帝国のなかの部落問題
1 部落問題の「発見」-部落改善政策の開始
2 浸透する人種主義
3 大日本帝国の一体化を求めて-「融和」の浮上
4 「暴民」像の形成-米騒動と部落問題
第3章 解放か融和か
1 自力解放を求めて
2 「エタ」としての誇り-全国水平社の創立
3 被差別部落の女性と婦人水平社
4 「無産階級」の一員として
5 「融和」をめぐる対立-中央融和事業協会
第4章 「国民一体」と人種主義の相克
1 「国民一」をめぐるせめぎ合い
2 新体制へのへの期待と現実
3 「人種」から「民族」へ
4 資源調整事業への動員
第5章 戦後改革のなかで
1 部落解放運動の船出
2 戦後改革・復興と被差別部落
3 高度成長と広がる格差
第6章 「市民社会」への包摂から“いま”へ
1 部落解放運動の高揚と分裂
2 部落解放運動の再点検
3 「部落民」であること
4 「人権」のなかの部落問題
おわりに
平凡社ライブラリーあとがき
Author
黒川 みどり Midori Kurokawa
早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業。博士(文学)。現在、静岡大学教授。日本近現代史。『共同性の復権――大山郁夫研究』(信山社、2000年)、『つくりかえられる徴――日本近代・被差別部落・マイノリティ』(解放出版社、2004年)、『近代部落史――明治から現代まで』(平凡社新書、2011年)、『描かれた被差別部落――映画の中の自画像と他者像』(岩波書店、2011年)、『差別の日本近現代史――包摂と排除のはざまで』(共著、岩波書店、2015年)、『創られた「人種」――部落差別と人種主義』(有志舎、2016年)、『評伝竹内好――その思想と生涯』(共著、有志舎、2020年)など。
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