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イメージ、それでもなお——アウシュヴィッツからもぎ取られた四枚の写真
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監視の目を盗み、ゾンダーコマンドによって撮影された四枚の写真から、アウシュヴィッツの真理に触れることはできるのか。 もっと遠くにまで届くはずだ――。 アウシュヴィッツの被収容者たちが命がけで撮影して送り届けた、たった四枚のフィルムの切れ端。そこには地獄のすべてが写っているのか。クロード・ランズマンやジャン゠リュック・ゴダールとの対話を通じ、想像を絶する体験をそれでもなお想像するための微かな道を切り開く。 [出版社より] 著 者|ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 訳 者|橋本一径 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|2,400円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|408 ISBN|9784582769890 発 行|2025年05月 Contents Ⅰ イメージ、すべてに抗して 地獄からもぎ取られた四枚のフィルムの切れ端 想像不可能なものすべてに逆らって 歴史の目の只中で 似たもの、似ざるもの、生き残るもの Ⅱ 全体的なイメージに抗して イメージ゠事実あるいはイメージ゠フェティッシュ イメージ゠アーカイヴあるいはイメージ゠外観 イメージ゠モンタージュあるいはイメージ゠噓 似ているイメージあるいは見せかけのイメージ 原注 訳注 初出に関する注記 訳者あとがき 平凡社ライブラリー版 訳者あとがき 解説 歴史の症候――希望としてのイメージ 田中 純 索引 Author ジョルジュ・ディディ=ユベルマン Georges Didi-Huberman 1953年フランス中部リヨン近郊サン=テティエンヌ生。リヨン大学で美術史と哲学を修めた後、パリ社会科学高等研究員(EHESS)に移る。1984年からはイタリアやアメリカで海外研究を行い、パリ大7大学勤務を経て、1990年よりパリ社会科学高等研究員助教授。著書はすでに20冊を超える。旺盛な執筆活動に加え、国際学会・シンポジウムでの発表や展覧会企画なども積極的に行っている。 Translator 橋本 一径 Kazumichi Hashimoto 1974年生。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、早稲田大学教授。専攻、表象文化論。
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啓蒙の海賊たち あるいは実在したリバタリアの物語
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西洋なんて存在しなかった? 近代知の起源とされる「啓蒙思想」は、ヨーロッパ貴族のサロンではなく、じつはマダガスカルの海賊と女性たちの社会実験によって創造されたのではないか。海賊王国の知湧き心躍る「本当の」歴史をたどり直し、自由、国家、民主主義をめぐる無数の常識をくつがえす。グレーバー生前最後の著作。 [出版社より] 著 者|デヴィッド・グレーバー 訳 者|酒井隆史 出版社|岩波書店 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|230 ISBN|9784000616850 発 行|2025年04月 Contents 序 文 (とびきり)ラディカルな啓蒙主義 第一部 マダガスカル北東部の海賊と偽王 海賊がマダガスカルにやってきた 掠奪品の問題 サントマリーの実体経済 実在のリバタリアⅠ──アンブナヴラ さらなる偽王、ジョン・プランタン 年代にかんするいくつかの問題 第二部 マダガスカル人の目に映った海賊の来訪 アブラハムの子孫たちに抗する性革命? 政治のコマとしての女性 女商人と魔法のお守り 家内の諸事象 軍事的権力と性的権力の対立について 第三部 海賊の啓蒙 発端の状況 最初の挑戦 大カバリ 誓約儀礼 王になったラツィミラフ 英雄たちの戦い 宮廷と王国、そしてザナマラタの台頭 結 論 実在のリバタリアⅡ──ベツィミサラカ連合 地 図 海賊と啓蒙の時系列 訳者あとがき 文献注 参考文献 Author デヴィッド・グレーバー David Graeber ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス人類学教授.単著に『負債論──貨幣と暴力の5000年』『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』,共著に『万物の黎明──人類史を根本からくつがえす』など.「ハーパーズ・マガジン」「ガーディアン」「バフラー」などの新聞雑誌に寄稿.思想家・活動家としても名高く,ズコッティ公園の集会をオキュパイ・ウォールストリート運動につなげた.2020年9月2日死去. Translator 酒井 隆史 Takashi Sakai 1965年生まれ.大阪公立大学教授.専門は社会思想,都市史.著書に『通天閣』(青土社,サントリー学芸賞),『暴力の哲学』『完全版 自由論』(ともに河出文庫),『賢人と奴隷とバカ』(亜紀書房)など.訳書にデヴィッド・グレーバー『負債論』(共訳,以文社),『官僚制のユートピア』(以文社),『ブルシット・ジョブ』(共訳,岩波書店),グレーバー+デヴィッド・ウェングロウ『万物の黎明』(光文社),ピエール・クラストル『国家をもたぬよう社会は努めてきた』(洛北出版)など.
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新版 女から生まれる
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創立65周年記念 アドリエンヌ・リッチ三部作、待望の復刊! 1989~1990年にかけて小社より刊行されたアドリエンヌ・リッチ著『女から生まれる』『噓、秘密、沈黙。』『血、パン、詩。』復刊を望む声が多く寄せられていた三部作をこの度、新たに解説を加え、新装版で復刊いたします。今なお古びることがないリッチの力強い論考をこの機会に。 ー 父権制によって形作られる「母性」を、自身の体験を交えながらラディカルに解体する70年代フェミニズム論の名著。 地球上の人間はすべて女から生まれる――。そのことは、女を理想化し、母性神話をはびこらせる一方、女が自分自身の生き方を選択する自由を奪ってきた。男中心の社会のなかで、制度化された「母性」がかかえこむあらゆる問題を検討し、女のからだとこころを解放する視点をあきらかにする。三人の息子の母としての体験を問いなおし、歴史的文献を緻密に分析し、「あたらしい古典」としていまや世界中で大きなインパクトをもって読みつがれる、リッチのフェミニズム「母性論」の名著。解説=小川公代。 [出版社より] 著 者|アドリエンヌ・リッチ 訳 者|高橋茅香子 出版社|晶文社 定 価|3,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|536 ISBN|978-4-7949-7464-8 発 行|2025年03月 Contents はじめに 1 怒りと愛と 2「聖なる職業」 3 父親たちの王国 4 母親ー 至上なるもの 5 飼いならされた母性 6 人の手、鉄の手 7 疎外される出産 8 母親と息子、女と男 9 母であること、娘であること 10 暴力――闇をかかえる母性 おわりに 新版に寄せて――十年ののちに 訳者あとがき 訳者あとがき――新版に寄せて 解説 小川公代 原注 Author アドリエンヌ・リッチ Adrienne Rich 1929-2012年。ボルティモア生まれ。現代アメリカを代表する詩人、フェミニスト批評家。ハーバード大学ラドクリフ・カレッジ在学中に、詩集『世界の変化』(イエール青年詩人賞受賞)で詩人としてデビュー。60 年代初頭以降、母性、セクシュアリティ、人種差別、反ユダヤ主義、戦争などの問題を探求する詩や論考において、個人的なものと政治的なものを結びつけることにこだわった。ルース・リリー賞、全米図書賞、ラナン財団生涯功労賞、マッカーサー・フェローなど受賞多数。 Translator 高橋 茅香子 Chikako Takahashi 1938年生まれ。東京外国語大学卒。朝日新聞社国際本部を経て翻訳家。訳書にクローディア・テイト編『黒人として女として作家として』(晶文社)、アリス・ウォーカー『メリディアン』(ちくま文庫)、チャンネ・リー『最後の場所で』『空高く』(いずれも新潮クレスト・ブックス)。著書に『英語で人生をひろげる本』(晶文社)、『英語となかよくなれる本』(文春文庫)など。
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殺戮の宗教史[OUTLET]
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NYの9.11同時多発テロ、シャルリー・エブド社襲撃事件、パリの同時多発テロ。日本に目を向けても、『悪魔の詩』訳者殺害の謎、オウム真理教による地下鉄サリン事件など、宗教にもとづくテロが国内外で頻発している。なぜ神の名の下における「殺戮」は止まないのか?また、イスラム教は危険な宗教なのか? 十字軍や「聖戦」、魔女狩り、異端諮問から、イスラム国(IS)やアルカイダなどイスラム過激派による近現代のテロまで世界の宗教にみられる「殺戮の歴史」をたどり、その背景や宗教の教義、神の役割を徹底分析。「宗教的テロの時代」の本質を理解するための必読書。 [出版社より] 著 者|島田裕巳 出版社|東京堂出版 定 価|2,200円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|288 ISBN|9784490209341 発 行|2016年03月 Contents はじめに 第1章 宗教的テロリズムの二一世紀 テロの時代の幕開け/増え続ける犠牲者の数/危険視されるイスラム教/九・一一の実行犯はどんな人物か/ 実行犯グループとアルカイダの関係/『九・一一委員会報告書』の真偽/九・一一はアルカイダが仕組んだものではない?/ 「アルカイダ」の意味すること/組織化されたテロ集団といえるのか/「組織」なのか「ネットワーク」か/ インターネットの活用による新たな問題、ほか 第2章 イスラム教は危険な宗教なのか 頻発する宗教を背景としたテロ/シャルリ―・エブド襲撃事件の衝撃/イデオロギーの対立から「文明同士の衝突」の時代へ/ イスラム文明vs西欧を中心とした他の文明という構図/「剣かコーランか」という偏ったイメージ/ 「世界の三大宗教」発生と拡大のプロセス/政治的指導者としてのムハンマドの役割/イスラム教拡大には武力も用いられた/ それぞれの宗教の「違い」を知ること、ほか 第3章 知られていないイスラム教の根本原理 イスラム教発祥をたどる/偶像崇拝禁止の根拠/ムハンマドに求められた「調停者」という役割/イスラム教誕生の社会的必然性/ 多神教徒を殺せと神は命じた/同時に与えられた「赦し」/歴史的・社会的文脈の中で神のことばを理解する/ イスラム教の本質的性格/戒律を実行するかどうかは個人に任せられる/イスラム教全体が危険であるとみなされがちな理由、ほか 第4章 原理主義の背後にある神の絶対性 「原理主義」ということばの広がり/はじまりはキリスト教から/アメリカ社会での福音主義の台頭/ イスラム教が政治の表舞台に/宗教間の対立のはじまり/イスラム教に強く見られる「原理主義」の傾向/ 「シャリーア」とは何か/一神教は不寛容か/多神教と一神教の本質的な違いとは/神社はいつから存在したのか/ 一神教において絶対的存在である神/「再誕」という経験、ほか 第5章 神による殺戮と終末論の呪縛 神が直接手を下すとき/ユダヤ教の神の存在は絶大/「創世記」に描かれた神の非道さ/神と人類の複雑な関係/ キリスト教の「十戒」と仏教の「五戒」の共通点と違い/人類全体を滅ぼしうる一神教の神/ 「絶対神」の観念を生んだユダヤ人の苦難の歴史/善悪二元論はイラン宗教の影響/ 最後の審判とキリストの再臨――キリスト教を世界宗教とした考え方、ほか 第6章 異教や異端との戦い――十字軍について キリスト教を世界宗教にした「伝道活動」/アメリカで盛んだった「リバイバル」(信仰復興)/聖人崇拝はこうして始まった/ 三宗教にとっての聖地、エルサレム/十字軍のはじまり/聖地を目指す人々のさまざまな思惑/殉教が尊い行為とされる/ 伝道において「殺戮」はやむを得ぬもの/ローマ教皇の権威確立と「正統」「異端」という判断/異教徒や異端に対する戦い、ほか 第7章 善悪二元論という根源 日本で見られた「異端」とは/「正統」が明確に確立されなかった日本の仏教界/ カトリックで行われた異端追放の動き――「異端審問」「魔女狩り」/カタリ派が異端とされた最大の理由――「善と悪の二元論」/ 異端の代名詞「マニ教」とは/聖職者に課せられた厳しい生活の戒律/一神教の抱える根本的な矛盾と悪の存在/ 「悪」が存在する限り殺戮の歴史は終わらない、ほか 第8章 聖戦という考え方 「殺せ」か「殺すな」なのか/恐怖の神から、慈愛深き神へ/異なる信仰をもつ人間と共存するために/ 互いを受け入れ難いユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教/「ジハード」の解釈をめぐって/カリフの役割とは/ 「ジハード」は「聖戦」ではない/後世に影響を与えたタイミーヤの思想/ムハンマドの時代の信仰への回帰/ 次々と出現した過激なイスラム集団、ほか 第9章 殺戮の罪は許されるのか 「一神教」または「多神教」という観点から/神道における武装した神々/『古事記』に描かれた天照大神の怒り/ 「武神」八幡神の信仰/神社に託された戦勝への願い/密教と陰陽道による呪詛の広がり/日本における「殺戮の宗教史」/ 悪人正機説の危険性/殺戮を行った者は救済されないのか/許すということの難しさ/ 宗教は殺戮を肯定するものか、否定するのか、ほか おわりに Author 島田 裕巳 Hiromi Shimada 1953年東京生まれ。東京大学文学部宗教学宗教史学専修課程卒業、東京大学大学院人文科学研究課博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員、NPO法人葬送の自由をすすめる会会長を歴任。現在は作家、宗教学者、東京女子大学非常勤講師。
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万引きの文化史[OUTLET]
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なぜ人は万引きをするのか? その歴史は16世紀のロンドンで始まった...…。 全米の検挙者数は総人口の9%、日本の被害額は年間4500億円以上。世界第2位の万引き大国=日本、必読の一冊。 [出版社より] 著 者|レイチェル・シュタイア 訳 者|黒川由美 出版社|太田出版 定 価|2,200円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|312 ISBN|9784778313418 発 行|2012年10月 Contents 序論 第1部 万引きの歴史 1 盗みと処罰 2 窃盗症と法の変革者 3 アビー・ホフマンと電子防犯タグ 4 ロビン・フッド、バージョン2.0 第2部 実態 5 万引きする人々 6 ホット・プロダクト 7 職業的万引き犯''ブースター'' 第3部 病理 8 盗みのスリル 9 万引きセレブの盛衰 10 万引き依存症 第4部 対応策 11 盗難対策 12 損失防止(LP)の未来 13 万引きは不治の病か 14 羞恥心 結び
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感染症と隔離の社会史[OUTLET]
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明治期に作られた伝染病・感染症を専門にする「避病院」に光を当てて、尾崎紅葉『青葡萄』や正宗白鳥『避病院』、現・都立病院の当直日誌などの作品や資料を現代語訳・要約しながら紹介し、感染症や医療現場の実態、防疫体制の地域格差などを掘り起こす。 ー コレラ、赤痢、ペスト、スペインかぜ……。近代以降、様々な伝染病・感染症が流行してきたが、医学はどのように対応して、どう克服してきたのか。 明治期に作られた伝染病・感染症を専門にする「避病院」に光を当てて、尾崎紅葉『青葡萄』や正宗白鳥『避病院』、与謝野晶子「感冒の床から」、現・都立病院の当直日誌などの作品や資料を現代語訳・要約しながら紹介し、感染症や医療現場の実態、防疫体制の地域格差などを掘り起こす。 著者が勤める国立病院機構埼玉病院の臨床現場から、現状や風評被害の実態、新型コロナウイルスの集団免疫による収束についての小論も収めて、感染症と隔離の日本史から「いま」と「あした」を考える視点を提供する。 [出版社より] 著 者|金川英雄 出版社|青弓社 定 価|2,400円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|204 ISBN|978-4-7872-3479-7 発 行|2020年11月 Contents まえがき 第1章 尾崎紅葉『青葡萄(ルビ:ブドウ)』とコレラ対策 1 尾崎紅葉『青葡萄』を読む 2 コレラ 3 看護人 第2章 正宗白鳥『避病院』と赤痢対策 1 正宗白鳥『避病院』を読む 2 各地の避病院 3 衛生組合と伝染病予防委員 第3章 虫が介在する感染症 1 中村為又『羽塚の土』を読む 2 ハエ 3 蚊 第4章 野崎久一「避病院覚書」から読む赤痢の経験 第5章 感染症をめぐる多文化間の問題点 1 プサン済生医院 2 朝鮮半島での防疫体制 3 ソウルの避病院 4 避病院の建設運動 5 会の結成と京城府民病室の建設 6 インドの感染症対策 第6章 都市の避病院の実態 1 駒込病院の医局日誌を読む 2 組織強化と病院間のやりくり 3 感染・殉職 4 治療 5 精神科病院の弱さ 6 逃亡他さまざまなこと 第7章 感染症最前線の記録――埼玉病院から 1 スペインかぜについて 2 埼玉病院の経験 3 ダイヤモンド・プリンセス号の患者の受け入れ 4 都市封鎖 あとがき Author 金川 英雄 Hideo Kanekawa 1953年生まれ。1980年3月、昭和大学医学部卒業、84年3月、昭和大学大学院医学研究科博士課程修了。昭和大学附属烏山病院、昭和大学医学部助手を経て、93年10月から東京武蔵野病院、2013年4月から横須賀市立うわまち病院、15年4月から関東労災病院勤務、18年7月から国立病院機構埼玉病院に勤務、19年4月に精神科外来を立ち上げ、現在、精神科部長。2002年3月に慶應義塾大学文学部卒業、帝京平成大学客員教授を経て、13年7月から昭和大学精神神経科教室客員教授。医学博士、精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医。 著書に『三浦半島の医療史――国公立病院の源流をたどる』『日本の精神医療史――明治から昭和初期まで』、共著に『精神病院の社会史』(いずれも青弓社)、翻訳・解説に『[現代語訳]呉秀三・樫田五郎 精神病者私宅監置の実況』(医学書院)、『[現代語訳]わが国における精神病に関する最近の施設』(青弓社)など。
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共食いの博物誌——動物から人間まで[OUTLET]
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昆虫や動物、変な生き物から人間まで。なぜ生物は共食いをするのか? 共食いは進化においては合理的、極度の状況では生物として正常な反応である―—動物学者が科学的な視点から、あらゆるカニバリズムの起源と真実に果敢に踏み込んだ初のノンフィクション。 「カニバリズムというと、とかく傓情的に扱われがちだが、著者が動物学者としてセンセーショナリズムとは距離を置いていることが本書の大きな特徴となっている。ひと口に共食いといっても同種内という関係にとどまらず、血縁者同士の共食いから生殖活動にともなう共食い、子育てによる体の一部の提供まで、動物に見られるカニバリズムは実に多様である。取り上げられる動物はおなじみのものから奇妙な生物まで幅広い。動物が共食いをおこなう理由を追究するなか、彼らの行動の冷徹なまでの合理性が浮き彫りにされる」——本書「訳者あとがき」より抜粋。 [出版社より] 著 者|ビル・シャット 訳 者|藤井美佐子 出版社|太田出版 定 価|2,900円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|388 ISBN|9784778316068 発 行|2017年11月 Contents はじめに 第1部 動物 第一章 アニマルはカニバル──共食いする動物たち 第二章 お子さまランチを召し上がれ 第三章 性的共食い──大きさがものを言う 第四章 ひとりにして 第五章 ホッキョクグマはつらいよ 第六章 恐竜は共食いしたのか? 第七章 奇妙な子育て 第2部 ヒト 第八章 ネアンデルタール人とそのほかの谷の住人たち 第九章 コロンブス、カリブ族、カニバリズム 第一○章 いさかいのもと 第一一章 カニバリズムと聖書 第一二章 史上最悪の隊パーテイ 第一三章 人を食すは悪なり 第一四章 人を食すは善なり 第一五章 頭蓋ゴケとミイラ粉末 第一六章 胎盤を食べる人々 第一七章 太平洋の島々におけるカニバリズム 第一八章 狂牛病とイギリス人 第一九章 容認できるリスク おわりに 一歩先へ 謝辞 訳者あとがき カニバリズムおよび関連トピックにおける推薦書 原注 Author ビル・シャット Bill Schutt ニューヨーク州立大学で生物学修士号、コーネル大学で動物学博士号を取得。ロングアイランド大学ポスト校生物学教授およびアメリカ自然史博物館研究員。北米コウモリ学会(NASBR)理事。脊椎動物研究を専門とする動物学者のかたわら、2008年に吸血動物をテーマにしたノンフィクションDark Banquet:Blood and the Curious Lives of Blood-Feeding Creaturesで作家デビューを果たす。本書はノンフィクションとして第2作にあたる。2016年には共著で動物学者マックレディ・シリーズ第1作のミステリーHell’s Gate(邦訳『地獄の門』竹書房)、2017年には同第2作を上梓。作家としても精力的に活動を続けている。ニューヨーク州ロングアイランド在住。
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プリンストン大学で文章/政治を語る——バルガス=リョサ特別講義[OUTLET]
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キューバ革命、ペルー大統領選、ドミニカ共和国の独裁者トルヒーリョ、解明されない犯罪……。世界を揺るがす出来事をいかにして小説化するか。文学と社会、ジャーナリズム、登場人物の造形法、物語における時間構成など、すべての小説愛好者必読のスリリングな講義録。 [出版社より] 著 者|マリオ・バルガス=リョサ 訳 者|立林良一 出版社|河出書房新社 定 価|3,000円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|272 ISBN|9784309207858 発 行|2019年11月 Contents まえがき プリンストン大学のマリオ・バルガス=リョサ 1 小説の理論 2 ジャーナリズムと文学 3 ラ・カテドラルでの対話 4 マイタの物語 5 誰がパロミノ・モレーロを殺したか 6 水を得た魚 7 チボの狂宴 8 二十一世紀のテロの脅威 Author マリオ・バルガス=リョサ Jorge Mario Pedro Vargas Llosa 1936年、ペルー生まれ。58年、リマのサン・マルコス大学卒業後スペインに留学、マドリード・コンプルテンセ大学で博士号を取得する。59年、短篇集『ボスたち』で作家デビュー、63年には初長篇『都会と犬ども』を発表し、一躍脚光を浴びる。その後、長篇を次々に発表、ラテンアメリカを代表する作家として確固たる地位を築く。74年、ペルーに帰国してからは作家活動の傍ら政治活動も積極的に行い、90年にはペルー大統領選に出馬するがアルベルト・フジモリに敗れる。その後も長篇小説を精力的に発表しつづけている。評論や戯曲も多数。2010年、ノーベル文学賞受賞。 Translator 立林 良一 Ryoichi Tatebayashi 1959年山梨県生まれ。東京外国語大学大学院修士課程修了。同志社大学准教授。ラテンアメリカ文学研究。
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家族最後の日[OUTLET]
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母との絶縁、義弟の自殺、夫の癌――。 写真家・植本一子が生きた、懸命な日常の記録。 ◎特設サイト https://www.ohtabooks.com/sp/kazoku/ [出版社より] 著 者|植本一子 出版社|太田出版 定 価|1,700円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|304 ISBN|9784778315559 発 行|2017年01月 Contents 母の場合 義弟の場合 弟の場合 Author 植本 一子 Ichiko Uemoto 1984年広島県生まれ。2003年にキヤノン写真新世紀で荒木経惟氏より優秀賞を受賞、写真家としてのキャリアをスタートさせる。広告、雑誌、CDジャケット、PV等幅広く活躍中。著書に『かなわない』(タバブックス)、『働けECD――わたしの育児混沌記』(ミュージック・マガジン)がある。
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まっくら——女坑夫からの聞き書き
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筑豊の地の底から石炭を運び出す女性たち。その逞しい生き様を記録した森崎和江のデビュー作。解説=水溜真由美。 「女も男と同じごと仕事しよったですばい」「どんなことにでも堂々とむかってやる、こい」。 筑豊の炭鉱で働いた女性たちの声を聞き取り、その生き様を記録した一九六一年のデビュー作。意志と誇りを失わず、真っ暗な地の底で過酷な採炭労働に従事した彼女たちの逞しさが、生き生きと描かれている。 [出版社より] 著 者|森崎和江 出版社|岩波書店[岩波文庫] 定 価|800円+税 判 型|文庫判・並製 頁 数|330 ISBN|9784003122617 発 行|2021年10月 Contents はじめに 無音の洞 流浪する母系 棄郷 灯をもつ亡霊 のしかかる娘たち セナの神さま ヤマばばあ 赤不浄 共有 地表へ追われる 坑底の乳 あとがき [付録] 聞き書きの記憶の中を流れるもの 解説……………水溜真由美 図版一覧
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それでも、安楽死の話をするのなら
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わたしは安らかな死を迎えられるだろうか——。 臨床経験から導き出された15の論点から、「安楽死」「終末期医療」「緩和ケア」について問い直し、「日本人は生きる/死ぬをどう考えるべきなのか」という社会的な問題である安楽死制度をわかりやすく、かつ、徹底的に考える。 もし、未来に安楽死制度を作るならば、考えなければならないこととは。安楽死制度に対する反対派も賛成派も、どちらもが納得できる議論はどのように可能か。制度の設立・実施に慎重な立場を取る現役の緩和ケア医が、臨床経験と詳細な分析により、錯綜する問題の論点を整理し誰にでもわかりやすく解説する。 いずれは死を迎える、すべての人へ。 [出版社より] 著 者|西智弘 出版社|晶文社 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|200 ISBN|978-4-7949-7460-0 発 行|2025年02月 Contents はじめに:苦しみのすべてをゼロにできるのか 1:「死を選ぶ生き方」は正しい生き方か? 2:安楽死制度を求めていくために必要な3つの要素 3:安楽死と余命の関係 4:安楽死を行うのは誰か 5:個人的信条を安楽死制度の議論に持ち込まない 6:逆算で考える 7:子どもの安楽死は認められるか 8:緩和的鎮静は安楽死の代替となり得るか 9:間接的安楽死と終末期の鎮静 10:人生会議をすれば患者の尊厳は守られるのか 11:認知症と安楽死 12:すべり坂は止められるのか 13:それは実質安楽死の容認なのでは 14:分母を増やすのは無駄にならない 15:安楽死報道のあり方 Author 西 智弘 Tomohiro Nishi 川崎市立井田病院 医師/一般社団法人プラスケア代表理事。2005年、北海道大学卒。室蘭日鋼記念病院で家庭医療を中心に初期研修後、川崎市立井田病院で総合内科/緩和ケアを研修。その後2009年から栃木県立がんセンターにて腫瘍内科を研修。2012年から現職。現在は抗がん剤治療を中心に、緩和ケアチームや在宅診療にも関わる。一方で、一般社団法人プラスケアを2017年に立ち上げ代表理事に就任。「暮らしの保健室」や「社会的処方研究所」の運営を中心に、「病気になっても安心して暮らせるまち」をつくるために活動。日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医。著書に『だから、もう眠らせて欲しい』(晶文社)、『社会的処方』『みんなの社会的処方』(学芸出版社)、『がんになった人のそばで、わたしたちにできること』(中央法規出版)他多数。
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ブラック・カルチャー 大西洋を旅する声と音
¥1,056
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奴隷とされた人々は、いかにして新大陸で声と音の伝統を再創造していったのか。ブラック・カルチャーの歴史と現在を旅する。 約400年にわたり、大西洋を航海した奴隷船。「裸の移住者」としてアメリカ大陸に連行された人々は、いかにしてアフリカの声と音の伝統を再創造し、次世代へと繋いでいったのか。アフリカへの帰還という主題から、音楽、文学、アートなどを横断的に捉え、その歴史と現在を旅する。世界にひろがるブラック・カルチャーへの招待。 [出版社より] 著 者|中村隆之 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|960円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|254 ISBN|9784004320616 発 行|2025年04月 Contents はじめに ブラック・カルチャーをめぐる旅へ 第一章 アフリカの口頭伝承 教室のなかのアフリカ 口承の伝統 口頭伝承のなかの音文化 マンデ系社会のグリオ 語り継がれる叙事詩 第二章 奴隷船の経験 奴隷貿易を想像する 奴隷制と西アフリカ 西欧人を取引相手とした奴隷売買 『ルーツ』にみる大西洋奴隷貿易 奴隷船上での歌と反乱 女性たちの抵抗、死者たちの声 第三章 アメリカスに渡ったアフリカの声と音 奴隷制社会をめぐる資料 聞き書きという方法 裸の移住者 ネオ・アフリカ文化 アフリカ由来の精神文化 ヴードゥーの儀式 文化維持という抵抗 ドラミングと太鼓 第四章 自由を希求する共同体の歌 合衆国の奴隷制時代の歌 アメリカスに息づくアフリカの声 スピリチュアルと呼ばれる歌 「ブラック」という共同体意識 哀しみの歌 黒人神学におけるスピリチュアルの意義 世俗的スピリチュアルとしてのブルース 第五章 合衆国のブラック・ミュージック 変わりゆく同じもの ジャズの始まり アームストロングの声 ジャズにおける創意と即興 混交するジャンル ソウル・オブ・ア・ネーション カバーによる伝統の構築 第六章 アメリカスからアフリカへ アメリカスのブラック・ミュージック アフロ・ブラジル音楽の展開 アフロ・カリブ音楽の多様性 アフリカへの帰還 同じリズム、いくつもの歴史 ブラック・カルチャーをめぐる次の旅へ 第七章 文字のなかの声 文字世界への参入 「トーキング・ブック」としての奴隷体験記 声の作家ハーストン 集団としての黒人の声の表現 クレオール語の口承性 声の歴史 第八章 奴隷貿易・奴隷制の記憶の光と影 記憶の場所 ユネスコの取り組み 「奴隷の道」プロジェクト 構築される記憶 文学のなかで語られる闇の記憶 奴隷貿易の闇 第九章 ブラック・ミュージックの魂 ブラック・パワーの潜在力 ナショナリズムを越えて ブラック・アーツ運動 ブラック・ジャズ共同体 ブラック・スピリチュアル ラップのスピリチュアリティ 第一〇章 ブラック・スタディーズとは何か 知の枠組みのラディカルな変革 アフリカ中心主義 ブラック・エクスペリエンス主義 ブラック・フェミニズム、ブラック・クィア・スタディーズ 『ブラックパンサー』とアフロフューチャリズム アフロフューチャリスト アフロペシミズム理論 ブラック・スタディーズの再規定 第一一章 ブラック・カルチャーは誰のものか 知の脱植民地化 収集と分類 脱植民地化と返還 ミュージアムの脱植民地化 文化の盗用とは何か ブラックをめぐる呼称 文化は混交する 第一二章 未来に向けて再構築されるルーツ 〈関係〉の思想 環大西洋的連帯 存在論的傷 記憶の継承と発掘 クレオール化のダイナミズム ルーツの再構築 〈全−世界〉のヴィジョン 主要参考文献 あとがき 〈関係〉のなかの私的物語 Author 中村 隆之 Takayuki Nakamura 1975年東京都生まれ.2006年東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了.博士(学術).早稲田大学法学学術院教授.専攻―フランス語圏文学,環大西洋文化研究. 著書―『カリブ世界論』(人文書院,2013),『エドゥアール・グリッサン』(岩波書店,2016),『野蛮の言説』(春陽堂書店,2020),『魂の形式 コレット・マニー論』(カンパニー社,2021),『第二世界のカルトグラフィ』(共和国,2022),『環大西洋政治詩学』(人文書院,2022)ほか. 訳書―『痕跡』(水声社,2016),『マニフェスト 政治の詩学』(以文社,2024)ほか. 編訳書―『ダヴィッド・ジョップ詩集』(夜光社,2019). 共訳書―『アフリカ文学講義』(みすず書房,2022),『黒人法典』(明石書店,2024),『カリブ海序説』(インスクリプト,2024)ほか.
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非暴力主義の誕生——武器を捨てた宗教改革
¥1,034
宗教改革の渦中に生まれ、迫害されながらも非暴力を貫くある少数派の信仰は私たちに何をもたらしたか。愛敵と赦しの五〇〇年史。 一五二五年、宗教改革の渦中、幼児洗礼を拒むキリスト教の一派が誕生した。異端として迫害されながらも聖書の教えを守り、非暴力を貫いた彼らの信仰は、戦争の止まない現代に生きる私たちに何を語りかけるのか。メノナイト、アーミッシュ、良心的兵役拒否、被爆者の日米交流まで、五〇〇年にわたる愛敵と赦しの軌跡を辿る。 [出版社より] 著 者|踊共二 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|940円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|238 ISBN|9784004320494 発 行|2025年01月 Contents はじめに――再洗礼派というマイノリティ 第1章 複数の宗教改革 1 中世までのキリスト教 2 ルターとドイツ宗教改革 3 ツヴィングリとスイス宗教改革 4 再洗礼派の誕生 第2章 迫害と離散――ヨーロッパの片隅で 1 二一世紀のウクライナ 2 迫害・殉教・ノンレジスタンス 3 ザトラーの殉教 4 愛敵と赦しの精神 5 兵士の改宗と亡命 第3章 追跡する国家 1 ベルンの再洗礼派狩り 2 アルザス移民とアーミッシュの誕生 3 クライヒガウの定住地 4 集団追放の試練 第4章 新天地アメリカ 1 ドイツ人のメイフラワー 2 アーミッシュの定住 3 ノースキルの悲劇 4 アメリカ独立戦争 第5章 近代国家と徴兵制 1 「先進国」フランス 2 軍国化するドイツ 3 スイスとオランダの変化 4 南北戦争によるアメリカの分断 第6章 両大戦の試練 1 ドイツ・メノナイトとナショナリズム 2 ロシア・メノナイトの苦難 3 アメリカの代替役務制度 第7章 核の時代の非暴力主義 1 ある被爆者の訪米とメノナイト宣教師の来日 2 国際化する人道支援事業 3 良心的兵役拒否の合法化 4 ノンレジスタンスの代償 5 ガザに平和を 終 章 ノンレジスタンスの限界と可能性 1 イエスは抵抗を教えたか 2 古今東西の平和思想・戦争論 3 ノンレジスタンスの限界と可能性 あとがき 図版出典 参考文献 Author 踊 共二 Tomoji Odori 1960年福岡県生まれ. 1983年早稲田大学第一文学部卒業,1991年同大学大学院文学研究科博士課程を満期退学,2002年同大学博士(文学)学位を取得.武蔵大学リベラルアーツ&サイエンス教育センター教授. 専攻─スイス史,中近世ヨーロッパ史. 著書─『改宗と亡命の社会史──近世スイスにおける国家・共同体・個人』(創文社,2003年,『図説 スイスの歴史』(河出書房新社,2011年). 共著─『忘れられたマイノリティ──迫害と共生のヨーロッパ史』(山川出版社,2016年). 編著─『記憶と忘却のドイツ宗教改革──語りなおす歴史 1517ー2017』(ミネルヴァ書房,2017年), 『アルプス文化史──越境・交流・生成』(昭和堂,2015年). 監修─『一冊でわかるスイス史』(河出書房新社,2024年).
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知覚の宙吊り——注意、スペクタクル、近代文化
¥3,300
アテンション・プリーズ! 人間の「注意」はいかに構築され、「散漫」はいかに管理されてきたのか。モダニズム絵画から実験心理学、スペクタクル産業から注意多動性障害まで、社会、産業、科学、芸術にまたがるさまざまな言説と技術を横断し、近代における知覚の条件を問い直す。 [出版社より] 著 者|ジョナサン・クレーリー 監 訳|岡田温司 訳 者|石谷治寛・大木美智子・橋本梓 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|3,000円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|688 ISBN|9784582769869 発 行|2025年04月 Contents 序 第1章 近代性と注意の問題 第2章 1879年――拘束なき視覚 第3章 1888年――脱魔術化のイルミネーション 第4章 1900年――綜合(ジンテーゼ)の再創出 エピローグ 1907年――ローマの魔法 原注 訳者あとがき 平凡社ライブラリー版 訳者あとがき 文献一覧 事項索引 人名索引 Author ジョナサン・クレーリー Jonathan Crary 1951年、アメリカのコネチカット州ニューヘイヴンに生まれる。視覚文化に関する系譜学的な研究で知られ、Zone Booksの創業者のひとりとして長らく編集委員を務める。現在、コロンビア大学教授。 Translator 岡田 温司 Atsushi Okada 1954年生まれ。京都大学大学院博士課程修了。京都大学名誉教授。専門は西洋美術史・思想史。著書に『モランディとその時代』(人文書院、2003、吉田秀和賞受賞)、『フロイトのイタリア―旅・芸術・精神分析』(平凡社、2008、読売文学賞受賞)などがある 石谷 治寛 Haruhiro Ishitani 1977年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。現在、広島市立大学芸術学部准教授。専門は美学・美術史・視覚文化論 大木 美智子 Michiko Oki 1979年生まれ。ロンドン大学UCL西欧言語文化社会研究科博士課程修了。現在、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校専任上級講師。専門は美学・美術史 橋本 梓 Azusa Hashimoto 1978年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程指導認定退学。現在、国立国際美術館主任研究員。専門は現代美術。展覧会企画に「Viva Video! 久保田成子展」(共同企画、国立国際美術館ほか、2021、倫雅美術奨励賞受賞)などがある
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考える身体[OUTLET]
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言葉、詩、美術、音楽、建築、映画、演劇、そして舞踊——。あらゆる芸術は出来事として体験される。その出来事を前に、嵐のように襲う感動に打ち震えるこの身体とはいったい何か。身体と精神、さらには個と社会との関係性を新たに捉えなおし、人間という生命現象の始原、不思議に迫る身体論の必読書。文庫化にあたって特別書下ろし「人間、この地平線的存在」を収録。 [出版社より] 著 者|三浦雅士 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,220円+税 判 型|文庫判 頁 数|352 ISBN|978-4-309-41817-9 初 版|2021年06月 Contents 1 メディア 人類の星の時間のメディア―変容する身体 二十世紀芸術、舞踊へ——変容する芸術 ほか 2 身体 身体教育ということ 国語教育と身体 ほか 3 表現 男が着飾る時代へ——ファッションの身体 写真は時間芸術である——写真の身体 ほか 4 舞踊 舞踊の始原——ピナ・バウシュの問い ディアギレフと二十世紀バレエの流れ―ディアギレフの場所1 ほか 5 思考 思考の身体 Author 三浦 雅士 Masashi Miura 1946年生れ。「ユリイカ」「現代思想」編集長を経て評論家に。著書に『メランコリーの水脈』(サントリー学芸賞)、『身体の零度』(読売文学賞)、『青春の終焉』(伊藤整文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞)等。
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これからのヴァギナの話をしよう[OUTLET]
¥1,210
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ヴァギナは妊娠、出産のためだけにあるのではない。セックス、生理、不妊、更年期…「なかったことにされがち」な女性器について語られる、持つ人・持ちたい人・持たない人のための軽やかなエッセイ。 [出版社より] 著 者|リン・エンライト 訳 者|小澤身和子 出版社|河出書房新社 定 価|2,200円+税 判 型|四六変型判・並製 頁 数|304 ISBN|978-4-309-24972-8 初 版|2020年09月 Contents やりなおし性教育 事実―もしそれを事実と呼べるなら 処女膜という無駄なシンボル ないもの扱いされるクリトリス オーガズムにアブノーマルはない どんな形なのか鏡で見てみる なぜ生理は最悪なのか 女性の痛み 不妊について教え、語り合う 妊娠、そしてその次に待っていること ヴァギナと更年期 私はヴァギナ以上の存在である Author リン・エンライト Lynn Enright ダブリン生まれ、ロンドン在住のジャーナリスト。フェミニズム、時事問題、女性の健康、ファッション、アート、政治、ポップカルチャーなどを専門とする。BBCやNewstalk(ラジオ)にも出演し、アートやセレブ、ジェンダーや時事問題について論じている。2015〜2019年まで続いた「The Pool」というオンラインメディアの創設メンバーの一人。初の書籍となる『これからのヴァギナの話をしよう』で、2019年度ハースト・ビッグ・ブック・アワードを受賞。 小澤 身和子 Miwako Ozawa 東京大学大学院人文社会系研究科(英語英米文学)修士号取得、博士課程満期修了。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン修士号(英文学)取得。海外のニュース記事を集めた雑誌「クーリエ・ジャポン」の編集者を務めた後取材コーディネーター及び通訳として海外メディアの日本取材に携わる。
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古代オリンピック 全裸の祭典[OUTLET]
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古代ギリシアのオリュンピアで、紀元前八世紀から実に千二百年もの間、四年に一回、一度も欠かさずに続けられたオリンピック。短距離走、長距離走、五種競技、格闘技、戦車競走などを迫力満点に再現し、一方で食肉市場、娼婦たち、芸術祭、賭けや賄賂など、競技場周辺の大騒ぎもつぶさに描く、熱狂と興奮の一冊。 そもそもオリンピックってどんなものだった? という素朴な疑問から古代ギリシアの驚くべき世界へいざなう熱狂と興奮と抱腹絶倒の物語! [出版社より] 著 者|トニー・ペロテット 訳 者|矢羽野薫 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|880円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|288 ISBN|978-4-309-46706-1 発 行|2020年01月 Contents ゼウスに愛をこめて スポーツに溺れたギリシア人 カウントダウン オリンピック訓練所―ギムナシオン スポーツファンの苛酷な試練 競技場周辺の空騒ぎ 栄光をめざして―開幕! 血に染まるトラック―戦車競走 サバイバルの五種競技―ペンタスロン 勝利の晩餐 聖なる食肉市場 芸術を愛さざる者、立ち入りを禁ず 不朽の名声を求めて 聖地に降った槍 忘れられた女神たち 勝利か死か―格闘技 医師たちの苦悩 宴のあと Author トニー・ペロテット Tony Perrottet オーストラリアのシドニー出身。旅行・歴史ジャーナリスト。アジアや南米などを旅して新聞・雑誌に寄稿。ブエノスアイレスでの特派員生活を経て、ニューヨークを拠点に活動。 Translator 矢羽野 薫 Kaoru Yahano 千葉県生まれ。慶應義塾大学卒業。訳書多数。
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ベルリン・オリンピック反対運動[OUTLET]
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ナチスが大々的に関与して国際政治の抗争の場になった1936年のベルリン・オリンピックについては、ドイツの政治・外交との関係や宣伝・映像・芸術の実態など、様々な角度から論じられてきた。 このオリンピックに対してイギリスは反対運動を展開したが、その実像は明らかにされてこなかった。そこで本書では、まず反対運動でイニシアチブを握ったイギリス労働者スポーツ協会の活動を史料から掘り起こす。さらに、フィリップ・ノエル=ベーカーとウォルター・シトリーンの2人に焦点を当てて、彼らの理念や抱えた矛盾も踏まえて反対運動の内実を照らし出す。 バルセロナ人民オリンピアードとの距離感、オリンピック憲章擁護の闘い、ナチ・スポーツ独裁批判――オリンピックという巨大イベントにそれぞれの立場から反対運動を展開した歴史のアクターを追尾し、現代のオリンピックの問題点をも浮き彫りにする。 [出版社より] 著 者|青沼裕之 出版社|青弓社 定 価|2,600円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|224 ISBN|978-4-7872-2089-9 発 行|2020年05月 Contents 序 章 なぜベルリン・オリンピック反対運動を研究するのか 1 国家プロジェクトとしてのオリンピックとパラリンピック 2 ベルリン・オリンピック研究の蓄積 3 本書の課題 第1章 イギリスのベルリン・オリンピック反対運動 1 国際的なベルリン・オリンピック反対運動の開始 2 イギリスのベルリン・オリンピック反対運動の起点 3 イギリス・ドイツ対抗フットボール・マッチへの反対とベルリン・オリンピック・ボイコットの提案 4 赤色スポーツインター国際協議会(プラハ)へのイギリス代表参加 5 国際フェアプレー委員会パリ国際会議へのイギリス代表参加 6 バルセロナ人民オリンピアードへの参加準備とスペイン内戦による中止 7 その後の祭典とスペイン支援 第2章 ノエル=ベーカーによるオリンピック憲章擁護の闘い 1 ノエル=ベーカーによる最初の問い合わせ(一九三三年五月) 2 ノエル=ベーカーとハロルド・エイブラハムズの往復書簡 3 ノエル=ベーカーへの反対運動援助の要請 4 ノエル=ベーカーが投書を「タイムズ」に公表しなかった理由 5 エイブラハムズの主張とイギリス・オリンピック協議会の決定 6 ノエル=ベーカーの二通の投書 7 「マンチェスター・ガーディアン」に掲載されたモンタギューの論説 8 ノエル=ベーカーの投書に対する国内外の反響 9 一九三六年前半のベルリン・オリンピック参加をめぐる動向 10 ノエル=ベーカーの決断の歴史的意義 補 論 ノエル=ベーカー文書に収められた亡命者によるナチ・スポーツ情報 1 亡命ドイツ人の活動とナチ・スポーツ情報の発信 2 亡命者によるナチ・スポーツ情報の要点と特徴 3 ノエル=ベーカーの論述の論拠となった亡命者によるナチ・スポーツ情報 第3章 ウォルター・シトリーンのナチ・スポーツ独裁批判 1 イギリス・ドイツ対抗フットボール・マッチとシトリーン 2 シトリーンのパンフレット『ヒトラーの支配下に』 3 国際フェアプレー委員会とシトリーン 4 バルセロナ人民オリンピアードとシトリーン 5 国際労働運動の指導者としてのシトリーンの判断 終 章 イギリスのベルリン・オリンピック反対運動の思想と行動 主要参考文献 あとがき Author 青沼 裕之 Hiroyuki Aonuma 1958年、長野県生まれ。武蔵野美術大学教授。専攻はイギリススポーツ史。著書に『イギリス労働者スポーツ運動史――一九二三―五八年』(青弓社)、共著に『体育・スポーツの近現代――歴史からの問いかけ』(不昧堂出版)、『幻の東京オリンピックとその時代――戦時期のスポーツ・都市・身体』(青弓社)など。
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失われた賃金を求めて[OUTLET]
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『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』で日本にも鮮烈な印象を与えたイ・ミンギョン、次は男女の賃金格差に斬り込んだ! 男女賃金格差がOECD加盟国中「不動のワースト1位」の韓国の社会事情は、「不動のワースト2位」の日本でも共感必至。賃金差別は存在する! 解説=西口想。 [出版社より] 著 者|イ・ミンギョン 訳 者|小山内園子・すんみ 出版社|タバブックス 定 価|1,700円+税 判 型|四六変型判/並製 頁 数|216 ISBN|978-4-907053-47-5 初 版|2021年02月 Contents はじめに 1. 昇進 止まっているエスカレーター 2. 考課 「ふりだしに戻る」と「3つ前へ」 3. 同一職級 傾いた床 4. 与えられた条件 ハイヒールと砂袋 5. 雇用安定性 消えていく女性たち 6. 就職 7. 進路選択 8. 達成度評価 9. 資源 終わり-あるいははじまり 解説 日本で、女性がもっと受け取れるはずだった賃金の金額を求めよ 西口想 Author イ・ミンギョン Lee Min-Gyeong 延世大学校仏語仏文学科、社会学科を卒業後、韓国外国語大学校通訳翻訳大学院韓仏科で国際会議通訳専攻修士学位を取得。2016年に起きた江南駅殺人事件をきっかけに『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』を発表。女性が女性であるという理由で人生をあきらめなくてもすむ瞬間のため、ことばを書き訳している。最近はテキストを媒介にして女性たちが出会える場を作ることに力を注いでいる。主な著作に『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』『脱コルセット:到来した想像』、共著に『笛を吹く女たち』『ヨーロッパ堕胎旅行』、訳書に『대리모 같은 소리(原題訳:代理出産、人権侵害)』『임신중지(原題訳:幸せな中絶)』『나, 시몬 베유(原題訳:ある人生)』などがある。現在、延世大学校文化人類学科修士課程で学びながら、女性の人生で手にすることのできるまた別の可能性を模索中である。 Translator 小山内 園子 Sonoko Osanai 東北大学教育学部卒業。社会福祉士。訳書に、ク・ビョンモ『四隣人の食卓』(書肆侃侃房)、キム・ホンビ『女の答えはピッチにある』(白水社)、共訳書に、イ・ミンギョン『私たちにはことばが必要だ』(タバブックス、すんみと共訳)、チョ・ナムジュ『彼女の名前は』(筑摩書房、すんみと共訳)など。 すんみ Seungmi 翻訳家。早稲田大学大学院文学研究科修了。訳書にキム・グミ『あまりにも真昼の恋愛』(晶文社)、チョン・セラン『屋上で会いましょう』(亜紀書房)、共訳書にイ・ミンギョン『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』(タバブックス、小山内園子と共訳)、チョ・ナムジュ『彼女の名前は』(筑摩書房、小山内園子と共訳)など。
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脱コルセット 到来した想像[OUTLET]
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脱コルセット運動は、苦痛や搾取、虐待を今、この場所で経験している女性たちの人生を変える最適のツールだった——。 韓国フェミニズム、最大のムーブメント「脱コルセット」とは何か。『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』『失われた賃金を求めて』に続く、イ・ミンギョン第3弾。 ルックス至上主義、規範的女性性に抵抗する脱コルセット運動。韓国の若い女性たちが化粧品を捨て、髪を短くした写真をSNSにアップ、急速に広まった。女性らしさを「電撃的に打ち切る」強いアプローチを取った背景とは。イ・ミンギョンが「脱コル」実践者たちと対話し、読解を試みた渾身の1冊。 日本版は、多くの女性たちの声からなるこの本の特徴をふまえ複数の訳者が参加。韓国・日本在住の女性8人のチームで翻訳、それぞれのことばで脱コルセットを考えるリレーブログも公開中。 [出版社より] 著 者|イ・ミンギョン 訳 者|生田美保/オ・ヨンア/小山内園子/木下美絵/キム・セヨン/すんみ/朴慶姫/尹怡景 出版社|タバブックス 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|336 ISBN|978-4-907053-53-6 初 版|2022年03月 Contents 日本の読者のみなさんへ イ・ミンギョン 0 観念から感覚へ 1 女から人へ 2 する自由からしない自由へ 3 努力から忘却へ 4 美しさから痛みへ 5 平面的な自我イメージから立体的な自分へ 6 美の観点から機能の観点へ 7 男性の他者から、女性として同一視された女性へ 8 画一的な日課から多様な日常へ 9 順応から違反へ 10 分裂から統合へ 11 今、ここから、別の世界へ 12 死から生へ 13 さあ、次の世代へ Author イ・ミンギョン Lee Min-Gyeong 女性が女性だという理由で 人生の何ひとつも あきらめないことを願う 延世大学校仏語仏文学科、社会学科を卒業後、韓国外国語大学校通訳翻訳大学院韓仏科で国際会議通訳専攻修士学位を取得。ENSパリ・サクレー校博士課程在籍中。フェミニストのためのことばを物し、訳す活動を行う。著書に『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』『私たちにも系譜がある』『失われた賃金を求めて』、共著に『ヨーロッパ堕胎旅行』など。訳書に『妊娠中止(임신중지)』『母の国(어머니의 나라)』『国家ではなく女性が決めなければならない(국가가 아닌 여성이 결정해야 합니다)』『私、シモーヌ・ヴェイユ(나, 시몬 베유)』『すべての女性が同じ闘争をしているのではない(모든 여성은 같은 투쟁을 하지 않는다)』『ホイッスルが鳴ったら(휘슬이 울리면)』『主たる敵(주적)』などがある。
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運命の旅[OUTLET]
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孤高の作家によるナチス占領下フランスからの脱出記。家族との離散、難民収容所、ハリウッドへの亡命……1933年から48年までの戦火の暮らしを克明に綴った迫真のドキュメント。 [出版社より] 著 者|アルフレート・デーブリーン 訳 者|長谷川純 出版社|河出書房新社 定 価|4,800円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|400 ISBN|978-4-309-20771-1 発 行|2019年06月 Contents 第1篇 ヨーロッパよ、君を残して 見知らぬものへの旅 座礁 救済 第2篇 アメリカ ハリウッドでのなりゆき 心のざわめき 内面の教会と宗教 その後;終戦、そしてある知らせ 出発の合図 第3篇 帰還 ヨーロッパ バーデン=バーデンにて 一九四六年のドイツ チャンスがあったのに マインツへの小旅行 ベルリンとの再会 フリードリヒ通り駅からリンデンまで アレクサンダー広場 一九四八年 報告の終わりとフィナーレ Author アルフレート・デーブリーン Alfred Döblin 1878年プロイセン生まれ。近年世界的に再評価著しいドイツ文学の巨匠。代表作に『ベルリン・アレクサンダー広場』『ハムレット』『たんぽぽ殺し』『マナス』『王倫の三跳躍』など。1957年没。 Translator 長谷川 純 Jun Hasegawa 和光大学表現学部講師。著書に『語りの多声性──デーブリーンの小説『ハムレット』をめぐって』など。
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経済の本質——自然から学ぶ
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生態学(エコロジー)と経済学(エコノミクス)は、同じ問題を扱う「双子」だ。経済の成長は自然と反目するものでなく、二つは共通の法則に従う。それを自覚することで、人間は自然と調和しつつ経済を営むことができるのだ──。 市民生活から乖離していく都市計画や市場経済へ、批判の対象をひろげてきたジェイコブズ。人間のモラルを二体系にわけ相対する立場をどう調整できるか探った前著『市場の倫理 統治の倫理』から、本書は更に発展して、生物学的な視点を取り入れる。進化論や複雑系理論などの知見を引きつつ、共発展・協力・共生・相互依存など、経済と生態系に共通するメカニズムを探り出す。 解説=平尾昌宏。 [出版社より] 著 者|ジェイン・ジェイコブズ 訳 者|香西泰・植木直子 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,400円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|320 ISBN|978-4-480-51289-5 発 行|2025年02月 Contents まえがき 第1章 なんと、またエコロジストだって 第2章 発展の本質 第3章 拡大の本質 第4章 活力自己再補給の本質 第5章 崩壊を避ける 第6章 適者生存の二重の法則 第7章 予測不可能性 第8章 アームブラスターの約束 エピローグ 文庫版解説 そろそろ本気でジェイコブズを 平尾昌宏 Author ジェイン・ジェイコブズ Jane Jacobs 1916 -2006年。ペンシルベニア州スクラントン生まれ。都市活動家、都市研究家、ジャーナリスト。邦訳されたものに『発展する地域 衰退する地域』『アメリカ大都市の生と死』『市場の倫理 統治の倫理』『壊れゆくアメリカ』がある。 Translator 香西 泰 Yutaka Kosai 1933-2018年。経済企画庁経済研究所総括主任研究官、東京工業大学教授、日本経済研究センター会長、内閣府経済社会総合研究所所長、政府税制調査会会長などを歴任。著書に『高度成長の時代』『日本経済展望』(共著)など、訳書に『市場の倫理 統治の倫理』(ジェイン・ジェイコブズ著)などがある。 植木 直子 Naoko Ueki 明治学院大学英文科卒。日本経済研究センターにて、研究開発部長、総務部総務・広報担当部長などを歴任。
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編むことは力
¥2,970
編み物は、フェミニズムや社会運動を支えるツールでもあった。フランス革命時のトリコテウス、アメリカ革命時のスピニング・ビーズ、大戦時のニッティング・スパイ、トランプ政権時のプッシーハット・プロジェクト……。個人と政治、愛と経済を結びつけ、社会を幾度となく編み直してきたパワーの歴史をたどるエッセイ。 [出版社より] 著 者|ロレッタ・ナポリオーニ 訳 者|佐久間裕美子 出版社|岩波書店 定 価|2,700円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|206 ISBN|9784000616751 発 行|2024年12月 Contents 著者の言葉 イントロダクション 愛、政治と経済を編む 1 なぜ編み物をするのか 2 糸の檻を開ける 3 革命のために編む 4 フェミニズムと糸の愛憎関係 5 ウール・イズ・クール 6 編み物のネットワークの魔法 7 神経科学時代の編み物 8 ともに編もう──社会を編み直す エピローグ 必要なのは愛だけ 謝 辞 訳者あとがき 佐久間裕美子 パターン 西村知子 訳 注 参考文献 Author ロレッタ・ナポリオーニ Loretta Napoleoni 幼い頃イタリアで祖母から編み物を学ぶ.エコノミスト,コンサルタント,コメンテーター.フルブライト奨学生としてジョンズ・ホプキンス大学ポール・H・ニッツェ高等国際問題研究大学院,ロータリー奨学生としてロンドン・スクール・オブ・エコノミクスに留学.国際関係と経済学の修士号,経済学の博士号を取得.国際金融,テロリズム,9.11以降の社会変動,ヨーロッパや中国,北朝鮮経済に関し執筆.邦訳書に『人質の経済学』(文藝春秋)『「イスラム国」はよみがえる』(文春文庫)など. Translator 佐久間 裕美子 Yumiko Sakuma ライター,アクティビスト.慶應義塾大学卒業,イェール大学大学院修士課程修了.ニューヨーク在住.カルチャー,ファッション,政治,社会問題などに関し執筆.著書に『Weの市民革命』(朝日出版社)『みんなで世界を変える! 小さな革命のすすめ』(偕成社)など.訳書に『テロリストの息子』(朝日出版社).Sakumag Collectiveを通じて勉強会や情報発信などの活動を行っている.
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資本主義の次に来る世界
¥2,640
「少ないほうが豊か」である。 「アニミズム対二元論」というかつてない視点で文明を読み解き、成長を必要としない次なる社会を描く希望の書。ケイト・ラワース(『ドーナツ経済学が世界を救う』著者)、ダニー・ドーリング(『Slowdown 減速する素晴らしき世界』著者)ほか、世界の知識人が大絶賛。 デカルトの二元論は「人間」と「自然」を分離した。そして資本主義により、自然や身体は「外部化」され、「ニーズ」や「欲求」が人為的に創出されるようになった。資本主義の成長志向のシステムは、人間のニーズを満たすのではなく、「満たさないようにすること」が目的なのだ。 それでは、人類や地球に不幸と破滅をもたらさない、「成長に依存しない次なるシステム」とは何か? 経済人類学者が描く、かつてない文明論と未来論。 「本書が語るのは破滅ではない。語りたいのは希望だ。どうすれば、支配と採取を軸とする経済から生物界との互恵に根差した経済へ移行できるかを語ろう。」(「はじめに 人新世と資本主義」より) [出版社より] 著 者|ジェイソン・ヒッケル 訳 者|野中香方子 出版社|東洋経済新報社 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|326 ISBN|9784492315491 発 行|2023年04月 Contents はじめに 人新世と資本主義 第1部 多いほうが貧しい 第1章 資本主義――その血塗られた創造の物語 第2章 ジャガノート(圧倒的破壊力)の台頭 第3章 テクノロジーはわたしたちを救うか? 第2部 少ないほうが豊か 第4章 良い人生に必要なものは何か 第5章 ポスト資本主義への道 第6章 すべてはつながっている 謝辞 原注 Author ジェイソン・ヒッケル Jason Hickel 経済人類学者。英国王立芸術家協会のフェローで、フルブライト・ヘイズ・プログラムから研究資金を提供されている。エスワティニ(旧スワジランド)出身で、数年間、南アフリカで出稼ぎ労働者と共に暮らし、アパルトヘイト後の搾取と政治的抵抗について研究してきた。近著The Divide: A Brief Guide to Global Inequality and its Solutions(『分断:グローバルな不平等とその解決策』、未訳)を含む3冊の著書がある。『ガーディアン』紙、アルジャジーラ、『フォーリン・ポリシー』誌に定期的に寄稿し、欧州グリーン・ニューディールの諮問委員を務め、「ランセット 賠償および再分配正義に関する委員会」のメンバーでもある。 Translator 野中 香方子 Kyoko Nonaka お茶の水女子大学文教育学部卒業。主な訳書にアイザックソン『コード・ブレーカー(上下)』(共訳、文藝春秋)、サイクス『ネアンデルタール』(筑摩書房)、ヴィンス『進化を超える進化』(文藝春秋)、ウィルミア/トーランド『脳メンテナンス大全』(日経BP)、ブレグマン『Humankind 希望の歴史(上下)』(文藝春秋)、シボニー『賢い人がなぜ決断を誤るのか?』(日経BP)、ズボフ『監視資本主義』(東洋経済新報社)、イヤール/リー『最強の集中力』(日経BP)、メディナ『ブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である』(東洋経済新報社)ほか多数。