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自分の感受性くらい
¥770
自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ もっとも人気のある詩人の、もっとも有名な詩集。なかでも突出した人気を誇る表題作は、自分で考え続けること、自立した知性を磨き続けることの大切さをうたい、そのメッセージ性の強い言葉は、自分自身への問いかけとして多くの読者の共感をよび、やすきに流れる心を戒めてきた。現代詩の枠をこえた感動の名著。解説=伊藤比呂美。 [出版社より] 著 者|茨木のり子 出版社|岩波書店[岩波現代文庫] 定 価|700円+税 判 型|文庫判・並製 頁 数|124 ISBN|9784006023683 発 行|2025年04月 Contents 詩集と刺繡 癖 自分の感受性くらい 存在の哀れ 知命 * 青年 青梅街道 二人の左官屋 夏の声 廃屋 孤独 友人 底なし柄杓 波の音 * 顔 系図 木の実 四海波静 殴る 鍵 茨木のり子の詩の魅力(伊藤比呂美) 初出一覧 茨木のり子著作目録 Author 茨木 のり子 Noriko Ibaragi 1926–2006年.〈現代詩の長女〉とも称される,戦後の日本を代表する現代詩人.1953年,川崎洋と二人で同人詩誌「櫂」を創刊.「わたしが一番きれいだったとき」をはじめとする作品群で戦時下の女性の青春を描く.敗戦を契機にひらかれた幅広い社会意識と健康な批評精神が特徴で,スパッと歯切れのいい言葉が断言的に出てくる,主張のある詩,論理の詩,倫理の詩,あるいは「自分の感受性くらい」のような,読者を励ます,人を奮い立たせてくれる詩が多い.他の詩集に,『対話』『見えない配達夫』『倚りかからず』『歳月』など,また訳詩集に『韓国現代詩選』(読売文学賞)がある.
エスノグラフィ入門
¥1,056
「場面を描く、生活を書く」『タイミングの社会学』(紀伊國屋じんぶん大賞2024第2位)の著者、最新刊。エスノグラフィの息遣いを体感する入門書。 生活を書く、それがエスノグラフィの特徴です。そして、もっとも良質なエスノグラフィの成果は、 苦しみとともに生きる人びとが直面している世界を表し出すところに宿るものです。もともと人類学で発展したこの手法は、シカゴ学派を拠点に、 社会学の分野でも広がっていきました。本書では、5つのキーワードに沿って、そのおもしろさを解説していきます。予備知識はいりません。ぜひ、その魅力を体感してください。 [出版社より] 著 者|石岡 丈昇 出版社|筑摩書房[ちくま新書] 定 価|960円+税 判 型|新書判 頁 数|304 ISBN|978-4-480-07646-5 発 行|2024年09月 Contents はじめに エスノグラフィとは/本書の著者について/エスノグラフィの核心/本書のスタイル/あるひとつの入門書 第1章 エスノグラフィを体感する 通夜と賭けトランプ/センス・オブ・ワンダー/海の少年/場面と主題/二重写しに見る/フィールド調査の十戒/フィールドの人びととの関係のあり方/調査の進め方/社会学的に観察する/フィールド調査のねらい/本章のまとめ コラム1 サイクリストの独自世界 第2章 フィールドに学ぶ 経験科学/フィールド科学/雪かきの現場から/モノグラフ/可量と不可量/不可量を書く/ボクサーの減量の事例/人びとの経験に迫る/身体でわかる/フィールドへのエントリー/漁民から見る/人びとの対峙する世界/本章のまとめ コラム2 ペットによる社会的影響とその効果 第3章 生活を書く シカゴ学派/生活を見る眼/アフリカの毒/同時代の人びとへ/地続きの人類学/生活実践へ/日常生活批判/差別の日常/「いま―ここ」の注視/「人びとの方法」への着目/遠近法的アプローチ/まひるのほし/本章のまとめ コラム3 遊びとしての公的空間での眠り 第4章 時間に参与する 生活論/生活を読み取る/生活環境主義/「森林保護」による生活破壊/時間へ/ボクサーの「典型的な一日」/時間的単位を知る/周期性とリズム/時間をめぐる困難/生が「生活」になるとき/共に活動すること/私の失敗談/本章のまとめ コラム4 手話サークルから見るろうコミュニティとコロナウイルス 第5章 対比的に読む 図書館の歩き方/探索することの魅力/「赤青」の色鉛筆/読みの体感/エスノグラフィを読む/裏舞台だけを読まない/着眼点の移植/対比的に発見する/データをつくる/本章のまとめ コラム5 リスクから見るサブカルチャー 第6章 事例を通して説明する フィリピンとの出会い/繰り返し通うこと/対比という方法/事例を通した説明/論理の解明へ/羅生門的手法/客観性から客観化へ/ミクロ・マクロ問題/バンコクのバイクタクシー/エスノグラフィとルポルタージュ/本章のまとめ コラム6 部活動におけるケガの社会学 おわりに――次の一歩へ 学ぶこと/受苦を生きる/楽しみと苦しみ あとがき――読書案内をかねて 参考文献 索引 Author 石岡 丈昇 Tomonori Ishioka 1977年、岡山市生まれ。専門は社会学/身体文化論。日本大学文理学部社会学科教授。フィリピン・マニラを主な事例地として、社会学/身体文化論の研究をおこなう。著作に『タイミングの社会学──ディテールを書くエスノグラフィー』(青土社、2023年、紀伊國屋じんぶん大賞2024第2位)、『ローカルボクサーと貧困世界──マニラのボクシングジムにみる身体文化』(世界思想社、2012年、第12回日本社会学会奨励賞。2024年に増補新版)、共著に『質的社会調査の方法──他者の合理性の理解社会学』(岸政彦・丸山里美との共著、有斐閣、2016年)など。
世界の教育はどこへ向かうか——能力・探究・ウェルビーイング
¥990
デジタル化やグローバル化などの社会変化を背景に、世界各国が教育改革を加速させている。本書は国連やOECD、ユネスコなどの国際機関、各国での議論を踏まえ、これからの教育を考察する。新たな時代に求められる能力や主体性、ウェルビーイングとは何か。各国が直面する教師不足や過重なカリキュラムへの対応策は。そして、日本に欠けている点とは。一人ひとりの子供が尊重された、あるべき教育、学校の未来を探る。 [出版社より] 著 者|白井俊 出版社|中央公論新社[中公新書] 定 価|900円+税 判 型|新書判 頁 数|232 ISBN|978-4-12-102844-0 発 行|2025年02月 Contents はじめに 序 章 変わる世界の教育 1 デジタル化の影響 2 「学力世界一」の交替 3 教師を取り巻く環境の変化 第一章 教育は何を目指すべきか 1 世界のパラダイム転換 2 国連が採択したSDGs 3 ウェルビーイングへの注目 4 人間重視に立ち返る 第二章 「主体性」を捉え直す 1 理想と現実のギャップ 2 そもそも共通理解はあるのか 3 国際的な視点から問い直す 第三章 子供たちに求められる「能力」 1 能力とは何か 2 「非認知能力」の重要性と落とし穴 3 能力を発揮する方向 第四章 「探究」の再検討 1 「総合的な学習の時間」の導入 2 前提としての方法論 3 成功するための条件 第五章 何をどこまで学ぶべきか 1 「広さ」と「深さ」のトレードオフ 2 問題の背景 3 見えてきた解決策 Author 白井 俊 Shun Shirai 1976年生まれ。埼玉県出身。東京大学法学部卒業。コロンビア大学法科大学院修士課程修了。2000年文部省(現・文部科学省)に入省し、同省生涯学習政策局(現・総合教育政策局)、初等中等教育局、高等教育局、国際統括官付等で勤務。その間、徳島県教育委員会、OECD(経済協力開発機構)、独立行政法人大学入試センターに出向。2023年8月より内閣府に出向し、現在、同府科学技術・イノベーション推進事務局参事官(研究環境担当、大学改革・ファンド担当)。
緑地と文化——社会的共通資本としての杜
¥1,034
明治神宮外苑において百年の星霜を重ねた樹木の伐採が強行された。これは決して一地域の問題にとどまらない、持続可能な社会の根幹に関わる事態だ。なぜこのような事態が起きてしまったのか。人間と自然の未来はどうなっていくのか。都市と緑地の持続可能性を歴史的パースペクティブと国際比較の視点から問い直す。 [出版社より] 著 者|石川幹子 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|940円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|252 ISBN|9784004320609 発 行|2025年04月 Contents はじめに 序 章 問題の根源はどこにあるのか 1 神宮外苑で強行された都市の杜の伐採 2 何のための再開発か 3 水資源の枯渇による内苑の杜の危機 4 市民との対話の拒否 第一章 社会的共通資本としての緑地とは何か 1 社会的共通資本としての緑地(グリーンインフラ) 2 時空を超えた社会的イノヴェーション 第二章 林泉都市・東京の歴史的パースペクティヴ 1 東京の基層としての「林泉都市」 2 太政官布達による「公園」の誕生 3 林泉都市の消長 4 東京市区改正設計における公園 5 幻の日本大博覧会 6 世紀のプロジェクトの始動 第三章 歴史の重層する杜──明治神宮内苑 1 井伊家下屋敷・共楽の林泉 2 難問を解く 3 百年の杜の実験と現在 第四章 別天地をつくる 1 別天地 2 代々木野の美の発見 3 水の枯渇による小川の消滅 4 杜を創り出した人びと 第五章 民衆がつくった杜──明治神宮外苑 1 林泉をつくる 2 都市美運動・イチョウ並木・パークシステム 3 ナンジャモンジャ物語 4 近代スポーツ揺籃の地 5 外苑を襲う荒波 第六章 不都合な真実──怒涛の規制緩和 1 外苑再開発事業の構図 2 「公園まちづくり制度」 3 外苑に適用された規制緩和の段階的検証 4 環境影響評価の検証 5 都市計画関連「手続き」の検証 6 再開発に伴うイチョウ並木のサステイナビリティの危機 7 失われていく文化資産――外苑を彩る歴史的樹木 第七章 文化を支える緑地 1 手渡された文化資産 2 杜の都・仙台の四百年 3 水と緑の回廊を創る 4 復興まちづくりと文化の再生 5 北の大地・帯広の森 6 鎮魂の杜・広島 展 望 未来へと手渡していく社会の冨 1 市民的自由の場 2 挫折することのなかった東京の杜 3 伊勢神宮・千三百年の杜 4 「千年の杜・東京」へ 5 杜の思想 6 「社会的共通資本」のサステイナビリティ あとがき 参考文献・出典 Author 石川 幹子 Mikiko Ishikawa 1948年宮城県生まれ.東京大学農学部卒業,ハーバード大学デザイン学部大学院修了.環境計画・設計.農学博士,技術士.計画・設計に,「21世紀の公園」(EU環境基金最優秀賞),「学びの森」(土木学会デザイン賞最優秀賞),「水と緑の回廊計画」(みどりの学術賞),「四川汶川大地震・農耕文明遺産地設計」(都江堰市文化功労栄誉賞),「東日本大震災復興・宮城県岩沼市」(日本都市計画学会石川賞),「ブータン王国ロイヤルパーク設計」など.東京都都市計画審議会委員,公園審議会委員などを歴任. 現在─中央大学研究開発機構・機構教授.東京大学名誉教授, 著書─『都市と緑地』(岩波書店,日本都市計画学会論文賞),『グリーンインフラ』(中央大学出版部,日本造園学会学会賞)など.
ザ・ブック・オブ・ザ・リバー
¥2,420
フーダニットの針が挿さってゆく水風船 現代川柳の到達点とも言える、異次元の2025句を収録する川合大祐第三川柳句集。『スロー・リバー』『リバー・ワールド』と続いてきた前人未到の現代川柳プロジェクト「リバー」シリーズ、ついに完結。 [出版社より] [ 収録句より ] ずっとのろしをみていた鼻行類の図鑑 奥村という説得を思いつく 未確認飛行物体(F・カフカ) 砂漠から巨大舞妓が立ちあがる 9の字を校庭に描く時の暮れ バカミスに犬小舎をでる犬 朝だ 納屋を焼く完全言語もとめつつ 著 者|川合大祐 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,200円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|336 ISBN|978-4-86385-671-4 発 行|2025年05月 Contents 第一章 モルグ街の殺人 第二章 父が消えた 第三章 森の生活 第四章 失踪日記 第五章 言葉と物 第六章 われ逝くもののごとく 第七章 非現実の王国で 第八章 重力と恩寵 第九章 櫻の園 第十章 時間 第十一章 S,M,L,XL 第十二章 天井桟敷の人々 第十三章 燃える世界 第十四章 バベルの図書館 第十五章 ディコンストラクション 第十六章 襞 第十七章 森の生活 Author 川合大祐 Daisuke Kawai 川柳作家。1974年長野県生まれ。「川柳の仲間 旬」同人を経て、「川柳スパイラル」同人。ブログ「川柳スープレックス」共同執筆者。著書『スロー・リバー』(あざみエージェント、2016年)、『リバー・ワールド』(書肆侃侃房、2021年)、共著『はじめまして現代川柳』(書肆侃侃房、2020年)。
裸のランチ 完全版
¥1,540
麻薬中毒のエージェント、リーは捜査の手を逃れてニューヨークを脱出、ついには魑魅魍魎の跋扈するインターゾーンへ……。猥褻な描写、入り乱れる時系列、発表時に大論争を巻き起こしながら、二十世紀アメリカ文学史上、不動の地位を獲得したビートニク文学の最高傑作。最新テキストを元に全面的に訳文が見直された完全版。 [出版社より] 著 者|ウィリアム・バロウズ 訳 者|鮎川信夫 改 訂|山形浩生 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,400円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|392 ISBN|978-4-309-46815-0 発 行|2025年05月 Author ウィリアム・S・バロウズ William S. Burroughs 1914年、米国ミズーリ州生まれ。作家。53年、麻薬中毒者を描いた『ジャンキー』でデビュー。『裸のランチ』は世界的な反響を呼び、ビートニク文学の代表作となる。著書に『ソフトマシーン』『ノヴァ急報』他。 Translator 鮎川 信夫 Nobuo Ayukawa 1920年、東京生まれ。詩人、評論家、翻訳家。早稲田大学英文科中退。詩誌「荒地」創刊に参加。作詩と詩論の両面にわたり、戦後詩の代表者の一人となる。86年逝去。代表作に「死んだ男」「現代詩とは何か」他。 山形 浩生 Hiroo Yamagata 1964年東京都生まれ。評論家、翻訳家。訳書にオーウェル『動物農場』、ケインズ『新訳 平和の経済的帰結』、ミルグラム『服従の心理』、ピケティ『21世紀の資本』(共訳)他。著書に『翻訳者の全技術』他。
ジャンキー 完全版
¥1,320
麻薬中毒者=ジャンキーのリーはニューヨークからメキシコシティまで各地を転々としながら、麻薬漬けの日々を送る…『裸のランチ』で驚異的な反響を巻き起こしたバロウズのデビュー作にして、戦後アメリカのアンダーグラウンド文化が色濃く反映された自伝的小説。最新テキストを元に全面的に訳文が見直された完全版。 [出版社より] 著 者|ウィリアム・バロウズ 訳 者|鮎川信夫 改 訂|山形浩生 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,200円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|296 ISBN|978-4-309-46816-7 発 行|2025年05月 Author ウィリアム・S・バロウズ William S. Burroughs 1914年、米国ミズーリ州生まれ。作家。53年、麻薬中毒者を描いた『ジャンキー』でデビュー。『裸のランチ』は世界的な反響を呼び、ビートニク文学の代表作となる。著書に『ソフトマシーン』『ノヴァ急報』他。 Translator 鮎川 信夫 Nobuo Ayukawa 1920年、東京生まれ。詩人、評論家、翻訳家。早稲田大学英文科中退。詩誌「荒地」創刊に参加。作詩と詩論の両面にわたり、戦後詩の代表者の一人となる。86年逝去。代表作に「死んだ男」「現代詩とは何か」他。 山形 浩生 Hiroo Yamagata 1964年東京都生まれ。評論家、翻訳家。訳書にオーウェル『動物農場』、ケインズ『新訳 平和の経済的帰結』、ミルグラム『服従の心理』、ピケティ『21世紀の資本』(共訳)他。著書に『翻訳者の全技術』他。
偉大な作家生活には病院生活が必要だ
¥2,200
SOLD OUT
生死の淵をさまよう闘病生活の果てに、左側麻痺の身となりながら生還した偉大な作家の驚異的な軌跡(奇跡!)。待望の生還第一作にして、病の前後を記録した前代未聞のエッセイ集。 [出版社より] 著 者|中原昌也 出版社|河出書房新社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|192 ISBN|978-4-309-03939-8 発 行|2024年12月 Contents 1 生存記録二〇二〇‐二〇二三(抄) 2 ぼくの採点症二〇一一‐二〇一四 3 ゾンビ的考察 ゾンビ映画、ジャンルとしての終わり ディストピア映画について Cinnamon Girl まいべけっと 4 わたしは横になりたい 5 生存記録二〇二四 偉大な作家生活には病院生活が必要だ カレー、カンヅメ、本と映画の記憶は忘却の彼方に Author 中原 昌也 Masaya Nakahara 1970年東京都生まれ。「暴力温泉芸者」名義で音楽活動の後、「HAIR STYLISTICS」として活動を続ける。著書に『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』『知的生き方教室』ほか多数。
ヘリオガバルス
¥3,850
ローマ帝国史上もっともアナーキーな皇帝ヘリオガバルス。彼の愛した男アエギヌス。宮廷に張り巡らされた陰謀によって皇位を追われ、破滅へとむかうふたりの逃避行の行方は…。 長く行方不明だった「幻の原稿」が80年ぶりに発見。『花のノートルダム』で文学を永遠に変えてしまった男が、同時期に獄中で書いたもう一つの代表作。最新の研究成果を踏まえ、本邦初訳として蘇る。21世紀の文学史的事件。 [出版社より] 著 者|ジャン・ジュネ 訳 者|宇野邦一・鈴木創士 出版社|河出書房新社 定 価|3,500円+税 判 型|四六変形判・上製 頁 数|192 ISBN|978-4-309-20926-5 発 行|2025年05月 Author ジャン・ジュネ Jean Genet 1910-86年。孤児として育ち、42年獄中で書いた『花のノートルダム』で注目される。『泥棒日記』『葬儀』などを執筆後、60年代以降は黒人解放運動、パレスチナなどに関わり『恋する虜』に結実させる。 Translator 宇野 邦一 Kuniichi Uno 1948年生まれ。哲学者・フランス文学者。立教大学名誉教授。著書に『土方巽──衰弱体の思想』『ドゥルーズ 流動の哲学』など。訳書に、アルトー『タラウマラ』、ジュネ『薔薇の奇跡』など。 鈴木 創士 Soshi Suzuki 1954年生まれ。著書に『アントナン・アルトーの帰還』『中島らも烈伝』『魔法使いの弟子』。訳書に 神の裁きと訣別するため』(共訳)『狂人の二つの体制』(共訳)『歓待の書』『ロデーズからの手紙』。
人形のアルファベット
¥2,750
SOLD OUT
肉片が、聞いている――。 ミシン、人形、缶詰、蜘蛛、そして女たち……。 奪われし者たちの悲鳴がグロテスクに世界を覆う。GRANTA「若手作家ベスト20」選出、英語圏で最も注目を集める作家による、シャーリイ・ジャクスン賞受賞作を含む鮮烈のデビュー作。 [出版社より] 「既成概念を覆す試み」 ――ウォール・ストリート・ジャーナル 「素晴らしい! 印象深く、しかし、すぐに消えてしまいそうなほど儚いイメージ。グルドーヴァは、美しさを描くための最も難しいテクニックを見事に駆使している」 ――デボラ・レヴィ(『ホットミルク』著者) 「ダークで知的で美しく、絶妙にグロテスクな、グルドーヴァの世界を読む喜び。 ――ヘレン・オイェイェミ(『あなたのものじゃないものは、あなたのものじゃない』著者) 「裂けたストッキングと手縫いのベルベットのドレス。知的なバロック小説であり、完璧かつ大胆、巧妙かつ繊細な傑作。アンジェラ・カーターの正統な後継者であるカミラ・グルドーヴァの、飾り気がなく、それでいて魅惑的な文体を、ぜひ読んで、愛してほしい!真似ごとや作り物ではない、真に奇妙に輝く宝石のような作家だから」 ――ニコラ・バーカー(2007年ブッカー賞最終候補作『Darkmans』著者) 「『人形のアルファベット』は、独自の世界を細部に至るまで創り上げている。初めて見る風景なのに、まるでずっとそこにあり、誰かに見つけられることを、そして魅了されることを待っていたかのよう」 ――シーラ・ヘティ(ニューヨーク・マガジン誌2018年ベストブック『Motherhood』著者) 著 者|カミラ・グルドーヴァ 訳 者|上田麻由子 出版社|河出書房新社 定 価|2,500円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|224 ISBN|978-4-309-20923-4 発 行|2025年05月 Author カミラ・グルドーヴァ Camilla Grudova 短編集『人形のアルファベット』収録作の「ワクシー」がシャーリイ・ジャクスン賞中編部門を受賞。2023年「GRANTA」発表のBest of Young British Novelists選出。 Translator 上田 麻由子 Mayuko Ueda 訳書にヘレン・オイェイェミ『あなたのものじゃないものは、あなたのものじゃない』、ロクサーヌ・ゲイ『むずかしい女たち』(共訳)。著書に『2/5次元クロニクル』がある。
いっそあの方が死んで下すったなら 伊澤みゆき作品集
¥3,960
少女小説の黎明期に、『少女画報』を舞台に数々の傑作を残した作家、伊澤みゆき。 その名と作品は長らく埋もれていたが、伊澤の作品が少女小説に与えた影響は大きく、吉屋信子は、「みんなが伊澤みゆきの作品がいいと思うように、自分の作品もそう思われたい」と語り、後に代表作となる『花物語』の第一編を『少女画報』に投稿したという。今あらためて、その文学的価値と独自の世界観が見直されている。 伊澤の作品には、甘く優しいだけではない、どこか影を帯びた「闇のオーラ」を放つ友愛小説が多く見られる。嫉妬や執着、ルッキズム――少女たちの内面に潜む痛みや陰りが、丁寧に、そして烈しく描かれ、百年前の少女たちの叫びは、今もなお私たちの心に鮮烈な衝撃をもたらす。 本書は、伊澤みゆき初の作品集であり、『少女画報』に掲載された全60篇を収録。テーマごとに5章に分け、彼女の多彩な作風を存分に味わえる構成とした。また、女性研究者たちによる詳細な解説も収録し、文学史的な視点からも伊澤の作品を掘り下げる一冊となっている。 [出版社より] 著 者|伊澤みゆき 出版社|国書刊行会 定 価|3,600円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|504 ISBN|978-4-336-07764-6 発 行|2025年05月 Contents Ⅰ「いっそあの方が死んで下すったなら──少女同士の愛」 Ⅱ「若く美しくお亡くなりに──追憶の人」 Ⅲ「余計なお世話よ──愛ちゃんのスケッチ」 Ⅳ「どうせわたしも捨てられた身だ──家庭の話」 Ⅴ「我は少女(おとめ )!──少女であること」 解說:永渕朋枝(神戸女子大准教授) /久米依子(日本大学文理学部特任教授 Author 伊澤 みゆき Miyuki Izawa 1890年宮城県仙台市生まれ。本名は伊澤英子(旧姓伊澤、のち伊東、須田)。父は医師の伊澤富次郎、伯父は東京師範学校長、東京音楽学校長を務めた伊澤修二。警視総監・台湾総督を歴任した伊澤多喜男は叔父で、劇作家の飯沢匡は従弟にあたる。妹のきみ子は宇野浩二の恋人で、小説『苦の世界』の主人公のモデル。 伊澤みゆきは1912年から16年にかけて、『少女画報』(東京社)に「闇に居て」「春も逝く」など60編もの少女小説を発表し、少女同士の熱い友情を描いた作品が読者から大きな支持を集めた。吉屋信子が同誌に『花物語』を投稿したのは、伊澤作品に魅了されたからだと述べている。『少女画報』の他にも、『青鞜』『赤い鳥』『処女地』『若草』に濱野雪・伊東英子の名で小説や童話を発表した。近年その作品は学術論文や研究誌でも取り上げられ、文学的な影響とその独自性が新たに評価されている。1973年没。
星沙たち、
¥2,200
SOLD OUT
音楽のために、生きている。青葉市子、はじめてのエッセイ集。 夢と現実が溶け合う、永遠に似た時間。深い海に潜って見つけた、小さな創作のかけら。 「大雨みたいな拍手が聞こえる。様々な人生のひとときを預かる、ステージの袖で、深呼吸をしている。どうか音楽よ、私たちを包んでと祈りながら。」 イラスト=青葉市子、装幀=名久井直子。 [出版社より] 著 者|青葉市子 出版社|講談社 定 価|2,000円+税 判 型|四六変型判/上製 頁 数|176 ISBN|9784065394946 発 行|2025年05月 Contents 1.停泊する商店街 2.手のひらの地球儀 3.夢のありか 4.蠢く聲たち 5.海の枕 6.空に浮かぶ塔 7.混線と結束 8.めくるめく旅路 9.兎の尾龍の爪 10.丘の上の青い光 11.水瓶 12.春のあらわし 13.翠たちの夢 14.あお、みどり。 15.夢法師 16.ねえ、ペンギン。 あとがき Author 青葉 市子 Ichiko Aoba 1990年生まれ。音楽家。自主レーベル〈hermine〉代表。 2010年のデビュー以来、8枚のオリジナル・アルバムをリリース。クラシックギターを中心とした繊細なサウンドと、夢幻的な歌声、詩的な世界観で国内外から高い評価を受けている。2021年から本格的に海外公演を開始し、数々の国際音楽フェスティバルにも出演。音楽活動を通じて森林・海洋保全を支援するプロジェクトにも参加している。2025年1月にはデビュー15周年を迎え、約4年ぶりとなる新作『Luminescent Creatures』を2月にリリース。 同月下旬からキャリア最大規模となるワールドツアー〈Luminescent Creatures World Tour〉を開催し、アジア、ヨーロッパ、北米、南米、オセアニアで計50公演以上を予定。 2023年5月号より『群像』でのエッセイ連載を開始、本書が初の単行本となる。FM京都〈FLAG RADIO〉では奇数月水曜日のDJを務めるほか、TVナレーション、CM・映画音楽制作、芸術祭でのパフォーマンスなど、多方面で活動している。
町の本屋はいかにしてつぶれてきたか——知られざる戦後書店抗争史
¥1,320
怒涛の4刷決定。 かつて本屋は「帰り道にふらっと寄る」場所だった。だが、いつのまにか町から本屋の姿はなくなり、「わざわざ行く」場所になってしまっている。いったいいつから、どのようにして、本屋は消えていったのか? 本書では、出版社・取次・書店をめぐる取引関係、定価販売といった出版流通の基本構造を整理した上で、戦後の書店が歩んだ闘争の歴史をテーマごとにたどる。公正取引委員会との攻防、郊外型複合書店からモール内大型書店への移り変わり、鉄道会社系書店の登場、図書館での新刊書籍の貸出、ネット書店の台頭――。 膨大なデータの分析からは、書店が直面してきた苦境と、それに抗い続けた闘争の歴史が見えてくる。「書店がつぶれていく」という問題の根幹を明らかにする一冊。 [出版社より] 著 者|飯田一史 出版社|平凡社[平凡社新書] 定 価|1,200円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|352 ISBN|9784582860795 発 行|2025年04月 Contents まえがき 第一章 日本の新刊書店のビジネスモデル コラム1 本屋の動向と読書の動向は必ずしも一致しない 第二章 日本の出版流通の特徴 コラム2 書店の注文・取引方法あれこれ 第三章 闘争する「町の本屋」――運賃負担・正味・新規参入者との戦い コラム3 見計らいの重視、予約と客注の軽視 第四章 本の定価販売をめぐる公正取引委員会との攻防 コラム4 返品条件付販売への切り替えはいつ起こり、いつ委託ではないと認識されたのか 第五章 外商(外売) コラム5 取次からの請求への書店の入金率の変化と返品入帳問題 第六章 兼業書店 コラム6 信認金制度 第七章 スタンドと鉄道会社系書店 コラム7 出版物のPOSの精度を高めるのはなぜむずかしいのか 第八章 コンビニエンス・ストア コラム8 書籍の客注と新刊予約注文の歴史 第九章 書店の多店舗化・大型化 コラム9 共同倉庫構想の挫折史 第十章 図書館、TRC(図書館流通センター) コラム10「送料無料」と景表法規制 第十一章 ネット書店 コラム11 2020年代の「指定配本」の増加 終章 あとがき Author 飯田 一史 Ichishi Iida 1982年青森県生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。グロービス経営大学院大学経営研究科経営専攻修了(MBA)。出版社にてカルチャー誌や小説の編集に携わったのち独立。マーケティング的視点と批評的観点からウェブカルチャー、出版産業、子どもの本、マンガ等について取材、調査、執筆。JPIC読書アドバイザー養成講座講師、電子出版制作・流通協議会「電流協アワード」選考委員。著書に『いま、子どもの本が売れる理由』(筑摩書房)、『マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの?』『ウェブ小説30年史』(以上、星海社新書)、『「若者の読書離れ」というウソ』(平凡社新書)、『電子書籍ビジネス調査報告書2024』(共著、インプレス総合研究所)など。
新版 就職しないで生きるには
¥2,090
働き方・ライフスタイル本の原点。 自分のリズムにあわせて働き、好きなことで生計を立てる。40年以上にわたり若者たちを励ましてきた不朽の名著。仕事と生き方に悩むすべての人に。 嘘にまみれて生きるのはイヤだ。だが生きていくためにはお金がいる。だから自分の生きるリズムにあわせて労働し、人びとが本当に必要とするものを売って暮らすのだ。天然石鹸をつくる。小さな本屋を開く。その気になれば、シャケ缶だってつくれる。頭とからだは自力で生きぬくために使うのだ。失敗してもへこたれるな。ゼロからはじめる知恵を満載した若者必携のテキスト[1981年初版]。解説=辻山良雄(本屋Title店主)。 [出版社より] 著 者|レイモンド・マンゴー 訳 者|中山容 出版社|晶文社[晶文社ライブラリー] 定 価|1,900円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|232 ISBN|978-4-7949-7473-0 発 行|2025年05月 Contents はじめに 小さな本屋さんをはじめた 法律なんかこわくない したたかな友人たち 心をなくして客をなくす 愛は一軒の家から…… 訳者あとがき 解説 Author レイモンド・マンゴー Raymond Mungo 1960年代後半にベトナム反戦運動に参加。その後、農場でコミューン生活をおくり、日本はじめ世界中を旅する。1973年シアトルで小さな出版社兼書店『モンタナ・ブックス』をはじめる。また原子力発電に反対してワシントン州知事選に立候補。放浪生活を送りながら、『マザー・ジョーンズ』誌の編集に携わる。著書に『河の旅、森の生活』など。 Translator 中山 容 Yo Nakayama 1931年東京生まれ。明治学院大学英文科卒業。国際基督教大学修士課程修了。翻訳家。1997年逝去。訳書にターケル『「よい戦争」』『仕事!』『アメリカの分裂』『人種問題』『ボブ・ディラン全詩302篇』(以上、共訳)、ジョン・オカダ『ノーノー・ボーイ』、ネルソン・オルグレン『シカゴ、シカゴ』(いずれも晶文社)ほか。
働きたいのに働けない私たち
¥2,090
女性は投資の対象外? 女性は好きでパートをしている!? 韓国の子持ち高学歴女性は労働市場から退場していく。社会は有能な人材を失い続け、母親たちは代わりにわが子の教育で競争に参戦する。男性本位の職場、個人化されたケアを解体するために何が必要か。スウェーデン、アメリカとの比較から考える。解説=中野円佳。 [出版社より] 「女が仕事も夢も子どもや家庭も持ちたいと願うことって、図太いからなんかじゃないよね?! とことん論理的な分析の向こうに涙が滲み出る。」 ――小林エリカ[作家・アーティスト] 「ガラスの天井、L字カーブ、ケアの個人化。労働と出産をめぐる性差別が蔓延するこの国で、〈男たち〉はずっと透明のままでいいのか」 ――清田隆之[文筆家] 著 者|チェ・ソンウン 訳 者|小山内園子 出版社|世界思想社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|160 ISBN|9784790718000 発 行|2025年05月 Contents プロローグ 図太い女の社会 1 「平等な競争」という幻想 2 女性に「学歴プレミアム」はあるか 3 母になるのは拒否します 4 より多くの女性が働けるように エピローグ 機会の平等を論じる 補論 日本の「働けない女たち」へ(チェ・ソンウン) 解説 手を取り合える日韓の女性たち(中野円佳) 訳者あとがき ブックガイド/参考文献 Author チェ・ソンウン 行政学博士。延世大学行政学科で修士号、博士号を取得後、国会立法調査処児童保育立法調査官補を経て、淑明女子大、延世大、明知大などで教鞭をとる。現在は大田世宗研究院世宗研究室の責任研究委員として、世宗特別自治市の女性、子ども、少子化政策の課題を研究。キャリア女性の雇用対応政策、子どもの遊ぶ権利を保障した公共の遊び場の活性化、ワーキングママ支援センターの運営などについて提言を行ってきた。合計特殊出生率0.75と深刻な少子化に悩む韓国にあって、世宗特別自治市は1.03を記録(韓国統計庁、2024年の合計特殊出生率〔暫定値〕)。特別市・広域市の中で唯一1を超える自治体であり、その実践が注目を集めている。 Translator 小山内 園子 Sonoko Osanai 韓日翻訳家、社会福祉士。NHK報道局ディレクターを経て、延世大学校などで韓国語を学ぶ。訳書にク・ビョンモ『破果』『破砕』(岩波書店)、チョ・ナムジュ『耳をすませば』(筑摩書房)、『私たちが記したもの』(すんみとの共訳、筑摩書房)、カン・ファギル『大仏ホテルの幽霊』(白水社)、イ・ミンギョン『私たちにはことばが必要だ』『失われた賃金を求めて』(すんみとの共訳、タバブックス)など、著書に『〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学』(NHK 出版)がある。
「働けない」をとことん考えてみた。
¥2,090
働かない、働けない、働きたくない……。 「普通の働き方」ってなんだろう? ロスジェネ世代、非正規雇用、職場のハラスメント、うつと休職、生活保護、障害年金──。 『ぼそぼそ声のフェミニズム』著者がつづる〈働けない〉側から考える、あたらしい労働論。「ウェブ平凡」で話題を呼んだ好評連載に、書き下ろしを加え書籍化。 [出版社より] 著 者|栗田隆子 出版社|平凡社 定 価|1,900円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|216 ISBN|9784582839654 発 行|2025年02月 Contents はじめに 一章 働かない、働けない、働きたくない ……時代が私に追いついてきてしまったのか? 「正規雇用」の「正」ってナニ? ──正規雇用と非正規雇用の分断の正体 働けない人間の身に起きたこと──年金制度に潜む差別 独身女性のイメージの変遷を追ってみる──ゼロ年代から二〇年代まで インボイス制度──国家や企業の本音が透け透け 「女性活躍」とは何なのか? ──「女性の人権」とは似て非なるもの 世界は無償労働で回っている──有償労働と無償労働の違いって? 二章 「普通になりたい」という願望 “怠ける”というタブー ──うつ病の人が闘う相手とは 「お天気屋さん」として生きている いつまでも楽にならない労働の話 頑張りゃいいってものじゃない 「おおきなかぶ」と「新時代の『日本的経営』」 三章 不安定な私の労働と、働かなくてもよい人たち 「怠け者」列伝 働いているけど、働いてない 不労所得──あるいは「稼ぎ」が目的ではない仕事 ポイ活──消費の導火線、あるいは労働の残滓 おわりに Author 栗田 隆子 Ryuko Kurita 文筆家。1973年生まれ。大阪大学大学院で哲学を学び、シモーヌ・ヴェイユを研究。その後、非常勤職や派遣社員などのかたわら女性の貧困問題や労働問題を中心に新聞・雑誌などで執筆。著書に『ぼそぼそ声のフェミニズム』(作品社)、『呻きから始まる 祈りと行動に関する24の手紙』(新教出版社)、『ハマれないまま、生きてます こどもとおとなのあいだ(シリーズ「あいだで考える」)』(創元社)、共著に『1995年 未了の問題圏』(大月書店)、『フェミニズムはだれのもの? フリーターズフリー対談集』(人文書院)、『高学歴女子の貧困 女子は学歴で「幸せ」になれるか?』(光文社新書)など。
焼死体たちの革命の夜
¥3,256
病に倒れる直前までに書かれた短篇を集成。馬に乗って新宿を彷徨う「あの農場には二度と」など、時代の危機を先取りする崩壊感覚と、生のあり方を問う真摯さに貫かれた世界水準の傑作。 [出版社より] 著 者|中原昌也 出版社|河出書房新社 定 価|2,960円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|224 ISBN|978-4-309-03960-2 発 行|2025年04月 Author 中原 昌也 Masaya Nakahara 1970年東京都生まれ。「暴力温泉芸者」名義で音楽活動の後、「HAIR STYLISTICS」として活動を続ける。著書に『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』『知的生き方教室』ほか多数。
ヘルシンキ 生活の練習はつづく
¥1,980
ガチ多様性。 「1日8時間労働だったら、3時間ちょっと、ぼんやりしてください」。ふたりの子どもと北欧へ渡った社会学者による、現地レポート。 「一日八時間労働だったら、三時間ちょっと、ぼんやりしてください」――健康診断の看護師さん 「自分のホームはフィンランドだと思って、ここに根づいてほしい」――ゲオルギー 「母ちゃんは戦争になったら、ユキとクマをすぐ日本に連れていってくれる?」――ユキ 「ここでどんなにたくさんのことを教わったか、みんながどれだけよく僕をお世話してくれたか、僕は言葉では言えない」――クマ 「日本ではどうも、おじいさんが偉くなるルールがあるっぽいな」――ユキ 「言葉で世界があんねん」――ユキ 「みんしゅしゅぎのくにでは、みんながいやだといったら、せんそうが続けられない」――クマ etc. 「多様なのが普通」って、こういうことなのか。 [出版社より] 著 者|朴沙羅 出版社|筑摩書房 定 価|1,800円+税 判 型|四六版/並製 頁 数|336 ISBN|978-4-480-81581-1 発 行|2024年08月 Contents はじめに 1 大人と働く 2 戦争と平和(前編) 3 戦争と平和(後編) 4 特殊なのは誰か 5 見えないルール 6 エリライシアが普通 7 みんなのための善いこと おわりに 注 装丁・装画・本文設計 寄藤文平+垣内晴(文平銀座) Author 朴 沙羅 パク・サラ 専攻は社会学(ナショナリズム研究)。ヘルシンキ大学文学部文化学科講師。著作に『ヘルシンキ 生活の練習』、『家(チベ)の歴史を書く』(ちくま文庫)、『外国人をつくりだす』(ナカニシヤ出版)など。
崩壊概論
¥1,540
現代の黙示録、ここに甦る。 透徹した懐疑が矛盾の総体たる世界を熾烈なまでに問いただす。信念は解体され、拠って立つ基盤は崩壊する――。幻影の破棄と新たな幻影を希求した本書は、シオランが母語であるルーマニア語ではなくフランス語で初めて著した作品。未来に倦み、同時に言いようのない渇きに襲われながら、思想家は敗滅へと向かう人間の宿命を凝視する。繊細と皮肉、陶酔と幻滅、憤怒と倦怠、明視と錯乱……。不眠の夜々に咲いた断章群、それは、まぎれもなく現代の黙示録としてわれわれの精神に浸潤し、揺さぶりをかけるだろう。解説=大谷崇。 [出版社より] 著 者|E.M.シオラン 訳 者|有田忠郎 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|1,400円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|352 ISBN|978-4-480-51297-0 発 行|2025年04月 Contents 日本語版への序 崩壊概論 発作的な思想家 頽廃(デカダンス)のさまざまな顔 聖性と「絶対」のしかめ面 知の舞台装置 放棄 訳者あとがき 解説 大谷崇 Author E.M.シオラン E. M. Cioran 1911-95年。ルーマニア生まれの作家、思想家。1937年パリに移り住み、後年はフランス語で数多くの著作を残した。『歴史とユートピア』によりコンバ賞を受賞。著書に『絶望のきわみで』『思想の黄昏』『告白と呪詛』(以上、紀伊國屋書店)、『敗者の祈?書』『悪しき造物主』『四つ裂きの刑』(以上、法政大学出版局)など。 Translator 有田 忠郎 Tadao Arita 1928-2012年。九州大学大学院第二期修了。詩人、翻訳家、フランス文学者。専門はフランス詩。西南学院大学名誉教授。
毛糸のズボン——直野祥子トラウマ少女漫画全集
¥1,100
甦る恐怖。 いちばん恐ろしいのは、人間――。 誰もが思い当たる人間心理を突き詰めたサスペンスで70年代の少女たちを震え上がらせた直野祥子のトラウマ少女漫画をここに集成。全収録作への自作解説付き。 おばあちゃんの手編みのズボンを穿きたくないひろしが取った行動は?(「毛糸のズボン」)、「両親に似ていない」と言われたマリは不安のあまり弟を……(「マリはだれの子」)、家族旅行を楽しむさち子はアイロンを切り忘れてきたのではと不安に思い始める――(「はじめての家族旅行」)。 [出版社より] 著 者|直野祥子 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|1,000円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|336 ISBN|978-4-480-44009-9 発 行|2025年02月 Contents マリはだれの子 毛糸のズボン おつたさま 宿題 ひも かくれんぼ 復讐 こじきの死 はじめての家族旅行 首かざり 雨 シャイアンの大わし 血ぞめの日記が空を舞う へび神さま 自作解説――漫画と私 Author 直野 祥子 Yoshiko Naono 漫画家、イラストレーター。神戸・六甲で生まれ、夙川で育つ。1968年、「ガロ」の新人募集コーナーで「実験」が入選し、漫画家としてデビュー。1971年~1973年にかけて少女漫画雑誌「なかよし」「少女フレンド」誌上にて、人間心理をえぐるような異色のサスペンス作品の数々を発表、そのショッキングな内容は当時の読者に多大なトラウマを植え付けた。以降は「ビッグコミック」や「女性セブン」、「女性自身」などで活躍を続けるも1995年の阪神淡路大震災で被災し、初期の原稿はほぼ消失。2005年、生まれ育った昭和30年代の夙川での家族の暮らしを絵日記として記した『夙川ひだまり日記』を小学館スクウェアより出版。
映画 視線のポリティクス——古典的ハリウッド映画の戦い
¥1,210
フィルム・スタディーズという研究領域を切り拓いた画期的な映画生成批評。 スタジオ・システムという強力な支配形態のもとにおかれた、古典的ハリウッド映画産業。利潤追求を至上命令とする製作会社によって俳優・監督・脚本家他あらゆる関係者が管理されるなか、激動期のアメリカで、いかにして映画は製作されたのか。監督と撮影所の対立、陸軍による検閲、自主検閲的倫理規定ヘイズ・コード、第二次世界大戦のプロパガンダ映画、それに携わった黒人映画作家……。複雑な力学が働く映画の生成過程に、文書資料や関係者インタビューなど一次資料を用いて実証的に迫る。映画学(フィルム・スタディーズ)という研究領域を切り拓いた画期的作品。 解説=板倉史明。 [出版社より] 著 者|加藤幹郎 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,100円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|256 ISBN|978-4-480-51299-4 発 行|2025年05月 Contents 第1章 検閲と生成 スクリューボール・コメディ論 プレストン・スタージェス・コレクション/ジャンルと作家/フランク・キャプラと人民喜劇/署名のないフィルム/世界の中心ハリウッド/笑いの数値化/検閲と生成 第2章 喜劇映画作家がプロパガンダを撮るとき キャプラ都へ行く/ハリウッド戦時娯楽映画/戦前の喜劇映画/「キャプラ組」顛末記/システムと戦う個人/プロパガンダ映画のディコンストラクション/ディズニー・アニメーション/最後の人民喜劇 第3章 雇われた黒人 カールトン・モス・インタビュー 老兵は死なず/プロパガンダを撮る/黒人よ銃を取れ/ワシントンから来た男/銃口は誰に向けられたか 第4章 ジャンルとジェンダー ジャンルの混淆/年少犯罪もの/ハリウッドの戦後体制/女のフラッシュバック/?の編集/最後の教訓 補 遺 映画製作倫理規定 文庫版解説 種蒔かれた映画学 板倉文明 映画題名索引 Author 加藤 幹郎 Mikiro Kato 1957-2020年。長崎生まれ。筑波大学比較文化学類卒業、同大学大学院文芸・言語研究科単位取得退学。京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て、同名誉教授。日本映画学会初代会長。著書に『映画館と観客の文化史』(中公新書)、『日本映画論 1933-2007』(岩波書店)、『荒木飛呂彦論』(ちくま新書)、『映画とは何か』『映画ジャンル論』(ともに増補改訂版、文遊社)などがある。
ベオグラード日誌 増補版
¥1,056
戦争の傷、読書の歓び、セルビアでの暮らし。 日記文学の傑作、待望の増補文庫化。読売文学賞受賞作に、新たに最近6年間の日誌を増補。 セルビア語と日本語の詩を読み書く毎日、街角で語られるNATO空爆の悲惨な記憶、難民のこどもたちとの触れ合い、各地の戦争や東日本大震災へ寄せられる人びとの言葉、友人たちとの親密な時間、そして別れ……セルビアの首都ベオグラードで詩人が記した、歓びと哀しみの日々のかけら。読売文学賞受賞の日記文学の傑作に新たに最近6年間をまとめた日誌を増補。解説=小林エリカ。 [出版社より] 「激動の時代は続く。それでもささやかな営みが、出会いと別れが、細やかな他者との繋がりが、きっと世界を変える」 ――宇垣美里 著 者|山崎佳代子 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|960円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|286 ISBN|978-4-480-44019-8 発 行|2025年04月 Contents はじめに またひとつ舟が出ていく ―― 2001年6月23日~12月26日 貝のための子守唄 ―― 2002年1月26日~12月27日 血まみれの童話 ―― 2003年1月1日~12月25日 痕跡 ―― 2004年1月2日~12月26日 谷に響く笛 ―― 2005年1月1日~12月24日 骸骨の瞳、骸骨の口 ―― 2006年1月5日~10月8日 軽くて小さいが麗しいもの ―― 2007年1月3日~5月7日 あきらめないでください ―― 2009年5月~2012年6月 終わりに ―― 「小さな言葉」という小窓から 続・ベオグラード日誌 ―― 2019年1月1日~2025年2月18日 解説 小林エリカ Author 山崎 佳代子 Kayoko Yamasaki 詩人、翻訳家。1956年生まれ、静岡市に育つ。北海道大学露文科卒業。サラエボ大学文学部、リュブリャナ民謡研究所留学を経て、1981年よりセルビア共和国ベオグラード市在住。ベオグラード大学文学部にて博士号取得(比較文学)。著書に『そこから青い闇がささやき』(ちくま文庫)、『パンと野いちご』(勁草書房)、『ドナウ、小さな水の旅』(左右社)など、詩集に『黙然をりて』『みをはやみ』(書肆山田)、『海にいったらいい』(思潮社)など、翻訳書にダニロ・キシュ『若き日の哀しみ』『死者の百科事典』(創元ライブラリ)などがある。
傷のあわい
¥880
『傷を愛せるか』の著者の原点となるエスノグラフィ。 米国で何者かになろうと海を越えた青年、夫の海外転勤に合わせて渡米した女性、人生に詰んで海外へ拠点を移した男性──。異国の地で、不安定さや傷つきに揺れながらも、そのとき成しえる最良の力で人生にぶつかっていく。その語りに、若き日の著者が耳を傾け、生きるということを同じ目線で考えた記録。解説=奈倉有里。 [出版社より] 著 者|宮地尚子 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|800円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|240 ISBN|978-4-480-44015-0 発 行|2025年04月 Contents 文庫版まえがき はじめに 孤独の物語 アメリカン・ドリーム 移民候補生 リミナリティ PTSD(前編) PTSD(後編) ステレオタイプ 恋愛と結婚 邦人援護 二〇歳の人生落伍者 謎の女 パレスチナ レクイエム GOOD BYE=THANK YOU あとがき 解説 ひとりひとりの顔が見える 奈倉有里 Author 宮地 尚子 Naoko Miyaji 一橋大学大学院社会学研究科特任教授。専門は文化精神医学・医療人類学・トラウマとジェンダー。精神科の医師として臨床をおこないつつ、研究をつづけている。1986年京都府立医科大学卒業。1993年同大学院修了。主な著書に『傷を愛せるか 増補新版』(ちくま文庫)、『トラウマ』(岩波新書)、『ははがうまれる』(福音館書店)、『環状島=トラウマの地政学』(みすず書房)、『傷つきのこころ学』(NHK出版)がある。
傷を愛せるか 増補新版
¥792
どれほど医療が進んでも、傷ついた心を癒す薬はない。悲痛に満ちた被害者の回復には何が必要か。臨床医による深く沁みとおるエッセイ。 たとえ癒しがたい哀しみを抱えていても、傷がそこにあることを認め、受け入れ、傷の周りをそっとなぞること。過去の傷から逃れられないとしても、好奇の目からは隠し、それでも恥じずに、傷とともにその後を生きつづけること──。 バリ島の寺院で、ブエノスアイレスの郊外で、冬の金沢で。旅のなかで思索をめぐらせた、トラウマ研究の第一人者による深く沁みとおるエッセイ。解説=天童荒太。 [出版社より] 著 者|宮地尚子 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|720円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|256 ISBN|978-4-480-43816-4 発 行|2022年09月 Contents Ⅰ 内なる海、内なる空 なにもできなくても 〇(エン)=縁なるもの モレノの教会 水の中 内なる海 泡盛の瓶 だれかが自分のために祈ってくれるということ 予言・約束・夢 Ⅱ クロスする感性――米国滞在記+α 二〇〇七―二〇〇八 開くこと、閉じること 競争と幸せ ブルーオーシャンと寒村の海 冬の受難と楽しみ 宿命論と因果論 ホスピタリティと感情労働 右も左もわからない人たち 弱さを抱えたままの強さ 女らしさと男らしさ 動物と人間 見えるものと見えないもの 捨てるものと残すもの ソウル・ファミリー、魂の家族 人生の軌跡 Ⅲ 記憶の淵から 父と蛇 母が人質になったこと 母を見送る 溺れそうな気持ち 本当の非日常の話 張りつく薄い寂しさ Ⅳ 傷のある風景 傷を愛せるか あとがき 文庫版あとがき 解説 切実な告白と祈り 天童荒太 初出一覧 エピグラフ・出典 Author 宮地 尚子 Naoko Miyaji 一橋大学大学院社会学研究科特任教授。専門は文化精神医学・医療人類学・トラウマとジェンダー。精神科の医師として臨床をおこないつつ、研究をつづけている。1986年京都府立医科大学卒業。1993年同大学院修了。主な著書に『傷を愛せるか 増補新版』(ちくま文庫)、『トラウマ』(岩波新書)、『ははがうまれる』(福音館書店)、『環状島=トラウマの地政学』(みすず書房)、『傷つきのこころ学』(NHK出版)がある。
目的をもたない意志 増補版 ——山川方夫エッセイ・コレクション
¥1,100
大江健三郎、アントニオーニ、若尾文子、東京、戦争、恋愛論……。夭折の天才作家、唯一のエッセイ集。妻・山川みどりの回想などを増補。 『文学』は私にとり、まず私の存在のしかたであり、態度なのだ——。 大江健三郎、サルトル、石原慎太郎、若尾文子、日劇、『去年マリエンバートで』、『キングコング対ゴジラ』……。文学はもちろん映画や自由、恋愛まで作家がクールな文体で語るエッセイ集。新たな7篇のほか、妻・山川みどりによる作家との出会いや夫婦の生活をめぐるエッセイ4篇を増補した決定版。 [出版社より] 著 者|山川方夫 編 者|高崎俊夫 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|1,000円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|320 ISBN|978-4-480-44020-4 発 行|2025年04月 Contents 第一章 灰皿になれないということ 灰皿になれないということ 〝自由〟のイメージ 永井龍男氏の「一個」 ―― 〈作家論の試み〉 サルトルとの出逢い 早春の記憶 ―― グレアム・グリーンをめぐって 大江健三郎『われらの時代』 高橋和巳『悲の器』 村松剛『文学と詩精神』 獅子文六『町ッ子』 可笑しい奴 ―― 西島大君のこと 江藤淳氏について 中原弓彦氏について 『遠来の客たち』の頃 ―― 曾野綾子氏について 石原慎太郎氏について 第二章 わが町・東京 わが町・東京 神話 「日々の死」の銀座 正常という名の一つの狂気 ―― 「りゅうれんじん」〈仮題〉の原作者として 恋愛について 日劇 ―― 都会化のシンボル 麻美子と恵子と桐子の青春 海を見る 山を見る――ある心象風景として 「ザ・タリスマン」白書 半年の後…… わがままな由来 ―― ペンネーム誕生記 あの頃 一通行者の感慨 私の良妻論 第三章 目的をもたない意志 ―― 映画をめぐる断章 増村保造氏の個性とエロティシズム ―― 主に『妻は告白する』をめぐって 映画批評家への公開状 目的をもたない意志 ―― マルグリット・デュラスの個性 『情事』の観念性 中途半端な絶望 ―― アントニオーニの新作をめぐって 『二十歳の恋』 『去年マリエンバートで』への一つの疑問 『かくも長き不在』 『シルヴィ』の幻 『肉体市場』 『恋や恋なすな恋』 『オルフェの遺言』 『キングコング対ゴジラ』 付録 『山川方夫全集』月報より 山川みどり なにもかも忽然と 最初で最後の夏 ようこそ、はるばる二宮へ 三十三年目の二宮 批評家・エッセイストとしての山川方夫 高崎俊夫 ちくま文庫版のための編者あとがき 高崎俊夫 Author 山川 方夫 Masao Yamakawa 1930年、東京生まれ。慶應義塾大学大学院中退後、第3次「三田文学」編集長として、江藤淳、坂上弘、曾野綾子をデビューさせるかたわら、自らも創作を発表する。「日々の死」で注目を集め、1958年に商業誌に進出。「演技の果て」「海の告発」など5作が芥川賞、「クリスマスの贈物」が直木賞の候補となる。65年、交通事故にて逝去。著書に『箱の中のあなた』『長くて短い一年』(ちくま文庫)、『親しい友人たち』(創元推理文庫)、『夏の葬列』『安南の王子』(集英社文庫)などがある。 Editor 高崎 俊夫 Toshio Takasaki 1954年福島県生まれ。「スターログ日本版」「月刊イメージフォーラム」「一枚の繪」「AVストア」編集部等を経て、フリーランスの編集者・映画評論家。編集した書籍に『ものみな映画で終わる ―― 花田清輝映画論集』(清流出版)、『テレビの青春』(今野勉著・NTT出版)、『ニセ札つかいの手記 ―― 武田泰淳異色短篇集』(中公文庫)、『親しい友人たち ―― 山川方夫ミステリ傑作選』(創元推理文庫)、『むしろ幻想が明快なのである ―― 虫明亜呂無レトロスペクティブ』(ちくま文庫)ほか多数。著書に『祝祭の日々 ―― 私の映画アトランダム』(国書刊行会)がある。
急に具合が悪くなる
¥1,760
もし明日、急に重い病気になったら――。 見えない未来に立ち向かうすべての人に。 哲学者と人類学者の間で交わされる「病」をめぐる言葉の全力投球。共に人生の軌跡を刻んで生きることへの覚悟とは。信頼と約束とそして勇気の物語。 もし、あなたが重病に罹り、残り僅かの命言われたら、どのように死と向き合い、人生を歩みますか? もし、あなたが死に向き合う人と出会ったら、あなたはその人と何を語り、どんな関係を築きますか? がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者と、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者が、死と生、別れと出会い、そして出会いを新たな始まりに変えることを巡り、20年の学問キャリアと互いの人生を賭けて交わした20通の往復書簡。 [出版社より] 著 者|宮野真生子・磯野真穂 出版社|晶文社 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|256 ISBN|978-4-7949-7156-2 発 行|2019年09月 Contents 1便:急に具合が悪くなる 2便:何がいまを照らすのか 3便:四連敗と代替療法 4便:周造さん 5便:不運と妖術 6便:転換とか、飛躍とか 7便:「お大事に」が使えない 8便:エースの仕事 9便:世界を抜けてラインを描け! 10便:ほんとうに、急に具合が悪くなる Author 宮野 真生子 Makiko Miyano 福岡大学人文学部准教授。一九七七年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程(後期)単位取得満期退学。博士(人間科学)。著書に『なぜ、私たちは恋をして生きるのか』(ナカニシヤ出版、二〇一四年)、共著に『急に具合が悪くなる』(晶文社、二〇一九年)、『愛・性・家族の哲学』シリーズ全三巻(ナカニシヤ出版、二〇一六)。論文に「九鬼周造の存在論理学」(『西日本哲学年報』第19号、二〇一一年、西日本哲学会若手奨励賞受賞)、「個体性と邂逅の倫理―田辺元・九鬼周造往復書簡から見えるもの」(『倫理学年報』第55集、二〇〇六年、日本倫理学会和辻賞受賞)、他。 磯野 真穂 Maho Isono 国際医療福祉大学大学院准教授。1999年、早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒業。オレゴン州立大学応用人類学研究科修士課程修了後、2010年、早稲田大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は文化人類学、医療人類学。 著書に『なぜふつうに食べられないのか――拒食と過食の文化人類学』(春秋社)、『医療者が語る答えなき世界――いのちの守り人の人類学』(ちくま新書)、『ダイエット幻想――やせること、愛されること』(ちくまプリマ―新書)などがある。
おいしそうな文学。
¥1,320
物語は別腹。 29名の豪華執筆陣が綴る、古今東西の文学作品に登場する一品と、忘れられない読書体験。 読書欲と食欲をそそられる三ツ星<食×文学>エッセイ・アンソロジー。 物語の美食家たちを虜にした全29品。その味は、読んでみてのお楽しみ。まずは一口召し上がれ。 [出版社より] 編 者|群像編集部 出版社|講談社 定 価|1,200円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|128 ISBN|9784065384428 発 行|2025年02月 [ 執筆者一覧・50音順 ] 江國香織、枝元なほみ、粥川すず、木村衣有子、くどうれいん、斉藤倫、最果タヒ、向坂くじら、関口涼子、武塙麻衣子、田中知之、崔実、中条省平、土井善晴、奈倉有里、野村由芽、花田菜々子、原武史、原田ひ香、平松洋子、藤野可織、穂村弘、堀江敏幸、益田ミリ、町田康、三浦裕子、宮内悠介、宮崎純一、山崎佳代子
湯気を食べる
¥1,760
最注目の著者による「自炊」エッセイ集。 幅広い分野で活躍する注目の作家・くどうれいんによる「食べること」にまつわるエッセイ集。「オレンジページ」の人気連載と河北新報での東北エッセイ連載に書き下ろしを多数加えた、心にひびく48編。 [出版社より] 著 者|くどうれいん 出版社|オレンジページ 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|212 ISBN|9784865937039 初 版|2025年03月 Contents 【第一章】湯気を食べる 湯気を食べる ディル? それはまかない 南国の王様 愛妻サンド アイスよわたしを追いかけて 福岡のうどん 鍋つゆ・ポテトチップス 棚に檸檬 白いさすまた すいかのサラダ くわず女房 ぶんぶん 庭サラダバー 手作りマヨネーズ おどろきの南蛮漬け かに玉ごはん いい海苔 すだち 寿司はファストフード シェーキーズってすばらしい ピザは円グラフ 醤油はいずれなくなる 【第二章】風を飲む 萩の月 ほや 菊のおひたしと天ぷら せり鍋 わかめ うーめん 笹かまぼこ お米は貰うもの きりたんぽ たらきく 風を飲む 【第三章】自炊は調律 自炊は調律 たまご丼 パン蒸し 好きな食べもの 献立は大行列 つくりおけぬ ねぎとろ ナッツと言いたかった 柿ピーの短刀 自炊の緑白黒赤 くる スナップえんどう 渡したいわたし お花見弁当 おわりに 初出リスト Author くどう れいん Rein Kudo 作家。1994年生まれ。岩手県盛岡市在住。著書にエッセイ集『わたしを空腹にしないほうがいい』『うたうおばけ』『虎のたましい人魚の涙』『桃を煮るひと』『コーヒーにミルクを入れるような愛』、歌集『水中で口笛』、小説『氷柱の声』、創作童話『プンスカジャム』、絵本『あんまりすてきだったから』などがある。
コーヒーについてぼくと詩が語ること[文庫版]
¥1,650
コーヒーを語ることは、世界を語ること。 中世イスラームの地で生まれたコーヒー飲用文化の起源から、21世紀の新潮流までを詩、映画、宗教、戦争を通して語ったコーヒー本が、このたび文庫本として再編されました。巻末には「コーヒーの基礎知識」「注釈」「参考文献一覧」のほか、今回の文庫化にあたり、文筆家・喫茶写真家の川⼝葉子さんの解説文も添えられています。 「街角のカフェで何気なく一杯を口にするとき、たちのぼる湯気とともに、コーヒーが背負う光と影、コーヒーに思いを託した詩人たちの詩が浮かび上がってくる」——解説文より。 [出版社より] 著 者|小山伸二 出版社|書肆梓 定 価|1,500円+税 判 型|文庫判・並製 頁 数|312 ISBN|978-4-910260-07-5 発 行|2025年05月 Contents コーヒーを愛する未知のあなたへ 第1章 旅するコーヒー 1 はじめに、あるいは道草から始まる物語 2 ニコのコーヒーをめぐる冒険 3 眠りたくない夜のために 4 「カフェ的」なるものの誕生 イスタンブールの「コーヒーの家」・パリの初期カフェ 5 日本でのコーヒー文化の進化 西欧化と日本のコーヒー受容・日本独自のハンド・ドリップ文化 6 手のひらの時代のコーヒー 第2章 ソクラテスのカフェ 1 哲学カフェ 2 詩とコーヒー 3 スーフィーのコーヒー 4 移動と変容 5 ふたたび、戦争 6 戦争と映画 7 最後のコーヒー 第3章 コーヒー文化論一九六八/二○一八 1 明治維新から 2 学生たちの「反乱」 3 食の総合出版社のこと 4 コーヒーをめぐる書籍 5 コーヒーの雑誌『blend』 6 異彩を放った著者 7 二十一世紀のコーヒー文化 8 新しい雑誌の登場 第4章 「詩とコーヒー」試論 1 禁酒法の国のコーヒー アラビア・フランス・イタリア・ウィーン・イギリス・アメリカ 2 ユーカーズにおける「コーヒーの詩」 3 朝に一杯のコーヒーを 4 コーヒーは詩を響かせるか コーヒー基礎知識・注釈・参考文献一覧・本書に登場した映画 解説 川口葉子 Author 小山 伸二 Shinji Oyama 鹿児島県出身。書肆梓、Cloud Nine Coffee代表。東京都立大学卒業後、出版社勤務を経て、辻調理師専門学校に転職。2024年退職後も食文化概論の授業を非常勤講師として担当。日本コーヒー文化学会・常任理事。詩人としても活動。詩集に『きみの砦から世界は』(思潮社)、『ぼくたちはどうして哲学するのだろうか。』『雲の時代』『さかまく髪のライオンになって』(書肆梓)。共著に『専門家が語る! コーヒーとっておきの話』(旭屋出版)。
月の本棚 under the new moon
¥2,420
先が見通せず、前に一歩も進めないとき、しばし立ち止まって本を開き、ほかの人生を生きてみました——。月を眺めるように読んだ58作品のブックレビュー。パン店「Le Petitmec」のオウンドメディア連載に加筆。 先の見えない新月の夜にも、いつも美しい言葉がそばにあった。 月はやがて満ちていく。新しい時代への希望を綴る「読書日記」。小説から哲学、エッセイ、人類学の本まで、月を眺めるように読んで、果てしない気持ちになった58作品を紹介。 「先が見通せず、前に一歩も進めないとき、しばし立ち止まって本を開き、ほかの人生を生きてみました。そこでたくさん旅をしました。過去へも旅をして、小学校の図書室で本を読む自分にも出会いました 」——「あとがき」より。 [出版社より] 著 者|清水美穂子 出版社|書肆梓 定 価|2,200円+税 判 型|B6変型判・上製 頁 数|288 ISBN|978-4-910260-03-7 発 行|2023年04月 Contents 1 魅力的な図書室/見えないものに導かれる感覚/月を眺めるように読む/ルールとゲーム。お伽噺の娯楽/パンデミックの時代に 2 過去に属している場所/パティ・スミスの本棚/遊歩者の小説 3 ジュンパ・ラヒリの第三の言語/瞬間の連なりのアート/茶道の稽古/一杯の白湯のような本 4 それはもう遠い国ではなかった 5 本棚の写真を撮った日/小説と日記のあわいに遊ぶ 6 無声映画とキャッツテーブル/マイ・ブックショップとブラッドベリ/アメリカの路上で 7 台風に閉じ込められた日に/名もなき人たちのささやかな生と死/見つける/いとおしきもの 本書に登場する作品 『マザリング・サンデー』グレアム・スウィフト、『雲』エリック・マコーマック、『オーバーストーリー』リチャード・パワーズ、『アップルと月の光とテイラーの選択』中濵ひびき、『月の立つ林で』青山美智子、『アディ・ラルーの誰も知らない人生』V・E・シュワブ、『断絶』リン・マー、『そのひと皿にめぐりあうとき』福澤徹三、『土星の環 イギリス行脚』『アウステルリッツ』W・G・ゼーバルト、『Mトレイン』パティ・スミス、『優しい鬼』レアード・ハント、『インディアナ、インディアナ』レアード・ハント、『ネバーホーム』レアード・ハント、『オープン・シティ』テジュ・コール、『わたしのいるところ』ジュンパ・ラヒリ、『べつの言葉で』ジュンパ・ラヒリ、『いちばんここに似合う人』ミランダ・ジュライ、『あなたを選んでくれるもの』ミランダ・ジュライ、『おるもすと』吉田篤弘、『日日是好日』森下典子、『一日一菓』木村宗慎、『まなざしの記憶 だれかの傍らで』植田正治・鷲田清一、『ガザに地下鉄が走る日』岡真理、『西欧の東』ミロスラフ・ペンコフ、『テヘランでロリータを読む』アーザル・ナフィーシー、『消失の惑星(ほし)』ジュリア・フィリップス、『夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く』奈倉有里、『さよならまでの読書会』ウィル・シュワルビ、『夜の舞』イサアク・エサウ・カリージョ・カン、『解毒草』アナ・パトリシア・マルティネス・フチン、『雑貨の終わり』三品輝起、『すべての雑貨』三品輝起、『冬の日誌』ポール・オースター、『トゥルー・ストーリーズ』ポール・オースター、『ケンブリッジ・サーカス』柴田元幸、『無声映画のシーン』フリオ・リャマサーレス、『名もなき人たちのテーブル』マイケル・オンダーチェ、『華氏451度』レイ・ブラッドベリ、『たんぽぽのお酒』レイ・ブラッドベリ、『アメリカの〈周縁〉をあるく 旅する人類学』中村寛・松尾眞、『語るに足る、ささやかな人生』駒沢敏器、『ボイジャーに伝えて』駒沢敏器、『彼女たちの場合は』江國香織、『庭とエスキース』奥山淳志、『ある一生』ローベルト・ゼーターラー、『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズ、『使者と果実』梶村啓二、『奇跡も語る者がいなければ』ジョン・マグレガー、『こびととゆうびんやさん」カレル・チャペック、『きみがぼくを見つける』サラ・ボーム、『おやすみ、リリー』スティーヴン・ローリー、『友だち』シーグリッド・ヌーネス、『ある小さなスズメの記録』クレア・キップス。 Author 清水 美穂子 Mihoko Shimizu 文筆家。ブレッドジャーナリスト。1965年東京生まれ。All About、Yahoo! ニュース、食の専門誌など各種メディアでパンとそのつくり手を取材・執筆。趣味は茶道と毎朝の公園でのごみ拾い。著書に『月の本棚』(書肆梓)、『BAKERS おいしいパンの向こう側』(実業之日本社)、『日々のパン手帖 パンを愉しむ something good』(メディアファクトリー)他。
水脈を聴く男
¥2,200
井戸で発見された溺死体のお腹から取り出された胎児。彼には大地の「水脈を聴く」能力が宿っていた──。 ひどい頭痛に悩まされるマリアムは井戸の深淵からの「おいで、おいで」という囁きに導かれ、ついには溺死体として発見される。しかし、その体には胎児が宿っていた。無事(サーレム)に救われたことでサーレムと名付けられた息子は、耳を澄ませると地中を流れる水の音が聴こえるようになる。その噂はあっという間に広がり、避けられ孤立するようになるが、水源を探し当て村を襲った干ばつから救うことで必要とされるようになる。その評判は遠方まで轟き、15歳の少年は「水追い師」として各地で引く手あまたになるのだが──。 アラビア半島に位置し、雨のほとんど降らない小国オマーン。地下水路(ファラジュ)による独自の灌漑システムは、峻険な岩山や荒涼とした砂漠の地を潤してきた。『バグダードのフランケンシュタイン』などが過去に受賞したアラビア語圏最高の文学賞「アラブ小説国際賞」に輝いた、水をめぐる傑作長編。 「気候変動や水資源の枯渇が世界的な課題となっている今日、この小説が描く「水に囚われる人間の姿」は、過去の物語ではなく、今まさに現代社会が直面する現実の縮図として読み解くことができる」——本書解説より。 [出版社より] 著 者|ザフラーン・アルカースィミー 訳 者|山本薫、マイサラ・アフィーフィー 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|216 ISBN|978-4-86385-674-5 発 行|2025年05月 Author ザフラーン・アルカースィミー Zahran Alqasmi 1974年オマーン生まれの小説家・詩人。これまでに4冊の小説と10冊の詩集を刊行している。4作目となる『水脈を聴く男』(2022年)が、2023年度のアラブ小説国際賞(International Prize for Arabic Fiction)を受賞し、一躍注目を集める。 Translator ⼭本薫 Kaoru Yamamoto 慶應義塾⼤学総合政策学部准教授。東京外国語⼤学外国語学部アラビア語学科卒業、東京外国語⼤学博⼠(⽂学)。専⾨はアラブ⽂学。訳書にエミール・ハビービー『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』(作品社、2006年)、アダニーヤ・シブリー『とるに⾜りない細部』(河出書房新社、2024年)など。 マイサラ・アフィーフィー Maisara Afifi エジプト出⾝。カイロ⼤学卒業後、1996年に来⽇。通訳者として働きながら、平野啓⼀郎『⽇蝕』、村上春樹『騎⼠団⻑殺し』ほか、森鴎外、太宰治、三島由紀夫らの⽇本語⼩説をこれまでに約20冊、アラビア語に翻訳している。
水棲生物——水の底のアフリカ
¥2,970
SOLD OUT
アカデミー・フランセーズ賞フランス語文学賞、全アフリカ文学賞、アマドゥ・クルマ文学賞……カメルーン出身のドキュメンタリー監督による、賞総なめの衝撃作。 ジェンダーをめぐる差別が根強く抑圧的な社会で「自分」を生きるために闘う人を映しとる。 貧富の格差、女性差別、性的マイノリティへの弾圧。 家父長制と因習に縛られ、権力闘争が渦巻く国ザンブエナ。かつて教師として働いていたカトメは、野心的な政治家の妻として夫を支えるかたわら、親友のアーティスト、サミーの創作活動を支援していた。反体制的な表現者、そして同性愛者であるサミーの個展の幕開け、それは二人の運命の新たな扉でもあった。 私たちは皆、水の底で生きている。 [出版社より] 著 者|オズヴァルド・ルワット 訳 者|大林薫 出版社|講談社 定 価|2,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|368 ISBN|9784065342114 発 行|2025年04月 Author オズヴァルド・ルワット Osvalde Lewat 1976年カメルーン生まれ。母親の影響で、少女時代は映画観賞や写真撮影に熱中する。パリ政治学院卒業後はカメルーンでジャーナリズムを学び、新聞社で働くが、職業上の制約や言論の不自由にぶつかる。その後、パリの国立映画学校(FEMIS)とモントリオールの国立映像音響学院(INIS)で映像制作を学び、在学中に初のショートフィルム(北米先住民を扱ったドキュメンタリー)を撮る。以降、次々とドキュメンタリー作品を制作。そのうちのいくつかは国際映画祭などで高く評価され、賞を獲得した。フォトグラファーとしても精力的に活動し、パリ、ニューヨーク、キンシャサなどの都市で写真展を開催する。 Translator 大林 薫 Kaori Obayashi フランス語翻訳家。青山学院大学フランス文学科卒業。主な訳書にジャコメッティ&ラヴェンヌ『ナチスの聖杯』『邪神の覚醒』『亡国の鉤十字』(以上、竹書房文庫、監訳)、ラウィック『わたしの町は戦場になった シリア内戦下を生きた少女の四年間』(東京創元社)、ヴィスコリオージ『モンブラン』(エディション・エフ)がある。
イメージ、それでもなお——アウシュヴィッツからもぎ取られた四枚の写真
¥2,640
監視の目を盗み、ゾンダーコマンドによって撮影された四枚の写真から、アウシュヴィッツの真理に触れることはできるのか。 もっと遠くにまで届くはずだ――。 アウシュヴィッツの被収容者たちが命がけで撮影して送り届けた、たった四枚のフィルムの切れ端。そこには地獄のすべてが写っているのか。クロード・ランズマンやジャン゠リュック・ゴダールとの対話を通じ、想像を絶する体験をそれでもなお想像するための微かな道を切り開く。 [出版社より] 著 者|ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 訳 者|橋本一径 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|2,400円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|408 ISBN|9784582769890 発 行|2025年05月 Contents Ⅰ イメージ、すべてに抗して 地獄からもぎ取られた四枚のフィルムの切れ端 想像不可能なものすべてに逆らって 歴史の目の只中で 似たもの、似ざるもの、生き残るもの Ⅱ 全体的なイメージに抗して イメージ゠事実あるいはイメージ゠フェティッシュ イメージ゠アーカイヴあるいはイメージ゠外観 イメージ゠モンタージュあるいはイメージ゠噓 似ているイメージあるいは見せかけのイメージ 原注 訳注 初出に関する注記 訳者あとがき 平凡社ライブラリー版 訳者あとがき 解説 歴史の症候――希望としてのイメージ 田中 純 索引 Author ジョルジュ・ディディ=ユベルマン Georges Didi-Huberman 1953年フランス中部リヨン近郊サン=テティエンヌ生。リヨン大学で美術史と哲学を修めた後、パリ社会科学高等研究員(EHESS)に移る。1984年からはイタリアやアメリカで海外研究を行い、パリ大7大学勤務を経て、1990年よりパリ社会科学高等研究員助教授。著書はすでに20冊を超える。旺盛な執筆活動に加え、国際学会・シンポジウムでの発表や展覧会企画なども積極的に行っている。 Translator 橋本 一径 Kazumichi Hashimoto 1974年生。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、早稲田大学教授。専攻、表象文化論。
啓蒙の海賊たち あるいは実在したリバタリアの物語
¥2,640
西洋なんて存在しなかった? 近代知の起源とされる「啓蒙思想」は、ヨーロッパ貴族のサロンではなく、じつはマダガスカルの海賊と女性たちの社会実験によって創造されたのではないか。海賊王国の知湧き心躍る「本当の」歴史をたどり直し、自由、国家、民主主義をめぐる無数の常識をくつがえす。グレーバー生前最後の著作。 [出版社より] 著 者|デヴィッド・グレーバー 訳 者|酒井隆史 出版社|岩波書店 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|230 ISBN|9784000616850 発 行|2025年04月 Contents 序 文 (とびきり)ラディカルな啓蒙主義 第一部 マダガスカル北東部の海賊と偽王 海賊がマダガスカルにやってきた 掠奪品の問題 サントマリーの実体経済 実在のリバタリアⅠ──アンブナヴラ さらなる偽王、ジョン・プランタン 年代にかんするいくつかの問題 第二部 マダガスカル人の目に映った海賊の来訪 アブラハムの子孫たちに抗する性革命? 政治のコマとしての女性 女商人と魔法のお守り 家内の諸事象 軍事的権力と性的権力の対立について 第三部 海賊の啓蒙 発端の状況 最初の挑戦 大カバリ 誓約儀礼 王になったラツィミラフ 英雄たちの戦い 宮廷と王国、そしてザナマラタの台頭 結 論 実在のリバタリアⅡ──ベツィミサラカ連合 地 図 海賊と啓蒙の時系列 訳者あとがき 文献注 参考文献 Author デヴィッド・グレーバー David Graeber ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス人類学教授.単著に『負債論──貨幣と暴力の5000年』『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』,共著に『万物の黎明──人類史を根本からくつがえす』など.「ハーパーズ・マガジン」「ガーディアン」「バフラー」などの新聞雑誌に寄稿.思想家・活動家としても名高く,ズコッティ公園の集会をオキュパイ・ウォールストリート運動につなげた.2020年9月2日死去. Translator 酒井 隆史 Takashi Sakai 1965年生まれ.大阪公立大学教授.専門は社会思想,都市史.著書に『通天閣』(青土社,サントリー学芸賞),『暴力の哲学』『完全版 自由論』(ともに河出文庫),『賢人と奴隷とバカ』(亜紀書房)など.訳書にデヴィッド・グレーバー『負債論』(共訳,以文社),『官僚制のユートピア』(以文社),『ブルシット・ジョブ』(共訳,岩波書店),グレーバー+デヴィッド・ウェングロウ『万物の黎明』(光文社),ピエール・クラストル『国家をもたぬよう社会は努めてきた』(洛北出版)など.
新版 女から生まれる
¥4,180
創立65周年記念 アドリエンヌ・リッチ三部作、待望の復刊! 1989~1990年にかけて小社より刊行されたアドリエンヌ・リッチ著『女から生まれる』『噓、秘密、沈黙。』『血、パン、詩。』復刊を望む声が多く寄せられていた三部作をこの度、新たに解説を加え、新装版で復刊いたします。今なお古びることがないリッチの力強い論考をこの機会に。 ー 父権制によって形作られる「母性」を、自身の体験を交えながらラディカルに解体する70年代フェミニズム論の名著。 地球上の人間はすべて女から生まれる――。そのことは、女を理想化し、母性神話をはびこらせる一方、女が自分自身の生き方を選択する自由を奪ってきた。男中心の社会のなかで、制度化された「母性」がかかえこむあらゆる問題を検討し、女のからだとこころを解放する視点をあきらかにする。三人の息子の母としての体験を問いなおし、歴史的文献を緻密に分析し、「あたらしい古典」としていまや世界中で大きなインパクトをもって読みつがれる、リッチのフェミニズム「母性論」の名著。解説=小川公代。 [出版社より] 著 者|アドリエンヌ・リッチ 訳 者|高橋茅香子 出版社|晶文社 定 価|3,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|536 ISBN|978-4-7949-7464-8 発 行|2025年03月 Contents はじめに 1 怒りと愛と 2「聖なる職業」 3 父親たちの王国 4 母親ー 至上なるもの 5 飼いならされた母性 6 人の手、鉄の手 7 疎外される出産 8 母親と息子、女と男 9 母であること、娘であること 10 暴力――闇をかかえる母性 おわりに 新版に寄せて――十年ののちに 訳者あとがき 訳者あとがき――新版に寄せて 解説 小川公代 原注 Author アドリエンヌ・リッチ Adrienne Rich 1929-2012年。ボルティモア生まれ。現代アメリカを代表する詩人、フェミニスト批評家。ハーバード大学ラドクリフ・カレッジ在学中に、詩集『世界の変化』(イエール青年詩人賞受賞)で詩人としてデビュー。60 年代初頭以降、母性、セクシュアリティ、人種差別、反ユダヤ主義、戦争などの問題を探求する詩や論考において、個人的なものと政治的なものを結びつけることにこだわった。ルース・リリー賞、全米図書賞、ラナン財団生涯功労賞、マッカーサー・フェローなど受賞多数。 Translator 高橋 茅香子 Chikako Takahashi 1938年生まれ。東京外国語大学卒。朝日新聞社国際本部を経て翻訳家。訳書にクローディア・テイト編『黒人として女として作家として』(晶文社)、アリス・ウォーカー『メリディアン』(ちくま文庫)、チャンネ・リー『最後の場所で』『空高く』(いずれも新潮クレスト・ブックス)。著書に『英語で人生をひろげる本』(晶文社)、『英語となかよくなれる本』(文春文庫)など。
彼女たちに守られてきた
¥1,980
いつも一緒だった。彼女たちが教えてくれた、私の人生を守る方法。石井桃子、大島弓子、長くつ下のピッピ、ドラマの中の闘う人、母と作ったクッキー、カフェで一人過ごす女性…。新聞・雑誌で反響を呼んだ10年分のエッセイ。 [出版社より] 著 者|松田青子 出版社|中央公論新社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|224 ISBN|978-4-12-005897-4 発 行|2025年03月 Contents 1 時々、外に出ていこう 「さすがにこれは」 担当者 公認「ビリヤニ女」 ほか 2 「当たり前」の痛みにさよなら 「お忙しいみたいで」 古くさいマニュアルのお店で 心で握手 ほか 3 彼女たちに守られてきた 彼女たちに守られてきた 青山みるく先生と『すてきなケティ』 ドラマ『悪女』に見た希望 ほか Author 松田 青子 Aoko Matsuda 1979年、兵庫県生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業。2013年、デビュー作『スタッキング可能』が三島由紀夫賞及び野間文芸新人賞候補となり、14年にTwitter文学賞第1位。19年、短篇「女が死ぬ」がシャーリイ・ジャクスン賞短篇部門の最終候補に。21年、『おばちゃんたちのいるところ』がレイ・ブラッドベリ賞の候補となったのち、ファイアークラッカー賞、世界幻想文学大賞を受賞し、23年、日伊ことばの架け橋賞を受賞。
石の扉 キャリントン中・短篇集
¥4,180
シュルレアリスム×メキシコ魔術。 エルンストと出会いシュルレアリストになり、メキシコに渡り独自のシュルレアリスムを発展させたキャリントン。「〈石の扉〉よ、私を通して、外に出して」とリフレインする少女――。占星術・錬金術・魔術が渾然となり、死者の国からハンガリー王を探す魂の遍歴の壮大なメタフィクション「石の扉」ほか、不気味で、残酷で、夢、ブラック・ユーモアの奇妙な世界20篇。 短篇集『七頭目の馬』の戯曲を除く全篇に、「砂の駱駝」「グレゴリー氏の蝿」「ジェミマと狼」を付加し、抄録の「石の扉」を完全版とした日本版オリジナル編集。13篇は本邦初紹介。読み応えある詳細解説65頁、キャリントンの挿絵5葉添え。 [出版社より] 著 者|レオノーラ・キャリントン 訳 者|野中雅代 出版社|国書刊行会[シュルレアリスム叢書] 定 価|3,800円+税 判 型|四六判/上製・筒函入 頁 数|448 ISBN|978-4-336-07706-6 発 行|2025年04月 Contents 彼らが丘の斜面を駆けたとき 三人の猟師 鳩よ、飛べ! シリル・ド・ガンドル氏 悲しみにうちひしがれて 姉妹 白兎たち 待ちながら 七頭目の馬 中性の男 私の母は牛です 私のフランネルのニッカーズ 製薬業創始法 エト・イン・ベリクス・ルナルム・メディアリス 幸福な死体の物語 メキシコのお伽噺 グレゴリー氏の蠅 砂の駱駝 ジェミマと狼 石の扉 解説「作家レオノーラ・キャリントン」野中雅代 Author レオノーラ・キャリントン Leonora Carrington 1917-2011。イングランド生まれ。パリ、メキシコで活躍した画家、彫刻家、小説家。マックス・エルンストとの出会いからシュルレアリスム運動に参加。アンドレ・ブルトン編『黒いユーモア集』にも短篇(コント)が収録される。エルンストとの別れに精神的危機を迎えるが、メキシコ移住後はシュルレアリスムに魔術的な世界が融合し、独自の世界を展開。絵画はもちろん、不気味で、残酷で、ブラック・ユーモアに満ちた短篇・小説の人気も高い。小説の邦訳に『「美妙な死体」の物語』(月刊ペン社)、『恐怖の館』『耳ラッパ』(工作舎)がある。 Translator 野中雅代 Masayo Nonaka 比較文学・文化研究者。美術史家。「レオノーラ・キャリントン展」(東京ステーション・ギャラリー他)、「レメディオス・バロ展」(神奈川県立美術館他)、「フリーダ・カ―ロとその時代」展(Bunkamuraザ・ミュージアム他)立案・監修。メキシコ国立近代美術館招聘キュレーター。著書に『レオノーラ・キャリントン』(彩樹社)、Alan Glass (Turner)、Remedios Varo: The Mexican Years (Editorial RM)、共著にFrida Kahlo: Her Photos (Editorial RM)他、翻訳書に『恐怖の館』『耳ラッパ』(工作舎)、『夢魔のレシピ』(工作舎)、『アステカの歌』(編訳、青土社)、詩画集『クリスマスの歌』(共訳、GCプレス)がある。
パリの最後の夜
¥4,180
『ナジャ』と並ぶ、謎めいたファムファタル。 1920年代の夜のパリ。謎の女ジョルジェットにいざなわれた語り手は、セーヌ河岸で犯罪を目撃する……。ジュルジェットはパリだ、パリの夜そのもの。幻想・神秘・偶然は、この娼婦のファムファタルの圏内でうごめく——。 『ニック・カーター』を愛読していたスーポーが綴る犯罪小説は、読者を闇の迷宮へと誘う。『ナジャ』と比べて味わいたい、パリとパリの女の驚異を描いたシュルレアリスム小説。初訳短篇『オラス・ピルエルの旅』『ニック・カーターの死』を併録。読み応えある詳細解説111頁添え。 [出版社より] 著 者|フィリップ・スーポー 訳 者|谷昌親 出版社|国書刊行会[シュルレアリスム叢書] 定 価|3,800円+税 判 型|四六判/上製・筒函入 頁 数|400 ISBN|978-4-336-07703-5 発 行|2025年04月 Contents オラス・ピルエルの旅 ニック・カーターの死 パリの最後の夜 訳者解説「シュルレアリストであり小説家であるということ」谷 昌親 Author フィリップ・スーポー Philippe Soupault 1897年パリ郊外のシャヴィルで生まれ、1990年にパリで死去。フランスの詩人・作家・ジャーナリスト。アンドレ・ブルトンやルイ・アラゴンとともにダダの冒険に参加。1919年ブルトンと自動記述の実験をおこなって『磁場』を執筆し、1924年ブルトンが発表する『シュルレアリスム宣言』を待たずに、シュルレアリスムを事実上誕生させた。1926年シュルレアリスム運動から離反。1938年ファシズムの放送局に対抗する「ラジオ・チュニス」を創設。その後、アルジェリアを経由してアメリカ大陸に亡命しつつも、対独レジスタンス運動に加担する。1945年フランスに帰国。文学のみならず、美術・映画評論を手がけ、世界中を旅して紀行文を書くなど、幅広い活動をおこなった一生だった。邦訳に『磁場』(ブルトン共著、『アンドレ・ブルトン集成 第3巻』所収、人文書院)、『流れのままに』(白水社)など。 Translator 谷昌親 Masachika Tani 1955年東京生まれ。早稲田大学教授。専攻はフランス現代文学・イメージ論。1987年レーモン・ルーセルについての博士論文でパリ第三大学第三期課程博士号を取得。主著に『詩人とボクサー――アルチュール・クラヴァン伝』(青土社)、『ロジェ・ジルベール=ルコント―虚無へ誘う風』(水声社)、共著に『シュルレアリスムの射程』(せりか書房)、『クレオールの想像力――ネグリチュードから群島的思考へ』(水声社)、訳書にミシェル・レリス『オランピアの頸のリボン』(人文書院)、同『ゲームの規則IV 囁音』(平凡社)、共訳にアンリ・ベアール『アンドレ・ブルトン伝』(思潮社)、ジル・ドゥルーズ『批評と臨床』(河出書房新社)など。
割れたグラス
¥2,860
現代アフリカ文学の最前線を紹介する、新海外文学シリーズ《アフリカ文学の愉楽》創刊。第1回配本は、現代アフリカ文学随一のヒップスター、コンゴ共和国出身のアラン・マバンクによる代表作。 コンゴ共和国の港湾都市ポワント=ノワールの下町にあるバー"ツケ払いお断り"。バーの主人《頑固なカタツムリ》からの依頼で、《割れたグラス》はバーとその常連客たちとの日々を思いのまま1冊のノートに書き留めていくことになる。 何枚ものオムツを穿いた《パンパース男》、フランスかぶれの寝取られ《印刷屋》、誰よりも長く放尿できると豪語する《蛇口女》など、いずれ劣らぬ酔客たちの奇怪な逸話が次々とノートに綴られていく。やがて、《割れたグラス》は自身についても書きはじめるのだが……。 作家としてはじめてコレージュ・ド・フランスの招聘教授に着任、また国際ブッカー賞の選考委員を務めるなど、現代アフリカ文学の最重要作家のひとりとして活躍の場を世界的なものへと広げている、アラン・マバンクが放つ驚異の傑作がいまここに。 フランコフォニー五大陸賞をはじめ数々の文学賞を受賞、ルノドー賞最終候補作にして、英国ガーディアン紙が選ぶ「21世紀の100冊」にも選出された、酔いどれたちのめくるめく狂想曲。 [出版社より] 著 者|アラン・マバンク 訳 者|桑田光平 出版社|国書刊行会 定 価|2,600円+税 判 型|四六変型判/上製 頁 数|288 ISBN|978-4-336-07694-6 発 行|2025年04月 Author アラン・マバンク Alain Mabanckou 1966年コンゴ共和国ポワント=ノワール生まれ。首都ブラザヴィルの大学で学んだのち渡仏、法学を修める。その後は法律コンサルタントとして働く傍ら、詩人として出発する。最初の小説『赤―青―白』(1998年)はブラック・アフリカ文学大賞を受賞し、一躍注目を集める。2005年に発表した本書『割れたグラス』ではフランコフォニー五大陸賞をはじめ数々の文学賞を受賞、 翌年発表の『ヤマアラシの回想』(本シリーズで刊行予定)ではフランスでもっとも権威ある文学賞のひとつルノドー賞を受賞する。以降、現代アフリカ文学の最重要作家のひとりとして、その作品は20以上の言語に翻訳され、活躍の幅を世界的なものへと広げていく。 2006年よりカリフォルニア大学ロサンゼルス校の教授としてフランス語圏文学とクリエイティヴ・ライティングを教える。2015年には 国際ブッカー賞のファイナリストに選出、さらには作家としてはじめてコレージュ・ド・フランスの招聘教授に着任する。2022年の国際ブッカー賞では選考委員を務める。邦訳書に上述のコレージュ・ド・フランスでの講義録『アフリカ文学講義』(みすず書房)と自伝的作品『もうすぐ二〇歳』(晶文社)がある。 Translator 桑田光平 Kohei Kuwada 1974年広島県生まれ。東京大学教養学部・大学院総合文化研究科教授。専門は20世紀フランス文学・芸術。東京大学文学部で英米文学を学んだ後、同大学院でフランス文学を専攻。修士号取得後、リヨン高等師範学校、リヨン第2大学、パリ第4大学、パリ第8大学でフランス文学ならびに現代美術を学ぶ。2009年、パリ第4大学でロラン・バルトに関する博士号取得。2022年より現職。 主な著書に『ロラン・バルト 偶発事へのまなざし』(水声社)、『世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今』(共著・立東舎)、『東京時影 1964/202X』(共編著、羽鳥書店)など。訳書にロラン・バルト『ロラン・バルト 中国旅行ノート』(筑摩書房)、バルテュス/セミール・ゼキ『芸術と脳科学の対話』(青土社)、ジェラール・マセ『つれづれ草』、パスカル・キニャール『もっとも猥雑なもの』(水声社)、ティフェーヌ・サモワイヨ『評伝ロラン・バルト』、ジョルジュ・ディディ=ユベルマン『われわれが見るもの、われわれを見つめるもの』(ともに共訳、水声社)など多数。
殺戮の宗教史[OUTLET]
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NYの9.11同時多発テロ、シャルリー・エブド社襲撃事件、パリの同時多発テロ。日本に目を向けても、『悪魔の詩』訳者殺害の謎、オウム真理教による地下鉄サリン事件など、宗教にもとづくテロが国内外で頻発している。なぜ神の名の下における「殺戮」は止まないのか?また、イスラム教は危険な宗教なのか? 十字軍や「聖戦」、魔女狩り、異端諮問から、イスラム国(IS)やアルカイダなどイスラム過激派による近現代のテロまで世界の宗教にみられる「殺戮の歴史」をたどり、その背景や宗教の教義、神の役割を徹底分析。「宗教的テロの時代」の本質を理解するための必読書。 [出版社より] 著 者|島田裕巳 出版社|東京堂出版 定 価|2,200円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|288 ISBN|9784490209341 発 行|2016年03月 Contents はじめに 第1章 宗教的テロリズムの二一世紀 テロの時代の幕開け/増え続ける犠牲者の数/危険視されるイスラム教/九・一一の実行犯はどんな人物か/ 実行犯グループとアルカイダの関係/『九・一一委員会報告書』の真偽/九・一一はアルカイダが仕組んだものではない?/ 「アルカイダ」の意味すること/組織化されたテロ集団といえるのか/「組織」なのか「ネットワーク」か/ インターネットの活用による新たな問題、ほか 第2章 イスラム教は危険な宗教なのか 頻発する宗教を背景としたテロ/シャルリ―・エブド襲撃事件の衝撃/イデオロギーの対立から「文明同士の衝突」の時代へ/ イスラム文明vs西欧を中心とした他の文明という構図/「剣かコーランか」という偏ったイメージ/ 「世界の三大宗教」発生と拡大のプロセス/政治的指導者としてのムハンマドの役割/イスラム教拡大には武力も用いられた/ それぞれの宗教の「違い」を知ること、ほか 第3章 知られていないイスラム教の根本原理 イスラム教発祥をたどる/偶像崇拝禁止の根拠/ムハンマドに求められた「調停者」という役割/イスラム教誕生の社会的必然性/ 多神教徒を殺せと神は命じた/同時に与えられた「赦し」/歴史的・社会的文脈の中で神のことばを理解する/ イスラム教の本質的性格/戒律を実行するかどうかは個人に任せられる/イスラム教全体が危険であるとみなされがちな理由、ほか 第4章 原理主義の背後にある神の絶対性 「原理主義」ということばの広がり/はじまりはキリスト教から/アメリカ社会での福音主義の台頭/ イスラム教が政治の表舞台に/宗教間の対立のはじまり/イスラム教に強く見られる「原理主義」の傾向/ 「シャリーア」とは何か/一神教は不寛容か/多神教と一神教の本質的な違いとは/神社はいつから存在したのか/ 一神教において絶対的存在である神/「再誕」という経験、ほか 第5章 神による殺戮と終末論の呪縛 神が直接手を下すとき/ユダヤ教の神の存在は絶大/「創世記」に描かれた神の非道さ/神と人類の複雑な関係/ キリスト教の「十戒」と仏教の「五戒」の共通点と違い/人類全体を滅ぼしうる一神教の神/ 「絶対神」の観念を生んだユダヤ人の苦難の歴史/善悪二元論はイラン宗教の影響/ 最後の審判とキリストの再臨――キリスト教を世界宗教とした考え方、ほか 第6章 異教や異端との戦い――十字軍について キリスト教を世界宗教にした「伝道活動」/アメリカで盛んだった「リバイバル」(信仰復興)/聖人崇拝はこうして始まった/ 三宗教にとっての聖地、エルサレム/十字軍のはじまり/聖地を目指す人々のさまざまな思惑/殉教が尊い行為とされる/ 伝道において「殺戮」はやむを得ぬもの/ローマ教皇の権威確立と「正統」「異端」という判断/異教徒や異端に対する戦い、ほか 第7章 善悪二元論という根源 日本で見られた「異端」とは/「正統」が明確に確立されなかった日本の仏教界/ カトリックで行われた異端追放の動き――「異端審問」「魔女狩り」/カタリ派が異端とされた最大の理由――「善と悪の二元論」/ 異端の代名詞「マニ教」とは/聖職者に課せられた厳しい生活の戒律/一神教の抱える根本的な矛盾と悪の存在/ 「悪」が存在する限り殺戮の歴史は終わらない、ほか 第8章 聖戦という考え方 「殺せ」か「殺すな」なのか/恐怖の神から、慈愛深き神へ/異なる信仰をもつ人間と共存するために/ 互いを受け入れ難いユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教/「ジハード」の解釈をめぐって/カリフの役割とは/ 「ジハード」は「聖戦」ではない/後世に影響を与えたタイミーヤの思想/ムハンマドの時代の信仰への回帰/ 次々と出現した過激なイスラム集団、ほか 第9章 殺戮の罪は許されるのか 「一神教」または「多神教」という観点から/神道における武装した神々/『古事記』に描かれた天照大神の怒り/ 「武神」八幡神の信仰/神社に託された戦勝への願い/密教と陰陽道による呪詛の広がり/日本における「殺戮の宗教史」/ 悪人正機説の危険性/殺戮を行った者は救済されないのか/許すということの難しさ/ 宗教は殺戮を肯定するものか、否定するのか、ほか おわりに Author 島田 裕巳 Hiromi Shimada 1953年東京生まれ。東京大学文学部宗教学宗教史学専修課程卒業、東京大学大学院人文科学研究課博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員、NPO法人葬送の自由をすすめる会会長を歴任。現在は作家、宗教学者、東京女子大学非常勤講師。
パウル・クレー作品集——詩と絵画の庭
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生前から、日本人に愛され続けてきた画家、クレー。その芸術世界を特徴づける6つの視点に沿って、選りすぐりの作品約140点を紹介。A4判の大画面でクレーの世界を満喫できる作品集。 [出版社より] 著 者|黒田和士 出版社|東京美術 定 価|3,400円+税 判 型|A4判/並製 頁 数|192 ISBN|9784808713126 発 行|2025年01月 Author 黒田和士 Kazushi kuroda 慶應義塾大学文学研究科修了。専門はドイツ近代美術。東京藝術大学大学美術館学芸研究員、Bunkamura ザ・ミュージアム学芸員を経て、現在、愛知県美術館学芸員。「エリック・サティとその時代」(2015年)、「ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術」(2021年)などの展覧会に関わったほか、「パウル・クレー展 創造をめぐる星座」(2025年)を企画。また、愛知県美術館所蔵の西洋美術作品の来歴調査を進め、特集展示「『名品』はどこからきたのか?」(2023年)を企画。論文に「パウル・クレー《回心した女の堕落》 イメージと言葉の弁証法的な関係をめぐって」など。
内なるゲットー[OUTLET]
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ホロコーストに消えた母、僕は沈黙することしかできなかった。――第2次世界大戦時、ポーランドに母を残し、アルゼンチンに移住した息子の苦悩を静謐な筆致で描いた仏ベストセラー。 [出版社より] 著 者|サンティアゴ・ H・アミゴレナ 訳 者|齋藤可津子 出版社|河出書房新社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|184 ISBN|978-4-309-20802-2 発 行|2020年08月 Author サンティアゴ・ H・アミゴレナ Santiago H. Amigorena フランスの映画監督、シナリオライター、作家。1962年ブエノスアイレス生まれ。73年にパリに亡命。25年にわたり作家活動を続け、 本書は10作目となる。 Translator 齋藤可津子 Katsuko Saito 翻訳家。一橋大学大学院言語社会研究科博士課程中退。訳書に、L・コロンバニ『三つ編み』『彼女たちの部屋』、V・デパント『アポカリプス・ベイビー』、E・アベカシス『30年目の待ち合わせ』など。
苦悩[OUTLET]
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ナチス占領下のパリで強制収容所からの夫の帰りを待つ苛烈な日々を綴った、文学の限界を超えた作品。デュラスが“私の生涯で最も重要なもの”と告白する、自伝的記録。表題作の他5篇。 [出版社より] 著 者|マルグリット・デュラス 訳 者|田中倫郎 出版社|河出書房新社 定 価|3,200円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|288 ISBN|978-4-309-20764-3 発 行|2019年01月 Contents Ⅰ 苦悩 Ⅱ ムッシュウX 仮称ピエール・ラビエ アルベール・デ・キャピタール/親独義勇隊員テル 手折られた刺草 オーレリア・パリ 解説 参考文献/年表 Author マルグリット・デュラス Marguerite Duras 1936年、ペルー生まれ。58年、リマのサン・マルコス大学卒業後スペインに留学、マドリード・コンプルテンセ大学で博士号を取得する。59年、短篇集『ボスたち』で作家デビュー、63年には初長篇『都会と犬ども』を発表し、一躍脚光を浴びる。その後、長篇を次々に発表、ラテンアメリカを代表する作家として確固たる地位を築く。74年、ペルーに帰国してからは作家活動の傍ら政治活動も積極的に行い、90年にはペルー大統領選に出馬するがアルベルト・フジモリに敗れる。その後も長篇小説を精力的に発表しつづけている。評論や戯曲も多数。2010年、ノーベル文学賞受賞。 Translator 田中倫郎 Michio Tanaka 1930年、広島県生まれ。東京大学文学部美学科卒業。訳書に、デュラス『モデラート・カンタービレ』『インディア・ソング』、ヴィルコンドレほか『デュラス[愛の生涯]』、フェルミーヌ『蜜蜂職人』など。
万引きの文化史[OUTLET]
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なぜ人は万引きをするのか? その歴史は16世紀のロンドンで始まった...…。 全米の検挙者数は総人口の9%、日本の被害額は年間4500億円以上。世界第2位の万引き大国=日本、必読の一冊。 [出版社より] 著 者|レイチェル・シュタイア 訳 者|黒川由美 出版社|太田出版 定 価|2,200円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|312 ISBN|9784778313418 発 行|2012年10月 Contents 序論 第1部 万引きの歴史 1 盗みと処罰 2 窃盗症と法の変革者 3 アビー・ホフマンと電子防犯タグ 4 ロビン・フッド、バージョン2.0 第2部 実態 5 万引きする人々 6 ホット・プロダクト 7 職業的万引き犯''ブースター'' 第3部 病理 8 盗みのスリル 9 万引きセレブの盛衰 10 万引き依存症 第4部 対応策 11 盗難対策 12 損失防止(LP)の未来 13 万引きは不治の病か 14 羞恥心 結び
感染症と隔離の社会史[OUTLET]
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明治期に作られた伝染病・感染症を専門にする「避病院」に光を当てて、尾崎紅葉『青葡萄』や正宗白鳥『避病院』、現・都立病院の当直日誌などの作品や資料を現代語訳・要約しながら紹介し、感染症や医療現場の実態、防疫体制の地域格差などを掘り起こす。 ー コレラ、赤痢、ペスト、スペインかぜ……。近代以降、様々な伝染病・感染症が流行してきたが、医学はどのように対応して、どう克服してきたのか。 明治期に作られた伝染病・感染症を専門にする「避病院」に光を当てて、尾崎紅葉『青葡萄』や正宗白鳥『避病院』、与謝野晶子「感冒の床から」、現・都立病院の当直日誌などの作品や資料を現代語訳・要約しながら紹介し、感染症や医療現場の実態、防疫体制の地域格差などを掘り起こす。 著者が勤める国立病院機構埼玉病院の臨床現場から、現状や風評被害の実態、新型コロナウイルスの集団免疫による収束についての小論も収めて、感染症と隔離の日本史から「いま」と「あした」を考える視点を提供する。 [出版社より] 著 者|金川英雄 出版社|青弓社 定 価|2,400円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|204 ISBN|978-4-7872-3479-7 発 行|2020年11月 Contents まえがき 第1章 尾崎紅葉『青葡萄(ルビ:ブドウ)』とコレラ対策 1 尾崎紅葉『青葡萄』を読む 2 コレラ 3 看護人 第2章 正宗白鳥『避病院』と赤痢対策 1 正宗白鳥『避病院』を読む 2 各地の避病院 3 衛生組合と伝染病予防委員 第3章 虫が介在する感染症 1 中村為又『羽塚の土』を読む 2 ハエ 3 蚊 第4章 野崎久一「避病院覚書」から読む赤痢の経験 第5章 感染症をめぐる多文化間の問題点 1 プサン済生医院 2 朝鮮半島での防疫体制 3 ソウルの避病院 4 避病院の建設運動 5 会の結成と京城府民病室の建設 6 インドの感染症対策 第6章 都市の避病院の実態 1 駒込病院の医局日誌を読む 2 組織強化と病院間のやりくり 3 感染・殉職 4 治療 5 精神科病院の弱さ 6 逃亡他さまざまなこと 第7章 感染症最前線の記録――埼玉病院から 1 スペインかぜについて 2 埼玉病院の経験 3 ダイヤモンド・プリンセス号の患者の受け入れ 4 都市封鎖 あとがき Author 金川 英雄 Hideo Kanekawa 1953年生まれ。1980年3月、昭和大学医学部卒業、84年3月、昭和大学大学院医学研究科博士課程修了。昭和大学附属烏山病院、昭和大学医学部助手を経て、93年10月から東京武蔵野病院、2013年4月から横須賀市立うわまち病院、15年4月から関東労災病院勤務、18年7月から国立病院機構埼玉病院に勤務、19年4月に精神科外来を立ち上げ、現在、精神科部長。2002年3月に慶應義塾大学文学部卒業、帝京平成大学客員教授を経て、13年7月から昭和大学精神神経科教室客員教授。医学博士、精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医。 著書に『三浦半島の医療史――国公立病院の源流をたどる』『日本の精神医療史――明治から昭和初期まで』、共著に『精神病院の社会史』(いずれも青弓社)、翻訳・解説に『[現代語訳]呉秀三・樫田五郎 精神病者私宅監置の実況』(医学書院)、『[現代語訳]わが国における精神病に関する最近の施設』(青弓社)など。
共食いの博物誌——動物から人間まで[OUTLET]
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昆虫や動物、変な生き物から人間まで。なぜ生物は共食いをするのか? 共食いは進化においては合理的、極度の状況では生物として正常な反応である―—動物学者が科学的な視点から、あらゆるカニバリズムの起源と真実に果敢に踏み込んだ初のノンフィクション。 「カニバリズムというと、とかく傓情的に扱われがちだが、著者が動物学者としてセンセーショナリズムとは距離を置いていることが本書の大きな特徴となっている。ひと口に共食いといっても同種内という関係にとどまらず、血縁者同士の共食いから生殖活動にともなう共食い、子育てによる体の一部の提供まで、動物に見られるカニバリズムは実に多様である。取り上げられる動物はおなじみのものから奇妙な生物まで幅広い。動物が共食いをおこなう理由を追究するなか、彼らの行動の冷徹なまでの合理性が浮き彫りにされる」——本書「訳者あとがき」より抜粋。 [出版社より] 著 者|ビル・シャット 訳 者|藤井美佐子 出版社|太田出版 定 価|2,900円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|388 ISBN|9784778316068 発 行|2017年11月 Contents はじめに 第1部 動物 第一章 アニマルはカニバル──共食いする動物たち 第二章 お子さまランチを召し上がれ 第三章 性的共食い──大きさがものを言う 第四章 ひとりにして 第五章 ホッキョクグマはつらいよ 第六章 恐竜は共食いしたのか? 第七章 奇妙な子育て 第2部 ヒト 第八章 ネアンデルタール人とそのほかの谷の住人たち 第九章 コロンブス、カリブ族、カニバリズム 第一○章 いさかいのもと 第一一章 カニバリズムと聖書 第一二章 史上最悪の隊パーテイ 第一三章 人を食すは悪なり 第一四章 人を食すは善なり 第一五章 頭蓋ゴケとミイラ粉末 第一六章 胎盤を食べる人々 第一七章 太平洋の島々におけるカニバリズム 第一八章 狂牛病とイギリス人 第一九章 容認できるリスク おわりに 一歩先へ 謝辞 訳者あとがき カニバリズムおよび関連トピックにおける推薦書 原注 Author ビル・シャット Bill Schutt ニューヨーク州立大学で生物学修士号、コーネル大学で動物学博士号を取得。ロングアイランド大学ポスト校生物学教授およびアメリカ自然史博物館研究員。北米コウモリ学会(NASBR)理事。脊椎動物研究を専門とする動物学者のかたわら、2008年に吸血動物をテーマにしたノンフィクションDark Banquet:Blood and the Curious Lives of Blood-Feeding Creaturesで作家デビューを果たす。本書はノンフィクションとして第2作にあたる。2016年には共著で動物学者マックレディ・シリーズ第1作のミステリーHell’s Gate(邦訳『地獄の門』竹書房)、2017年には同第2作を上梓。作家としても精力的に活動を続けている。ニューヨーク州ロングアイランド在住。
シンコ・エスキーナス街の罠[OUTLET]
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テロが吹き荒れるフジモリ政権時代のペルー、リマ。戒厳令下、同性愛をひそかに楽しむ富裕層の妻たち、乱交パーティの隠し撮りでゆすられるその夫、ゴシップ誌に命をかけ闇を背負う編集長、彼を崇める記者、職を奪われ孤独の中で恨みを溜める老人……。 腐敗し退廃した街の人間模様の背後には、国家の恐るべき罠が隠されていた。ノーベル賞作家が放つ官能的かつサスペンスフルな最新作。 [出版社より] 著 者|マリオ・バルガス=リョサ 訳 者|田村さと子 出版社|河出書房新社 定 価|2,500円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|280 ISBN|9784309207827 発 行|2019年09月 Author マリオ・バルガス=リョサ Jorge Mario Pedro Vargas Llosa 1936年、ペルー生まれ。58年、リマのサン・マルコス大学卒業後スペインに留学、マドリード・コンプルテンセ大学で博士号を取得する。59年、短篇集『ボスたち』で作家デビュー、63年には初長篇『都会と犬ども』を発表し、一躍脚光を浴びる。その後、長篇を次々に発表、ラテンアメリカを代表する作家として確固たる地位を築く。74年、ペルーに帰国してからは作家活動の傍ら政治活動も積極的に行い、90年にはペルー大統領選に出馬するがアルベルト・フジモリに敗れる。その後も長篇小説を精力的に発表しつづけている。評論や戯曲も多数。2010年、ノーベル文学賞受賞。 Translator 田村 さと子 Satoko Tamura 1947年、和歌山県新宮市生まれ。お茶の水女子大学卒業後、メキシコ国立自治大学でラテンアメリカ文学を、スペイン国立マドリード大学で詩論を学ぶ。帰国後、お茶の水女子大学大学院博士課程中退。1991年、同大学にて学術博士号(Ph. D)取得。
プリンストン大学で文章/政治を語る——バルガス=リョサ特別講義[OUTLET]
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キューバ革命、ペルー大統領選、ドミニカ共和国の独裁者トルヒーリョ、解明されない犯罪……。世界を揺るがす出来事をいかにして小説化するか。文学と社会、ジャーナリズム、登場人物の造形法、物語における時間構成など、すべての小説愛好者必読のスリリングな講義録。 [出版社より] 著 者|マリオ・バルガス=リョサ 訳 者|立林良一 出版社|河出書房新社 定 価|3,000円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|272 ISBN|9784309207858 発 行|2019年11月 Contents まえがき プリンストン大学のマリオ・バルガス=リョサ 1 小説の理論 2 ジャーナリズムと文学 3 ラ・カテドラルでの対話 4 マイタの物語 5 誰がパロミノ・モレーロを殺したか 6 水を得た魚 7 チボの狂宴 8 二十一世紀のテロの脅威 Author マリオ・バルガス=リョサ Jorge Mario Pedro Vargas Llosa 1936年、ペルー生まれ。58年、リマのサン・マルコス大学卒業後スペインに留学、マドリード・コンプルテンセ大学で博士号を取得する。59年、短篇集『ボスたち』で作家デビュー、63年には初長篇『都会と犬ども』を発表し、一躍脚光を浴びる。その後、長篇を次々に発表、ラテンアメリカを代表する作家として確固たる地位を築く。74年、ペルーに帰国してからは作家活動の傍ら政治活動も積極的に行い、90年にはペルー大統領選に出馬するがアルベルト・フジモリに敗れる。その後も長篇小説を精力的に発表しつづけている。評論や戯曲も多数。2010年、ノーベル文学賞受賞。 Translator 立林 良一 Ryoichi Tatebayashi 1959年山梨県生まれ。東京外国語大学大学院修士課程修了。同志社大学准教授。ラテンアメリカ文学研究。
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