
エリザヴェータ・バーム/気狂い狼 オベリウ・アンソロジー
¥3,300
ダニイル・ハルムスの原点、伝説のグループ「オベリウ」の全貌がついに明らかになる──。 100年前、無名の若者たちによって結成された「オベリウ」(ОБЭРИУ)は、20世紀前半のロシアにおける文学的実験の極致をきわめた。ダニイル・ハルムスの「エリザヴェータ・バーム」「出来事」新訳、これまで未邦訳だったニコライ・ザボロツキー「気狂い狼」、コンスタンチン・ヴァーギノフ「スヴィストーノフの仕事と日々」、レオニード・リパフスキー「水論」など、この伝説のグループ周辺12名の代表作を網羅した世界初のアンソロジー。 「本書に訳出するのは、「オベリウ」と「チナリ」に縁の深い者たちの作品である。どちらのグループにも所属したハルムスとヴヴェジェンスキーは、その反伝統的な作風がロシア国内外で比較的早くから注目され、著作集や全集が刊行されてきた。しかしふたり以外の作品は、ザボロツキーを除き紹介が遅れた。 「オベリウ」アンソロジーは、すでに1991年にロシアで、2006年にアメリカで刊行されているが、どちらも「オベリウ」のメンバー(オベリウ派)を網羅しているわけではなく、必ずしも代表作を採っているわけでもない。そこで本書には、レーヴィンやウラジーミロフといった、ロシアでさえほとんど知られていないマイナーなオベリウ派に、「チナリ」のメンバーも加え、それぞれの代表作をなるべく多く収録した。したがって、現時点では本書が世界で最も包括的な「オベリウ」アンソロジーといってよい」——「はじめに」より オベリウとは? 20世紀前半のロシアにおいて、「ロシア・アヴァンギャルド」と後に称される前衛芸術運動が興隆する。その寿命は短かったが、落日の間際、未来をも貫く鋭い光芒を放つ。それが「オベリウ」である。 1927年に若者たちの手で結成されたこのグループは、「反革命的」と批判され数年で瓦解するものの、メンバー(オベリウ派)は創作をつづけ、ロシア文学史上きわめてユニークな作品を残した。また一部のオベリウ派は「チナリ」にも属していた。これは「オベリウ」と異なり閉じられたグループで、仲間たちは頻繁に集まりさまざまなテーマについて話し合った。そこでの会話がしばしば創作のヒントになっている。 「オベリウ」も「チナリ」も長く忘却されていたが、20世紀後半から、ロシア文学史におけるミッシング・リンクとして世界的な注目を集めだす。両グループのメンバー全12人の創作を1冊に纏めた本書によって、その全貌がいま初めて一望のもとに置かれる。 [出版社より] 「オベリウ派――彼らはそう名乗っている。この言葉は、リアルな芸術の結社のことだと理解されている。この嘘くさい大仰な名前は、レニングラードのちっぽけな詩人グループが勝手に詐称しているものである。連中はほんの僅かだ。片手で指折り数えることができる。その創作ときたら……」——オベリウに対する批判記事「反動的曲芸」より 著 者|ダニイル・ハルムス、アレクサンドル・ヴヴェジェンスキー、ニコライ・ザボロツキーほか 編訳者|小澤裕之 出版社|書肆侃侃房 定 価|3,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|496 ISBN|978-4-86385-681-3 発 行|2025年09月 Contents はじめに 「オベリウ」とは何か━━人と成り立ち 「オベリウ」と「チナリ」略年譜 Ⅰ オベリウ ダニイル・ハルムス 出来事 エリザヴェータ・バーム ヴヴェジェンスキーへ ザボロツキーを訪ねて オレイニコフへ 〈リパフスキーが苦しみだしたのは……〉 どのように使者が私のもとを訪れたか 男が家を出ました ばあさん アレクサンドル・ヴヴェジェンスキー 〈三七〇人のこどもたち〉 はる こもりうた イワーノフ家のクリスマス ニコライ・ザボロツキー 気狂い狼 運動 不死 さらば友よ みにくい女の子 コンスタンチン・ヴァーギノフ スヴィストーノフの仕事と日々(抄) イーゴリ・バーフチェレフ 取るに足らない隣人のたとえ 「曲がった胃」での出来事 冬の散歩 ドイヴベル・レーヴィン ドゥームコプフ氏、空を飛ぶ ユーリイ・ウラジーミロフ 変な人たち スポーツマン アレクサンドル・ラズモフスキー 追憶のハルムス クリメンチー・ミンツ オベリウ派(抄) オベリウ宣言 Ⅱ チナリ ニコライ・オレイニコフ 発明家に誉れあれ チャールズ・ダーウィン ハエ ゴキブリ 〈ごく頑丈なガラス越しに……〉 ノミの師範 レオニード・リパフスキー 〈太陽が異国に沈んだ〉 水論 ヤコフ・ドゥルースキン 窓 補遺 〈どのように使者が私のもとを去ったか〉 夢 チナリ 訳者解説━━十二人の「変な人たち」 訳者あとがき 底本一覧 Author ダニイル・ハルムス(Даниил Хармс) 詩人・作家・劇作家。ペテルブルク生まれ。27年には詩人仲間と共に前衛的な芸術家グループ「オベリウ」を結成。30年代は主に児童文学の分野で活躍。スターリン政権下で弾圧に遭い、41年に逮捕。翌42年に監獄病院で餓死した。代表作に『エリザヴェータ・バーム』『出来事』『ばあさん』など。 アレクサンドル・ヴヴェジェンスキー(Александр Введенский) 詩人・劇作家。31年に逮捕、翌年釈放されるが、流刑地を転々としたのちレニングラードに帰還。36年にハリコフへ移住。41年に再び逮捕、カザンへ移送される途中に肋膜炎で死去。代表作に『イワーノフ家のクリスマス』『灰色ノート』『挽歌』など。 ニコライ・ザボロツキー(Николай Заболоцкий) 詩人・翻訳家。ハルムスやヴヴェジェンスキーたちと共に「オベリウ」立ち上げに参加。「オベリウ宣言」の主要部分を執筆する。代表作に『気狂い狼』『農業の勝利』など。 コンスタンチン・ヴァーギノフ(Константин Вагинов) 詩人・作家。21年に「島民」グループを結成。その作品集において初めて詩が活字となる。20年代末から4つの長篇小説を次々と執筆。創作意欲は旺盛だったが、34年に結核で死去。代表作に『山羊の歌』『スヴィストーノフの仕事と日々』など。 イーゴリ・バーフチェレフ(Игорь Бахтерев) 詩人・作家・劇作家。詩の夕べでハルムスに出会う。26年、仲間と共に演劇グループ「ラジクス」を結成。やがて解散するが、このグループが母体のひとつとなり、27年に「オベリウ」が誕生。代表作に、ザボロツキーを始めとするオベリウ派の回顧録『私たちの若かった頃』、戯曲『冬の散歩』など。 ドイヴベル・レーヴィン(Дойвбер Левин) 作家・脚本家。27年、「オベリウ」立ち上げに参加。「左翼の三時間」のパフォーマンスを考え、戯曲『エリザヴェータ・バーム』の演出をハルムスおよびバーフチェレフと共に担当した。代表作に長篇小説『十車両』『リホヴォ』など。 ユーリイ・ウラジーミロフ(Юрий Владимиров) 詩人・作家。創作は全部で10篇程しか現存せず、本書収録の『スポーツマン』は唯一の大人向け作品。 アレクサンドル・ラズモフスキー(Александр Разумовский) 作家・劇作家・脚本家・映画評論家。「オベリウ」時代の友人バーフチェレフと共同で多くの作品を執筆したことでも知られ、とりわけ戯曲『スヴォーロフ元帥』は大成功を収めた。 クリメンチー・ミンツ(Климентий Минц) 映画監督・脚本家。国立芸術史研究所附属芸術学高等コース映画科でラズモフスキーと出会い、27年、共に「オベリウ」に加入。脚本や監督を務めたコメディ映画は大成功を収めた。代表作に、映画『虎使いの女』、ラジオ番組『有名船長クラブ』など。 ニコライ・オレイニコフ(Николай Олейников) 詩人・作家・編集者。25年からレニングラードの国立出版局児童書部門にて、マルシャークやシュワルツと共に編集者・作家として働く。編集を務めた児童雑誌『ハリネズミ』と『マヒワ』には「オベリウ」のメンバーも寄稿し、親しく交遊した。しかし37年に逮捕、銃殺される。代表作に『ゴキブリ』『ハエ』。 レオニード・リパフスキー(Леонид Липавский) 哲学者・児童文学作家。20年代から30年代にかけ、「チナリ」のメンバーたちを自宅に集め親しく交遊。41年にレニングラードの港湾都市ペテルゴフにて戦死。代表作に『水論』『恐怖の研究』『言葉の理論』。 ヤコフ・ドゥルースキン(Яков Друскин) 哲学者・数学者・音楽研究家。独ソ戦が始まりレニングラードが封鎖されると、ハルムスの妻から夫の原稿の入ったトランクを託される。20年にわたりそのトランクを大切に保管しつづけたが、ハルムスの死が明らかになると、原稿を地下出版で広めはじめる。代表作にエッセイ『チナリ』、ヴヴェジェンスキー論『無意味の星』など。 Translator 小澤裕之 Hiroyuki Ozawa 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、東京大学ほか非常勤講師。専門はロシア文学。著書に『理知のむこう――ダニイル・ハルムスの手法と詩学』(未知谷)、訳書にダニイル・ハルムス『言語機械――ハルムス選集』(未知谷)、サムイル・マルシャーク『森は生きている~12の月のおとぎ話~』(小学館)、最近の論文に「ゴーゴリ「査察官」の忘れられた初邦訳:底本・文体・受容」(『ロシア語ロシア文学研究』56号)がある。
Tシャツの日本史
¥2,200
裾さばきの歴史的変遷から、日本の若者を覆う同調圧力の謎を解く。 古来、Tシャツはずっと日本史の死角にあった。日本の若者たちは、まわりの友達と同じようにTシャツの裾をさばかないと「みっともない」「ださい」と言われ、笑われてしまう世界に生きてきた。 しかし、未だかつてインとアウトの変遷や構造を説明する者はいなかった。だから考えたいのだ。この呪いを解く方法を。Tシャツの日本史を書くこと。それは日本で発生した同調圧力の遍歴を書き留めることだ――。 [出版社より] 著 者|高畑鍬名 出版社|中央公論新社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|256 ISBN|9784120059407 発 行|2025年08月 Contents 序章 ぼくらがTシャツで旅に出る理由 第1章 誕生 1868‐1955 第2章 思春期 1956‐1979 第3章 失踪 1980‐1988 第4章 反抗期 1989‐2004 第5章 黒歴史 2005‐2010 第6章 輪廻転生 2011‐2024 終章 2075年のナード・ファッション 2025‐2075 Author 高畑鍬名 Quanah Takahata 1984年東京都生まれ。2004年、映画『紀子の食卓』に衣装助手として参加。12年、監督作『もしかしたらバイバイ!』が国内外の映画祭に入選(滝野弘仁との共同監督)。14年、早稲田大学大学院文学研究科の表象・メディア論コース修了
自炊者になるための26週
¥2,178
さっと買って、さっと作って、この上なく幸福になれる。 「トーストを焼くだけ」からはじまる、日々の小さな創造行為。 “面倒”をこえて「料理したくなる」には、どうしたらいいでしょう。 “ほぼ毎日キッチンに立つ”映画研究者が、その手立てを具体的に語ります。 大方針は、「風味の魅力」にみちびかれること。 「風味」=味+におい。自由に軽やかに、においを食べて世界と触れ合う。そのよろこびで料理したくなる。人間のにおい解像度は犬並み? 最新の科学研究だけでなく、哲学、文学、映像論の重要テクストを手がかりに、知られざる風味の秘密に迫ります。 目標は、素材から出発して、ささっとおいしいひと皿が作れるようになること。 1週に1章、その週の課題をクリアしていけば、26週=半年で、だれでも、すすんで自炊をする人=自炊者になれる、がコンセプト。 蒸す、煮る、焼く、揚げる「だけ」のシンプル料理から、「混ぜる」「組み合わせる」、さらに魚をおろして様々に活用するまでステップアップしていきます。日本酒とワインの新しいあり方、買い物や献立てに悩まないコツ、家事分担も考えます。 感覚を底上げする、「名曲」のようなレシピを40以上収録しています。 「ヤンソンの誘惑」「鶏肉とパプリカ」「山形のだし」「麦いかのフリット」等々、素朴だけど、素材と出会いなおすような感動のあるものばかり。古今東西の料理書を読みこんだ著者ならではのベストチョイスです。 より先へ進みたくなった人のための懇切丁寧なブックガイドつき。 [出版社より] 「”においを食べる” にしびれました。学者と詩人、生活者と小学生のやわらかな心を併せ持つ新料理家、ここに誕生」 ――高山なおみ 「知識は楽しみを与えず、楽しみは知識を与えない。このような知識と楽しみの分離こそが哲学の前提であった。だからこそ、知識を楽しむこと(フィロ・ソフィア)としての哲学(フィロ・ソフィア)がありえたのだ。しかし、本書が示すのは、知識を与える楽しみであり、楽しみを与える知識に他ならない! 知識と楽しみはこうして一体となる。これは人間がもちうる賢さについての書物だ!」 ――國分功一郎 著 者|三浦哲哉 出版社|朝日出版社 定 価|1,980円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|336 ISBN|9784255013602 発 行|2023年12月 Contents 序 料理したくなる料理 1 においの際立ち おいしいトーストの焼き方/においの語源と「感覚順応」/バゲットを穏やかに加熱する/サワードゥを直火焼きする 2 においを食べる 米を炊く/人間の鼻もじつは犬並みにすごい説/味のちがいはにおいのちがい/ふるさとの米の風味さえも ――米を炊く(炊飯器の場合)/米を炊く(鍋の場合) 3 風味イメージ みそ汁を作る/風味は映像である/風味の分類――①風味インデックス/②風味パターン/③風味シンボル/においはへだたった時間を映す/自炊者=エアベンダー ――だしの取り方/みそ汁 4 セブンにもサイゼリヤにもない風味 ここから自炊するという線引き/セブンイレブンのおいしさ/サイゼリヤのおいしさ/規格品にはない風味の個体差とゆらぎ/青菜のお浸しは海のさざなみのように ――青菜のおひたし/一期一会のトマト・パスタ 5 基礎調味料 感動>面倒/基礎調味料の風味がベースになる/基礎調味料は費用対効果が高い/ノイズキャンセリング力を発揮する/しょうゆ選び/塩選び 6 買い物 何を買うか決められない問題/目利きはするな/専門店の先生たちの見つけ方/あなたが素材を選ぶのではなく、素材があなたを選ぶ 7 蒸す 蒸しものの準備/皮付き野菜を蒸して香りを楽しむ/魚の蒸しもの ――いろいろ野菜の蒸籠蒸し/蒸し野菜のべっこう餡かけ/バーニャカウダ/ひき肉ソース/たちうおの清蒸 8 焼く 肉の焼き目のにおいはどうしてたまらないのか/グラデーションをつけて焼く/ステーキ肉を焼く/フッ素樹脂加工か鉄か/焼き方は人となりを映す/オムレツの焼き方/「ひとり料理の喜び」 ――ステーキ 9 煮る シンプルでおいしい野菜のポタージュ/水に風味とうまみを移す/スープの塩分濃度は0・6%から/野菜のかたちを残すポタージュ/含め煮――調味だしは20:1:1から ――野菜のポタージュ(攪拌する)/野菜のポタージュ(かたちを残す)/調味だし/含め煮/ふきの含め煮/おひたし(アスパラガス、ズッキーニなど)/菊の花のおひたし 10 揚げる、切る 家であえて揚げものをする理由/バットが三つありますか?/春巻き/麦いかのフリット/包丁の使い方にどう慣れるか/作業の進行を直感的にイメージできるようになる ――牡蠣フライ/牡蠣の春巻き/麦いかのフリット 11 動線と片付け 片付けの意義/台所のうつくしさ/プライムスペース/揃えるべきキッチンツール/キッチンは風味の通路 12 カイロモン 風味は誘惑の信号である/カイロモンは他種を誘惑するにおい/変化それ自体がよろこび/F感覚とC感覚 ――おでん 13 日本酒 良質な食中酒は自炊を底上げする/アテ化によってシンプル料理が極上に/酒はパスポート/ベーシックな日本酒とは/先生を見つけ、入門用の酒を選ぶ/燗をつけてみる ――シンプルなアテいろいろ/お燗 14 ワイン 面倒ではないワイン/自炊のためのワイン保存システム/「自然な造りのワイン」とその歴史/インポーターで選ぶ/ワインの先生に学ぶ/ワインを買いにいきましょう 15 青魚 季節の魚の風味に触発されて/風味の喚起力は鮮度に比例する/あじといわしは最上の美味/キッチンに魚の通り道を作る/あじをさばいて食べる/青魚、絶対のふた品 ――あじのさばき方/あじのなめろう/しめさば 16 白身魚など 中型魚をさばく/フライパンでポワレにする/魚を長く多面的に味わい尽くす/生のまま魚を熟成する ――平造り、そぎ造り/白身魚のポワレ、ムニエル/ブールブランソース/焦がしバター(ブールノワゼット)/サルサヴェルデ/こんぶ締め/干物/あらのスープ/あらのだし汁で作るパエリア/白身魚の熟成 17 1+1 魚一種に野菜一種の即興料理を作ってみる/生魚のカルパッチョ+野菜/風味のモンタージュ/焼き魚+野菜/魚と野菜のスープ仕立て ――あじのカルパッチョ、ルッコラ添え/いわしの直火焼き、茹でたじゃがいも添え/フィッシュ・ベジタブル・スープ/牡蠣とぎんなんのスープ 18 混ぜる 百獣ごはん/ワンプレート・ランチ/混ぜる料理の伝統的な型/サラダうどんとそばは格別においしい ――ちらし寿司/サラダうどん、そば 19 春夏の定番レシピ 歌い継がれ愛されてきた民謡のような名レシピ/春/夏/ノー・シーズンの定番 ――あさりと豚肉のアレンテージョ風/生わかめとたけのこ/ふきのとうみそ/ラタトゥイユ/ガスパチョ/山形のだし/ピコデガヨ/生ハムとバターのバゲットサンド/干ししいたけとちりめんじゃこの炊き込みごはん 20 秋冬の定番レシピ 秋/冬/ノー・シーズンの定番 ――きのこの当座煮/きのこのにんにく炒め/ほうとう鍋/バジルペースト/さんまのわたソース/ヤンソンの誘惑/かぶと牡蠣のグラタン/焼きかぶのサラダ、かぶのソース/筑前煮/じゃがいもセロリ/鶏肉とパプリカ 21 乾物 乾物の魅力/家に常備するものリスト/塩して熟成する ――鞍掛豆のサラダ/トルティーヤ/塩もみ、浅漬け、かぶ酢/塩豚 22 発酵 発酵保存食品を自作する意味/日々の献立ての基本 ――白菜漬け/甘酒/かぶら寿司 23 うつわとスタイル なぜスタイリングによって料理はよりおいしくなるのか/練習問題/「ねばならぬ」ではなく/うつわの質感/雑多を許容する 24 ファーム・トゥ・テーブルとギアチェンジ ひとはいつから「素材を活かすべき」といい始めたのか/スローとファストのギアチェンジ/「群島としてある世界の肯定」/続・人間の鼻もじつは犬並みにすごい説/ハンバーガー ――ハンバーガー/クラフト・コーラ 25 索引と徴候 別の時空につながるにおい/索引がひらく過去、徴候が予感させる近未来/微分回路(徴候)と積分回路(索引)/風味の解像度とは/生活史を積分する/食の幸福 26 家事と環境 家事分担の不均衡/ふつうのすばらしさを再発見する/環境問題について ――赤飯 参考文献 ブックガイド Author 三浦 哲哉 Tetsuya Miura 青山学院大学文学部比較芸術学科教授。映画批評・研究、表象文化論。食についての執筆もおこなう。1976年福島県郡山市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程修了。著書に『サスペンス映画史』(みすず書房、2012年)『映画とは何か――フランス映画思想史』(筑摩選書、2014年)『『ハッピーアワー』論』(羽鳥書店、2018年)『食べたくなる本』(みすず書房、2019年)『LAフード・ダイアリー』(講談社、2021年)。共編著に『オーバー・ザ・シネマ――映画「超」討議』(フィルムアート社、2018年)。訳書に『ジム・ジャームッシュ・インタビューズ――映画監督ジム・ジャームッシュの歴史』(東邦出版、2006年)。
涙の箱
¥1,650
SOLD OUT
ノーベル文学賞作家ハン・ガンがえがく、大人のための童話 この世で最も美しく、すべての人のこころを濡らすという「純粋な涙」を探して 「過去のトラウマに向き合い、人間の命のもろさを浮き彫りにする強烈な詩的散文」が評価され、2024年にノーベル文学賞を受賞したハン・ガン。本書は童話と銘打ちながらも、深い絶望や痛みを描き、そこを通過して見える光を描くハン・ガンの作品世界を色濃く感じられる作品です。 幸せな出会いが実現し、日本語版の絵はハン・ガン自身、長年ファンだったというjunaidaさんが担当。ハン・ガンが、「読者それぞれのなかにある希望の存在」としてえがいた主人公や、どこともいつとも特定しない本作の世界を美しく描き、物語とわたしたちをつないでくれます。 2008年、韓国で発売され、本国では子どもから大人まで幅広い年齢層に愛されている本作。ハン・ガン作品との出会いにもおすすめの一冊です。 「きみの涙には、むしろもっと多くの色彩が必要じゃないかな。特に強さがね。怒りや恥ずかしさや汚さも、避けたり恐れたりしない強さ。……そうやって、涙にただよう色がさらに複雑になったとき、ある瞬間、きみの涙は純粋な涙になるだろう。いろんな絵の具を混ぜると黒い色になるけど、いろんな色彩の光を混ぜると、透明な色になるように」——本文より 涙をめぐる、あたたかな希望のものがたり。 [出版社より] 著 者|ハン・ガン 訳 者|きむ ふな 出版社|評論社 定 価|1,500円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|88 ISBN|9784566024892 発 行|2025年08月 Author ハン・ガン 한강 / Han Kang 1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科を卒業。1994年、ソウル新聞新春文芸に短編「赤い碇」が当選し、作家デビュー。2005年、『菜食主義者』(クオン)で李箱文学賞を、また同作で2016年にアジア人初の国際ブッカー賞を受賞。2017年、『少年が来る』(クオン)でイタリアのマラパルテ賞、2023年、『別れを告げない』(白水社)でフランスのメディシス賞(外国小説部門)、また同作で2024年、フランスのエミール・ギメ アジア文学賞を受賞。2024年、「過去のトラウマに向き合い、人間の命のもろさを浮き彫りにする強烈な詩的散文」が評価され、ノーベル文学賞を受賞。他に『引き出しに夕方をしまっておいた』『そっと 静かに』(以上クオン)、『ギリシャ語の時間』(晶文社)、『すべての、白いものたちの』(河出書房新社)、『回復する人間』(白水社)などが邦訳されている。 Translator きむ ふな 韓国生まれ。韓国の誠信女子大学、同大学院を卒業し、専修大学大学院日本文学科で博士号を取得。日韓の文学作品の紹介と翻訳に携わる。訳書にハン・ガン『菜食主義者』、キム・エラン『どきどき僕の人生』、キム・ヨンス『ワンダーボーイ』、ピョン・ヘヨン『アオイガーデン』、シン・ギョンスク『オルガンのあった場所』(以上クオン)、孔枝泳『愛のあとにくるもの』(幻冬舎)など。共訳書にハン・ガン『引き出しに夕方をしまっておいた』(クオン)など。著書に『在日朝鮮人女性文学論』(作品社)がある。韓国語訳書の津島佑子『笑いオオカミ』にて板雨翻訳賞を受賞。
ギリシャ語の時間
¥1,980
祝 ノーベル文学賞受賞。アジア人初の英国ブッカー国際賞受賞作家、ハン・ガンによる心ふるわす長編小説 ある日突然言葉を話せなくなった女は、失われた言葉を取り戻すために古典ギリシャ語を習い始める。ギリシャ語講師の男は次第に視力を失っていく。ふたりの出会いと対話を通じて、人間が失った本質とは何かを問いかけていく。韓国の若い作家を紹介するシリーズ〈韓国文学のオクリモノ〉第1回配本。 「この本は、生きていくということに対する、私の最も明るい答え」――ハン・ガン [出版社より] 著 者|ハン・ガン 訳 者|斎藤真理子 出版社|晶文社[韓国文学のオクリモノ] 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|240 ISBN|978-4-7949-6977-4 発 行|2017年10月 Author ハン・ガン 한강 / Han Kang 1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文科卒業。1994年、短編小説「赤い碇」でデビュー。2007年に発表した『菜食主義者』で、韓国で最も権威のある文学賞李箱文学賞を受賞。また同作で2016年にアジア人作家として初めて英国のブッカー国際賞を受賞した。小説のほか、詩、絵本、童話など多岐にわたって創作活動を続けて、受賞作が多数ある。現在、ソウル芸術大学の文芸創作科教授を務めている。邦訳された作品に『菜食主義者』『少年が来る』(ともにクオン)がある。 Translator 斎藤 真理子 Mariko Saito 翻訳家。訳書にパク・ミンギュの『カステラ』(クレイン)、『ピンポン』(白水社)、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)などがある。『カステラ』で第一回日本翻訳大賞を受賞した。
エレベーターのボタンを全部押さないでください
¥1,980
いつも広い世界を見せてくれるノンフィクション作家・川内有緒、初のエッセイ集。 『パリでメシを食う。』でデビューし、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』で「Yahoo! ニュース|本屋大賞ノンフィクション本大賞」を受賞した川内有緒が、連載していた「日経新聞」、雑誌「ひととき」など、さまざまな媒体に寄稿したエッセイをセレクトして収録。 メキシコの走る民族、飼っていた2匹の個性的な猫、大反響を巻き起こした「荒れた海で愛を叫ぶ」……。海外での驚くべき旅や出会い、日常に潜む冒険のような出来事、死生観などを綴り、読者を新しい場所へ誘う。 ユーモラスで味わい深い文章に心が揺さぶられ、温かな感情が湧き上がる。なぜか一歩を踏み出したくなる川内有緒ならではの一冊。 [出版社より] 「川内さんは丸腰で荒海に飛び込んでいって、宝物のような出会いをつかみ取ってくる。 この本そのものが、冒険で、旅なのだ」――岸本佐知子(翻訳家) 「並外れた行動力と筆致。見たことない球をぶんぶん投げてくる」――こだま(作家・エッセイスト) 著 者|川内有緒 出版社|集英社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|256 ISBN|978-4-8342-5401-3 初 版|2025年06月 Contents *目次より抜粋 第一章 コスタリカのバスのなかで 夢見る島のハンモック 精霊たちのしわざ 走れ! シエラ・タラウマラ 第二章 エレベーターのボタンを全部押さないでください ブックス海があった頃 二匹の猫 第三章 レモンを置きに京都まで ただ本屋に寄っただけ 向田邦子を追いかけて 太陽の塔と危険な読書 第四章 午前四時の試写室から 天国よりも奇妙な場所 女にも名前はある 初めての家出記念日 第五章 声枯れるまで叫ぼう 深夜の奇妙な演奏会 画面の中の孤島 ママ、パスポートはどこ? 冒険家になる人生とならない人生 第六章 未完成な人生に花束を 曇り空の流星観測会 心臓の音を保存する島 アイラブユーと言われたい 荒れた海で愛を叫ぶ Author 川内 有緒 Ario Kawauchi ノンフィクション作家。1972年東京都生まれ。日本大学芸術学部卒業。米国ジョージタウン大学大学院で中南米地域研究学修士号を取得。アメリカ、日本、フランスにて、国際協力分野で12年間働く。2010年以降、東京を拠点に執筆活動。『バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌』で新田次郎文学賞、『空をゆく巨人』で開高健ノンフィクション賞、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』でYahoo! ニュース|本屋大賞ノンフィクション本大賞を受賞。ドキュメンタリー映画『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』の共同監督を務める。「生まれ変わったら冒険家になりたい」が口癖。
アントカインド
¥15,400
SOLD OUT
トランプ復活&暴走を予言!? 制作期間90年・上映時間90日の「究極の映画」の謎をめぐり、記憶の深淵へ……。奇想天外で危険な〈読むカルト映画〉。 『マルコヴィッチの穴』『エターナル・サンシャイン』のアカデミー賞天才作家カウフマンの初小説が、ついに日本上陸。 [出版社より] 「異常な映画愛と懐かしきポストモダンの饒舌思考で、アメリカ合衆国の〈今〉を走査(スキャン)する。奇妙かつ壮大な旅」 ——佐藤究 「やりやがったな、カウフマン! 超絶クレイジーで最高にクール!! 押し寄せる不条理の洪水に脳がバグって昇天寸前!! これ、世に出したらまずくない?!」 ——ふかわりょう 「人が世に生きることの惨めさ切なさ情けなさ。そして映画という芸術に対する愛以上の強い感情。それをこんな奇想天外な物語にするなんて、チャーリー・カウフマンにしかできない。物語の情報量もギャグも彼の映画以上の圧縮バージョン!」 ——山崎まどか 「人生観を変えてくれる、ユニークで大胆な傑作。“人生”に対して幻想と矛盾を抱える、すべての迷える人におすすめしたい」 ——フランシス・フォード・コッポラ 著 者|チャーリー・カウフマン 訳 者|木原善彦 出版社|河出書房新社 定 価|14,000円+税 判 型|A5判・上製・函入 頁 数|640 ISBN|978-4-309-03980-0 発 行|2025年08月 Contents ◎あらすじ 冴えない映画評論家のB・ローゼンバーガー・ローゼンバーグは、インゴという引きこもりの老人が90年かけて制作した、上映時間90日の映画を見る。空前絶後の傑作だと確信したが、上映中にインゴは急死し、フィルムも火事で失われる。 失われたフィルムを復元しようと催眠療法に励むローゼンバーグのもとに、未来人を名乗る女性アビサがある依頼とともに、映像技術「ブレイニオ」を携え訪れる。ブレイニオにより映画の裏側の「不可視の世界」へ入り込めるようになり、夢・映画・現実の境界が徐々に崩壊しはじめる。 やがて自律型ドナルド・トランク(プ)・ロボットが出現すると、暗殺未遂を乗り越えて政権を掌握。大量増殖と暴走の末、巨大ファストフードチェーンと内戦を始め、終末戦争へと突入する。未来の地球で生き残った超天才アリまでもが登場し、全てが混沌の極限へと向かっていく…… ◎原書について *世界14カ国刊行のベストセラー *ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、カーカス・レビュー、パブリッシャーズ・ウィークリー他各紙誌絶賛 *NPR年間ベストブック選出(2020) *『メンズヘルス』誌年間ベストブック選出(2020) *センター・フォー・フィクション・ファーストノベル賞ロングリストノミネート(2020) ◎文学・映像的影響 本作は、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、フランツ・カフカ、フィリップ・K・ディック、カート・ヴォネガット、スタニスワフ・レム、トマス・ピンチョン、サミュエル・ベケット、デイヴィッド・リンチらの、SF的な小説・映像作品の系譜に連なる。 ◎造本仕様 装丁=川名潤 本体A5判上製・レインボー箔押クロス装、多色UV印刷特装函入 虚構と現実のあわいが溶融し、映画をめぐる謎、記憶という神秘の深淵へと向かう、奇想天外な本作のエッセンスを豪華造本に落とし込んだ、究極のブックデザイン。 Author チャーリー・カウフマン Charlie Kaufman 1958年、アメリカ合衆国生まれ。脚本家・映画監督。『マルコヴィッチの穴』で英アカデミー脚本賞、『エターナル・サンシャイン』でアカデミー脚本賞受賞。2020年、初小説『アントカインド』で作家デビュー。 Translator 木原 善彦 Yoshihiko Kihara 1967年生まれ。京都大学大学院修了。大阪大学大学院人文学研究科教授。著書に『アイロニーはなぜ伝わるのか?』ほか。訳書にウィンターソン『フランキスシュタイン』、ダーラ『失われたスクラップブック』など。
デレク・ジャーマンの庭
¥4,840
不朽の名作『Derek Jarman's Garden』が、製版のデジタルリマスターにより、約30年ぶり待望の新訳復刊〈没後30年記念出版〉。 映像作家デレク・ジャーマンの詩的でクィアな庭づくり。 「庭の生と死が、いつしか「ぼく」の生と死を映し出す」 1994年、AIDSでこの世を去った映像作家のデレク・ジャーマン。彼は晩年、イギリス南東部の最果ての岬、原子力発電所にほど近いダンジネスに移り住む。死の直前まで慈しみ育て続けたプロスペクト・コテージの庭は、いつしか彼の生と死を映し出し——。 写真家ハワード・スーリーの美しい写真とともに綴られる、ジャーマンの穏やかな日々と秘められた激情。庭や植物、友人たちや恋人たち、自身の病と死について——。生前最後のエッセイを、美学者であり庭師でもある訳者によって、ついに新訳復刊。植物リスト付。 [出版社より] 著 者|デレク・ジャーマン[著]、ハワード・スーリー[写真] 訳 者|山内朋樹 出版社|創元社 定 価|4,400円+税 判 型|B5変型判/上製 頁 数|148 ISBN|9784422731452 発 行|2024年04月 Author デレク・ジャーマン Derek Jarman 1942年ロンドン生まれ。画家、舞台美術家、映像作家。1960年代にはフレデリック・アシュトンと担当した『ジャズ・カレンダー』(1968)やケン・ラッセルと担当した『ザ・レイクス・プログレス』を含む舞台のセットと衣装デザインをおこなう。映像媒体での作品は70年代から90年代にわたる。この期間に『ジュビリー』(1977)、『カラヴァッジョ』(1986)、『ザ・ガーデン』(1990)、『ブルー』(1993)などの映画を制作した。著書に『ダンシング・レッジ』(1984)、『デレク・ジャーマンのカラヴァッジョ』(1986)、『ザ・ラスト・オブ・イングランド』(1987)のほか 、自伝的な『モダン・ネイチャー』(1991)がある。1994年エイズ合併症により逝去。 Translator 山内 朋樹 Tomoki Yamauchi 1978年兵庫県生まれ。京都教育大学教員、庭師。専門は美学。在学中に庭師のアルバイトをはじめ研究の傍ら独立。庭や美術作品をはじめとする制作物のかたちの論理を、物体の配置や作業プロセスの分析から探究している。著書に『庭のかたちが生まれるとき』(フィルムアート社、2023年)、共著に『ライティングの哲学』(星海社、2021年)、訳書にジル・クレマン『動いている庭』(みすず書房、2015年)。
日本語ラップ 繰り返し首を縦に振ること
¥2,640
「韻踏み夫」がついに本名で世に問う、渾身のヒップホップ批評! RHYMESTERの宇多丸を最も重要な日本語ラップ批評家だと位置づけつつ、ヒップホップとは「“一人称”の文化」だというテーゼに注目。ヒップホップの本質を「反復=肯定」と概念化し、思想的に展開。作品論の実践として、SEEDA の『花と雨』を具体的に読み解いていく。ヒップホップ批評の新たなマスターピース、ここに誕生。 「ヒップホップに特権的な身振り、身体性とは、「繰り返し首を縦に振ること」である。それは反復の身振りであり、かつ肯定の身振りである。首を振るという身振りにおいて、反復と肯定が結合されるのだ。首を振ること、すなわち反復=肯定。これこそ、私たちが最も重視する、ヒップホップの本質を表現するアレゴリーである」——本文より [出版社より] 「日本語ラップ」と呼ばれる政治的/詩的な運動/文化の重力に真にふさわしい批評の誕生を心より祝福したい。 1970年代のサウスブロンクスで生まれたヒップホップ──このどこまでも「一人称」であることに固執するアートフォーム──の日本語における可能性をこれほど誠実かつ挑戦的に論じた書は他にないだろう。 歴史編、理論編、実践編とでも分けられる三部の構成を通して、本書は反復(the changing same)と迂回(signifying)を繰り返しながら、ヒップホップの日本(語)的「生」へと肉薄する」 ——大和田俊之 著 者|中村拓哉 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|384 ISBN|978-4-86385-684-4 発 行|2025年08月 Contents 序文 第一部 日本語ラップの「一人称」 第一章 日本語ラップ批評宣言 いとうせいこうから宇多丸へ 第二章 「一人称」の翻訳性 第三章 「空虚」な「一人称」からストリートへ 第四章 ヒップホップ・フェミニズム 第五章 「J」の殺戮者としての日本語=反日ラップ 第六章 ポスト68年としてのヒップホップと日本語ラップの皮肉な勝利 第二部 反復=肯定の思想 第一章 微分、一義性、反復=肯定 第二章 中性的なものの反復=肯定 第三章 非感性的類似と韻 第四章 同じであること、非人称的ナルシシズム 第五章 反復的な生の救済のドラマ 第三部 ディスクールの詩学 第一章 ラップの詩学 第二章 ミュトス、ミメーシス、隠喩 第三章 SEEDA『花と雨』 「一人称」のディスクール━━あとがきにかえて Author 中村 拓哉 Takuya Nakamura 1994年生まれ。福岡県出身。早稲田大学文化構想学部中退。批評家。2015年より、「韻踏み夫」名義で批評家/ライター活動を開始。著書に『日本語ラップ名盤100』(イースト・プレス、2022年)。論考に「六八年の持続としての批評──絓秀実『小説的強度』を読む」(赤井浩太・松田樹責任編集『批評の歩き方』、人文書院、2024年)など。本書よりペンネームを改名した。
7
¥5,280
ドラッグの売人、元ロック・スター、トップモデル、革命家、UFO研究者、分断世界の監察官、そして不滅の男ーー7つの物語が交叉する。仏哲学界の新スターによる驚異的建築物のごとき傑作。 「鼻血が出ない。とても孤独だ」——本文より [出版社より] 「よくできた短編集ではなく、特異かつ驚異的な建築作品」――テレラマ 「本作をもって、トリスタン・ガルシアは短編と長編の中間にある物語集(という新たなジャンル)の作者となった。真実はときとして危険なほど超自然に接近する」――ゾーン・クリティック 「信仰と美と歴史と時間をめぐる7つの精神的な寓話。今年の避けては通れない10冊のうちの1冊――レクスプレス 「一見多様な小説の寄せ集めにみえるこの作品は首尾一貫した構造を持っている。だが、その一貫性は見出すべきものなのである。それは読者に差し出された大いなる喜びでもある。トリスタン・ガルシアの最高の作品である」――ル・ヌヴェル・オプス 著 者|トリスタン・ガルシア 訳 者|高橋啓 出版社|河出書房新社 定 価|4,800円+税 判 型|四六変型判・上製 頁 数|528 ISBN|978-4-309-20929-6 発 行|2025年08月 Author トリスタン・ガルシア Tristan Garcia 1981年生まれ。フランスの作家・哲学者。アラン・バディウやカンタン・メイヤスーらに哲学を学ぶ。2013年に『7』でアンテル文学賞を受賞。他の著書に『激しい生』など。 Translator 高橋 啓 Kei Takahashi 1953年、北海道生まれ。翻訳家。訳書に、パスカル・キニャール『アマリアの別荘』、フィリップ・クローデル『ブロデックの報告書』、ローラン・ビネ『HHhH』(本屋大賞翻訳小説部門2014年第1位)など。
激しい生
¥2,750
思想に新たな風が吹く。 バディウ、メイヤスーの教えを受けたフランスの俊英、待望の初邦訳。 本書は現代思想界でもっとも注目される才能のひとり、トリスタン・ガルシアの初の翻訳である。近代を強さ=激しさに取り憑かれた時代とし、強迫観念のように刺激を求め続ける人間の生と思考を鮮烈に抉り出す。哲学、科学、文学、芸術、社会など様々な分野を駆け抜ける軽やかな足取りと巧みな手さばきは、著者の才気を伝え、読む者を実存の深みへと連れ出すだろう。新しい現代思想の注目作であるのみならず、近代の捉え方に新たな視点をもたらす意欲作。 [出版社より] 著 者|トリスタン・ガルシア 訳 者|栗脇永翔 出版社|人文書院 定 価|2,500円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|230 ISBN| 9784409031124 発 行|2021年09月 Contents イントロダクション 1 イメージ――電気が思考に対し行ったこと ライプチヒの接吻 電気の啓蒙=光の約束 琥珀と雷雨と私たちの神経のなかの同じ短い流体 電流を測ることによって 観念のイメージ 2 観念――事物をそれ自体と比較するために 潜在的な力のおかげで 多かれ少なかれ 力のおかげで ニュートン以後の落ち込み イメージの観念 3 概念――「すべてを強さ=激しさのなかで解釈しなければならない」 強さ=激しさという例外 野生的な例外 例外が法則になる すべてを強さ=激しさで解釈するために 強さ=激しさを保持するために 4 道徳的な理想――強い=激しい人間 新タイプの電気人間 放蕩者、神経人間 ロマン主義者、雷雨人間 ロック歌手、電化された青春期の若者 形容詞的な道徳、副詞的な倫理 5 倫理的な理想――強く=激しく生きること 強さ=激しさのブルジョワ化 第一の策略――変異することによって 第二の策略――加速することによって 第三の策略――「初体験信仰」 崩壊にいたるまで 6 反対の概念――ルーチーン効果 強さ=激しさの論理がある 変異するすべてのものにおいて何かが減少する 増加するすべてのものの中で何かが減少する 第一回目がますます小さくなる もはや生に残されているのはその反対物を望むことだけである 7 反対の観念――倫理的な鋏に挟まれて 生は強く=激しくし、思考は平等にする 英知のおかげで 救済のおかげで ジレンマ 行き詰まり 8 反対のイメージ――何かが抵抗する ソウルのイヴ 電子の約束 どちらの肩も持たずに 思考の観点から、生の観点から 幸運 謝辞 訳者解説 第一節 トリスタン・ガルシア紹介 第二節 『激しい生』を読む 第三節 方法叙説 結びに代えて 人名索引 Author トリスタン・ガルシア Tristan Garcia 1981年生まれ。パリ高等師範学校でアラン・バディウやカンタン・メイヤスーらに哲学を学び、2008年にアミアン大学で博士号を取得。現在、リヨン第3大学准教授。現代フランスにおける気鋭の哲学者のひとり。著書に、L’image(2007)、Forme et objet(2011)、Nous(2016)など。 Translator 栗脇 永翔 Hisato Kuriwaki 1988年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程単位取得満期退学。専門はフランス文学・思想。共訳書に、ジュリア・クリステヴァ『ボーヴォワール』(法政大学出版局、2018年)。
言葉のトランジット
¥1,650
言葉と世界は、再発見に満ちている。旅に出かけ、見えてきた景色。 2つのレンズを使って英語と日本語の間を行き来する、芥川賞候補作家の初エッセイ集。 英語を母語としながら、日本語で創作する著者だからこそ見えてくる24の景色。 「俺を使わない僕」・・・相手との距離で変わる日本語の〈一人称〉の不思議とは? 「轍」・・・英語と日本語の相互作用が創作に与える影響とは? 「言葉の出島」・・・日本にいながら英語を期待されるプレッシャーとは? 「マイジャパン症候群」・・・日本在住の英語話者コミュニティー独特の症状とは? 「Because Plants Die」・・・この英語、ちょっとおかしい? 言葉が持つニュアンスとは? and more… [出版社より] 著 者|グレゴリー・ケズナジャット 出版社|講談社 定 価|1,500円+税 判 型|四六判・並製本 頁 数|224 ISBN|9784065404263 発 行|2025年08月 Author グレゴリー・ケズナジャット Gregory Khezrnejat 1984年、アメリカ合衆国サウスカロライナ州グリーンビル市生まれ。2007年、クレムソン大学を卒業ののち、外国語指導助手として来日。2017年、同志社大学大学院文学研究科国文学専攻博士後期課程修了。現在は法政大学グローバル教養学部にて准教授。2021年、「鴨川ランナー」にて第二回京都文学賞を満場一致で受賞し、デビュー。同年、受賞作を収録した『鴨川ランナー』を刊行。2023年、「開墾地」で第168回芥川龍之介賞の候補、同年『開墾地』を刊行。2023年、第9回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞。「トラジェクトリー」が第173回芥川賞候補となる。
世界のほうがおもしろすぎた――ゴースト・イン・ザ・ブックス
¥2,090
正体不明という生き方。 「ぼくが目指したことは、すべて編集です」 異能の編集工学者が謎に包まれたその生涯と秘策を一気に語り明かす。ロングインタビューによる、最初で最後の「自伝」。 「若者の教祖」「知の巨人」「博覧強記」――。 あらゆるレッテルを嫌い、「生涯一編集者」であることに徹した松岡正剛。その歩みは理科少年の時代[ころ]に抱いた自己同一性への疑問に始まっていた。十数時間におよぶ、生前最後にして初の自伝インタビューを完全再録。また付録として、未発表稿及び年譜を掲載。 「遅ればせ」ということを、わりに早くから自覚していたんです。あえて遅滞する、遅延するということです。ふつう遅れるというのは、とろいこと、才能が発揮しにくいとか、コミュニケーション能力がないということです。でもぼくは「遅ればせ」がいいんだと思ってやってきた。こういう感覚は若いころからありました。おそらくぼくが編集に関心をもったことにも関係していたんだろうと思います。——本文より [出版社より] 著 者|松岡正剛 出版社|晶文社 定 価|1,900円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|404 ISBN|978-4-7949-8010-6 発 行|2025年08月 Contents 第1章……正体不明のゴースト 自己同一性がわからない 科学のデーモンと精神のゴースト 「粗より」という方法 ――断章1:『擬――「世」あるいは別様の可能性』より第二綴「きのふの空」(二〇一七) 第2章……「世界」のおもしろみとメディアへの憧れ 殺されるくらいの気概をもて 京都の「すい」、東京の「いき」 理科少年の目覚めと抵抗 「自分」の確立から遠のくということ 新聞づくりと印刷技術に夢中になる 革命的マルクス主義の前線で ――断章2:『概念工事』より「極上の迷宮」(一九八〇) 第3章……アルス・コンビナトリア事始め 「ハイスクール・ライフ」編集長になる 稲垣足穂に翻弄される オブジェマガジン「遊」の誕生 杉浦康平からの宿題 誤解の「可能性」をあえて入れておく 超絶アルス・コンビナトリアとそのコツ ――断章3:「歳視記・2」(一九七九) 第4章……すべてはアナロジーのために 人が人を、噂が噂を連れてくる なぜ本に孔を空けたのか 科学と精神と機械はまぜこぜに ――断章4:『フラジャイル』Ⅲ「身体から場所へ」2「振舞の場所」(一九九五) 第5章……編集工学の胎動と脈動 科学万博のパビリオンをつくる 世界同時年表『情報の歴史』 複雑系・割れ目・ノンリニア 編集工学は「知」を自由にする技術 企業人たちとの意外な交流 トークは「装置」から考える 高気圧先生の大学奮闘記 ――断章5:ハイパーカードに出会うまでに頭の中で電話が鳴っている (「HyperLib」一九八七年第六号) 第6章……編集の国から生まれた学校 九〇年代日本に対する危機感 早すぎた「編集の国」構想 「たくさんの自分」から始まる学校 イメージメントとマネージメント ――断章6:「一到半巡通信」(二〇〇〇年十二月号)より「埒外案内」 第7章……歴史の網目のなかで千夜千冊を紡ぐ 千夜千冊は書評ではない 千夜千冊達成と胃癌の顛末 他者と自己の問題を再編集する 千夜千冊を新たなエディションにする 本棚の文脈が読める空間 ――断章7: 『學鐙』(二〇二四年九月)より「編集工学的読書術」 第8章……虚に居て実を行う 写真家たちのアート・ジャパネスク 方法日本を奮い立たせる 近江に思考の拠点を移してみると ――断章8:『日本数寄』より「主客の遊び」(二〇〇〇) 松岡正剛年譜 あとがきに代えて Author 松岡正剛 Seigow Matsuoka 編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。生命・歴史・文化にひそむ仕組みを「編集」の観点でとらえ、方法的に用いて新たな仮説や問いを創造する「編集工学」を確立。おもな著書は『知の編集工学』『知の編集術』『花鳥風月の科学』『17歳のための世界と日本の見方』『日本流』『日本文化の核心』ほか多数。2000年よりインターネット上でブックナビゲーションサイト「千夜千冊」を連載、2018年より文庫シリーズ「千夜千冊エディション」30冊刊行。2024年8月逝去。
アサイラム・ピース
¥946
終わりの時を待つ孤独な精神の叫び。 城の地下牢に囚われた女、名前も顔も知らないがこの世界のどこかに存在する絶対の敵、いつ終わるとも知れぬ裁判、頭の中の機械、精神療養所のテラスで人形劇じみた場面を演じる人々…。自身の入院体験にもとづく表題作をはじめ、出口なしの閉塞感と絶対の孤独、謎と不条理に満ちた世界を先鋭的なスタイルで描き、作家アンナ・カヴァンの誕生を告げた最初の傑作。解説=皆川博子。 [出版社より] 著 者|アンナ・カヴァン 訳 者|山田和子 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|860円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|240 ISBN|978-4-480-43603-0 発 行|2019年07月 Author アンナ・カヴァン Anna Kavan イギリスの作家。1901年、フランスのカンヌ生まれ。ヘレン・ファーガソン名義で長篇数作を発表後、『アサイラム・ピース』(40)からアンナ・カヴァンと改名。不安定な精神状態を抱え、ヘロインを常用しながら、不穏な緊迫感に満ちた先鋭的作品を書き続ける。世界の終末を描いた傑作『氷』(67)で注目を集めたが、翌68年に死去。宙年代記は読書界に衝撃を与えた。他の代表作に『オッド・ジョン』『火炎人類』などがある。 Translator 山田 和子 Kazuko Yamada 1951年生まれ。翻訳家・編集者。訳書にアンナ・カヴァン『氷』(ちくま文庫)、ポール・コリンズ『バンヴァードの阿房宮』(白水社)、P・K・ディック『時は乱れて』『シミュラクラ』(ハヤカワ文庫)、J・G・バラード『太陽の帝国』(創元SF文庫)などがある。
氷
¥1,056
「見たこともないような美しく冷酷なものに、からめとられる」 ——川上弘美 異常な寒波のなか、私は少女の家へと車を走らせた。地球規模の気候変動により、氷が全世界を覆いつくそうとしていた。やがて姿を消した少女を追って某国に潜入した私は、要塞のような“高い館”で絶対的な力を振るう長官と対峙するが…。迫り来る氷の壁、地上に蔓延する略奪と殺戮。恐ろしくも美しい終末のヴィジョンで、世界中に冷たい熱狂を引き起こした伝説的名作。 [出版社より] 著 者|アンナ・カヴァン 訳 者|山田和子 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|960円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|288 ISBN|978-4-480-43250-6 発 行|2015年03月 Author アンナ・カヴァン Anna Kavan イギリスの作家。1901年、フランスのカンヌ生まれ。ヘレン・ファーガソン名義で長篇数作を発表後、『アサイラム・ピース』(40)からアンナ・カヴァンと改名。不安定な精神状態を抱え、ヘロインを常用しながら、不穏な緊迫感に満ちた先鋭的作品を書き続ける。世界の終末を描いた傑作『氷』(67)で注目を集めたが、翌68年に死去。宙年代記は読書界に衝撃を与えた。他の代表作に『オッド・ジョン』『火炎人類』などがある。 Translator 山田 和子 Kazuko Yamada 1951年生まれ。翻訳家・編集者。訳書にアンナ・カヴァン『氷』(ちくま文庫)、ポール・コリンズ『バンヴァードの阿房宮』(白水社)、P・K・ディック『時は乱れて』『シミュラクラ』(ハヤカワ文庫)、J・G・バラード『太陽の帝国』(創元SF文庫)などがある。
H・P・ラヴクラフト——世界と人生に抗って
¥1,100
『服従』『滅ぼす』など数々の問題作を放つ《世界一センセーショナルな作家》ウエルベックが、小説・漫画・映像・ゲームへ大いなる影響を与え続ける架空の神話大系「クトゥルフ神話」創造者であるホラー作家ラヴクラフトの生涯と作品を熱烈な偏愛で語る、衝撃のデビュー作。 スティーヴン・キング序文「ラヴクラフトの枕」収録。 解説=柳下毅一郎。 “人は人生を愛しているときには読書はしない。それに、映画館にだってほとんど行かない。何と言われようとも、芸術の世界への入り口は多かれ少なかれ、人生に「少しばかりうんざりしている」人たちのために用意されているのである。“ “人生に倦み疲れた心にとって、ラヴクラフトを読むことが逆説的な慰めとなるのがなぜなのかはよくわかる。実際、どんな理由であれ人生のあらゆる様態にたいして本物の嫌悪を抱くにいたったすべての人に、ラヴクラフトを読むよう勧めることができる。”——本文より [出版社より] 著 者|ミシェル・ウエルベック 序 文|スティーヴン・キング 訳 者|星埜守之 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,000円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|176 ISBN|978-4-309-46819-8 発 行|2025年08月 Contents 序文 ラヴクラフトの枕 スティーヴン・キング はじめに 第一部 もう一つの世界 儀礼としての文学 第二部 攻撃の技術 晴れやかな自殺のように物語を始めよ 臆することなく人生に大いなる否(ノン)を宣告せよ そのとき、大伽藍の偉容が見えるだろう そしてあなたの五感、いわく言い難い錯乱のベクトルは 完全な狂気の図式を描きだすだろう それは時間の名づけ難い構造のなかに迷い込むだろう 第三部 ホロコースト 反伝記 ニューヨークの衝撃 人種的憎悪 わたしたちはハワード・フィリップス・ラヴクラフトから魂を生贄にするすべをいかに学ぶことができるのか 世界と人生に抗って 読書案内 訳者あとがき 解説 人間嫌いの文学史 柳下毅一郎 Author ミシェル・ウエルベック Michel Houellebecq 1958年フランス生まれ。ヨーロッパを代表する作家。98年『素粒子』がベストセラー。2010年『地図と領土』でゴンクール賞。15年『服従』が世界で話題を呼んだ。ほかに『ある島の可能性』『滅ぼす』など。 スティーヴン・キング Stephen Edwin King 947年アメリカ生まれ。74年『キャリー』でデビュー。ブラム・ストーカー賞、世界幻想文学大賞などを受賞。『スタンド・バイ・ミー』『ショーシャンクの空に』など映像化作品も世界中で大ヒットしている。 Translator 星埜 守之 Moriyuki Hoshino フランス文学者・東京大学名誉教授。1958年米国ペンシルヴェニア州生まれ。著書に『ジャン=ピエール・デュプレー』、訳書に『テキサコ』『フランスの遺言書』、共訳に『慈しみの女神たち』『魔術的芸術』など。
魔犬 ラヴクラフト傑作集1
¥924
SOLD OUT
クトゥルフ神話、その精髄を完全漫画化。 世界の文学史上に特異な光を放つH・P・ラヴクラフトの代表作にして、クトゥルフ神話最大の謎に、かつて「アウトサイダー」を精緻に描き高い評価を受けた気鋭の漫画家が挑む。これぞ、ラヴクラフト・コミカライズの決定版にして、最先端。収録作品「魔犬」「名もなき都」「神殿」。 [出版社より] 著 者|田辺剛 出版社|KADOKAWA[ビームコミックス] 定 価|840円+税 判 型|四六判[並製] 頁 数|184 ISBN|9784047299115 発 行|2014年08月
闇に這う者 ラヴクラフト傑作集3
¥902
SOLD OUT
話題沸騰のラヴクラフト傑作集、二大人気作を高貴にコミカライズ。 「魔犬」「異世界の色彩」で、ラヴクラフトの描き手として熱狂的に支持される気鋭の絵師・田辺剛が次に挑むは、極めて高い人気を誇る、二大名作。 最後の傑作と呼ばれる「闇に這う者」と、遠洋の悪夢を描きラストシーンが伝説となっている「ダゴン」、暗黒の巨星、その真価を、絶品の漫画化で堪能せよ! [出版社より] 著 者|田辺剛 出版社|KADOKAWA[ビームコミックス] 定 価|820円+税 判 型|四六判[並製] 頁 数|166 ISBN|9784047308381 発 行|2016年03月
世界自炊紀行
¥2,750
SOLD OUT
世界には、今晩の献立を考えない人たちがいる。 自炊料理家の著者の元に寄せられる「献立作りが苦痛」「いつも同じ料理ばかりでマンネリに」「スーパーで途方にくれる」という自炊に悩める人々の声。これって日本だけ?「世界の自炊」はどうなっているんだろう? と思った著者は飛行機に飛び乗っていた――。 2024年の間に全世界12か国、38家庭を取材。それぞれ各国から2家庭を厳選し、合計24組の自炊事情を12種の自炊レシピと共に紹介する。同時代を生きる人々、それぞれの「自炊する意味」とは。 「本書は一気読みすると手のひらの上で世界一周をした気分に浸れるだろうし、寝る前に一家族ずつ読んでちょっとずつ楽しんでもらうのも良いと思う。この本を読んでくださる方が私の旅を追体験し、自炊という身近な行為を客観的に見て(世界各地と比べて!)、ご自身の生活に何かしらプラスになるヒントが手渡せたら、心からこの本を書いて良かったと思える」——著者 [出版社より] 「12か国の食卓を巡る旅の果てに、いちばん意外だったのは日本人の自炊だった」 ——奥野克巳(文化人類学者) 「和食はもちろん、中華イタリアン、フレンチ、エスニックと自国以外の料理も何品も作り、栄養衛生にも配慮する。しかも担うのは主に女性……などなど、日本の家庭料理にまつわる「常識」は世界からはどう見える?? 自炊料理研究家が世界各地の自炊人を訪ねて作り味わう自炊紀行。現地レストランでも味わえない自炊レシピ満載」 ——内澤旬子(文筆家、イラストレーター) 著 者|山口祐加 出版社|晶文社 定 価|2,500円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|568 ISBN|978-4-7949-8012-0 発 行|2025年08月 Contents はじめに 1 台湾編:外食文化が根付いた国で自炊をするということ 2 韓国編:自炊よりも外食した方が、たくさん野菜が食べられる国 3 ポルトガル編:魚介類と米の国の日常食とは 4 スペイン編:一日五回の食事を摂る国へ⁉ 5 フランス編:「おいしい」の国の自炊事情とは 6 トルコ編:「本当のトルコ料理」を探して 7 イタリア編:地域性のある食文化が根付く「イタリアの自炊事情」 8 メキシコ編:スペインの侵略がもたらした食文化の変革 9 ペルー編:注目度急上昇、ペルー料理がおいしい理由とは 10 タイ編:毎日・毎食、外食で困らない国でなぜ自炊するのだろうか? 11 ベトナム編:本当の「家庭料理」に会いたくて 12 ラオス編:何も知らない国の自炊に出会うこと おわりに Author 山口祐加 Yuka Yamaguchi 自炊料理家。1992年生まれ。東京都出身。出版社、食のPR会社を経て独立。7歳から料理に親しみ、料理の楽しさを広げるために料理初心者に向けた料理教室「自炊レッスン」や小学生向けの「オンライン子ども自炊レッスン」、レシピ・エッセイの執筆、ポッドキャスト番組「聞くだけでごはんができるラジオ」などは多岐にわたって活動中。著書に『自分のために料理を作る自炊からはじまる「ケア」の話』(星野概念との共著、晶文社/紀伊國屋じんぶん大賞2024入賞)、『自炊の壁 料理の「めんどい」を乗り越える100の方法 』(佐々木典士との共著、ダイヤモンド社)など多数。
新装版 世界手芸紀行
¥2,420
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雑誌毛糸だまの人気連載「世界手芸紀行」を2017年に書籍化した第1弾を、第2弾の発売に合わせて新装版として復刊します。 世界各地の手仕事と、それらと日本をつなげる仕事をしている13人の女性をご紹介します。素晴らしく奥深い手仕事の魅力を掘り下げてたっぷりお見せするとともに、彼女たちがいかにして世界の手仕事と出合い、どのように日本での仕事につなげたか、興味深いインタビューも収録。 インドの「ソズニ刺繍」、オーストリアの「プチポアン」、トルコの「オヤ」、セネガルの「アフリカンプリント」、メキシコ「オアハカの刺繍」などなど、その色とりどりで奥深い伝統文化は手芸に興味のない人でも楽しめます。手芸を「仕事」として考えている女性への参考書としてもおススメです。 [出版社より] 出版社|日本ヴォーグ社 定 価|2,200円+税 判 型|B5判/並製 頁 数|160 ISBN|978-4-529-06325-8 発 行|2023年07月
相談するってむずかしい
¥1,870
とにかくおしゃべりを続けよう。 自分を助けるための「対話の仕方」がわかる本。 発達障害による困りごとや、生きづらさを語り合う場を主宰する細川貂々と、心身の不調をきっかけに、目的を持たない対話の場を作った青山ゆみこ。オープンダイアローグや当事者研究など、話す/聞く場の実践を通して、「相談する」ことの大切さに気づいたふたりがつづる、話して、聞いた日々のこと。 [出版社より] 著 者|青山ゆみこ・細川貂々 出版社|集英社 定 価|1,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|200 ISBN|978-4-08-788120-2 発 行|2025年08月 Contents はじめに 細川貂々 1章 相談できないふたり 気配り女子一番の誕生 青山ゆみこ・文 私が相談できなかった頃 細川貂々・漫画 コラム「話す」「聞く」の試み(1) 「当事者研究」ってなに? 2章 話すことの「場」 「弱い自分」が探した居場所 青山ゆみこ・文 自分の場をつくる 細川貂々・漫画 コラム「話す」「聞く」の試み(2) 「オープンダイアローグ」ってなに? 3章 話し方と聞き方 正解はないけど、方法はある 青山ゆみこ・文 居場所をつくってみて 細川貂々・漫画 コラム「話す」「聞く」の試み(3) 「自助グループ」と「家族会」 4章 変わらないけど、楽になる 対談 青山ゆみこ×細川貂々 コラム「話す」「聞く」の試み(4) 自分で「場」を開いてみる 5章 あなたが話しはじめることで 「相談」のハードルを下げる 青山ゆみこ・文 みんなでともに 細川貂々・漫画 おわりに 青山ゆみこ Author 青山 ゆみこ Yumiko Aoyama フリーランスの編集・ライター。1971年神戸市生まれ。神戸松蔭大学非常勤講師。地元神戸を中心に、「ゲンナイ会」「話を聞きます」など、対面やオンラインでの対話の場を主催している。 細川 貂々 Tenten Hosokawa 漫画家・イラストレーター。1969年埼玉県生まれ。相愛大学客員教授。『がっこうのてんこちゃん』で第71回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞。兵庫県宝塚市で「生きるのヘタ会?」ほか、さまざまな対話の場を主催している。
元気じゃないけど、悪くない
¥2,090
50歳の急カーブ、愛猫との別れ、不安障害、めまい、酒や家族との関係……。 わけのわからない不調のどん底から、リハビリが始まった――。 「わたしの心と身体」の変化をめぐる、物語のようなノンフィクションであり、ケアの実践書。 「「死にたい」と思うほどの状態から、「これなら生きていてもいいかも」と思える状態になるまでの心身のリハビリについて書いてきたのだと、書き終えてわかった気がした。(……)無傷ではないし、今後は古傷が疼くことがあるのかもしれない。全快しゃきしゃきの元気いっぱいでもない。でも「回復」とは異なるカタチで、わたしは自分の人生を新たに立ち上げて生きている。そういうの、全く悪くない。むしろ、悪くないと思うのだ」――本文より 「コントロールしよう」を手放し、自分が変わったと実感するまでの3年間の記録。装画・挿画・題字=細川貂々。 [出版社より] 著 者|青山ゆみこ 出版社|ミシマ社 定 価|1,900円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|248 ISBN|9784911226025 発 行|2024年03月 Contents まえがき 第一章「わたし」をつくってきたもの はじめての猫/実家の犬/家族のなかの「序列」/愛に対する条件/はじめて得た「フラットな関係性」/特別に大切な存在 第二章 「食と酒」の生活改善 切実に迫る「老い」/パーソナルトレーニングという選択/わたしという身体資源の有効活用/なにを食べたらいいですか?/三十年来の悪友、お酒/「のんだくれゆみこ」と「ノンアルコールゆみこ」/「飲まない自分」への違和感 第三章 ある日心が振り切れた 親は子どもに呪いをかけてしまう/「躁」っぽい思考の暴走/わたしを引き留めた回顧録『エデュケーション』/大震災と母の看取りのフラッシュバック/これがパニック障害? 不安障害? 第四章 ほんの小さな第一歩 身体は動きたがっている/病院に行くのも「行動」/家事を諦めるという難問/「保留」にできた仕事/書くを手放す/自分はコントロールできない/メンタル本で学んだセルフケア/心にやさしい物語の世界 第五章 自分の居場所をつくる 「わたしの部屋」が必要だ/窓を見上げて歩く/心が動くと身体も動く/窓の大きな小さな部屋/自分の「好き」だけの空間/オープンダイアローグという「対話の手法」/安心して関われる人 第六章 誰かと関わるための小さな部屋 踊るくらいさせろや!/気を楽にするって超難問なわけで/しょぼいコーピングを増やす/小さな部屋に芽吹くもの/仲間との出会い/はじめてのオープンダイアローグ/自分を突き動かした一冊の本/「わたしは変わった」という事実/映画『プリズン・サークル』の衝撃 第七章 めまいを巡る冒険 ふわふわの正体は「浮動性めまい」/病院行脚、再び/めまい専門医との出会い/ついに可視化されためまい/ケンケンから始めた運動療法/だいたい血行/のらりくらりと有酸素運動/禁酒とも異なる「酒離れ」 第八章 自分のこともわからない フライト前の「遺言」/誰のこともわからない/婦人科での三度目の正直?/キックボクシング事始め/わたしの身体は頭がいい/窓の大きな小さな部屋、ありがとう/わたしは書き始めた/手放す あとがき Author 青山 ゆみこ Yumiko Aoyama フリーランスの編集・ライター。1971年神戸市生まれ。神戸松蔭女子学院大学非常勤講師。対話型文章講座を主宰。著書に『人生最後のご馳走』(幻冬舎文庫)、エッセイ『ほんのちょっと当事者』(ミシマ社)。共著に『あんぱん ジャムパン クリームパン 女三人モヤモヤ日記』(亜紀書房)、震災後の神戸の聞き書き集『BE KOBE』(ポプラ社)などがある。
ほんのちょっと当事者
¥1,760
ローン地獄、児童虐待、性暴力、障害者差別、看取り、親との葛藤……。 「大文字の困りごと」を「自分事」として考えてみた。 「ここまで曝すか!」と連載時より大反響の明るい(?)社会派エッセイ。 「わたしたちが「生きる」ということは、「なにかの当事者となる」ことなのではないだろうか。…みんなが隣にいる誰かへの想像力をもつようになれば、まわりまわって思いもかけない方向から、誰かがわたしの小さな困りごとを助けてくれる気がする。そういうのってなんだか素敵で、とてもふくよかな社会に思えるのだ」――「まえがき」より。 [出版社より] 著 者|青山ゆみこ 出版社|ミシマ社 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|248 ISBN|9784909394293 発 行|2019年11月 Contents まえがき 第1章 暗い夜道と銀行カードローンにご用心 第2章 「聞こえる」と「聞こえない」のあいだ 第3章 奪われた言葉 第4章 あなたの家族が経験したかもしれない性暴力について 第5章 父の介護と母の看取り。「終末期鎮静」という選択 第6章 哀しき「おねしょ」の思い込み 第7章 わたしは「変わる」ことができるのか 第8章 わたしのトホホな「働き方改革」 第9章 父のすててこ いささか長いあとがきのようなもの Author 青山 ゆみこ Yumiko Aoyama フリーランスのエディター/ライター。1971年神戸市生まれ。月刊誌副編集長などを経て独立。単行本の編集・構成、雑誌の対談やインタビューなどを中心に活動し、市井の人から、芸人や研究者、作家など幅広い層で1000人超の言葉に耳を傾けてきた。著書に、ホスピスの「食のケア」を取材した『人生最後のご馳走』(幻冬舎文庫)。
ケトル VOL.27 松本清張が大好き![OUTLET]
¥495
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「松本清張」特集号! みうらじゅんさんのイラストが目印です。 [出版社より] 出版社|太田出版 定 価|900円+税 判 型|A4変型判/並製 頁 数|136 ISBN|9784778314934 発 行|2015年10月 Contents 【ネタモト】 佐野ひなこ(女優) 額賀 澪(松本清張賞受賞作家) 水野しず(アイドル・漫画家)河瀨直美 伊藤 弘 南馬越一義 岸 勇希 市川紗椰 西田善太 【特集】松本清張が大好き! ●みうらじゅんの松本清張論 「清張文学とはボブ・ディランの歌であり、仏教書である」 ●みうらじゅんと読む20作品 No.1『ゼロの焦点』/ No.2『証言』/ No.3『たづたづし』 No.4『内海の輪』/ No.5『書道教授』/ No.6『事故』/ No.7『遠い接近』/ No.8『黒い福音』/ No.9『赤いくじ』 No.10『天城越え』/No.11『恩誼の紐』/No.12『潜在光景』/No.13『小説帝銀事件』 No.14『月』/No.15『駅路』/No.16『二階』 No.17『絵はがきの少女』/No.18『巻頭区の女』/No.19『遠くからの声』 No.20『鬼畜』 ●マツキヨから学ぶ! ①浮気・お金・保身……清張が描いたサラリーマンの法則 ●速水健朗が語る松本清張「清張の描く殺人と恋愛が 日本の観光産業を支えた」 ●マツキヨから学ぶ! ②「女の顔」はひとつじゃない! 清張作品に登場する女たち ●マツキヨから学ぶ! ③謀略・策略の裏には、いつだって「食」がある ●西村京太郎が語る松本清張「推理小説家にとって、偉大な目の上のたんこぶ」 ●チャレンジ! 松本清張 清張作品を片手に崖巡り! 見よ! これが本物のグットクリフだ! ●松本清張の「モノ」図鑑 新聞を広げれば人生だってひらけます 新聞/煙草/引き出し/すずり/トラック/印刷機 ●観ると悪さができなくなる 胸に手を当てる清張映像作品30本 ●清張を読むならこれも読め! 点が線で一気につながる本30冊 ●地図と時刻表が相棒だった 松本清張を読み解く6つのピース 小倉/印刷/森鷗外/週刊誌/昭和史/旅 ●松本清張好きなら読んでて当然? 小説作品コンプリート表! ●ロングインタビュー 壇蜜 ~悪女って、サンタクロースなのだと思います~ ●正田真弘写真劇場 「その静かで大きな存在から、不変と無常を思い巡らす。」 モデル/Mr. オクレ ●review 40人のここが気になる 青柳文子 阿部洋介 伊賀大介 大澤真幸 大根 仁 尾形真理子 小崎哲哉 架神恭介 金原由佳 小島慶子 小杉幸一 小宮山雄飛 桜井圭介 桜川和樹 佐々木 敦 佐藤 優 椹木野衣 高橋健太郎 TAKUYA 中条省平 辻川幸一郎 遠山正道 轟 夕起夫 豊﨑由美 豊竹咲甫大夫 橋爪大三郎 HACHI 幅 允孝 林 雄司 林 裕 速水健朗 平川克美 文月悠光 堀部篤史 前島秀国 前田有一 山形浩生 米光一成 寄藤文平 渡辺 亨(五十音順) ●連載 松本清張もリスペクト! ミステリの女王アガサ・クリスティ トリビア 津田大介「ワセ女でいこう! 」Vol.27 河上茉莉奈 IT の話はビールを2 杯飲んでからVol.27 田端信太郎/森永こへだ/山本憲資 今夜、二丁目のバーで。Vol.27 ブルボンヌ エビ中の好きなもの調査隊! file.9 真山りか / 専門誌編集長に聞く 今号の5 大ニュース 第9 号「印刷雑誌」 Navigatism VOL.25 渋谷慶一郎/ムラカミカイエ/鈴木心 Very New Creator VOL.9 五味弘文 日本最先端の頭の中身 VOL.26 東北大学 流体科学研究所 圓山重直教授 渋谷直角の、次号に続く
ケトル VOL.55 はじめての本[OUTLET]
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本誌初の「本」大特集号! [出版社より] 出版社|太田出版 定 価|1,000円+税 判 型|A4変型判/並製 頁 数|112 ISBN|9784778317157 発 行|2020年08月 Contents ◆表紙モデル:玉城ティナ 「レンブラントを意識した光づくりで撮影した一枚です」 撮影・玉村敬太 ◆ネタモト 大森望/施川ユウキ/文学 YouTuber ベル/河瀨直美/伊藤弘/佐久間宣行/宮崎智之/南馬越一義/西田善太 ◆特集◆ はじめての本 玉城ティナ×米代恭 「行間」を読むことで世界は立体的になっていく 橋爪大三郎 目まぐるしく移り変わる社会を解き明かすための知識と本 宮崎智之 はじめての「吉田健一」 複雑な世界へのシンプルな処方 プロが教える業界研究漫画 MIYANISHIYAMA /大室正志/龍崎翔子/鳥羽周作/大島てる/松崎智海/藤原章次/都成竜馬 装画美術館[筑摩書房『ちくま』より] 奈良美智/鬼海弘雄/林哲夫/小林エリカ/酒井駒子 こんなところにも、はじめての本 カツセマサヒコ×池田明子 表現と正確の狭間、著者と校閲者の対話 デザイナーが一目惚れした本 名久井直子/佐々木俊/佐藤亜沙美/祖父江慎 実はこの本、まだ読んでいません! 山本多津也(猫町倶楽部) 「みんなで読む」ことで多様なものの見方を手に入れる サプライズをくれる本屋たち 野中モモ 読めば、自分も作りたくなる。自由で豊かな「ZINE」の世界 さやわか はじめての「橋本治」 いま、あらゆる人が絶対読むべき理由 池澤夏樹 若い読者のための「文学全集」案内 ◆ロングインタビュー 遠野遥 もっと面白い物が書ける予感がある。だから期待をしながら執筆したい ◆正田真弘写真劇場 出演/ルー大柴 中目ブラックのモノポールで、ウォーターようかんが大ライクなルーさんのトゥギャザーなピクチャーをテイク(ルー大柴オフィシャルブログからインスパイヤ) ◆AWESOME!! ~PICK UP GOOD VIBRATIONS~ [Illustration: Minami Kitamura] REVIEWS 武田砂鉄/磯部涼/佐々木敦/枝優花/椹木野衣/長谷川裕/橋爪大三郎 連載 「手みやげのススメ」其の六 遠山正道/小宮山雄飛 池田エライザ「モヤモヤにムニャムニャ」Vol.6 曽我部恵一「メメント・モリタ」 文月悠光「回遊思考」 三浦理奈のねるまえ動画ソムリエ 「眠れない夜はインターネットの話でも」Session 13 塩谷舞/石井リナ/大久保楓 Nextイグノーベル賞を探せ!! Vol.6 酔えるレコードもう1枚Vol.6 森雅樹/坂本慎太郎 「現代人のための非大上段的相談学原論」青柳文子/小谷実由 Vol.6 田中開「この店を見よ」Vol.19 Licaxxx「マニアックの扉」Vol.7 「中国美女漫談 ディレクターズカット版」陳暁夏代×富沢櫻子 嶋浩一郎「ブンガク・ライフハック」Vol.6 渋谷直角の、次号に続く
野呂邦暢、風土のヴィジョン[OUTLET]
¥1,320
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野呂邦暢が現役の頃から小説とエッセー集を愛読してきた著者が、ナガサキでの原爆の目撃や自衛隊体験に基づく作品、歴史小説など、全作品を徹底的に読み込んで、繊細な作家の文学空間を浮き彫りにする。小説世界に分け入って魅力を味わい尽くす渾身の作家論。 ー 野呂が現役の頃から小説とエッセー集を愛読して知的好奇心に満ちた青春期をともに過ごしながら作家として熟すまでの具体相を読み込んできた著者が、『兵士の報酬』『小さな町にて』(みすず書房)の出版を機にあらためて全作品を徹底的に読み込んで、繊細な作家の世界を浮き彫りにする。 車谷長吉、三浦哲郎、滝田ゆう、幸田文、洲之内徹、阿部昭を精読して評してきた著者が野呂邦暢の文学世界に分け入った渾身の作家論。 野呂邦暢(のろ・くにのぶ:1937―80) ナガサキの原爆を疎開先の諫早で目撃、その体験を背景にもつ作品や自分の自衛隊体験、長崎県諫早市を舞台に歴史小説なども発表し、多くのファンが愛読。自衛隊員としての体験をもとに『草のつるぎ』で1974年に第70回芥川賞を受賞。 [出版社より] 著 者|深谷考 出版社|青弓社 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|256 ISBN|978-4-7872-9246-9 発 行|2017年12月 Contents プロローグ――なぜ、いま、野呂邦暢なのか Ⅰ 「戦後」七十年 1 『父と暮せば』の問い 2 『明日――一九四五年八月八日・長崎』の問い 3 『失われた兵士たち――戦争文学試論』を読む Ⅱ 父と子 4 桃、二つ 5 父と子――「海辺の広い庭」 6 ピークとは何か Ⅲ 風土・諫早 7 カスピアン・ターン――「鳥たちの河口」 8 風が吹いている――「草のつるぎ」 9 本明川――洪水の記憶と Ⅳ 歴史へ 10 未読のあなたへの手紙Ⅰ――『諫早菖蒲日記』 11 未読のあなたへの手紙Ⅱ――『落城記』 12 G島、アウステン山――『丘の火』 Author 深谷 考 Ko Fukaya 1950年、茨城県結城市生まれ。文筆家。著書一覧:『車谷長吉を読む』(2014年)、『三浦哲郎、内なる楕円』(2011年)、『滝田ゆう奇譚』(2006年)、『幸田文のかたみ』(2002年)、『洲之内徹という男』(1998年)、『阿部昭の〈時間〉』(1994年)、『海辺の人間――阿部昭論』(1991年)、『小さなモザイク』(1987年)、(いずれも青弓社)。
イワンの馬鹿
¥1,980
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140年以上前に誕生した、ロシアの文豪トルストイの名作。強欲な兄や悪魔の誘惑に負けずに、自らの体と手を使ってひょうひょうと生活するイワンの物語。ハンス・フィッシャーの挿絵、翻訳家・小宮由氏の新訳で現代に贈る、子どもにも大人にも読んでほしい名作です。 読んであげるなら何歳からでも、自分で読むならば小学校中・高学年から読める内容です(高学年以上の学習漢字にはルビがふってあります)。 [出版社より] 「賢い大人は、結局、何事も成し得ないのだ。愚直に信じるところを貫いて働く者だけが世界を変えるのだ」 ——出口治明 著 者|レフ・トルストイ[作]、ハンス・フィッシャー[絵] 訳 者|小宮由 出版社|アノニマ・スタジオ 定 価|1,800円+税 判 型|四六変型判・上製 頁 数|122 ISBN|978-4-87758-811-3 発 行|2020年10月 Author レフ・トルストイ Лев Толстой 1820−1910。19世紀のロシアを代表する小説家、思想家。ロシア・ヤースナヤ・ポリャーナに伯爵家の四男として生まれる。非暴力主義の思想のもと、文学のみならず、政治や社会にも大きな影響を与え、また、自ら教科書を執筆・編集し、教育にも力を注いだ。代表作に『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』『復活』など。『イワンの馬鹿』は、1876年(トルストイ56歳)の作品。 ハンス・フィッシャー 1909−1958。絵本作家、画家。スイス・ベルンに生まれる。美術学校で装飾画・版画を学んだ後、パウル・クレーに師事。舞台美術や壁画を手掛けるなど、画家として活躍しながら、自分の子どもたちと向き合い、絵本の創作もはじめる。代表作に『ブレーメンのおんがくたい』(福音館書店)『こねこのぴっち』(岩波書店)など。 小宮 由 翻訳家。東京・国立市に生まれる。2004年より阿佐ヶ谷で家庭文庫「このあの文庫」を主宰。祖父は、トルストイ文学の翻訳家であり、良心的兵役拒否者である故・北御門二郎。主な訳書に『さかさ町』(F.エマーソン・アンドリュース作/岩波書店)、『モミの木』(アンデルセン作)、『台所のメアリー・ポピンズ』(T.L.トラヴァース作)、『どうぶつたちのナンセンス絵本』(マリー・ホール・エッツ作)(以上、アノニマ・スタジオ)など多数。
最後にして最初の人類
¥1,650
20億年後の〈最後の人類〉が現在の人類に語る未来の歴史。壮大な人類進化の年代記を驚異の想像力と神話的ビジョンで描く伝説的名作、改訳文庫化。 20億年後の〈最後の人類〉からのメッセージ。世界滅亡の危機、火星人の侵略、超人類の誕生……。神話的想像力で描く幻想の人類史。『2001年宇宙の旅』のアーサー・C・クラークに衝撃を与えた至高のSF。 [出版社より] 著 者|オラフ・ステープルドン 訳 者|濱口稔 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|1,500円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|528 ISBN|978-4-480-43954-3 発 行|2024年06月 Contents まえがき――アメリカ版初版に寄せて はしがき――イギリス版に寄せて 序――〈最後の人類〉のひとりより 年代記 第 一 章 バルカン・ヨーロッパ 第 二 章 ヨーロッパの没落 第 三 章 アメリカと中国 第 四 章 アメリカと化した惑星 第 五 章 〈第一期人類〉の凋落 第 六 章 過渡期 第 七 章 〈第二期人類〉の興隆 第 八 章 火星人類種 第 九 章 地球と火星 第 十 章 荒野の〈第三期人類〉 第十一章 人間の自己改造 第十二章 最後の地球人類 第十三章 金星の人類種 第十四章 海王星 第十五章 〈最後の人類〉 第十六章 人間の最期 訳者あとがき Author オラフ・ステープルドン Olaf Stapledon 1886-1950年。イギリスの作家、哲学者。初の著作『現代の倫理学』を発表した翌年、20億年もの人類の未来史を描いた『最後にして最初の人類』(1930)で注目を集め、『スターメイカー』(1937)など、独自の哲学的思弁とヴィジョンに満ちた壮大な宇宙年代記は読書界に衝撃を与えた。他の代表作に『オッド・ジョン』『火炎人類』などがある。 Translator 浜口 稔 Minoru Hamaguchi 1953年沖縄県生まれ。明治大学名誉教授。著書に『言語機械の普遍幻想』(ひつじ書房)。訳書にO・ステープルドン『スターメイカー』(ちくま文庫)、J・ノウルソン『英仏普遍言語計画』(工作舎)、M・H・ニコルソン『ピープスの日記と新科学』(白水社)、P・ルンダ『大図鑑 コードの秘密』(明石書店)などがある。
シリウス
¥1,430
人類と同等の知性と感性をもつ超犬シリウスの愛と孤独。 実験により人工的に創造された高い知能を持つ超犬シリウスは、科学者トレローンの末娘プラクシーと共に育てられる。人間と同等の知性を獲得し、プラクシーとは強い愛情で結びつくが、噴出する野性が時に彼を悩ませた。やがて人々の異質な存在への敵意がシリウスに向けられていく。孤高の精神を宿した超犬の成長の軌跡と、それゆえの苦悩と葛藤を描く感動の名作SF。解説=ヤマザキマリ。 [出版社より] 著 者|オラフ・ステープルドン 訳 者|中村能三 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|1,300円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|384 ISBN|978-4-480-44038-9 発 行|2025年07月 Author オラフ・ステープルドン Olaf Stapledon 1886-1950年。イギリスの作家、哲学者。初の著作『現代の倫理学』を発表した翌年、20億年もの人類の未来史を描いた『最後にして最初の人類』(1930)で注目を集め、『スターメイカー』(1937)など、独自の哲学的思弁とヴィジョンに満ちた壮大な宇宙年代記は読書界に衝撃を与えた。他の代表作に『オッド・ジョン』『火炎人類』などがある。 Translator 中村 能三 Yoshimi Nakamura 1903-81年。福岡県生まれ。翻訳家。モーム、サキ、クローニンなどの文学作品からミステリ、SF、児童文学まで多くの訳書がある。主な訳書にクローニン『城砦』、モーム『要約すると』、『サキ短編集』、コリンズ『月長石』、クリスティー『カーテン』など。
領土
¥1,430
甘美、恍惚、陶酔…… 。魔術的な、文字と音律との夜宴。 哀れな四肢欠損の少女らの蠢く闇夜の花電車(「市民薄暮」)、宝石の光沢を帯びる少年期の記憶の腫瘍(「真珠譚」)、途方もない全長で人を行き惑わせる冥府的地下街(「中央駅地底街」)……。 目も眩むような幻覚的イメージ、言葉の形象と韻律がいざなう迷宮的幻想小説集。現実と夢、記憶と幻視、揺籃期の故郷と見も知らぬ異国とが、鮮烈に錯綜し切り結ぶ、一度読んだら忘れられぬ10の麻薬的桃源郷を、山下陽子のコラージュ作品とともに。 [出版社より] 著 者|諏訪哲史 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|1,300円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|384 ISBN|978-4-480-44035-8 発 行|2025年07月 Contents シャトー・ドゥ・ノワゼにて 尿 意 市民薄暮 真珠譚 百貨店残影 聖家族学園 甘露経 湖中天 中央駅地底街 先カンブリア あとがき 文庫版あとがき 解説 来るべき小説――『領土』の衝撃 富岡幸一郎 解説 『領土』復権の義 山尾悠子 Author 諏訪 哲史 Tetsushi Suwa 小説家・批評家・随筆家。1969年名古屋市生まれ。國學院大學文学部哲学科卒業。独文学者の種村季弘、美学者の谷川渥に師事。2007年に小説『アサッテの人』で群像新人文学賞・芥川賞を受賞。他の小説に『りすん』『ロンバルディア遠景』『岩塩の女王』『昏色の都』。また文学批評集に『偏愛蔵書室』『紋章と時間──諏訪哲史文学芸術論集』、エッセー集に『スワ氏文集』『うたかたの日々』『スットン経』、編著に『驚異の函──種村季弘コレクション』などがある。
優しい暴力の時代
¥1,210
「人間には人間が必要だ。恨むために、欲望するために、打ち明けるために」(「アンナ」より)。何かに傷つき誰かを傷つける時代の、奥底に流れる痛みと、新たな歩みをまっすぐに描き出した『優しい暴力の時代』に、現代文学賞を受賞した「三豊百貨店」を加えた日本オリジナル編集版。希望も絶望も消費する時代の、生活の鎮魂歌。 いま韓国で「時代の記録者」といわれる屈指の作家による、代表作となる短篇集。絶望も希望も消費するいまを生きる人々の、生活の鎮魂歌。解説=西加奈子。 [出版社より] 著 者|チョン・イヒョン 訳 者|斎藤真理子 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,100円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|312 ISBN|978-4-309-46795-5 発 行|2024年02月 Author チョン・イヒョン 1972年ソウル生まれ。2006年「三豊百貨店」で現代文学賞を受賞。卓越した観察眼と巧みなストーリーで「私たちの都市の記録者」の異名をとる。他の作品に『マイ スウィート ソウル』『きみは知らない』等。 Translator 斎藤 真理子 Mariko Saito 翻訳家。パク・ミンギュ『カステラ』(共訳)で日本翻訳大賞、チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』で韓国文学翻訳院大賞、ハン・ガン『別れを告げない』で読売文学賞を受賞。ほか、著訳書多数。
斜め論
¥2,420
ケアは、どうひらかれたのか? 「生き延び」と「当事者」の時代へと至る「心」の議論の変遷を跡付ける。垂直から水平、そして斜めへ。時代を画する、著者の新たな代表作。 自己実現や乗り越えること、あるいは精神分析による自己の掘り下げを特徴とする「垂直」方向と、自助グループや居場所型デイケアなど、隣人とかかわっていくことを重視する「水平」方向。 20世紀が「垂直」の世紀だとすれば、今世紀は「水平」、そしてそこに「ちょっとした垂直性」を加えた「斜め」へと、パラダイムがシフトしていく時代と言える。 本書は、ビンスワンガー、中井久夫、上野千鶴子、信田さよ子、当事者研究、ガタリ、ウリ、ラカン、ハイデガーらの議論をもとに、精神病理学とそれにかかわる人間観の変遷を跡付け、「斜め」の理論をひらいていこうとする試みである。 著者は、2015年のデビュー作『人はみな妄想する』でラカン像を刷新し、國分功一郎、千葉雅也の両氏に絶賛された気鋭の精神医学者。デビューから10年、新たな代表作がここに誕生する。 [出版社より] 著 者|松本卓也 出版社|筑摩書房 定 価|2,200円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|320 ISBN|978-4-480-84333-3 発 行|2025年08月 Contents 第一章 水平方向の精神病理学に向けて──ビンスワンガーについて 第二章 臨床の臨界期、政治の臨界期──中井久夫について 第三章 「生き延び」の誕生──上野千鶴子と信田さよ子 第四章 当事者研究の政治 第五章 「自治」する病院──ガタリ、ウリ、そしてラカン 第六章 ハイデガーを水平化する──『存在と時間』における「依存忘却」について 補論1 精神分析とオープンダイアローグ 補論2 依存症臨床の空間──平準化に抗するために Author 松本 卓也 Takuya Matsumoto 1983 年、高知県生まれ。2008 年3 月、高知大学医学部医学科卒。2015 年3 月、自治医科大学大学院医学研究科修了、博士(医学)。2016 年4 月より、京都大学大学院人間・環境学研究科総合人間学部准教授。研究分野は、精神病理学、精神分析学、精神医学史、病跡学、フランス現代思想。 著作に『人はみな妄想する』(青土社)、『心の病気ってなんだろう?』(平凡社)、『創造と狂気の歴史――プラトンからドゥルーズまで』(講談社)、『享楽社会論――現代ラカン派の展開』(人文書院)、翻訳に『現実界に向かって――ジャック=アラン・ミレール入門』(人文書院)、共訳にダリアン・リーダー『ハンズーー手の精神史』(左右社)、ヤニス・スタヴラカキス『ラカニアン・レフト―ラカン派精神分析と政治理論』(岩波書店)、共編著に『コモンの「自治」論』(集英社)など。
GOAT Summer 2025
¥510
5万部という驚異の売り上げを記録した新文芸誌「GOAT」、第2号! 「悪」特集には、朝井リョウさんが”究極の黒い紙”にインスパイアされて執筆した短編を掲載。「旅」特集では、京都の「BOOK HOTEL」とコラボし、古都に滞在した作家たちに素敵な作品をご執筆いただきました。 [出版社より] 出版社|小学館 定 価|510円 判 型|A5判/並製 頁 数|520 発 行|2025年06月 ISBN |9784098021093 Contents 特集「悪」 小説 朝井リョウ 小川 哲 一穂ミチ 市川沙央 木爾チレン カツセマサヒコ モモコグミカンパニー 梨 染井為人 芦沢 央 逸木 裕 冲方 丁 市街地ギャオ 上村裕香 小原 晩 鼎談 「ナチスの奥底に現代を見た。」 佐藤 究×マライ・メントライン×神島大輔 エッセイ 武田砂鉄 三浦透子 山口未桜 私のGOAT本 岩谷翔吾 宇田川拓也 齋藤明里 中村文則 古屋兎丸 宮田愛萌 小説 坂崎かおる 野崎まど 酒寄希望 第2回GOAT×monogatary.com 文学賞 受賞作発表 選考委員長 加藤シゲアキ 最終選考会レポート インタビュー 加藤シゲアキ 対談 『謎解きはディナーのあとで』TVアニメ化記念対談 花澤香菜・梶 裕貴×東川篤哉 藤ヶ谷太輔×けんご 詩 小笠原鳥類 柴田聡子 橘 上 田中さとみ 山田亮太 評/豊崎由美 ー 特集「旅」 京都 創作 浅倉秋成 麻布競馬場 上坂あゆ美 鈴木ジェロニモ 千早 茜 方丈貴恵 エッセイ 古谷田奈月 佐原ひかり 手紙 junaida ゆっきゅん
GOAT 創刊号
¥510
ジャンル、国境を越える豪華執筆陣の文芸誌。 紙を愛してやまない《ヤギ》にちなんで名づけた、《Greatest Of All Time(=かつてない)》文芸誌が誕生。ジャンルや国境を越えて豪華執筆陣が集結しています。 [出版社より] 出版社|小学館 定 価|510円 判 型|A5判/並製 頁 数|526 発 行|2024年11月 ISBN |9784098021062 Contents 特集「愛」 【小説】 西加奈子 小川哲 市川沙央 パク・ソルメ 島本理生 冲方丁 麻布競馬場 葉真中顕 芦沢央 チョン・ヨンス 長塚圭史 嶋津輝 戸田真琴 【対談】 Awich×細谷功 小池真理子×東出昌大 藤ヶ谷太輔×川村元気 【短歌】 朝吹真理子 小佐野彈 高瀬隼子 スケザネ 【 詩 】 最果タヒ 井戸川射子 大崎清夏 水沢なお 小原晩 青松輝 【哲学対話】 永井玲衣×『GOAT』編集部 【エッセイ】 金原ひとみ アフロ(MOROHA) 塩谷舞 チョン・セラン 町田そのこ ワクサカソウヘイ 【インタビュー】 一穂ミチ ○『GOAT』×monogatary.com 文学賞 [選考委員長:加藤シゲアキ] 総応募数753作から大賞受賞作を誌上で発表! ○私の「GOAT本」 上白石萌音 けんご 斉藤壮馬 鳥飼茜 夏川草介 三宅香帆 ○出せなかった手紙 彩瀬まる 佐原ひかり ○短編小説 尾崎世界観 蝉谷めぐ実 安壇美緒 乗代雄介 八木詠美 大木亜希子 野崎まど 〇特集「読書バリアフリーをめぐる旅」 稲泉連 滝口悠生 その他、特大企画多数。
文芸ブルータス 2025夏
¥980
文芸とは、言語によって表現される芸術の総称です。今の時代、私たちには言葉で綴られる物語が必要です。 『群像』『新潮』『文學界』『文藝』、文芸誌4誌と共に、13年ぶりに文芸誌を復刊することにしました。世界中から集まった16篇が、きっとあなたを夢中にさせます。 ※電子版では、紙の雑誌と内容が一部異なる場合や、掲載されないページや特別付録が含まれない場合がございます。 [出版社より] 出版社|マガジンハウス 定 価|980円 判 型|A4判/並製 頁 数|526 発 行|2025年08月 ISBN |4910277530857 Contents 国内編 020 Pow(d)er —— 市川沙央 024 一景 —— 井戸川射子 028 昨日だった気がする —— 上田岳弘 038 三十一日 —— 宇佐見りん 042 小説を探しにいく —— 小川 哲 044 Yの一生 The Life of Y —— 小林エリカ 050 似たやつ二人 —— 筒井康隆 052 白星の恋い食み —— 日比野コレコ 056 夏帆 —— 村上春樹 064 BRUTUS歌会2025夏 069 新作が出たら読みたい日本の作家16人 073 人生で一冊は読んでおきたい非アメリカの海外作家16人 海外編 078 ラブレター —— ジョージ・ソーンダーズ 訳・岸本佐知子 082 白い花 —— ハン・ガン 訳・斎藤真理子 090 割れたグラス —— アラン・マバンク 訳・桑田光平 096 メモリアル —— ブライアン・ワシントン 訳・小磯洋光 102 水脈を聴く男 —— ザフラーン・アルカースィミー 訳・山本薫、マイサラ・アフィーフィー 108 ボルダー —— エバ・バルタサル 訳・宇野和美 112 ドクトル・ガーリン —— ウラジーミル・ソローキン 訳・松下隆志 128 ノーベル文学賞作家から見る世界文学。 130 世界文学の新潮流。 132 文芸対談 ポリー・バートン×辛島デイヴィッド 134 文芸誌の編集長にどうしても訊きたいいくつかのこと。 regulars 013 Et tu, Brute? 「ドレイク」ほか 136 BRUTUS BACK ISSUES/定期購読募集 140 Brutus Best Bets 新製品情報 142 BRUTUS WATCH ACADEMY 45 ノルケイン 144 Brutus Best Beauty 酷暑を乗り切る! クールコスメ 145 BRUTUSPECTIVE 「野村万作」ほか 154 BRUT@STYLE 550 新潮社クラブ 158 グルマン温故知新 667 Night Market/BIANCHI 160 みやげもん 441 庚申絵馬/次号予告
小林秀雄の批評芸術——エクスタシーの哲学[OUTLET]
¥1,320
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関東大震災後の混乱の中から登場した小林秀雄の最初期の文芸批評「様々なる意匠」「アシルと亀の子」などを精緻に読み解く。ロマン主義的な"印象批評"としての小林秀雄の本質を鋭く解析する本書は、現在的な、スリリングな批評となった。 [出版社より] 著 者|佐藤公一 出版社|アーツアンドクラフツ 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|256 ISBN|978-4-901592-93-2 発 行|2013年12月 Contents 第1章 ロマン主義批評の確立 「様々なる意匠」 第2章 エドガー・アラン・ポーの光線 「志賀直哉」 第3章 小林秀雄の光臨 「アシルと亀の子 Ⅰ」 第4章 超越的な《母》としての印象批評 「アシルと亀の子 Ⅱ」 第5章 印象批評のピンとキリ 「アシルと亀の子 Ⅲ」 第6章 マルクス主義的言語観? 「アシルと亀の子 Ⅳ」 第7章 批評対象の欠乏 「アシルと亀の子 Ⅴ」 第8章 起伏に富んだ文学散歩 「文学は絵空ごとか」 第9章 「機械」と『上海』 「横光利一」 第10章 関東大震災と「尖端女性」 政治的方向音痴と「物質への情熱」 第11章 レーニンの悟達 「マルクスの悟達」 第12章 芸術作品を受容する能力 「文芸時評」 第13章 「吾(あ)が仏、尊し」 「心理小説」 第14章 エクスタシーの哲学 「文芸批評の科学性に関する論争」 Author 佐藤 公一 Koichi Sato 昭和29年秋田県生。昭和52年早稲田大学教育学部卒業、昭和57年北海道大学大学院修士課程修了、平成7年秋田大学教育学部非常勤講師、現在、文芸批評家として活躍。 著書『講座 昭和文学史 第2 巻』(有精堂 昭和63年 分担執筆) 『モダニスト 伊藤整』(有精堂 平成4年)『エクリチュールの横断』(無明舎 平成5年)『時代別 日本文学史事典 現代編』(東京堂 平成11年分担執筆) 『言葉の調楽』(満作舎 平成12年 私家版)『言葉の調楽 補記』(満作舎 平成14年 私家版) 『小林秀雄の永久革命』(アーツアンドクラフツ 平成18年) 『小林秀雄のコア』(アーツアンドクラフツ 平成19年) 『小林秀雄の超=近代』(アーツアンドクラフツ 平成21年) 『小林秀雄の日本主義』(アーツアンドクラフツ 平成22年)
ピアノを弾く哲学者——サルトル、ニーチェ、バルト[OUTLET]
¥1,320
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いっこうに上達しないショパンを弾くサルトル、驚くほど美しく繊細な手で弾くニーチェ、ピアノを弾いていると「何かが勃起する」バルト——。 ピアノ演奏をこよなく愛した三人の思想家の知られざる側面を浮き彫りにする 哲学と音楽が豊かに共演したエッセイ。 三人の思想家、サルトル、バルト、ニーチェ。彼らはともにアマチュアのピアニストで、ピアノをこよなく愛していた。とくに、彼ら三人の哲学者=ピアノ奏者には、三者ともに同時代の現象を論じていながらも、ショパンやシューマンといった19世紀ロマン派のピアノ曲を好んで演奏していたという共通点がある。本書は、彼らのピアノ演奏、音楽体験を取りあげながら、哲学的思考、時間性、家族・友人関係と演奏がいかに交錯していたのかを明らかにする。 [出版社より] 「著者は、三人の思想家の音楽に関する考えを整理分析するのではなく、むしろ、彼らの知られざる相貌を、音楽、ことにピアノとの関わりをとおして描く。サルトルはメロディーに、ニーチェは音色に、バルトはリズムに敏感だったと、それぞれの個性を見極めながら、哲学者とピアノとの具体的な関わりを、豊富なエピソードとともに示してくれる。 哲学者にとって音楽を実践する(演奏する)ことの意味が、彼らの哲学的実践と照らし合わせながら、問われるのだ。この名人芸的な節回しに身を任せることで、読者は、敷居の高い哲学者たちの内面に難なく招じ入れられることになる。本書の魅力は、このように肩肘張ることなく、哲学と音楽の共演を楽しめる点にある」 ——澤田 直(フランス哲学・文学者) 著 者|フランソワ・ヌーデルマン 訳 者|橘明美 解 説|澤田直 出版社|太田出版 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/仮フランス装 頁 数|232 ISBN|9784778314156 発 行|2014年11月 Contents プロローグ 直観 オフビートのピアノ――サルトルの場合 なぜわたしはこんなにすばらしいピアニストなのか――ニーチェの場合 ピアノがわたしに触れる――バルトの場合 エピローグ 共鳴 Author フランソワ・ヌーデルマン François Noudelmann フランスを代表するサルトル研究者。パリ第8大学教授。ジョン・ホプキンス大学やニューヨーク大学の客員教授、全— 世界学院のコーディネーターなどを歴任。ドキュメンタリー映画でサルトルがショパンを弾くところを見て「新たなサルトル」を発見し、それを機に思想家とピアノの関係を探求、本書の上梓につながった。自らも優れたピアノ演奏者である。2002年以来、ラジオ・フランス・キュルチュールで哲学番組のパーソナリティを務め、哲学・文学・芸術について幅広く語り、人気を博している。著書多数。
新 荒唐無稽音楽事典[OUTLET]
¥715
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私家版『荒唐無稽音楽事典』(2014年、焚書舎)に約100項目の増補をし、全面的に加筆修正を行った全1730項目の完全版。音楽の世界を縦横無尽に楽しむための知的財産危険図書。 本文より一部抜粋 【X JAPAN】えっくす‐じゃぱん〔バンド〕 NHKホールには日本最大のパイプオルガンがある。レピッシュのひとが借りに行ったら断られたそうだ。ところがYOSHIKIには簡単に貸した。世の中ヤンキーに優しくサブカルに厳しいという例である。 【セルジュ・ゲンズブール】Serge Gainsbourg(1928-1991)〔人物〕 世の女性に「嫌いな男性のタイプは?」と訊くと99%が「不潔なひと」と答える。セルジュ・ゲンズブールは2年くらい風呂に入らず、アルバート・アインシュタインみたいな髪形になって、ぼろぼろの服を着ていたのに、ブリジット・バルドー、アンナ・カリーナ、ジェーン・バーキン、バンブーと絶世の美女に惚れられた。矛盾である。 【ヘッドフォン】headphone〔電気〕 スタジオで演奏に集中しているミュージシャンに出前が届いたことを知らせる装置。 【ロック】rock〔ジャンル〕 リズム&ブルーズやカントリーを元に発達した、大人たちの消費主義や社会への服従に対する若者たちの反抗の表現音楽である。取り仕切っているのはもちろん消費主義の大人たちである。 [出版社より] 著 者|高木壮太 出版社|平凡社 定 価|1,300円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|272 ISBN|9784582837506 発 行|2017年02月 Contents 凡例 音楽史年表(有史以前~21世紀) 付録(ギター各部の名称、各地域で最も人気のあるバンド、音域表) 平凡社版によせて Author 高木壮太 Sota Takagi 1968年徳島県生まれ。鍵盤奏者。1990年代よりスタジオミュージシャン、音楽作家として活動を始める。数々のバンドのサポートミュージシャンとしても国内外で活躍し、現在はファンクバンド「CAT BOYS」キーボーディストや「井の頭レンジャーズ」プロデューサーとしても活躍。著書に『プロ無職入門』(P-Vine Books)。映像作品に『RAWLIFEとその時代』。
魂の形式 コレット・マニー論
¥2,420
没後約四半世紀、今なお熱狂的なファンを持つフランス音楽史上最も偉大な歌手コレット・マニーの評伝、入門書にして世界初の研究書。 コレット・マニーとは誰か——。歌詞、インタビュー、著述等のテクストを考察し、一人の人間がいかにしてほかならぬその人となったのかを明らかにする。社会的強者が作り出す基準から著しく逸脱するコレット・マニーの声は、「鉱山労働者、移民労働者、第三世界の民衆、黒人奴隷、女性、性的少数者、知的障害の子、家畜化された動物や無数の海鳥が形成する無名の共同体の声」となり、周縁的存在の集合が音楽的自由に直結する稀有な芸術形式、魂を揺さぶるマイナー音楽となる。 コレット・マニー Colette Magny (1926-1997) 1926年フランスのパリ生まれの歌手。36歳でプロ・デビューし、フランス初の「真のブルーズ歌手」として注目を集める。1963年にCBSからリリースした〈メロコトン(Melocoton)〉がヒットし一躍スター歌手の座へ登りつめるが、すぐに商業主義と決別してル・シャン・デュ・モンドへ移籍。「シャンソン・アンガジェ(政治参加の歌)」の代表的歌手となる。その後ディエゴ・マッソンやアンドレ・アルミュロなどの現代音楽作曲家、フランソワ・テュスクやグループ・ダーマなどのフリージャズ・ミュージシャンとの共同作業によって、実験性と政治性を兼ねたアルバムを発表していく。歌、語り、叫び、呻きを混ぜ合わせた唯一無二のスタイルで、アントナン・アルトー、チェ・ゲバラからルイス・キャロルまで、ジャズ、ブルーズから子守唄までを自家薬籠中のものとした。1997年没。 [出版社より] 「ウーム・カルスーム? ビリー・ホリデイ? 美空ひばり? マリア・カラス?……そう、たしかに彼女らは偉大だったかもしれない。しかし、それはそれぞれの限られたジャンルの中での表現のレヴェルにおいて、たかだか歌い手として偉大だったにすぎない。だが、コレット・マニーは決定的に違う。それは、歌の表現云々以前の、音楽をする行為自体において、既に全く違う次元にあるのだ。」 ——大里俊晴 著 者|中村隆之 出版社|カンパニー社 定 価|2,200円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|256 ISBN|978-4-910065-07-6 発 行|2021年12月 Contents ●序章 コレット・マニー研究とは何か 問題の所在 方法論 先行研究と資料 本書の構成 ●第一章 フランスのブルーズ歌手 (1926–63年) テレビのなかの「スター歌手」 歌手を目指すまで デビュー――オーディション、ミレイユとの出会い オランピア劇場 最初のEP盤《メロコトン》 ショービジネス界からの訣別の意味するもの ●第二章 政治的シャンソンはフリーを目指す (1963–67年) 政治的シャンソンの時代へ 最初の政治的EP盤《キューバ万歳》 《チュイルリー宮》に仕掛けられた爆弾 フランス最初期のフリージャズ・レコード《すべて終わり》 さらなる表現の前衛へ――ビュラビュラ、アルトー、ジャバウォッキー ●第三章 「六八年五月」からブラックパンサー党との共闘へ (1967–72年) 孤独と連帯 ベトナムとの連帯 マニーの〈六八年五月〉 《火とリズム》と黒人差別への怒り ブラックパンサー党に捧げたアルバム《レプレッション》 ルポルタージュとしての歌――フランス北部の炭鉱労働者とスペイン・バスク地方の神父のために ●第四章 政治主義の彼方へ (1972–79年) 政治的であるよりも人間的であること 北アフリカの移民労働者に捧げたアルバム《ペニャ・コンガ》 チリ支援のためのヌエバ・カンシオン 政治主義との訣別とフリージャズを通じた再生 マニー作品の極点《顔゠村》 イスラエル/パレスチナ問題に捧げた音楽劇 障害を抱える子たちの声、この子たちの呟きを歌にすること ●第五章 自由であり続ける、最後の日まで (1979–92年) 妥協なき表現の探究 「わが兄」アルトーへの愛 スタンダード・ナンバーに託されたカミングアウト 《ケヴォーク》あるいは馴致不能のホロホロ鳥 いくつかの断片 アンコールとしてのラストアルバム《未発表曲集 九一年》 ●終章 魂の形式 ●あとがき ●ディスコグラフィー ●主要参考文献 ●人名索引 Author 中村 隆之 Takayuki Nakamura 早稲田大学法学学術院准教授。東京外国語大学大学院博士後期課程修了。フランス語圏を中心とする環大西洋文学、広域アフリカ文化研究、批評と翻訳。著書に『野蛮の言説』(春陽堂書店)、『エドゥアール・グリッサン』(岩波書店)、『カリブ-世界論』(人文書院)、訳書に『ダヴィッド・ジョップ詩集』(夜光社)、エドゥアール・グリッサン『痕跡』(水声社)、解説にオレリア・ミシェル『黒人と白人の世界史』(明石書店)などがある。
新版 ECMの真実
¥4,180
1973年にECMがECMレーベルをまとっての国内プレス盤の発売以来50周年を迎える2023年。一度は発作に倒れた総師マンフレート・アイヒャーが不死鳥のように蘇り80歳を迎える。河出書房新社より2001年(初版)、2009年(増補改訂版)と刊行され、日本の音楽ファンに読み継がれてきた『ECMの真実』をさらに大幅に増補改訂した『新版 ECMの真実』。 1969年にマンフレート・アイヒャーによって設立されたECM(Edition of Contemporary Music)Recordsは、“沈黙に次ぐ最も美しい音(The Most Beautiful Sound Next to Silence)”をコンセプトに50余年にわたって今なお唯一無二の存在であり続けている。ドイツ・ミュンヘンで20代の若者が始めた小さなレーベルは、いかにして世界を牽引するレコード会社となったのか。本書はECMの初期10年間にレーベル・マネジャーとして尽力した著者による無類の歴史物語=ECMの真実であり、とりわけ日本とのかかわりがECMにとって強力な起爆剤となっていたことが克明に描き出される。 マンフレート・アイヒャーを軸として浮かび上がる「ECMの軌跡」、さまざまな関係者の証言による「ECMの伝説」の2部構成。今回の「新版」では、ECMと深い関わりのある人物のインタヴューを多数追加し、また日本におけるECM受容の一端を示す資料を掲載する。約200ページ増の大ヴォリューム。現代音楽としてのジャズ、前衛音楽としてのクラシック、“沈黙に次ぐ最も美しい音”に迫る。 [出版社より] 著 者|稲岡邦彌 出版社|カンパニー社 定 価|3,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|576 ISBN|978-4-910065-11-3 発 行|2023年04月 Contents まえがき 巻頭に寄せて マンフレート・アイヒャー キース・ジャレット 【第 Ⅰ 部 ECMの軌跡】 ●第1章 トーチを受けて 黎明期 1 リンダウ、ベルリン、ミュンヘン 2 マル・ウォルドロン 3 ディストリビューション 4 ポール・ブレイ 5 初プロデュース ●第2章 異端としての出発 1970年代 1 ヤン・ガルバレク 2 ヤン・エリック・コングスハウク 3 デイヴ・ホランド 4 チック・コリア 5 独占契約 6 アンソロジー 7 デイヴ・リーブマン 8 ジョン・アバークロンビー 9 キース・ジャレット 10 スタンダーズ ●第3章 新たな挑戦 1980年代 1 アート・アンサンブル・オブ・シカゴ 2 ジャック・ディジョネット 3 フォト・セッション 4 契約終了 5 コリン・ウォルコット 6 ドン・チェリー 7 ニュー・シリーズ 8 パット・メセニー ●第4章 メディアを超えて 1990年代 1 ECMと映画 2 『レインボー・ロータス』 ●第5章 創立50周年に向けて 2000年以降 1 オスロの虹 2 ECMと日本(日本人) 3 ニュー・シリーズを総括する 4 創立40周年を迎えて 5 アイヒャー生誕70年と周年イベント 【第 Ⅱ 部 ECMの伝説】 ●第6章 証言 01トーマス・ストゥーヴサント/02ハンス・ヴェンデル/03スティーヴ・レイク/04リー・タウンゼント/05デイヴィッド・ベイカー/06カーラ・ブレイ/07中野雄/08鯉沼利成/09及川公生/10矢野泰三/11大江旅人/12福井亮司/13大村幸則/14五野洋/15丸茂正樹/16内藤忠行/17菅野沖彦/18オノ セイゲン/19原田和男/20佐々木吉彦/21斉藤嘉久/22海老根久夫/23多田雅範/24堀内宏公/25ヤン・ガルバレク/26デイヴ・ホランド/27キース・ジャレット/28ジャック・ディジョネット/29ゲイリー・バートン/30ラルフ・タウナー/31デイヴ・リーブマン/32ジョン・アバークロンビー/33リッチー・バイラーク/34トマシュ・スタンコ/35エグベルト・ジスモンチ/36ミロスラフ・ヴィトウス/37ジョン・サーマン/38ディノ・サルーシ/39アルヴォ・ペルト/40小曽根真/41キム・カシュカシャン/42ハイナー・ゲベルス/43マルクス・シュトックハウゼン/44チャールス・ロイド/45ドロシー・ダー/46ギヤ・カンチェーリ/47ケティル・ビヨルンスタ/48レーナ・ヴィッレマルク/49ヘルベルト・ヘンク/50ヨン・バルケ/51アリルド・アンデルセン/52スタンリー・カウエル/53スティーヴ・キューン/54トム・ファン・デア・ゲルト/55シュテファン・ミクス/56ポール・ブレイ/57マリリン・クリスペル/58ビル・フリゼール/59加古隆/60エンリコ・ラヴァ/61ステファーノ・ボラーニ/62ニック・ベルチュ/63ジョルジュ・グルンツ/64タイガー大越 ●第7章 対話 01 マンフレート・アイヒャー 02 スティーヴ・レイク 03 サン・チョン 04 ロベルト・マゾッティ 05 ポール・ブレイ 06 ヴァネッサ・ブレイ 07 アリルド・アンデルセン 08 キース・ジャレット 09 トーマス・モーガン 10 マティアス・アイク 11 ヤコブ・ブロ 12 イーサン・アイヴァーソン 13 菊地雅章 14 福盛進也 15 田中鮎美 16 デュオ・ガッザーナ 17 J.A.ファーバーとJ.E.コングスハウクを継ぐエンジニアたち ●第8章 エッセイ広告 『ユリイカ』 『カイエ』 あとがき 索引 Author 稲岡 邦彌 Kuniya Inaoka 1943年伊丹市生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1973年、トリオ・ケンウッド時代に独ECMとライセンス契約を交わし、以来10年間、レーベル・マネジャーとしてECMの市場開発に尽力する。その間、洋楽部長、制作部長を歴任。2004年、web-magazine「JazzTokyo」を共同創刊、編集長に就任。音楽プロデューサーとして1998年、ジャズ・レーベル Transheartを設立、菊地雅章、ポール・ブレイ、リッチー・バイラークなどのアルバムを、2020年、King International内にNadja21レーベルを創設、中牟礼貞則&三吉功郎、渋谷毅&仲野麻紀などのCDをそれぞれ制作。共著に『ジャズCDの名盤』(文春新書)、編著にCD-ROM/BOOK『及川公生のサウンド・レシピ』(ユニコム)『増補改訂版 ECM Catalog』(東京キララ社)がある。
建築と触覚——空間と五感をめぐる哲学
¥3,300
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すべてが視覚情報化され消費されていくかのような昨今、建築が本来もつ「五感を統合する」という役割を今こそ見直すべきである。 メルロ=ポンティ、バシュラールらの議論を踏まえながら、建築における触覚、聴覚、味覚、嗅覚の重要性を再考し、あるべき本流の空間とは何かを問う。 ラスムッセン、クリスチャン・ノルベルグ=シュルツらの精神を継承する、北欧の最重要建築理論家による著、待望の邦訳。世界的建築情報サイトArchiDailyが選ぶ、名建築書ベスト150に選出。 [出版社より] 「パッラスマーは単なる理論家ではない。現象学的に洞察する力をもつすぐれた建築家だ。分析不可能な諸感覚の建築を実践に移し、その現象学的な性質でもって自身が建築哲学について著してきたものを具象化している」 ——スティーブン・ホール 著 者|ユハニ・パッラスマー 訳 者|百合田香織 出版社|草思社 定 価|3,000円+税 判 型|四六判/並製・函入 頁 数|208 ISBN|9784794226167 発 行|2022年12月 Contents 前書き 「薄氷」スティーブン・ホール 序論 世界に触れる 第一部 視覚と知識 視覚中心主義への批判 ナルシストの眼とニヒリストの眼 声の空間と視覚の空間 網膜の建築、立体感の喪失 視覚イメージとしての建築 物質性と時間 「アルベルティの窓」の拒絶 視覚と感覚の新たなバランス 第二部 身体中心 複数の感覚による経験 陰影の重要性 聴覚の親密さ 静寂、時間、孤独 匂いの空間 触覚の形状 石の味 筋肉と骨のイメージ 行為のイメージ 身体的同化 身体の模倣 記憶と想像の空間 多感覚の建築 建築の役割 Author ユハニ・パッラスマー Juhani Palllasmaa 代のフィンランドを代表する建築家、建築思想家。ヘルシンキ工芸大学学長、フィンランド建築博物館館長、ヘルシンキ工科大学建築学部教授・学部長を歴任。 Translator 百合田 香織 Kaori Yurita 神戸大学大学院自然科学研究科博士前期課程修了。専攻は建築/建築史研究室。公務員として公共プロジェクトに従事し英国赴任同行を機に退職。建築を巡りつつ翻訳スクールに通い翻訳者として活動を始める。
個人空間の誕生——食卓・家屋・劇場・世界
¥1,430
広間での雑居から個室住まいへ。回し食いから個々人用食器の成立へ。多様なかたちで起った「空間の分節化」を通覧し、近代人の意識の発生をみる。 人間と環境の関係を追い続ける地理学者トゥアン。本書では、個人の自由を求めつつ共同体にあこがれてきた人間による、“空間の分節化と再統合”の過程を追う。 大騒ぎの食卓から用途別の食器とテーブルマナーが確立した食事へ、広間での雑居から個室への引きこもりへ、観客と役者が一体化した劇から純粋に見る劇へ——。 豊富な事例で浮かびあがるのは、ヨーロッパ近代における個人意識の発生だ。中国等の事例に照らし、「部分」に目をこらしつつ「全体」を求める「自己」は、一地域の歴史的産物であることを解明。人間社会を、空間の分節と統合という二つの運動の均衡状態として読み直す。 [出版社より] 著 者|イーフー・トゥアン 訳 者|阿部一 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,300円+税 判 型|文庫判 頁 数|368 ISBN|978-4-480-09886-3 発 行|2018年09月 Contents 全体 分節化・意識・自己 結合体 部分 飲食とマナー 家屋と家庭 劇場と社会 環境と視覚 自己 自己 自己と再構成された全体 Author イーフー・トゥアン Yi-Fu Tuan 1930年中国で生れる。中国系アメリカ人。オックスフォード大学で修士号、カリフォルニア大学バークレー校で博士号取得。現在、ウィスコンシン大学マディソン校名誉教授。70年代に現象学的地理学の旗手として颯爽と登場し、今日では、世界的な第一人者として知られている。本書のほか『空間の経験』『トポフィリア』『愛と支配の博物誌』『コスモポリタンの空間』『感覚の世界』『モラリティと想像力の文化史』などがある。 Translator 阿部 一 Hajime Abe 1961年生れ。東洋学園大学教授。
コンパートメントNo.6
¥3,630
ソ連崩壊直前のある春の朝、モスクワからウランバートルへ向かうシベリア鉄道が出発する。憧れのソ連に留学してきたフィンランド人の寡黙な少女と、家族をのこして建設現場へ向かうロシア人の饒舌な出稼ぎ夫。寝台列車の同じ部屋(コンパートメント)に偶然乗りあわせた二人の旅を描く。 共通点のない二人は食事や酒をともにし、無数の集落や町や工場地帯を通過し、ときに途中下車をして各地に住まう人びとや動物と出会いながら、針葉樹林と雪に覆われた巨大な大陸を横断しつづける。 そこでは「すべてが動いている――雪、水、空気、木、雲、風、町、村、人、思いが」。車窓をみながら少女が祖国の家族やロシアの小説、モスクワにいる親しい人びとのことを考えるうち、列車は目的地に近づき、二人の下車も迫る……。 著者はフィンランドでその年最高の文学に贈られるフィンランディア賞を本書で受賞した。13ヶ国語に翻訳されたロードノベルの、待望の邦訳。 [出版社より] 原 書|HYTTI NRO 6 著 者|ロサ・リクソム 訳 者|末延弘子 出版社|みすず書房 定 価|3,300円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|224 ISBN|978-4-622-09795-2 発 行|2025年07月 Author ロサ・リクソム Rosa Liksom 1958年フィンランドのラップランド州ウリトルニオ生まれ。ヘルシンキ、コペンハーゲン、モスクワで人類学を学ぶ。デビュー作『一夜の停留所』でJ・H・エルッコ新人賞を受賞。のちのシベリア鉄道の旅が結実した『コンパートメントNo. 6』でフィンランディア賞を受賞。小説のほかに漫画や絵本も執筆し、これまでに二十数ヶ国語に翻訳されている。 Translator 末延弘子 Hiroko Suenobu 1975年北九州生まれ。フィンランド国立タンペレ大学フィンランド文学専攻修士課程修了。フィンランド人作家レーナ・クルーンと出会い、翻訳の仕事を始める。『清少納言を求めて、フィンランドから京都へ』、『ムーミン谷のしあわせレシピ』など、フィンランド現代文学、児童書の訳書多数。2007年度フィンランド政府外国人翻訳家賞受賞。
まぶしい便り
¥2,200
悲しみのトンネルの先にあふれる明るい光のように。 長い時間を経て届いた切ない和解の挨拶。 美しい文章とあたたかなまなざしで描くペク・スリンの初長編にして最高傑作。 派遣看護師としてドイツに渡っていた伯母を頼り、母と幼い妹とともに西ドイツに移り住んだヘミ。悲劇的な事故により心に傷を負ったまま、孤独な日々を過ごすヘミだったが、伯母と同じ派遣看護師のおばさんたちの子どもであるレナ、ハンスと過ごすうち、徐々に日常を取り戻していく。ある日ハンスから、再発の可能性がある大病を抱える母親・ソンジャの初恋の相手を探してほしいと頼まれる。ソンジャおばさんの日記を手がかりに捜索を始めたヘミだったが、急遽家族で帰国することに。 大人になったヘミは、ある日、大学時代にほのかな恋愛感情を抱いていたウジェと偶然再会する。彼との会話をきっかけに、ヘミは再び、ソンジャおばさんの初恋の相手探しを再開する。 [出版社より] 「遠い国や長い歴史を超えて、封印していた恋の秘密が解き明かされるとき、私たちはきっと前よりも少し成長している」 ――島本理生(小説家) 「孤独はそのほかの透明な感情とどれだけ似ているのか、または似ていないのか、噓と物語がどこで絡み合い、また解きほぐれていくのか。美しくも強烈な発信である本書が、着信と返信によって次なる物語を生むことだろう」 ――チョン・セラン(小説家) 著 者|ペク・スリン 訳 者|カン・バンファ 出版社|書肆侃侃房[韓国女性文学シリーズ] 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|280 ISBN|978-4-86385-683-7 発 行|2025年07月 Author ペク・スリン 白秀麟/백수린 短編小説「嘘の練習」(2011年京郷新聞新春文藝)でデビュー。2015年、2017年、2019年若い作家賞、2018年文知文学賞、李海朝文学賞、2020年現代文学賞、韓国日報文学賞。著書に短編集『惨憺たる光』『夏のヴィラ』(書肆侃侃房刊)『フォーリング・イン・ポール』、掌編小説『今夜は消えないで』、中編小説『親愛なる、親愛なる』、エッセー『やさしい毎日毎日』『とても久しぶりに幸せだとい Translator カン・バンファ 姜芳華/강방화 岡山県倉敷市生まれ。岡山商科大学法律学科、梨花女子大学通訳翻訳大学院卒、高麗大学文芸創作科博士課程修了。梨花女子大学通訳翻訳大学院、韓国文学翻訳院翻訳アカデミー、同院アトリエなどで教える。韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。和訳書にペク・スリン『惨憺たる光』『夏のヴィラ』、チョン・ユジョン『七年の夜』『種の起源』、キム・チョヨプ『地球の果ての温室で』『派遣者たち』『惑星語書店』など。児童書の韓訳も手掛ける。著書に『일본어 번역 스킬(日本語翻訳スキル)』(共著)。
働き方改革の人類史[OUTLET]
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なぜ、日本型組織は「時代遅れ」になったのか? なぜ、ビジネスパーソンに「自己啓発」が求められるのか? 「イノベーション」は労苦を軽減するのか? 古今東西の歴史知識を収集する著者が、いちビジネスパーソン(労働者)の視点で ¥働き方の歴史を読み解きます。 [出版社より] 著 者|尾登雄平 出版社|イースト・プレス 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|264 ISBN|9784781621388 発 行|2022年11月 Contents 第1章 働き方の世界史:労働者たちの歩み ◇勤勉な労働者の誕生 ■古代ギリシア人にとっての労働 ■オフィスワーカー=恥だった? ■「働いて稼ぐ」が美徳になるまで ■労働者が「勤勉」になった理由 ◇搾取と戦う労働者 ■産業革命後の過酷な「苦汗労働」 ■共済団体から労働組合へ ■労働組合の合法化 ■労働時間規制と最低賃金の制定 ■熟練工が支配していた工場労働 ■強い経営者の誕生 ■私生活に介入する経営者たち ◇「労働者のための国家」の失敗 ■国家と労働組合の対決 ■階級のない社会を目指して ■「働かざる者食うべからず」からの脱却 ■福祉国家イギリスのはじまり ■戦後の経済発展と福祉国家体制 ◇市場価値を求められる労働者 ■「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代 ■「メンバーシップ型」から「ジョブ型」へ ■働き方の未来はどうなる? 第2章 労働時間:「1日8時間労働」はどう普及したか ◇日本の労働時間はなぜ長い? ■波平さんの勤め先はホワイト企業? ■日本人が残業をする理由 ◇「労働時間」の概念が生まれるまで ■「時間」感覚が普及するまで ■日が昇ってから落ちるまで働く ■現代的な「労働時間」の誕生 ◇長時間労働という搾取 ■古代ローマ人の労働時間が短かった理由 ■ブラックだった農村の底辺労働 ◇労働時間の短縮を目指して ■ギルドが残業を禁じた理由 ■長時間労働よりも深刻な問題 ■「標準労働時間」を求める運動 ■労働時間の短縮が社会に繁栄をもたらす ■8時間労働の普及 第3章 生産性:イノベーションは労苦を軽減するのか ◇人間が働かなくていい時代はやってくるのか ■ソサエティ5・0 ■ディストピアかユートピアか ◇農業革命がもたらしたもの ■時間がかかった農業革命 ■国家システムが民を搾取する ■三国時代の引き金となった経済格差 ■「均田制」の失敗 ■中世ヨーロッパの「農業革命」 ■ヨーロッパ的な田園風景の誕生 ■時代に適応できた人とできなかった人の差 ◇産業革命がもたらしたもの ■産業革命のはじまり ■工業化の先に待っていたもの ◇情報革命への期待と絶望 ■世界をインターネットで結びつけた情報革命 ■フェイクニュース、社会の分断、寡占的プラットフォーマー ◇「働き方改革」は私たちの生活を良くしたのか ■労働生産性の低い日本 ■技術は人の負担を軽くするか? 第4章 やりがい:人類はどう働かされてきたのか ◇「働きたくない!」という思い ■労働を忌み嫌った人類 ■「働きたくない」労働者をいかに働かせるか ◇人を働かせる方法 ■ロボットのように働け ■人間性を加味したマネジメント ■労働者にモチベーションを持たせる ■戦略的マネジメントを担う労働者 ■「合理的経営」による疲弊 ■イノベーションを生む柔軟な組織とは ■イノベーティブへの求道 ◇労働から幸福を得ることはできるのか ■労働を幸福に感じる社会を目指して ■幸福格差の時代 Author 尾登雄平 Yuhei Oto 1984年福岡県生まれ。出版社にて勤務する傍ら、世界史の面白いネタを収集するブログ「歴ログ-世界史専門ブログ-」、YouTubeチャンネル「歴ログ-世界史専門チャンネル-」を運営。歴史ライターとしても活動し、ビジネス雑誌、企業オウンドメディア、会報誌などに寄稿する。著書に『あなたの教養レベルを劇的に上げる 驚きの世界史』(KADOKAWA)がある。
決闘のヨーロッパ史[OUTLET]
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「決闘」はいかに生まれ、なぜ衰退したのか——。 男も、女も、ゲーテもニーチェもマルクスも、なぜあれほど熱狂したのか。命がけの一騎打ちはいかにしてスポーツに変わったのか? ヨーロッパ精神の根底に流れる「決闘」の歴史を辿る、はじめての書。ルール、社会的背景、使われた武器など、あらゆる角度から決闘の奥深い歴史を追う。 [出版社より] 著 者|浜本隆志・菅野瑞治也 出版社|河出書房新社 定 価|2,350円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|200 ISBN|9784309228297 発 行|2021年09月 Contents プロローグ ドイツにおける決闘体験記 第1章 決闘のヨーロッパ史 第2章 ヨーロッパの決闘禁止令 第3章 ドイツの学生と将校の決闘 第4章 決闘からスポーツへ 第5章 劇場型スポーツと観客 エピローグ 決闘の美学・スポーツの美学 Author 浜本 隆志 Takashi Hamamoto 1944年、香川県生まれ。関西大学文学部教授を経て、名誉教授。ヴァイマル古典文学研究所、ジーゲン大学留学。専攻はヨーロッパ文化論、比較文化論。著作多数。 菅野 瑞治也 Michinari Sugano 富山県生まれ。京都外国語大学教授。文学博士。ドイツのマンハイム大学留学中に学生結社「コーア・レノ・ニカーリア」の正会員となり、決闘を体験。現在は同会OB会員。専攻は決闘文化論、ドイツ語圏の社会文化史。
人類50万年の闘い——マラリア全史[OUTLET]
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「人類はそれを厄介払いできない。もっとも冷酷な寄生生物——。50万年の長きにわたって人類と蚊とを手玉に取り続ける、マラリア原虫の驚異的な生存戦略。その進化の秘密を解き明かす」 本書の魅力は、「もっとも冷酷な寄生生物のひとつ」が、二つの敵(蚊と人類)を籠絡してきた進化の秘密を解き明かすことにあります。病原体の解明と治療法の解説が目的ではなく、マラリアと人類が、いわば「共進化」してきたことを教えてくれます。ミクロ(マラリア原虫)がマクロ(人類やその歴史)を引きずり回してきたことが活写されるので、アフリカの風土病くらいにしか考えていない人にも、共生系をなす地球に住むかぎり、人類には安全地帯はない、ということが分かってくる仕掛けです。 「50万年の長きにわたって人類と蚊とを手玉に取り続ける、マラリア原虫の驚異的な技です。抗マラリア剤をたちまち無力化し、私たちの防御機能——免疫を巧みにすり抜けて、微塵も衰えることなく人類集団の中に居座り続ける様を見れば、薬剤耐性細菌の脅威などは単純なものに思えるくらいです。ことマラリアに関しては化学療法剤や殺虫剤などは一時的な気休めに過ぎず、人類は進化のレースにおいて原虫に取り返しがつかないほど遅れをとってしまっているのではないかとさえ思われます」——訳者あとがきより抜粋。 [出版社より] 著 者|ソニア・シャー 訳 者|夏野徹也 出版社|太田出版 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|424 ISBN|9784778314385 発 行|2015年03月 Contents 1 戸口にせまるマラリア 2 殺人鬼の誕生 3 激流の真っ只中へ 4 マラリアの生態学 5 薬物療法のつまずき 6 マラリアは宿命 7 科学的解決法 8 消えたマラリア──西洋からいなくなったわけ 9 スプレーガン戦争 10 新時代の闘い 訳者あとがき 原注 索引 Author ソニア・シャー Sonia Shah 1969年、インド系移民の子としてニューヨーク市に生まれる。合衆国東北部と、親族が住むインドとの間を行き来しているうちに、両者間ならびにそれぞれの国家内に存在する不平等に対して強い関心を持つことになる。科学、人権、国際政治に関する著書はいずれも好評を博し、多国語に翻訳されているものもいくつかある。Crudeは『石油の呪縛と人類』として邦訳出版されている(集英社)。多くの大学で講演をするかたわら、テレビ番組にも多数出演。本書はカメルーン、マラウィ、パナマなどの5年間にわたる取材を基に纏めたもので、『ニューヨーク・タイムズ』をはじめ、各方面から絶賛を浴びている。
名状しがたいもの ラヴクラフト傑作集17
¥1,034
その恐怖に、名前はまだない。 「人類の最古にして最強の感情は、未知への恐怖である」 ーーH.P.ラヴクラフト 未知への戦慄と憧憬を解き放つ、クトゥルフ神話の極地、完全漫画化。 【手塚治虫文化賞】マンガ大賞最終候補、【米国アイズナー賞】ノミネート、【仏国アングレーム国際漫画祭】公式セレクション選出、【仏国Prix Asie de la Critique ACBD】受賞、【仏国DARUMA】最優秀作画賞・最優秀デザイン賞受賞、【米国ハーベイ賞】ノミネートほか、数々の賞賛を呼ぶ「ラヴクラフト傑作集」シリーズ。 [出版社より] 著 者|田辺剛 原 作|H. P. ラヴクラフト 出版社|KADOKAWA[ビームコミックス] 定 価|940円+税 判 型|四六判[並製] 頁 数|282 ISBN|978-4047382763 発 行|2025年02月 Contents ・夢見人(ドリーマー)へ ・北極星(ポラリス) ・恐ろしい老人 ・霧の高みの不思議な家 ・ランドルフ・カーターの陳述 ・名状しがたいもの ・銀の鍵 ・断章 アザトース