
[イベント]7/27[日]19:00より/詩の朗読会「あなたの肌をほどく」とし総子さん
NEW ARRIVALS.
新着
ケアの倫理——フェミニズムの政治思想
¥1,364
身体性に結び付けられた「女らしさ」ゆえにケアを担わされてきた女性たちは、自身の経験を語る言葉を奪われ、言葉を発したとしても傾聴に値しないお喋りとして扱われてきた。男性の論理で構築された社会のなかで、女性たちが自らの言葉で、自らの経験から編み出したフェミニズムの政治思想、ケアの倫理を第一人者が詳説する。 [出版社より] 著 者|岡野八代 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|1,240円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|342 ISBN|9784004320012 発 行|2024年01月 Contents 序 章 ケアの必要に溢れる社会で 第1章 ケアの倫理の原点へ 1 第二波フェミニズム運動の前史 2 第二波フェミニズムの二つの流れ――リベラルかラディカルか 3 家父長制の再発見と公私二元論批判 4 家父長制批判に対する反論 5 マルクス主義との対決 第2章 ケアの倫理とは何か――『もうひとつの声で』を読み直す 1 女性学の広がり 2 七〇年代のバックラッシュ 3 ギリガン『もうひとつの声で――心理学の理論とケアの倫理』を読む 第3章 ケアの倫理の確立――フェミニストたちの探求 1 『もうひとつの声で』はいかに読まれたのか 2 ケアの倫理研究へ 3 ケア「対」正義なのか? 第4章 ケアをするのは誰か――新しい人間像・社会観の模索 1 オルタナティヴな正義論/道徳理論へ 2 ケアとは何をすることなのか?――母性主義からの解放 3 性的家族からの解放 第5章 誰も取り残されない社会へ――ケアから始めるオルタナティヴな政治思想 1 新しい人間・社会・世界――依存と脆弱性/傷つけられやすさから始める倫理と政治 2 ケアする民主主義――自己責任論との対決 3 ケアする平和論――安全保障論との対決 4 気候正義とケア――生産中心主義との対決 終 章 コロナ・パンデミックの後を生きる――ケアから始める民主主義 1 コロナ・パンデミックという経験から――つながりあうケア 2 ケアに満ちた民主主義へ――〈わたしたち〉への呼びかけ あとがき 参考文献 Author 岡野 八代 Yayo Okano 1967年三重県生まれ.早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了.博士(政治学).現在―同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授.専攻―政治思想,フェミニズム理論. 著書―『シティズンシップの政治学――国民・国家主義批判 増補版』(白澤社),『フェミニズムの政治学――ケアの倫理をグローバル社会へ』(みすず書房),『戦争に抗する――ケアの倫理と平和の構想』(岩波書店),『ケアするのは誰か?――新しい民主主義のかたちへ』(共著・訳,白澤社),エヴァ・F.キテイ『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』(共監訳,白澤社),アイリス・M.ヤング『正義への責任』(共訳,岩波書店)など.
ケアと編集
¥1,056
〈ケアをひらく〉の名編集者が一人ひとりの「弱さ」という傾きを後押し。自分を変えずに生きやすくなる逆説の自他啓発書。 もはやこれまでと諦めてうなだれたとき、足元にまったく違うモノサシが落ちている。与えられた問いの外に出てみれば、あらふしぎ、あなたの弱さは克服すべきものじゃなく、存在の「傾き」として不意に輝きだす──。〈ケアをひらく〉の名編集者が一人ひとりの弱さをグッと後押し。自分を変えずに生きやすくなる逆説の自他啓発書。 [出版社より] 著 者|白石正明 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|960円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|254 ISBN|9784004320630 発 行|2025年04月 Contents Ⅰ いかにして編集の先生に出会ったか 1 ケアとは 刹那的なケア リハビリの昼と夜 失禁と世界の回復 太陽と空気と地面とケア 2 べてるの家との出会い 意外に遠い福祉と医療 病院のにおい もうけている作業所 網走での出会い 自分自身で、共に 「反」ではなく「非」 戦わないでさっさと逃げる 3 編集の先生 試されている感じがしない 肯定と否定の外側で 「そこがいいね!」がなぜ通用するか 〈図〉は変えないで〈地〉を変える 「商業」という魔法 医学的編集とソーシャルワーク的編集 Ⅱ ズレて離れて外へ 1 問いの外に出ざるを得ない人たち 問いの外に思考が流れてしまう人たち 風変わりな言葉たち 主語が患者と入れ替わる 土管の中で話を聞く 二つのことを同時に伝える 因果沼から“かどわかし”へ 問いの圏外に出るために 2 分母を変えるのが編集 強いロボットは歩けない 依存症は依存が足りない 「治す」「克服する」ではない物語へ 3 吃音者は分母を変えて生きていく 『どもる体』のはじまり 吃音者の方法(1)〜(4)諦める・準備しない・波に乗る・周囲を変える 分母を変える一発逆転芸 4 面と向かわない力 架空の劇なのに言えない 後ろから、波のような温かい圧が…… 「信」をめぐって――東大での体験 内面の「信」から、対人の「信」へ 「側聞」という方法 「正対」から逃れて Ⅲ ケアは現在に奉仕する 1 ケアと社交 ヘルパーへのアドバイスがなぜ役に立つ? 社交するために社交する 対話するために対話する 過程に内在するための工夫 二〇年以上前の潔さんの言葉 2 消費と浪費と水中毒 過食嘔吐の記憶 「浪費」としての飲水へ 十全な、今ここでの満足 3 今ここわたし 「惚れる」の謎 人がもっとも充実しているとき すでに本番は、はじまっている リスクとワクワク 4 ナイチンゲールを真に受ける 生体は善き方向に進む 本来治りやすい病気である ケアと痛み止め 俺はすでにして完全 Ⅳ ケアが発見する 1 原因に遡らない思考 因果論から構成論へ 幻視・幻聴を聞きまくってデータ収集 幻覚妄想の社会モデル? 前提を変えること 2 手を動かすより口を動かせ 依存症の回復モデル マイノリティの逆襲? 「ケア論的転回」としてのハームリダクション 3 同じと違う 中井久夫と発達障害 見ている世界が違う 住む星が違うから体も違う 量的な違いが無視される 発達障害と「脳の多様性」 言語化への努力 4 いつも二つある 輻輳する時間 チキンカレーとラムカレー 食べると逃げるが併走する 一列に並べることの利点 Ⅴ 「受け」の豊かさに向けて 1 蘭の花のように愛でる ALSとは 身体への着目 意図の推測から勝手な解釈へ 蘭の花のように 生を享受する人 2 受ける人 接続詞はドアを閉める 世界は受け取ることで発生する 「いる」のは忙しい 受け身と可能がなぜ同じ言葉なのか 3 いい「波」はどこから来るか よそに行ったら縛るから 「内面」という無間地獄に落ちる前に べてるに来れば病気が出る なぜ、いい「波」が来るのか 規範から遠く離れて 4 受動性と偶然性 蹴る前に受けるスポーツ 受動性や偶然性が排除される 中動態と能動的受動 弱い編集 Ⅳ 弱い編集――ケアの本ができるまで 1 山の上ホテルのペーパーナプキン ――中井久夫・山口直彦著『看護のための精神医学』 地下の薄暗い書庫で 病院のカビ臭い倉庫で ニワトリと卵と、拾う人 生活の政治学 普通への愛と憧れ 2 魔法と技術のあいだ ――本田美和子、イヴ・ジネスト、ロゼット・マレスコッティ著『ユマニチュード入門』 「好き」にさせる技術 人間的というより動物的? 属人化と標準化のあいだで 3 弱いロボットの吸引力 ――坂口恭平著『坂口恭平 躁鬱日記』、岡田美智男著『弱いロボット』 ひとり音楽会と中二病 閉じない人たち あとがき 主な参考文献 Author 白石 正明 Masaaki Shiraishi 1958年東京都生まれ.青山学院大学法学部卒業.中央法規出版を経て1996年に医学書院入社.1998年に雑誌『精神看護』を,2000年に〈ケアをひらく〉シリーズを創刊.同シリーズは現在50冊を数え,川口有美子『逝かない身体』が大宅壮一ノンフィクション賞(2010年),熊谷晋一郎『リハビリの夜』が新潮ドキュメント賞(2010年),六車由実『驚きの介護民俗学』が日本医学ジャーナリスト協会賞(2013年),國分功一郎『中動態の世界』が小林秀雄賞(2017年),東畑開人『居るのはつらいよ』が大佛次郎論壇賞(2019年),鈴木大介『「脳コワさん」支援ガイド』が日本医学ジャーナリスト協会賞(2020年)を受賞.シリーズ自体も2019年に毎日出版文化賞を受賞する.2024年3月に医学書院を定年退職.
ロゴスと巻貝
¥1,980
小津夜景とは何者なのかが垣間見える40篇の読書エッセイ。 小津夜景さんはフランス・ニース在住の俳人です。綴る文章は言葉のつながりが瑞々しく、しなやかな連想に魅力があります。これまでの著作では谷川俊太郎さんなどから帯の推薦コメントをもらい、書籍が文庫化するなど注目が集まっています。本書は単なる読書エッセイではなく、これまでの小津さんの人生と、そこから結びつく本の記憶を手繰り寄せ、芳醇な言葉の群で紡ぎ合わせ、過去と現在、本と日常、本の読み方、人との交際などについて綴った一冊になっています。 [出版社より] 「細切れに、駆け足で、何度でも、這うように、本がなくても、わからなくても——。読書とはこんなにも自由なのですね、小津さん」 ——山本貴光[文筆家・ゲーム作家] 著 者|小津夜景 出版社|アノニマ・スタジオ 定 価|1,800円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|256 ISBN|978-4-87758-855-7 発 行|2023年12月 Contents 読書というもの それは音楽から始まった 握りしめたてのひらには あなたまかせ選書術 風が吹けば、ひとたまりもない ラプソディ・イン・ユメハカレノヲ 速読の風景 図書館を始める 毒キノコをめぐる研究 事典の歩き方 『智恵子抄』の影と光 奇人たちの解放区 音響計測者(フォノメトログラフィスト)の午後 再読主義そして遅読派 名文暮らし 接続詞の効用 恋とつるばら 戦争と平和がもたらすもの 全集についてわたしが語れる二、三の事柄 アスタルテ書房の本棚 ブラジルから来た遺骨拾い 残り香としての女たち 文字の生態系 明るい未来が待っている 自伝的虚構という手法 ゆったりのための獣道 翻訳と意識 空気愛好家の生活と意見 わたしの日本語 ブルバキ派の衣装哲学 わたしは驢馬に乗って句集をうりにゆきたい そういえばの糸口 月が地上にいたころ 存在という名の軽い膜 プリンキピア日和 軽やかな人生 料理は発明である クラゲの廃墟 人間の終わる日 本当に長い時間 梨と桃の形をした日曜日のあとがき 引用書籍一覧 Author 小津 夜景 Yakei Odu 1973年北海道の生まれ。俳人。2000年よりフランス在住。2013年「出アバラヤ記」で攝津幸彦記念賞準賞、2017年『フラワーズ・カンフー』(2016年、ふらんす堂)で田中裕明賞、2018年『カモメの日の読書 漢詩と暮らす』(東京四季出版)、2020年『いつかたこぶねになる日 漢詩の手帖』(素粒社)、2022年『なしのたわむれ 古典と古楽をめぐる手紙』(素粒社)共著、『花と夜盗』(書肆侃侃房)、2023年11月『いつかたこぶねになる日』(新潮文庫)。
木ひっこぬいてたら、家もらった。
¥1,760
生きづらければ、つくるのだ。 尼崎「ガサキベース」の店主・足立さんは、300 坪の土地と2軒の家をほぼゼロ円でもらった。それは足立さんがどん底を経験しながらも、つくり続けたから生まれたお話。 「経済合理性」は、一つじゃない。 生きづらさを抱え「つくれる本屋」を開いた著者との対話から、生き方を探る一冊。 兵庫県尼崎市のガサキベース。工場をリノベーションしたその場所は、コーヒーも飲めるし、DIY を教えてくれる不思議な場所。店主の足立繁幸さんはガサキベースの縁で島根の家を1 軒タダで譲り受け、その家の木を引っこ抜いていたら、うしろのもう1 軒ももらうことに。 どうしてそんなできごとが起こったのか? 足立さんの幼少期からの生きづらさ、家族・DIY・仕事・お金……現代人に共通する悩みとともに紐解いていきます。つくれば人とモノの縁がつながる。 [出版社より] 著 者|足立繁幸・平田堤 出版社|DIY BOOKS 定 価|1,600円+税 判 型|四六版/並製 頁 数|144 ISBN|978-4-9914014-0-4 発 行|2025年03月 Contents はじめに 『わらしべ長者』みたいなできごとはなぜ起こった? なぜ空き家が増えるのか 経済合理性って何だ? 疲弊の果てのDIY BOOKS 人生はDIYでしかない ガサキベース=「オムツの履き替え場所」 焼け野原のあとの、島根で モテるために始まったDIY道 DIYと愛と「巣」 カクカクしていたあのころ ガサキベースの誕生と変化 買うことで自分を高める機会と縁が切れる メイカームーブメントと、ブリコラージュ、そして編集 作為的でない美しさと「普通」 いろんなかたちがあっていい 新しい家族との出会い 里親という家族のかたちと「波紋」 ガサキベースをちゃんと死なせたかった 「アマ」ではなく「ガサキ」なのはなぜか 手を動かすと昔と繋がる 子どもにはDIYをさせよ(まず大人から) 二項対立と秩序 生命はエントロピー増大に抗い「系」をつくる 人は自分の「系」をつくる存在 木を引っこ抜いてみた 愛のあった家と、ルーツへ 親心と戦争と百姓 根っこを逆に帰る それぞれの論理へ つくるから縁ができる 論理的思考は一つではない 根を張って生きる 終わりにかえて。文とつくること あとがき Author 足立 繁幸 Shigeyuki Adachi 島根県生まれ。尼崎でガサキベースを開き、DIYをデリバリーで行い、つくり方を教える。2025年以降はもらった島根の2 軒の古民家を改造して新しい拠点をつくる予定。 平田 提 Dai Hirata 秋田県生まれ。Web 編集者・ライター。尼崎に「つくれる本屋」DIY BOOKS を2023 年10 月に開店。その際に足立さんと出会う。ZINEの作り方のスクールなどを開催。
ユーモアの鎖国 新版
¥990
14歳から銀行で働き、焼けた東京で詩を書いた。日本を代表する詩人が己の人生とくらしを鮮やかにつづった自伝的傑作エッセイ集、復刊! 戦後日本を代表する詩人・石垣りん。実母を4歳で亡くし、その後3人の母を持った1920年生まれの少女は、自ら生きる糧を求めて銀行に就職。単身、定年まで勤めあげる。戦火をくぐり抜けながら、復興する都市に働きながら、あるいは暮らしの窓辺から、転換期にある国を見つめた。人ひとりの自由と時を重ねる日々の強さを真摯かつ鮮やかに綴った、自伝的エッセイ集。解説=牟田都子。 [出版社より] 著 者|石垣りん 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|900円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|320 ISBN|978-4-480-44040-2 発 行|2025年06月 Contents 待つ Ⅰ 新巻/花嫁/宿借り/夜叉/朝のあかり/はまぐり/甘栗/美味/ラーメン/バナナ/お茶/うわさ/季節/シジミ/おそば/まじめな魚 Ⅱ 夏の日暮れに/試験管に入れて/鍵/ユーモアの鎖国/炎える母の季節/お酒かかえて/お礼/日記/春の日に/けちん坊/絵の中の繭/花よ、空を突け Ⅲ 事務員として働きつづけて/五円が鳴いた/花とお金/目下工事中/よい顔と幸福/事務服/晴着/領分のない人たち/生活の中の詩 Ⅳ 詩を書くことと、生きること/女湯/立場のある詩/事実とふれ合ったとき/持続と詩/表札のうしろ/第一行はとび出してきます/あとがきのこと/清岡卓行『四季のスケッチ』感想/生活詩/出来ること出来ないこと/風信 Ⅴ 食扶持のこと/眠っているのは私たち/買えなかったもの/私の新しい空/仕事/個人の手・公の手/生活と詩/犯された空の下で 文庫版あとがき 解説 牟田都子 Author 石垣 りん Rin Ishigaki 1920年、東京生まれ。詩人。2004年没。高等小学校時代から詩作を始め、少女雑誌に投稿。卒業後、14歳で日本興業銀行に就職し、25歳の時に敗戦を迎えた。1938年、同人誌「断層」創刊。福田正夫に師事する。1959年、第一詩集『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』刊行。1969年に第二詩集『表札など』でH氏賞、1972年に『石垣りん詩集』で田村俊子賞、1979年に『略歴』で地球賞をそれぞれ受賞。エッセイに『ユーモアの鎖国』『焔に手をかざして』『夜の太鼓』などがある。
クィア
¥1,100
麻薬中毒者リーは「触れあい」を求めて近づいた青年アラートンとともに南米へと旅に出る……笑いにまみれた孤独と喪失感、デビュー直後に執筆されながら長らく封印されてきた告白的純愛小説。 [出版社より] 著 者|ウィリアム・バロウズ 訳 者|山形浩生・柳下毅一郎 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,000円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|208 ISBN|978-4-309-46813-6 発 行|2025年04月 Author ウィリアム・S・バロウズ William S. Burroughs 1914年、米国ミズーリ州生まれ。作家。53年、麻薬中毒者を描いた『ジャンキー』でデビュー。『裸のランチ』は世界的な反響を呼び、ビートニク文学の代表作となる。著書に『ソフトマシーン』『ノヴァ急報』他。 Translator 山形 浩生 Hiroo Yamagata 1964年東京都生まれ。評論家、翻訳家。訳書にオーウェル『動物農場』、ケインズ『新訳 平和の経済的帰結』、ミルグラム『服従の心理』、ピケティ『21世紀の資本』(共訳)他。著書に『翻訳者の全技術』他。 柳下 毅一郎 Kiichiro Yanashita 1963年大阪府生まれ。特殊翻訳家、映画評論家。訳書に、ウルフ『ケルベロス第五の首』、ラファティ『第四の館』他。監修に『J・G・バラード短編全集』、著書に『皆殺し映画通信』『新世紀読書大全』他。
歌の祭り
¥1,155
インディオたちの生活の美しさと秘められた知恵、そして深遠な宇宙観――。 若き日のル・クレジオにまったく新しい宇宙と生き方を開示した、パナマのエンベラ族との出会いを語る表題作をはじめ、著者が一貫して熱情にみちた関心をそそぐ、南北両アメリカ先住民世界をめぐる、しずかな抒情と宇宙論的ひろがりをたたえた民族誌。 [出版社より] 著 者|ル・クレジオ 訳 者|管啓次郎 出版社|岩波書店[岩波文庫] 定 価|950円+税 判 型|文庫判・並製 頁 数|340 ISBN|9784003860182 発 行|2025年06月 Contents 歌の祭 インディオの書三つ ミチョアカン、神々の征服 祭から戦へ 先住アメリカの黄金の夢 チチメカ人 インディヘニスモと革命 アメリカ先住民神話と文学 豊饒の角 タレクアトのハコボ・ダシアーノ メキシコ、三つの礼賛 鳥の人々 ジビルノカク、夜の書 先住民の声――リゴベルタ・メンチュー すべては結ばれている 大洪水に抗して踊る
最初の哲学、最後の哲学——形而上学と科学のあいだの西洋の知
¥2,090
西洋の知を支配し諸科学を基礎づけてきた形而上学に、いまなお存在意義はあるのか。アリストテレス、スコトゥス、カント、ハイデガーを読み解きながら哲学史における形而上学の機能を剔抉し、その放浪の歴史を描き出す。アガンベンによる最良の形而上学入門。 [出版社より] 著 者|ジョルジョ・アガンベン 訳 者|岡田温司 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|1,900円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|224 ISBN|9784582769913 発 行|2025年06月 Contents Ⅰ 第二哲学 Ⅱ 分裂した哲学 Ⅲ 超越論批判 Ⅳ 無限の名 Ⅴ 超越論的対象=X Ⅵ 形而上学的動物 原註 訳註 ドン・キホーテの存在論──訳者あとがきに代えて 参考文献 索引 Author ジョルジョ・アガンベン Giorgio Agamben 1942-。イタリアの哲学者・美学者。 Translator 岡田温司 Atsushi Okada 1954年、広島県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。京都大学名誉教授。専門は西洋美術史・思想史。著書『モランディとその時代』(人文書院、2003年)で吉川秀和賞、『フロイトのイタリア』(平凡社、2008年)で読売文学賞を受賞。
開かれ——人間と動物
¥1,430
人間と動物が交錯する未決定な例外状態の閾を、バタイユのアセファルから、コジェーヴのスノッブ、ユクスキュルのダニ、ハイデガーの倦怠へと縦横無尽に描き出す、生政治の超克と人類学機械の停止へむけた壮大な系譜学。“剥き出しの生”のさらなる探究。 [出版社より] 著 者|ジョルジョ・アガンベン 訳 者|岡田温司・多賀健太郎 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|1,300円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|240 ISBN|9784582767452 発 行|2011年10月 Contents 動物人 無頭人 スノッブ 分接の秘儀 至福者たちの生理学 経験的認識 分類学 序列なし 人類学機械 環世界 ダニ 世界の窮乏 開かれ 深き倦怠 世界と大地 動物化 人類創生 あいだ 無為 存在の外で Author ジョルジョ・アガンベン Giorgio Agamben 1942-。イタリアの哲学者・美学者。
ジェイムズ
¥2,750
逃亡奴隷ジェイムズの過酷な旅路の果てに待つものとは──。「ハックルベリー・フィン」を過激な笑いと皮肉でくつがえした、前代未聞の衝撃作。全米図書賞&ピュリツァー賞受賞。 全米図書賞&ピュリツァー賞、驚異のW受賞。 ブリティッシュ・ブック・アワード、カーネギー賞、カーカス賞受賞。 ニューヨーク・タイムス・ベストセラー1位、2024年ベストブック最多選出。 各賞を総なめにした、2024年アメリカ文学最大の話題作。 我が身を売られる運命を知り、生き延びるために逃げ出した黒人奴隷ジェイムズ。しかし少年ハックをともないミシシッピ川をくだる彼を待ち受けるのは、あまりに過酷な旅路だった。奴隷主たちを出し抜き、ペテン師を騙し返し、どこまでも逃げていくジェイムズの逃避行の果てに待つものとは──。 黒人奴隷ジムの目から「ハックルベリー・フィン」を語り、痛烈な笑いと皮肉で全世界に衝撃を与えた怪物的話題作。 [出版社より] 「物語は往々にして誰かの人生を破壊し、利用する。だが、鮮やかなやり方で新たな命を与えることも出来る。この小説のように」 ───西加奈子 「読み始めたが最後、『ハックルベリーの冒険』を愛する私がいかに「白人」であったか、自分を笑い飛ばして痛快になる」 ───星野智幸 「米文学界の巨人、エヴァレット。容赦なくも慈悲深く、美しくも残酷で、悲劇であり茶番劇でもあるこの見事な小説は、文学史を書き換え、長らく抑圧されてきた声を私たちに聞かせてくれる」 ───エルナン・ディアズ 著 者|パーシヴァル・エヴェレット 訳 者|木原善彦 出版社|河出書房新社 定 価|2,500円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|416 ISBN|978-4-309-20928-9 発 行|2025年06月 Author パーシヴァル・エヴェレット Percival Everett 1956年生まれ。アフリカ系アメリカ人作家。南カリフォルニア大学卓越教授。これまで20作以上の長編を発表し、高い評価を受ける。"Erasure"が2023年『アメリカン・フィクション』として映画化。 Translator 木原 善彦 Yoshihiko Kihara 1967年生まれ。京都大学大学院修了。大阪大学大学院人文学研究科教授。著書に『アイロニーはなぜ伝わるのか?』ほか。訳書にウィンターソン『フランキスシュタイン』、ダーラ『失われたスクラップブック』など。
山脇道子バウハウス回想集
¥4,950
ナチズム前夜、ヴァイマール期ドイツに花開いた最先端の造形学校バウハウス。留学生としてモダニズムを痛快に生きたテキスタイル・デザイナー山脇道子(1910-2000)のエッセー20編を収める。 1930(昭和5)年、建築家の夫・巖とともに、ニューヨーク経由、大西洋航路でデッサウ・バウハウスへ。予備知識もなく門をくぐったが、「ア! これはいける」。シンプルで機能的、「芸術と技術の統合」をめざす教育に、東京・築地で茶人の家に生まれ育った道子は茶の湯と共通する感覚を見出したのだった。 カンディンスキーやアルベルスに基礎課程を学び、織物科に進級。帰国後、「図案を織る」から「素材を織る」へ、日本の織物に新しい視野を開いた。やがて晩年、機能主義に息が続かなくなって、抜け道や無駄、「間」を求める心がきざす日々にも、思い出すのは懐かしい師や友たちのこと。 巖がバウハウス校内で撮影した貴重なスナップ写真を含む図版130余点、編者による評伝と年譜を付す。 [出版社より] 著 者|山脇道子 編 者|川畑直道 出版社|みすず書房 定 価|4,500円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|336 ISBN|978-4-622-09796-9 発 行|2025年06月 Contents バウハウスの一研究生として 日本と逆にゆくドイツの新興織物 バウハウス織物の話 バウハウスの織物について バウハウスの新標準文字 室内設備と織物 新しい手織物 バウハウス・デッサウの思い出 楽しみ――織物 建築用織物について 婦人と工芸について 五月三一日夜のグロピウス御夫妻 アルベルスの思い出 我が師カンディンスキー バウハウス・デッサウと私 バウハウスとそのデザインについて バウハウスに学んで バウハウスでの学生生活 デッサウ・バウハウス四方山ばなし わたくしのものさし 解説 年譜 文献 Author 山脇 道子 Michiko Yamawaki 1910年、裏千家の茶人の長女として東京・築地に生まれる。東京女子高等師範学校付属高等女学校卒業後、1928年、建築家・藤田巖と結婚。1930-32年、巖とともにドイツの造形学校、建築家のミース・ファン・デル・ローエ学長率いる「バウハウス」で学ぶ。初の日本人女子留学生として織物科に進級。1932年ナチの台頭を前にして帰国。テキスタイル・デザイナー、最先端のモダンガールとして活躍。1936年、「第一回帝国美術院展覧会[帝展改組一回展]」第四部・美術工芸に入選。戦後、昭和女子大学文家政学部被服美学科や日本大学芸術学部美術学科で講師をつとめた。著書に『バウハウスと茶の湯』(新潮社、1995年)がある。2000年、90歳で逝去。 Editor 川畑 直道 Naomichi Kawabata 1961年、長崎県生まれ。グラフィック・デザイナー。著書に『原弘と「僕達の新活版術」』(トランスアート、2002年/Workroom Press、韓国、2017年)。編著に『青春図會 河野鷹思初期作品集』(河野鷹思資料室、2000年)、『紙上のモダニズム』(六耀社、2002年)、『山名文夫』(トランスアート、2004年)、『亀倉雄策』(同、2006年/磐築創意有限公司、台湾、2011年)。共著に「混沌とした一九三七年」(五十殿利治・水沢勉編『モダニズム/ナショナリズム』せりか書房、2003年)、「写真壁画の時代」(五十殿利治編『「帝国」と美術』国書刊行会、2010年)など。1994-95年、山脇道子著『バウハウスと茶の湯』に編集協力。
新版 散文
¥2,420
旅、音楽、季節、そして言葉。 詩人・谷川俊太郎が60~70年代に綴った思索の記憶。 「どこまでも言葉に誠実であろうとしたひとりの詩人の文章を受け取ることができるわたしたちは、このうえなく幸福なのだと言わねばならない」──永井玲衣 旅と出会い。音楽・映画・美術についての感想。日々の思索。書くことへの自問。世界の美しさに人一倍酔いながらも、どんなささやかなものも決して感じつくし、知りつくすことができない自分に奇妙ないらだちを覚える……。詩作の根源にふれた重要な論考「発語の根はどこにあるのか」「『何ひとつ書く事はない』と書けるということ」を含む、詩人・谷川俊太郎が60~70年代に綴った貴重なエッセイ集〔1972年初版〕。解説=永井玲衣(哲学研究者)。 [出版社より] 著 者|谷川俊太郎 出版社|晶文社[晶文社ライブラリー] 定 価|2,200円+税 判 型|四六版・並製 頁 数|320 ISBN|978-4-7949-7474-7 発 行|2025年05月 Contents 旅 出会い/ニューヨークからの手紙/橋をかけろ、トンネルを掘れ!/道三態/ぶらりドライブ/自動車から馬へ/一九七二東京 季節 春の臨終/五月の空/五月に/五月の海/梅雨の季節/テーブルの上に……/室内について/青空/私の海/永遠/三好さん/不思議な力/昨日今日など 聴く 音楽のとびら/〈好き〉から〈愛〉へ/ピアノを開く時/耳で聞く詩/或る苦痛について/立ちばなし 見る クローズアップ/見知らぬ人間/静けさ/私のマリリン・モンロー/ツタンカーメンの黄金のマスク/ピカソを所有する権利/ガラスのむこう/何かしている/競技者のイメージ/LSDリポート/青い映画と無邪気/フェルメールへの渇き/暗闇の中の地球 思う 最も大切なもの/どうしてもほしいもの/思いつめる/おそろしい/チャーリーブラウンの世界/太平洋の小さなヨット/漂流者たち/教育について/本について/友情について/カネについて/後悔について/忙しいですか/おさな友だち/ひとりっ子 /自分自身への注文/前提として 言葉 発語の根はどこにあるのか/仮に勘と呼ぶ曖昧なものについて/「何ひとつ書く事はない」と書けるということ/〈公〉という一文字に発する断想/詩の現場がどこかにあるはずだ/自問自答 あとがき 解説 ためらう詩人 永井玲衣 Author 谷川 俊太郎 Shuntaro Tanikawa 1931年東京生まれ。詩人。1952年第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。1962年「月火水木金土日の歌」で第四回日本レコード大賞作詩賞、1975年『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞、1982年『日々の地図』で第三十四回読売文学賞、1993年『世間知ラズ』で第一回萩原朔太郎賞など受賞・著書多数。詩作のほか、絵本、エッセイ、翻訳、脚本、作詞など幅広く作品を発表。作品は海外でも多数翻訳され、2020年に国際交流基金賞、2022年にストゥルガ詩の夕べ金冠賞を受賞。全国各地での朗読、ライブ活動にも力を注ぎ、詩の裾野を大きく広げた。2024年11月逝去。
あなたの肌を描く とし総子詩集
¥2,200
花の色の爪が はがれた 花弁の中に 埋もれてしまう 鮮やかすぎる 赤を残して ますます 肌は青くなる [「彩」より] 「世界のまっ心をつかみ ひかりをまぜたことばたち。とし総子の詩にはこの世界のほんとう、そのかけらだけがとどめられている」 ——茉莉亜まり[川柳人] 「海も 山も 空も 全ての宇宙を内包している とし総子さん」 ——福永祥子[詩人] 著 者|とし総子 出版社|澪標 定 価|2,000円+税 判 型|13mm*21.5mm/上製 頁 数|58 ISBN|978-4860785963 発 行|2024年11月 Author とし 総子 Souko Toshi 1987年生まれ。詩人。2024年11月澪標社より第一詩集『あなたの肌を描く』を上梓。 https://note.com/akitukiyuka/ https://www.instagram.com/akituki0530/
スピン / spin 第12号
¥330
16号限定・オールジャンルの新雑誌が創刊。 2026年に創業140周年を迎える河出書房新社が、そのカウントダウン企画として刊行する16号限定・オールジャンルの季刊誌です。小説からエッセイ、コラム、企画連載、さらには新たな書き手の誕生まで、毎号ジャンルを超えた作家による作品をお届けします。 多種多様な本や書き手との出会いをお楽しみください。 ー 日常に「読書」の「栞」を──オールジャンルの新雑誌「スピン/spin」12号目です。ジャンルに縛られない「書き手」との出会いの場を「紙」でお届けします(16号限定)。 [出版社より] 出版社|河出書房新社 定 価|300円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|160 発 行|2025年06月 ISBN |4910078220759 Contents [新連載] ・佐々木譲 路上の輝き ・澤田瞳子 おぼろ影 [短歌] ・鳥さんの瞼 風にいる [短篇] ・横山拓也 潮時 [特別掲載 楽曲・歌詞] ・高田漣 街の彼方のワルツ [エッセイ] ・松本英子 湯気 ・劉佳寧 龍彥親王と中国 [連載小説] ・芦沢央 短期集中連載 おまえレベルの話はしていない(芝)(最終回) ・一穂ミチ ハイランド美星ヶ丘(第12回) ・大森美香 花と葉(第11回) ・尾崎世界観 すべる愛(第11回) ・恩田陸 そして金魚鉢の溢れ出す午後に、(第12回) ・堂場瞬一 連作 罪と罪(第12回) ・中村文則 彼の左手は蛇(最終回) ・藤沢周 利休残照(第12回) [連載詩]第9回 ・最果タヒ キャラクターの血のみずうみに、ぼくの瞳が映ってる――火の鳥未来編詩集 [紙の話] 第12回 ・奈良裕己 紙とシルクスクリーン印刷の話 [詩歌の話/詩歌の楽園 地獄の詩歌]第12回 ・渡辺祐真 俳句の歴史 その2 〜明治末期から昭和初頭まで、俳壇はいかに分裂したのか?〜 [本の話] ・西岡勉 山根さんの本作り [連載書評/絶版本書店 手に入りにくいけどすごい本] ・服部真里子 無表情の神 ・昼間匠 書店員としての原点 [連載エッセイ/書を買おう、街へ出よう。] 第12回 ・斉藤壮馬 「THE WORLD (IS MADE OUT OF) CLOSED ROOMS.」 [紙のなまえ]
世界 2025年7月号
¥1,045
【特集1】憎悪の政治学 憎しみはどこから生まれるのか。 財務省解体を訴えるデモ、誹謗中傷が続く兵庫県知事選問題、 クルドの人々 や在日外国人への差別的言動……。「既得権益側」「自分たちの領分を脅かす」とみなす相手への敵意を煽り、それがSNSを通じて増幅される。 とどまるところを知らない苛烈な攻撃、その根源を照らす。 【特集2】私たちはなぜ不安なのか 癒えない疲労、頭から離れない不安、やめられないメールやSNSのチェック……この心の危機は、何が原因なのだろう。 個人に問題を閉じ込めない社会へ。生きづらさの構造を解きほぐしてみる。 [出版社より] 出版社|岩波書店 定 価|950円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|296 発 行|2025年06月 ISBN |4910055010755 Contents ┏━━━┓ ┃特集 1┃憎悪の政治学 ┗━━━╋…──────────────────────────────── 誹謗中傷の洪水に立つ──「報道特集」兵庫県知事選検証から 曺琴袖(TBS「報道特集」編集長) 取り残された人々の財政ポピュリズム──財務省解体デモの論理と心情 伊藤昌亮(成蹊大学) 女性への制裁という「エンタメ」──ミソジニーの収益化とColabo攻撃 小川たまか(ライター) どのような憎悪か?──ランシエールから考える 鈴木亘(東京大学) 排外主義を動かす政治──クルド人差別とヘイトの本質 倉橋耕平(創価大学) ┏━━━┓ ┃特集 2┃私たちはなぜ不安なのか ┗━━━╋…──────────────────────────────── 〈座談会〉 人は会話しながら生きている 小澤いぶき(児童精神科医)×名郷直樹(医師)×松山純子(社労士)×森川すいめい(精神科医) SOSを出さない日本人──規範を優先する社会 石井敬子(名古屋大学) 〈インタビュー〉 雑談が人を救うこともある 松本俊彦(精神科医) 「自分疲れ」と社会──やさしく混じり合う場所がどこかにある 頭木弘樹(文学紹介者) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆注目記事 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 米中対立はグローバルな自由貿易体制をどう変えるのか 梶谷 懐(神戸大学) 終末ファシズムの勃興 ナオミ・クライン(ジャーナリスト)、アストラ・テイラー(ドキュメンタリー作家)、訳=中村峻太郎(翻訳家) 〈連載〉 午前1時のメディアタイムズ 第4回 ニュースをめぐる分断線 若林 恵(編集者/黒鳥社) 日米「コメ密約」の闇─ミニマム・アクセス米と塩飽文書 山田 優(農業ジャーナリスト) 研究不正の蔓延──日本の科学はどのように蝕まれているか 田中智之(京都薬科大学) 〈連載〉 最後は教育なのか? 第10回 みんな受験を語りたがる──中村高康さんに聞く 武田砂鉄(ライター) 〈リレー連載〉 隣のジャーナリズム 「大谷バブル」と忖度報道 水谷竹秀(ノンフィクションライター) 〈スケッチ〉 ひらめきを書きとめる 古賀及子(エッセイスト) 〈シリーズ夜店〉 猟師の眼で見る 「熊問題」の人類学 北川真紀(東京大学) 〈連載〉 原発事故 検証の空白 第2回 隠された雨の汚染 添田孝史(科学ジャーナリスト) 拘禁刑で刑務所はどうなる──刑務官は変われるか 浜井浩一(龍谷大学) 市民的エネルギー管理の可能性──理想と現実のあいだから 古賀勇人(マンチェスター大学博士課程) 〈シリーズ〉 この社会の社会学 第6回 都市の「棲み分け」を可視化する 川野英二(大阪公立大学) 〈連載小説〉 不屈のひと 物語「女工哀史」 第3回(最終回) 敵、襲来 石田陽子(文筆業、編集者) 〈シリーズ〉 「戦後」解体 第4回 交差する暴力に抗う回路──在日朝鮮人の記憶とケアの倫理 李 杏理(東京経済大学) 〈インタビュー〉 「白人女性の闘いは、私たちの闘いではなかった」──『チャーチ・レディの秘密の生活』著者インタビー ディーシャ・フィルヨー(作家)、聞き手=押野素子(翻訳家) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇世界の潮 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇「エルドアンのトルコ」の急展開 今井宏平(ジェトロ・アジア経済研究所) ◇憲法問題としての教員の働き方改革──給特法等改正は学校を救えるか 髙橋 哲(大阪大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇本との出会い ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇読書・鑑賞日記 読んで、観て、聴いて 中村佑子(作家/映像作家) ◇本とチェック 第26回 神保町の隣人たち 金承福(クオン代表) ◇言葉と言葉のかくれんぼ 第15回 隣国語の森 チョン・スユン(翻訳家) ◇戦後の悪人正機説──大澤真幸『西洋近代の罪』 藤沢 周(小説家) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●連載 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アジアとアメリカのあいだ 第7回 人間を消す国、記憶も消す国 望月優大(ライター) あたふたと身支度 第10回 いつかはグレイヘア 高橋純子(朝日新聞) 彼女たちの「戦後」 第10回 平野レミ──自由と歓待 山本昭宏(神戸市外国語大学) 「変わらない」を変える 第26回 バックラッシュとミソジニー 三浦まり(上智大学) 脳力のレッスン(277) ウクライナの影 ロシア革命そして満州国へ 寺島実郎 片山善博の「日本を診る」(188) これまでのコメ政策はミッションを間違えている 片山善博(大正大学) 気候再生のために 第34回 気候と社会の悪循環 江守正多(東京大学) いじめ後遺症 第5回 「否認」という病理 斎藤 環(精神科医) ドキュメント激動の南北朝鮮 第335回(25・4~5) 編集部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○記憶をもった鏡 西野壮平『Short Stories: Beppu』 戸田昌子(写真史家) ○岩波俳句 選・文 池田澄子(俳人) ○アムネスティ通信 ○読者談話室 ○編集後記 ○表紙画 土屋未久(表紙 問う、 2025、裏表紙 夜になる 2025) ○キャラクター・扉絵 西村ツチカ ○アートディレクション 須田杏菜 ○本文デザイン 大原由衣+安賀裕子+都井美穂子
世界 2025年6月号
¥1,045
【特集1】科学vs政治 科学者の大量解雇、研究予算の縮減。第二次トランプ政権下ですすむかつてない規模での科学への弾圧。気候変動や環境正義、DEI……。政権による言葉狩りは、大学における研究の自由をも侵食している。 日本では、任命拒否の理由も一切説明されないまま「学術会議解体法案」が今国会に提出された。法人化以降、研究力を削がれてきた日本の学術の「終わりの始まり」となってしまうのか。 民主主義の基盤を揺るがす科学への攻撃に、私たちはどう対峙すべきか。 【特集2】老いる社会 社会全体を覆っている閉塞感。その背後には何があるのだろうか。 止まらない少子高齢化と産業、社会保障への不安、深刻化するインフラ老朽化、そして、この現状へ対応できない制度の硬直……。これまでも課題とされてきた人・物・システムのありようは、いまや限界にきている。 「老い」の先を見通すことができるのか。4つの考察から探る。 [出版社より] 出版社|岩波書店 定 価|950円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|296 発 行|2025年05月 ISBN |4910055010656 Contents ┏━━━┓ ┃特集 1┃ 科学VS政治 ┗━━━╋…──────────────────────────────── 〈対談〉 科学という制度の破壊 隠岐さや香(東京大学)×松村一志(大阪大学) 〈インタビュー〉 学術会議解体法案は、日本の科学の死だ 山極壽一(総合地球環境学研究所所長、日本学術会議元会長) 〈ルポ〉 トランプ2・0 文化戦争と気候危機 八田浩輔(毎日新聞) 「多様性」の蹉跌──アメリカの大学で何が起きているのか 宮本ゆき(デュポール大学) ┏━━━┓ ┃特集 2┃老いる社会 ┗━━━╋…──────────────────────────────── インタビュー 就職氷河期世代の老後 近藤絢子(東京大学) 少子化・地方創生・ジェンダー──「高齢社会」の袋小路 松浦 司(中央大学) 「国民の選択」としてのインフラ老朽化 杉浦 勉(関西大学) 「まち」も歳をとっていく──北海道周縁からみえる生活基盤の臨界 勝木晃之郎(北海道新聞) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆注目記事 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「思想家」J.D.ヴァンスを読み解く 井上弘貴(神戸大学) 午前1時のメディアタイムズ 第3回 「MAGA左翼」の衝撃 若林 恵(編集者/黒鳥社) そして、「渚」へ──辺野古 軟弱地盤と呼ばれるものから 赤坂真理(作家) 〈新連載〉 原発事故 検証の空白 第1回 「安定ヨウ素剤投与指示」はどこで止まったのか? 吉田千亜(ライター) 中国の“天は崩れない”か──第二次貿易戦争を見通す視座 高口康太(ジャーナリスト) ネタニヤフ政権の延命策──ガザ 遠ざけられた恒久停戦 鈴木啓之(東京大学) 戦争を糧に増殖を遂げるロシア経済 服部倫卓(北海道大学) 韓国政治と「民主主義の後退」 磯崎典世(学習院大学) 採掘をめぐる“ディール”──終わりなきコンゴ民主東部紛争 今泉 奏(朝日新聞) 〈リレー連載〉 隣のジャーナリズム 私の「八月ジャーナリズム」 栗原俊雄(毎日新聞) 〈スケッチ〉 雑誌の庭 しりあがり寿(漫画家) 〈シリーズ夜店〉 立場性を引き受けること──「慰安婦」問題に関わる日本人男性たちの語りから 朴沙羅(ヘルシンキ大学) 〈連載小説〉 不屈のひと 物語「女工哀史」 第2回 それぞれの紡績工場 石田陽子(文筆業、編集者) 〈戦後80年対談〉 田中角栄は何を見ていたのか 田中眞紀子(元外務大臣)×真山 仁(小説家) 虚構の黙秘権 取調べ拒否できない日本 デイビッド・T.ジョンソン(ハワイ大学) 訳=秋元由紀(翻訳家) 〈シリーズ〉 「戦後」解体 第3回 自発的優生思想の源流を探る 横山 尊(広島大学) ヨーロッパで踊りながら採集したクルド移民の物語 金井真紀(文筆家、イラストレーター) 〈連載〉 この社会の社会学 第5回 「三歳児神話」に挑む 柴田 悠(京都大学) 「この糸につかまりなさい」──『編むことは力』著者インタビュー ロレッタ・ナポリオーニ(エコノミスト)、聞き手=佐久間裕美子(ライター) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇世界の潮 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇トランプ関税 国際経済体制を揺るがす政権内対立 高橋和宏(法政大学) ◇軍政下のミャンマー大地震──人道支援のジレンマ 今村真央(山形大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇本との出会い ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇中国ディアスポラ書店の風 吉岡桂子(朝日新聞) ◇本とチェック 第25回 社長の仕事 金承福(クオン代表) ◇言葉と言葉のかくれんぼ 第14回 「サラン」を使うとき 斎藤真理子(翻訳家) ◇読書・観賞日記 読んで、観て、聴いて 長谷部恭男(早稲田大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●連載 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アジアとアメリカのあいだ 第6回 敵でもなく友でもなく、ただの隣人として 望月優大(ライター) あたふたと身支度 第9回 若作り 高橋純子(朝日新聞) 彼女たちの「戦後」 第9回 吉田ルイ子──Something we can do 山本昭宏(神戸市外国語大学) 「変わらない」を変える 第25回 「超現実」のアメリカ 三浦まり(上智大学) 気候再生のために 第33回 米国 気候科学の危機 高村ゆかり(東京大学) 片山善博の「日本を診る」(187) 図書館閉館問題から見えてくる自治体のモラル欠如 片山善博(大正大学) 脳力のレッスン(276) 「北の黒船」ロシアの来航再考 寺島実郎 いじめ後遺症 第4回 長期的影響のエビデンス──旭川市いじめ自殺(3) 斎藤 環(精神科医) ドキュメント激動の南北朝鮮 第334回(25・3~4) 編集部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○記憶をもった鏡 岩波友紀『Blue Persimmons』 戸田昌子(写真史家) ○岩波俳句 選・文 池田澄子(俳人) ○アムネスティ通信 ○読者談話室 ○編集後記 ○表紙画 土屋未久(表紙 何処へ 2025、裏表紙 残る 2025) ○キャラクター・扉絵 西村ツチカ ○アートディレクション 須田杏菜 ○本文デザイン 大原由衣+安賀裕子
百年の孤独
¥1,375
蜃気楼の村を開墾しながら孤独に生きる一族。目も眩むその宿命を描いた百年の物語。 蜃気楼の村マコンドを開墾しながら、愛なき世界を生きる孤独な一族、その百年の物語。錬金術に魅了される家長。いとこでもある妻とその子供たち。そしてどこからか到来する文明の印……。目も眩むような不思議な出来事が延々と続くが、予言者が羊皮紙に書き残した謎が解読された時、一族の波乱に満ちた歴史は劇的な最後を迎えるのだった。世界的ベストセラーとなった20世紀文学屈指の傑作。 [出版社より] 著 者|ガブリエル・ガルシア=マルケス 訳 者|鼓直 出版社|新潮社[新潮文庫] 定 価|1,250円+税 判 型|文庫版/並製 頁 数|672 ISBN|978-4-10-205212-9 発 行|2024年06月 Contents 百年の孤独 注解 訳者あとがき 改訳新装版のための訳者あとがき 解説 筒井康隆 Author ガブリエル・ガルシア=マルケス Marquez,Gabriel Garcia 1927-2014。コロンビア、アラカタカ生まれ。ボゴタ大学法学部を中退し、新聞記者となって欧州各地を転々とした後、1955年に処女作『落葉』を発表。1967年『百年の孤独』によって一躍世界が注目する作家となった。『族長の秋』『予告された殺人の記録』『コレラの時代の愛』『迷宮の将軍』など次々と歴史的傑作を刊行し、1982年にはノーベル文学賞を受賞した。 Translator 鼓 直 Tadashi Tsudumi 1930-2019。旧朝鮮生れ。東京外事専門学校卒業。神戸市外大、神奈川大などでスペイン語を講じながらボルヘス、アストゥリアス、カルペンティエール、コルタサル、ドノソ、ガルシア=マルケスなどの主要作品を翻訳し、ラテンアメリカ文学ブームを牽引した。法政大学教授や日本スペイン協会理事長を歴任。瑞宝中綬章、スペイン民功騎士十字章を受章。
私たちはどう生きるべきか
¥1,650
社会の10%の人が倫理的に生きれば、政府が行う社会変革よりもずっと大きな力となる。環境・動物保護の第一人者が、現代に生きる意味を鋭く問う。 私的利益と倫理が衝突する場合、あなたならどうするか。もしもあなたが姿を消して、誰にも知られずに何でも好きなものを手に入れられるような場合、すべての倫理的基準を捨て去るのが合理的な判断なのだろうか。それでも正義を重んじるとすれば、そこにはどんな理由があるだろう。 西洋倫理学の伝統からプラトン、ルソー、カント等の豊富な議論をとりあげて新たな角度から解明しつつ、経済倫理、遺伝子操作等のアクチュアルな問題を考察。『実践の倫理』『動物の解放』の著者であり、環境・動物保護運動のリーダーとしても活躍する著者が、理論と実践の両側面から現代倫理を徹底的に再考する! [出版社より] 著 者|ピーター・シンガー 訳 者|山内友三郎 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,500円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|472 ISBN|9784480095817 発 行|2013年12月 Contents 第1章 究極の選択 第2章 「そのどこが私のためになるんだ」 第3章 世界を使い果たす 第4章 この生き方の由来はどこにあるのか 第5章 利己心は人の遺伝子の中にあるか 第6章 日本人の生き方 第7章 お返し戦術 第8章 倫理的に生きる 第9章 倫理の本性 第10章 ある目的のために生きる 第11章 よい生き方 Author ピーター・シンガー Peter Singer 1946年生まれ。オーストラリア生まれ。メルボルン大学をへてオックスフォード大学で、R.M.ヘアのもとで学位取得。メルボルンのモナッシュ大学生命倫理学センター所長、国際生命倫理学会会長歴任。現在プリンストン大学、モナッシュ大学教授。優れた倫理学者として世界的に高名なだけでなく、動物解放、菜食主義、難民救済、環境保護などの実践運動のリーダーとして国際的、精力的に活躍。 Translator 山内 友三郎 Tomosaburo Yamauchi 年秋田県生まれ。京都大学文学部卒業。大阪教育大学名誉教授。
外道の細道
¥1,320
SOLD OUT
ドキュメンタリー製作のため、敬愛する作家ブコウスキーの足跡をたどる旅に出る作家「マーチダ」。プロデューサー・蟇目ヒシャゴ、笑福亭鶴瓶然としたディレクター・稲村チャルベなど、メディア界隈に棲息する外道どもに導かれる珍道中は、次第に地獄めぐりの様相を呈していく。最高にくだらなく、オフビートな実録ロード小説。『真説・外道の潮騒』を文庫化。 [出版社より] 著 者|町田康 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,200円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|368 ISBN|978-4-309-42167-4 発 行|2025年02月 Author 町田 康 Ko Machida 1962年大阪生まれ。「きれぎれ」で芥川賞、『告白』で谷崎潤一郎賞、『宿屋めぐり』で野間文芸賞など、受賞多数。他の著書に『くっすん大黒』『ホサナ』『ギケイキ』『口訳 古事記』『宇治拾遺物語』など。
インドラネット
¥946
SOLD OUT
おまえのために死んでもいい。危険な目に逢い続ける男が最後に見たものは。 平凡な顔、運動神経は鈍く、勉強も得意ではない――何の取り柄もないことに強いコンプレックスを抱いて生きてきた八目晃は、非正規雇用で給与も安く、ゲームしか夢中になれない無為な生活を送っていた。唯一の誇りは、高校の同級生で、カリスマ性を持つ野々宮空知と、美貌の姉妹と親しく付き合ったこと。だがその空知が、カンボジアで消息を絶ったという。空知の行方を追い、東南アジアの混沌の中に飛び込んだ晃。そこで待っていたのは、美貌の三きょうだいの凄絶な過去だった……。 [出版社より] 著 者|桐野夏生 出版社|KADOKAWA[角川文庫] 定 価|860円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|432 ISBN|9784041143209 発 行|2024年07月 Contents 第一章 野々宮父の死 第二章 シェムリアップの夜の闇 第三章 ニェットさんの青唐辛子粥 第四章 さらば青春 第五章 冷たい石の下には 第六章 インドラの網 解説 高野秀行 Author 桐野 夏生 Natsuo Kirino 1951年生まれ。93年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞を受賞。99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞、10年、11年に『ナニカアル』で島清恋愛文学賞と読売文学賞の二賞を受賞。1998年に日本推理作家協会賞を受賞した『OUT』は04年エドガー賞候補となる。15年紫綬褒章を受章。
詩の構造についての覚え書——ぼくの《詩作品入門》
¥1,210
詩とは何か。 詩を、作者の心情の直接的発露であり、それを伝える手段だとする見方は根強い。だが、詩において言葉は日常の用法とは異なる態度で取り扱われる。それゆえ、著者が「詩は表現ではない」と明言したとき、旧来の詩観は大きく揺さぶられることとなった。 言葉を関係性によって捉えることが重視され、「作者─発話者─主人公」の区別に紙幅が費やされる。これらを通し、われわれは詩がどのようにして成り立つのか、その秘密に近づけるだろう。詩とはいったい何か。この問題を追究したものとして本書に並び立つ書はいまもって少ない。実作者も鑑賞者も一度は読んでおきたい詩作品入門。解説=野村喜和夫。 [出版社より] 著 者|入沢康夫 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,100円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|208 ISBN|978-4-480-51292-5 発 行|2025年03月 Contents 第1回 はじめに Ⅰ 手もちの材料と道具の点検 A 詩は表現ではない B 作品の構成の素材は単語だけではない 第2回 C 詩が、主として語のイマージュに依存するという考えは不適当であり、同様に、比喩(直喩・暗喩)に主な拠り所を持つという説にも、無限定には同意できない D 個々の要素の持つ意味の重層性や潜在的情動力は、適切な構造の中にところを得て、はじめて発揮される E 擬物語詩は、あり得べき詩作品の構造の一つのタイプである 第3回 Ⅱ なぜ詩の構造を云々するのか 第4回 Ⅲ 基本的な諸問題についての雑然たるメモと、そのまとめ A 作品とその要素(素材) B 素材としての言葉のありよう C 言葉を素材とするということ 第5回 D 詩人 ―― 発話者 ―― 主人公 E どんな作品においても《詩人》と《発話者》は別である Author 入沢 康夫 Yasuo Irisawa 1931-2018年。島根県生まれ。詩人、フランス文学者。東京大学文学部フランス文学科卒業。同大学大学院フランス語フランス文学科修士課程修了。詩集『季節についての試論』でH氏賞を受賞。長詩と注釈からなる『わが出雲・わが鎮魂』で読売文学賞を受賞。『入澤康夫〈詩〉集成 1951-1994』『唄──遠い冬の』の詩作で毎日芸術賞受賞。詩論も多数執筆。『ネルヴァル全集』の監修や『新校本宮沢賢治全集』の編集にも携わる。
新編 人と人との間
¥1,430
「あいだ」理論の出発点。 精神病理を人間の在り方の一様相として論じてきた著者によるキー概念「間」(「あいだ」)。自己存在の根底にある超個人的な場所としての「人と人との間」は、現代思想に大きな影響を与えた。本書は、ドイツ留学時に思索した日本人論としてこの概念を世に問うた一冊である。 日本人特有の精神病的生き方をさまざまな現象を通して思索するとともに、日本的精神症状とされる対人恐怖、貰子幻想の病理を解明。さらに「間」理論を和辻哲郎の『風土』、土居健郎の「甘え」理論と併せて検討して、人間存在の様相を詳らかにする。文庫化にあたり講演「人と人とのあいだの病理」を併録。解説=清水健信。 [出版社より] 著 者|木村敏 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,300円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|320 ISBN|978-4-480-51299-4 発 行|2025年03月 Contents 人と人との間――精神病理学的日本論 はしがき 第一章 われわれ日本人 第二章 日本人とメランコリー 第三章 風土と人間性 第四章 日本語と日本人の人間性 第五章 日本人の精神病理 第六章 文化を超えた精神医学 人と人とのあいだの病理 一 交換不可能な個人の心 二 人と人との“あいだ”への関心 三 “あいだ”をめぐる病理 四 自己と“あいだ” 文庫解説 木村敏とドイツの間、木村敏と京都学派の間 清水健信 Author 木村 敏 Bin Kimura 1931年、旧朝鮮生まれ。1955年、京都大学医学部卒業。現在、京都大学名誉教授、河合文化教育研究所所長・主任研究員。専攻、精神病理学。著書に『自覚の精神病理』(紀伊國屋書店)、『異常の構造』(講談社現代新書)、『時間と自己』(中公新書)、『木村敏著作集』全8巻(弘文堂)、『関係としての自己』(みすず書房)、『臨床哲学講義』(創元社)、『あいだ』『自己・あいだ・時間』『分裂病と他者』(ちくま学芸文庫)など。訳書多数。1981年にシーボルト賞、1985年にエグネール賞、2003年に和辻哲郎文化賞、2010年に『精神医学から臨床哲学へ』(ミネルヴァ書房)で毎日出版文化賞を受賞。
純喫茶図解
¥1,650
『銭湯図解』で話題の画家・塩谷歩波が建築の図法で描く、唯一無二の空間。都内近郊の“純喫茶図解”18軒をオールカラーで収録!眺めて、読んで楽しいイラストエッセイ集。 アンティークの調度品にシェードランプの薄明り、個性あふれる床タイル、妖しく微笑むトーテムポール……。都心には、建築やインテリア、メニューの隅々にまで店主のこだわりが詰まった魅力あふれる純喫茶がひしめき合っています。 そんな純喫茶の魅力を、画家・塩谷歩波さんが建築の図法で描き、実際に足を運んで食べたメニューや店主へのインタビューなど、イラストと写真、文章でお届けします。著者の緻密で温かい絵に思いを巡らせながら、純喫茶に足を運んでみませんか? [出版社より] 著 者|塩谷歩波 出版社|幻冬舎 定 価|1,500円+税 判 型|新書判 頁 数|128 ISBN|9784344044258 発 行|2025年04月 Contents 第1章 ノスタルジックな純喫茶 西荻窪 それいゆ/蔵前 らい/渋谷 茶亭羽當/神保町 ラドリオ/津田沼 珈琲屋からす/高円寺 珈琲亭七つ森 第2章 豪華絢爛な純喫茶 上野 Coffee Shopギャラン/銀座 トリコロール 本店/上野 喫茶 古城 第3章 音を楽しむ純喫茶 渋谷 名曲喫茶ライオン/阿佐ヶ谷 ヴィオロン/吉祥寺 バロック/新宿 らんぶる 第4章 ひとクセ光る純喫茶 神保町 さぼうる/阿佐ヶ谷 gion/吉祥寺 くぐつ草/御茶ノ水 穂高/都立家政 Coffee&Lunch つるや Author 塩谷歩波 Honami Enya 1990年東京都生まれ。早稲田大学大学院(建築学専攻)修了。設計事務所、高円寺の銭湯・小杉湯の番頭を経て、2021年より画家として独立。設計事務所休職中に通い始めた銭湯に救われ、銭湯の建物内部を俯瞰で描く「銭湯図解」をSNS上で発表し、話題に。2019年に『情熱大陸』(TBS)に出演、2022年には自身の半生をモデルにしたドラマ『湯あがりスケッチ』(ひかりTV)が配信されるなど注目を集める。現在は、飲食店、ギャラリー、茶室など、様々な建物の図解を制作するほか、入浴施設などのデザイン監修も手がける。著書に『銭湯図解』(中央公論新社)、『湯あがりみたいに、ホッとして』(双葉社)、『塩谷歩波作品集』(玄光社)がある。
自分の感受性くらい
¥770
自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ もっとも人気のある詩人の、もっとも有名な詩集。なかでも突出した人気を誇る表題作は、自分で考え続けること、自立した知性を磨き続けることの大切さをうたい、そのメッセージ性の強い言葉は、自分自身への問いかけとして多くの読者の共感をよび、やすきに流れる心を戒めてきた。現代詩の枠をこえた感動の名著。解説=伊藤比呂美。 [出版社より] 著 者|茨木のり子 出版社|岩波書店[岩波現代文庫] 定 価|700円+税 判 型|文庫判・並製 頁 数|124 ISBN|9784006023683 発 行|2025年04月 Contents 詩集と刺繡 癖 自分の感受性くらい 存在の哀れ 知命 * 青年 青梅街道 二人の左官屋 夏の声 廃屋 孤独 友人 底なし柄杓 波の音 * 顔 系図 木の実 四海波静 殴る 鍵 茨木のり子の詩の魅力(伊藤比呂美) 初出一覧 茨木のり子著作目録 Author 茨木 のり子 Noriko Ibaragi 1926–2006年.〈現代詩の長女〉とも称される,戦後の日本を代表する現代詩人.1953年,川崎洋と二人で同人詩誌「櫂」を創刊.「わたしが一番きれいだったとき」をはじめとする作品群で戦時下の女性の青春を描く.敗戦を契機にひらかれた幅広い社会意識と健康な批評精神が特徴で,スパッと歯切れのいい言葉が断言的に出てくる,主張のある詩,論理の詩,倫理の詩,あるいは「自分の感受性くらい」のような,読者を励ます,人を奮い立たせてくれる詩が多い.他の詩集に,『対話』『見えない配達夫』『倚りかからず』『歳月』など,また訳詩集に『韓国現代詩選』(読売文学賞)がある.
エスノグラフィ入門
¥1,056
SOLD OUT
「場面を描く、生活を書く」『タイミングの社会学』(紀伊國屋じんぶん大賞2024第2位)の著者、最新刊。エスノグラフィの息遣いを体感する入門書。 生活を書く、それがエスノグラフィの特徴です。そして、もっとも良質なエスノグラフィの成果は、 苦しみとともに生きる人びとが直面している世界を表し出すところに宿るものです。もともと人類学で発展したこの手法は、シカゴ学派を拠点に、 社会学の分野でも広がっていきました。本書では、5つのキーワードに沿って、そのおもしろさを解説していきます。予備知識はいりません。ぜひ、その魅力を体感してください。 [出版社より] 著 者|石岡 丈昇 出版社|筑摩書房[ちくま新書] 定 価|960円+税 判 型|新書判 頁 数|304 ISBN|978-4-480-07646-5 発 行|2024年09月 Contents はじめに エスノグラフィとは/本書の著者について/エスノグラフィの核心/本書のスタイル/あるひとつの入門書 第1章 エスノグラフィを体感する 通夜と賭けトランプ/センス・オブ・ワンダー/海の少年/場面と主題/二重写しに見る/フィールド調査の十戒/フィールドの人びととの関係のあり方/調査の進め方/社会学的に観察する/フィールド調査のねらい/本章のまとめ コラム1 サイクリストの独自世界 第2章 フィールドに学ぶ 経験科学/フィールド科学/雪かきの現場から/モノグラフ/可量と不可量/不可量を書く/ボクサーの減量の事例/人びとの経験に迫る/身体でわかる/フィールドへのエントリー/漁民から見る/人びとの対峙する世界/本章のまとめ コラム2 ペットによる社会的影響とその効果 第3章 生活を書く シカゴ学派/生活を見る眼/アフリカの毒/同時代の人びとへ/地続きの人類学/生活実践へ/日常生活批判/差別の日常/「いま―ここ」の注視/「人びとの方法」への着目/遠近法的アプローチ/まひるのほし/本章のまとめ コラム3 遊びとしての公的空間での眠り 第4章 時間に参与する 生活論/生活を読み取る/生活環境主義/「森林保護」による生活破壊/時間へ/ボクサーの「典型的な一日」/時間的単位を知る/周期性とリズム/時間をめぐる困難/生が「生活」になるとき/共に活動すること/私の失敗談/本章のまとめ コラム4 手話サークルから見るろうコミュニティとコロナウイルス 第5章 対比的に読む 図書館の歩き方/探索することの魅力/「赤青」の色鉛筆/読みの体感/エスノグラフィを読む/裏舞台だけを読まない/着眼点の移植/対比的に発見する/データをつくる/本章のまとめ コラム5 リスクから見るサブカルチャー 第6章 事例を通して説明する フィリピンとの出会い/繰り返し通うこと/対比という方法/事例を通した説明/論理の解明へ/羅生門的手法/客観性から客観化へ/ミクロ・マクロ問題/バンコクのバイクタクシー/エスノグラフィとルポルタージュ/本章のまとめ コラム6 部活動におけるケガの社会学 おわりに――次の一歩へ 学ぶこと/受苦を生きる/楽しみと苦しみ あとがき――読書案内をかねて 参考文献 索引 Author 石岡 丈昇 Tomonori Ishioka 1977年、岡山市生まれ。専門は社会学/身体文化論。日本大学文理学部社会学科教授。フィリピン・マニラを主な事例地として、社会学/身体文化論の研究をおこなう。著作に『タイミングの社会学──ディテールを書くエスノグラフィー』(青土社、2023年、紀伊國屋じんぶん大賞2024第2位)、『ローカルボクサーと貧困世界──マニラのボクシングジムにみる身体文化』(世界思想社、2012年、第12回日本社会学会奨励賞。2024年に増補新版)、共著に『質的社会調査の方法──他者の合理性の理解社会学』(岸政彦・丸山里美との共著、有斐閣、2016年)など。
世界の教育はどこへ向かうか——能力・探究・ウェルビーイング
¥990
デジタル化やグローバル化などの社会変化を背景に、世界各国が教育改革を加速させている。本書は国連やOECD、ユネスコなどの国際機関、各国での議論を踏まえ、これからの教育を考察する。新たな時代に求められる能力や主体性、ウェルビーイングとは何か。各国が直面する教師不足や過重なカリキュラムへの対応策は。そして、日本に欠けている点とは。一人ひとりの子供が尊重された、あるべき教育、学校の未来を探る。 [出版社より] 著 者|白井俊 出版社|中央公論新社[中公新書] 定 価|900円+税 判 型|新書判 頁 数|232 ISBN|978-4-12-102844-0 発 行|2025年02月 Contents はじめに 序 章 変わる世界の教育 1 デジタル化の影響 2 「学力世界一」の交替 3 教師を取り巻く環境の変化 第一章 教育は何を目指すべきか 1 世界のパラダイム転換 2 国連が採択したSDGs 3 ウェルビーイングへの注目 4 人間重視に立ち返る 第二章 「主体性」を捉え直す 1 理想と現実のギャップ 2 そもそも共通理解はあるのか 3 国際的な視点から問い直す 第三章 子供たちに求められる「能力」 1 能力とは何か 2 「非認知能力」の重要性と落とし穴 3 能力を発揮する方向 第四章 「探究」の再検討 1 「総合的な学習の時間」の導入 2 前提としての方法論 3 成功するための条件 第五章 何をどこまで学ぶべきか 1 「広さ」と「深さ」のトレードオフ 2 問題の背景 3 見えてきた解決策 Author 白井 俊 Shun Shirai 1976年生まれ。埼玉県出身。東京大学法学部卒業。コロンビア大学法科大学院修士課程修了。2000年文部省(現・文部科学省)に入省し、同省生涯学習政策局(現・総合教育政策局)、初等中等教育局、高等教育局、国際統括官付等で勤務。その間、徳島県教育委員会、OECD(経済協力開発機構)、独立行政法人大学入試センターに出向。2023年8月より内閣府に出向し、現在、同府科学技術・イノベーション推進事務局参事官(研究環境担当、大学改革・ファンド担当)。
緑地と文化——社会的共通資本としての杜
¥1,034
明治神宮外苑において百年の星霜を重ねた樹木の伐採が強行された。これは決して一地域の問題にとどまらない、持続可能な社会の根幹に関わる事態だ。なぜこのような事態が起きてしまったのか。人間と自然の未来はどうなっていくのか。都市と緑地の持続可能性を歴史的パースペクティブと国際比較の視点から問い直す。 [出版社より] 著 者|石川幹子 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|940円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|252 ISBN|9784004320609 発 行|2025年04月 Contents はじめに 序 章 問題の根源はどこにあるのか 1 神宮外苑で強行された都市の杜の伐採 2 何のための再開発か 3 水資源の枯渇による内苑の杜の危機 4 市民との対話の拒否 第一章 社会的共通資本としての緑地とは何か 1 社会的共通資本としての緑地(グリーンインフラ) 2 時空を超えた社会的イノヴェーション 第二章 林泉都市・東京の歴史的パースペクティヴ 1 東京の基層としての「林泉都市」 2 太政官布達による「公園」の誕生 3 林泉都市の消長 4 東京市区改正設計における公園 5 幻の日本大博覧会 6 世紀のプロジェクトの始動 第三章 歴史の重層する杜──明治神宮内苑 1 井伊家下屋敷・共楽の林泉 2 難問を解く 3 百年の杜の実験と現在 第四章 別天地をつくる 1 別天地 2 代々木野の美の発見 3 水の枯渇による小川の消滅 4 杜を創り出した人びと 第五章 民衆がつくった杜──明治神宮外苑 1 林泉をつくる 2 都市美運動・イチョウ並木・パークシステム 3 ナンジャモンジャ物語 4 近代スポーツ揺籃の地 5 外苑を襲う荒波 第六章 不都合な真実──怒涛の規制緩和 1 外苑再開発事業の構図 2 「公園まちづくり制度」 3 外苑に適用された規制緩和の段階的検証 4 環境影響評価の検証 5 都市計画関連「手続き」の検証 6 再開発に伴うイチョウ並木のサステイナビリティの危機 7 失われていく文化資産――外苑を彩る歴史的樹木 第七章 文化を支える緑地 1 手渡された文化資産 2 杜の都・仙台の四百年 3 水と緑の回廊を創る 4 復興まちづくりと文化の再生 5 北の大地・帯広の森 6 鎮魂の杜・広島 展 望 未来へと手渡していく社会の冨 1 市民的自由の場 2 挫折することのなかった東京の杜 3 伊勢神宮・千三百年の杜 4 「千年の杜・東京」へ 5 杜の思想 6 「社会的共通資本」のサステイナビリティ あとがき 参考文献・出典 Author 石川 幹子 Mikiko Ishikawa 1948年宮城県生まれ.東京大学農学部卒業,ハーバード大学デザイン学部大学院修了.環境計画・設計.農学博士,技術士.計画・設計に,「21世紀の公園」(EU環境基金最優秀賞),「学びの森」(土木学会デザイン賞最優秀賞),「水と緑の回廊計画」(みどりの学術賞),「四川汶川大地震・農耕文明遺産地設計」(都江堰市文化功労栄誉賞),「東日本大震災復興・宮城県岩沼市」(日本都市計画学会石川賞),「ブータン王国ロイヤルパーク設計」など.東京都都市計画審議会委員,公園審議会委員などを歴任. 現在─中央大学研究開発機構・機構教授.東京大学名誉教授, 著書─『都市と緑地』(岩波書店,日本都市計画学会論文賞),『グリーンインフラ』(中央大学出版部,日本造園学会学会賞)など.
ザ・ブック・オブ・ザ・リバー
¥2,420
フーダニットの針が挿さってゆく水風船 現代川柳の到達点とも言える、異次元の2025句を収録する川合大祐第三川柳句集。『スロー・リバー』『リバー・ワールド』と続いてきた前人未到の現代川柳プロジェクト「リバー」シリーズ、ついに完結。 [出版社より] [ 収録句より ] ずっとのろしをみていた鼻行類の図鑑 奥村という説得を思いつく 未確認飛行物体(F・カフカ) 砂漠から巨大舞妓が立ちあがる 9の字を校庭に描く時の暮れ バカミスに犬小舎をでる犬 朝だ 納屋を焼く完全言語もとめつつ 著 者|川合大祐 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,200円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|336 ISBN|978-4-86385-671-4 発 行|2025年05月 Contents 第一章 モルグ街の殺人 第二章 父が消えた 第三章 森の生活 第四章 失踪日記 第五章 言葉と物 第六章 われ逝くもののごとく 第七章 非現実の王国で 第八章 重力と恩寵 第九章 櫻の園 第十章 時間 第十一章 S,M,L,XL 第十二章 天井桟敷の人々 第十三章 燃える世界 第十四章 バベルの図書館 第十五章 ディコンストラクション 第十六章 襞 第十七章 森の生活 Author 川合大祐 Daisuke Kawai 川柳作家。1974年長野県生まれ。「川柳の仲間 旬」同人を経て、「川柳スパイラル」同人。ブログ「川柳スープレックス」共同執筆者。著書『スロー・リバー』(あざみエージェント、2016年)、『リバー・ワールド』(書肆侃侃房、2021年)、共著『はじめまして現代川柳』(書肆侃侃房、2020年)。
裸のランチ 完全版
¥1,540
麻薬中毒のエージェント、リーは捜査の手を逃れてニューヨークを脱出、ついには魑魅魍魎の跋扈するインターゾーンへ……。猥褻な描写、入り乱れる時系列、発表時に大論争を巻き起こしながら、二十世紀アメリカ文学史上、不動の地位を獲得したビートニク文学の最高傑作。最新テキストを元に全面的に訳文が見直された完全版。 [出版社より] 著 者|ウィリアム・バロウズ 訳 者|鮎川信夫 改 訂|山形浩生 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,400円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|392 ISBN|978-4-309-46815-0 発 行|2025年05月 Author ウィリアム・S・バロウズ William S. Burroughs 1914年、米国ミズーリ州生まれ。作家。53年、麻薬中毒者を描いた『ジャンキー』でデビュー。『裸のランチ』は世界的な反響を呼び、ビートニク文学の代表作となる。著書に『ソフトマシーン』『ノヴァ急報』他。 Translator 鮎川 信夫 Nobuo Ayukawa 1920年、東京生まれ。詩人、評論家、翻訳家。早稲田大学英文科中退。詩誌「荒地」創刊に参加。作詩と詩論の両面にわたり、戦後詩の代表者の一人となる。86年逝去。代表作に「死んだ男」「現代詩とは何か」他。 山形 浩生 Hiroo Yamagata 1964年東京都生まれ。評論家、翻訳家。訳書にオーウェル『動物農場』、ケインズ『新訳 平和の経済的帰結』、ミルグラム『服従の心理』、ピケティ『21世紀の資本』(共訳)他。著書に『翻訳者の全技術』他。
ジャンキー 完全版
¥1,320
麻薬中毒者=ジャンキーのリーはニューヨークからメキシコシティまで各地を転々としながら、麻薬漬けの日々を送る…『裸のランチ』で驚異的な反響を巻き起こしたバロウズのデビュー作にして、戦後アメリカのアンダーグラウンド文化が色濃く反映された自伝的小説。最新テキストを元に全面的に訳文が見直された完全版。 [出版社より] 著 者|ウィリアム・バロウズ 訳 者|鮎川信夫 改 訂|山形浩生 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,200円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|296 ISBN|978-4-309-46816-7 発 行|2025年05月 Author ウィリアム・S・バロウズ William S. Burroughs 1914年、米国ミズーリ州生まれ。作家。53年、麻薬中毒者を描いた『ジャンキー』でデビュー。『裸のランチ』は世界的な反響を呼び、ビートニク文学の代表作となる。著書に『ソフトマシーン』『ノヴァ急報』他。 Translator 鮎川 信夫 Nobuo Ayukawa 1920年、東京生まれ。詩人、評論家、翻訳家。早稲田大学英文科中退。詩誌「荒地」創刊に参加。作詩と詩論の両面にわたり、戦後詩の代表者の一人となる。86年逝去。代表作に「死んだ男」「現代詩とは何か」他。 山形 浩生 Hiroo Yamagata 1964年東京都生まれ。評論家、翻訳家。訳書にオーウェル『動物農場』、ケインズ『新訳 平和の経済的帰結』、ミルグラム『服従の心理』、ピケティ『21世紀の資本』(共訳)他。著書に『翻訳者の全技術』他。
偉大な作家生活には病院生活が必要だ
¥2,200
生死の淵をさまよう闘病生活の果てに、左側麻痺の身となりながら生還した偉大な作家の驚異的な軌跡(奇跡!)。待望の生還第一作にして、病の前後を記録した前代未聞のエッセイ集。 [出版社より] 著 者|中原昌也 出版社|河出書房新社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|192 ISBN|978-4-309-03939-8 発 行|2024年12月 Contents 1 生存記録二〇二〇‐二〇二三(抄) 2 ぼくの採点症二〇一一‐二〇一四 3 ゾンビ的考察 ゾンビ映画、ジャンルとしての終わり ディストピア映画について Cinnamon Girl まいべけっと 4 わたしは横になりたい 5 生存記録二〇二四 偉大な作家生活には病院生活が必要だ カレー、カンヅメ、本と映画の記憶は忘却の彼方に Author 中原 昌也 Masaya Nakahara 1970年東京都生まれ。「暴力温泉芸者」名義で音楽活動の後、「HAIR STYLISTICS」として活動を続ける。著書に『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』『知的生き方教室』ほか多数。
ヘリオガバルス
¥3,850
ローマ帝国史上もっともアナーキーな皇帝ヘリオガバルス。彼の愛した男アエギヌス。宮廷に張り巡らされた陰謀によって皇位を追われ、破滅へとむかうふたりの逃避行の行方は…。 長く行方不明だった「幻の原稿」が80年ぶりに発見。『花のノートルダム』で文学を永遠に変えてしまった男が、同時期に獄中で書いたもう一つの代表作。最新の研究成果を踏まえ、本邦初訳として蘇る。21世紀の文学史的事件。 [出版社より] 著 者|ジャン・ジュネ 訳 者|宇野邦一・鈴木創士 出版社|河出書房新社 定 価|3,500円+税 判 型|四六変形判・上製 頁 数|192 ISBN|978-4-309-20926-5 発 行|2025年05月 Author ジャン・ジュネ Jean Genet 1910-86年。孤児として育ち、42年獄中で書いた『花のノートルダム』で注目される。『泥棒日記』『葬儀』などを執筆後、60年代以降は黒人解放運動、パレスチナなどに関わり『恋する虜』に結実させる。 Translator 宇野 邦一 Kuniichi Uno 1948年生まれ。哲学者・フランス文学者。立教大学名誉教授。著書に『土方巽──衰弱体の思想』『ドゥルーズ 流動の哲学』など。訳書に、アルトー『タラウマラ』、ジュネ『薔薇の奇跡』など。 鈴木 創士 Soshi Suzuki 1954年生まれ。著書に『アントナン・アルトーの帰還』『中島らも烈伝』『魔法使いの弟子』。訳書に 神の裁きと訣別するため』(共訳)『狂人の二つの体制』(共訳)『歓待の書』『ロデーズからの手紙』。
人形のアルファベット
¥2,750
肉片が、聞いている――。 ミシン、人形、缶詰、蜘蛛、そして女たち……。 奪われし者たちの悲鳴がグロテスクに世界を覆う。GRANTA「若手作家ベスト20」選出、英語圏で最も注目を集める作家による、シャーリイ・ジャクスン賞受賞作を含む鮮烈のデビュー作。 [出版社より] 「既成概念を覆す試み」 ――ウォール・ストリート・ジャーナル 「素晴らしい! 印象深く、しかし、すぐに消えてしまいそうなほど儚いイメージ。グルドーヴァは、美しさを描くための最も難しいテクニックを見事に駆使している」 ――デボラ・レヴィ(『ホットミルク』著者) 「ダークで知的で美しく、絶妙にグロテスクな、グルドーヴァの世界を読む喜び。 ――ヘレン・オイェイェミ(『あなたのものじゃないものは、あなたのものじゃない』著者) 「裂けたストッキングと手縫いのベルベットのドレス。知的なバロック小説であり、完璧かつ大胆、巧妙かつ繊細な傑作。アンジェラ・カーターの正統な後継者であるカミラ・グルドーヴァの、飾り気がなく、それでいて魅惑的な文体を、ぜひ読んで、愛してほしい!真似ごとや作り物ではない、真に奇妙に輝く宝石のような作家だから」 ――ニコラ・バーカー(2007年ブッカー賞最終候補作『Darkmans』著者) 「『人形のアルファベット』は、独自の世界を細部に至るまで創り上げている。初めて見る風景なのに、まるでずっとそこにあり、誰かに見つけられることを、そして魅了されることを待っていたかのよう」 ――シーラ・ヘティ(ニューヨーク・マガジン誌2018年ベストブック『Motherhood』著者) 著 者|カミラ・グルドーヴァ 訳 者|上田麻由子 出版社|河出書房新社 定 価|2,500円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|224 ISBN|978-4-309-20923-4 発 行|2025年05月 Author カミラ・グルドーヴァ Camilla Grudova 短編集『人形のアルファベット』収録作の「ワクシー」がシャーリイ・ジャクスン賞中編部門を受賞。2023年「GRANTA」発表のBest of Young British Novelists選出。 Translator 上田 麻由子 Mayuko Ueda 訳書にヘレン・オイェイェミ『あなたのものじゃないものは、あなたのものじゃない』、ロクサーヌ・ゲイ『むずかしい女たち』(共訳)。著書に『2/5次元クロニクル』がある。
いっそあの方が死んで下すったなら 伊澤みゆき作品集
¥3,960
少女小説の黎明期に、『少女画報』を舞台に数々の傑作を残した作家、伊澤みゆき。 その名と作品は長らく埋もれていたが、伊澤の作品が少女小説に与えた影響は大きく、吉屋信子は、「みんなが伊澤みゆきの作品がいいと思うように、自分の作品もそう思われたい」と語り、後に代表作となる『花物語』の第一編を『少女画報』に投稿したという。今あらためて、その文学的価値と独自の世界観が見直されている。 伊澤の作品には、甘く優しいだけではない、どこか影を帯びた「闇のオーラ」を放つ友愛小説が多く見られる。嫉妬や執着、ルッキズム――少女たちの内面に潜む痛みや陰りが、丁寧に、そして烈しく描かれ、百年前の少女たちの叫びは、今もなお私たちの心に鮮烈な衝撃をもたらす。 本書は、伊澤みゆき初の作品集であり、『少女画報』に掲載された全60篇を収録。テーマごとに5章に分け、彼女の多彩な作風を存分に味わえる構成とした。また、女性研究者たちによる詳細な解説も収録し、文学史的な視点からも伊澤の作品を掘り下げる一冊となっている。 [出版社より] 著 者|伊澤みゆき 出版社|国書刊行会 定 価|3,600円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|504 ISBN|978-4-336-07764-6 発 行|2025年05月 Contents Ⅰ「いっそあの方が死んで下すったなら──少女同士の愛」 Ⅱ「若く美しくお亡くなりに──追憶の人」 Ⅲ「余計なお世話よ──愛ちゃんのスケッチ」 Ⅳ「どうせわたしも捨てられた身だ──家庭の話」 Ⅴ「我は少女(おとめ )!──少女であること」 解說:永渕朋枝(神戸女子大准教授) /久米依子(日本大学文理学部特任教授 Author 伊澤 みゆき Miyuki Izawa 1890年宮城県仙台市生まれ。本名は伊澤英子(旧姓伊澤、のち伊東、須田)。父は医師の伊澤富次郎、伯父は東京師範学校長、東京音楽学校長を務めた伊澤修二。警視総監・台湾総督を歴任した伊澤多喜男は叔父で、劇作家の飯沢匡は従弟にあたる。妹のきみ子は宇野浩二の恋人で、小説『苦の世界』の主人公のモデル。 伊澤みゆきは1912年から16年にかけて、『少女画報』(東京社)に「闇に居て」「春も逝く」など60編もの少女小説を発表し、少女同士の熱い友情を描いた作品が読者から大きな支持を集めた。吉屋信子が同誌に『花物語』を投稿したのは、伊澤作品に魅了されたからだと述べている。『少女画報』の他にも、『青鞜』『赤い鳥』『処女地』『若草』に濱野雪・伊東英子の名で小説や童話を発表した。近年その作品は学術論文や研究誌でも取り上げられ、文学的な影響とその独自性が新たに評価されている。1973年没。
星沙たち、
¥2,200
SOLD OUT
音楽のために、生きている。青葉市子、はじめてのエッセイ集。 夢と現実が溶け合う、永遠に似た時間。深い海に潜って見つけた、小さな創作のかけら。 「大雨みたいな拍手が聞こえる。様々な人生のひとときを預かる、ステージの袖で、深呼吸をしている。どうか音楽よ、私たちを包んでと祈りながら。」 イラスト=青葉市子、装幀=名久井直子。 [出版社より] 著 者|青葉市子 出版社|講談社 定 価|2,000円+税 判 型|四六変型判/上製 頁 数|176 ISBN|9784065394946 発 行|2025年05月 Contents 1.停泊する商店街 2.手のひらの地球儀 3.夢のありか 4.蠢く聲たち 5.海の枕 6.空に浮かぶ塔 7.混線と結束 8.めくるめく旅路 9.兎の尾龍の爪 10.丘の上の青い光 11.水瓶 12.春のあらわし 13.翠たちの夢 14.あお、みどり。 15.夢法師 16.ねえ、ペンギン。 あとがき Author 青葉 市子 Ichiko Aoba 1990年生まれ。音楽家。自主レーベル〈hermine〉代表。 2010年のデビュー以来、8枚のオリジナル・アルバムをリリース。クラシックギターを中心とした繊細なサウンドと、夢幻的な歌声、詩的な世界観で国内外から高い評価を受けている。2021年から本格的に海外公演を開始し、数々の国際音楽フェスティバルにも出演。音楽活動を通じて森林・海洋保全を支援するプロジェクトにも参加している。2025年1月にはデビュー15周年を迎え、約4年ぶりとなる新作『Luminescent Creatures』を2月にリリース。 同月下旬からキャリア最大規模となるワールドツアー〈Luminescent Creatures World Tour〉を開催し、アジア、ヨーロッパ、北米、南米、オセアニアで計50公演以上を予定。 2023年5月号より『群像』でのエッセイ連載を開始、本書が初の単行本となる。FM京都〈FLAG RADIO〉では奇数月水曜日のDJを務めるほか、TVナレーション、CM・映画音楽制作、芸術祭でのパフォーマンスなど、多方面で活動している。
町の本屋はいかにしてつぶれてきたか——知られざる戦後書店抗争史
¥1,320
怒涛の4刷決定。 かつて本屋は「帰り道にふらっと寄る」場所だった。だが、いつのまにか町から本屋の姿はなくなり、「わざわざ行く」場所になってしまっている。いったいいつから、どのようにして、本屋は消えていったのか? 本書では、出版社・取次・書店をめぐる取引関係、定価販売といった出版流通の基本構造を整理した上で、戦後の書店が歩んだ闘争の歴史をテーマごとにたどる。公正取引委員会との攻防、郊外型複合書店からモール内大型書店への移り変わり、鉄道会社系書店の登場、図書館での新刊書籍の貸出、ネット書店の台頭――。 膨大なデータの分析からは、書店が直面してきた苦境と、それに抗い続けた闘争の歴史が見えてくる。「書店がつぶれていく」という問題の根幹を明らかにする一冊。 [出版社より] 著 者|飯田一史 出版社|平凡社[平凡社新書] 定 価|1,200円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|352 ISBN|9784582860795 発 行|2025年04月 Contents まえがき 第一章 日本の新刊書店のビジネスモデル コラム1 本屋の動向と読書の動向は必ずしも一致しない 第二章 日本の出版流通の特徴 コラム2 書店の注文・取引方法あれこれ 第三章 闘争する「町の本屋」――運賃負担・正味・新規参入者との戦い コラム3 見計らいの重視、予約と客注の軽視 第四章 本の定価販売をめぐる公正取引委員会との攻防 コラム4 返品条件付販売への切り替えはいつ起こり、いつ委託ではないと認識されたのか 第五章 外商(外売) コラム5 取次からの請求への書店の入金率の変化と返品入帳問題 第六章 兼業書店 コラム6 信認金制度 第七章 スタンドと鉄道会社系書店 コラム7 出版物のPOSの精度を高めるのはなぜむずかしいのか 第八章 コンビニエンス・ストア コラム8 書籍の客注と新刊予約注文の歴史 第九章 書店の多店舗化・大型化 コラム9 共同倉庫構想の挫折史 第十章 図書館、TRC(図書館流通センター) コラム10「送料無料」と景表法規制 第十一章 ネット書店 コラム11 2020年代の「指定配本」の増加 終章 あとがき Author 飯田 一史 Ichishi Iida 1982年青森県生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。グロービス経営大学院大学経営研究科経営専攻修了(MBA)。出版社にてカルチャー誌や小説の編集に携わったのち独立。マーケティング的視点と批評的観点からウェブカルチャー、出版産業、子どもの本、マンガ等について取材、調査、執筆。JPIC読書アドバイザー養成講座講師、電子出版制作・流通協議会「電流協アワード」選考委員。著書に『いま、子どもの本が売れる理由』(筑摩書房)、『マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの?』『ウェブ小説30年史』(以上、星海社新書)、『「若者の読書離れ」というウソ』(平凡社新書)、『電子書籍ビジネス調査報告書2024』(共著、インプレス総合研究所)など。
新版 就職しないで生きるには
¥2,090
働き方・ライフスタイル本の原点。 自分のリズムにあわせて働き、好きなことで生計を立てる。40年以上にわたり若者たちを励ましてきた不朽の名著。仕事と生き方に悩むすべての人に。 嘘にまみれて生きるのはイヤだ。だが生きていくためにはお金がいる。だから自分の生きるリズムにあわせて労働し、人びとが本当に必要とするものを売って暮らすのだ。天然石鹸をつくる。小さな本屋を開く。その気になれば、シャケ缶だってつくれる。頭とからだは自力で生きぬくために使うのだ。失敗してもへこたれるな。ゼロからはじめる知恵を満載した若者必携のテキスト[1981年初版]。解説=辻山良雄(本屋Title店主)。 [出版社より] 著 者|レイモンド・マンゴー 訳 者|中山容 出版社|晶文社[晶文社ライブラリー] 定 価|1,900円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|232 ISBN|978-4-7949-7473-0 発 行|2025年05月 Contents はじめに 小さな本屋さんをはじめた 法律なんかこわくない したたかな友人たち 心をなくして客をなくす 愛は一軒の家から…… 訳者あとがき 解説 Author レイモンド・マンゴー Raymond Mungo 1960年代後半にベトナム反戦運動に参加。その後、農場でコミューン生活をおくり、日本はじめ世界中を旅する。1973年シアトルで小さな出版社兼書店『モンタナ・ブックス』をはじめる。また原子力発電に反対してワシントン州知事選に立候補。放浪生活を送りながら、『マザー・ジョーンズ』誌の編集に携わる。著書に『河の旅、森の生活』など。 Translator 中山 容 Yo Nakayama 1931年東京生まれ。明治学院大学英文科卒業。国際基督教大学修士課程修了。翻訳家。1997年逝去。訳書にターケル『「よい戦争」』『仕事!』『アメリカの分裂』『人種問題』『ボブ・ディラン全詩302篇』(以上、共訳)、ジョン・オカダ『ノーノー・ボーイ』、ネルソン・オルグレン『シカゴ、シカゴ』(いずれも晶文社)ほか。
働きたいのに働けない私たち
¥2,090
女性は投資の対象外? 女性は好きでパートをしている!? 韓国の子持ち高学歴女性は労働市場から退場していく。社会は有能な人材を失い続け、母親たちは代わりにわが子の教育で競争に参戦する。男性本位の職場、個人化されたケアを解体するために何が必要か。スウェーデン、アメリカとの比較から考える。解説=中野円佳。 [出版社より] 「女が仕事も夢も子どもや家庭も持ちたいと願うことって、図太いからなんかじゃないよね?! とことん論理的な分析の向こうに涙が滲み出る。」 ――小林エリカ[作家・アーティスト] 「ガラスの天井、L字カーブ、ケアの個人化。労働と出産をめぐる性差別が蔓延するこの国で、〈男たち〉はずっと透明のままでいいのか」 ――清田隆之[文筆家] 著 者|チェ・ソンウン 訳 者|小山内園子 出版社|世界思想社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|160 ISBN|9784790718000 発 行|2025年05月 Contents プロローグ 図太い女の社会 1 「平等な競争」という幻想 2 女性に「学歴プレミアム」はあるか 3 母になるのは拒否します 4 より多くの女性が働けるように エピローグ 機会の平等を論じる 補論 日本の「働けない女たち」へ(チェ・ソンウン) 解説 手を取り合える日韓の女性たち(中野円佳) 訳者あとがき ブックガイド/参考文献 Author チェ・ソンウン 行政学博士。延世大学行政学科で修士号、博士号を取得後、国会立法調査処児童保育立法調査官補を経て、淑明女子大、延世大、明知大などで教鞭をとる。現在は大田世宗研究院世宗研究室の責任研究委員として、世宗特別自治市の女性、子ども、少子化政策の課題を研究。キャリア女性の雇用対応政策、子どもの遊ぶ権利を保障した公共の遊び場の活性化、ワーキングママ支援センターの運営などについて提言を行ってきた。合計特殊出生率0.75と深刻な少子化に悩む韓国にあって、世宗特別自治市は1.03を記録(韓国統計庁、2024年の合計特殊出生率〔暫定値〕)。特別市・広域市の中で唯一1を超える自治体であり、その実践が注目を集めている。 Translator 小山内 園子 Sonoko Osanai 韓日翻訳家、社会福祉士。NHK報道局ディレクターを経て、延世大学校などで韓国語を学ぶ。訳書にク・ビョンモ『破果』『破砕』(岩波書店)、チョ・ナムジュ『耳をすませば』(筑摩書房)、『私たちが記したもの』(すんみとの共訳、筑摩書房)、カン・ファギル『大仏ホテルの幽霊』(白水社)、イ・ミンギョン『私たちにはことばが必要だ』『失われた賃金を求めて』(すんみとの共訳、タバブックス)など、著書に『〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学』(NHK 出版)がある。
「働けない」をとことん考えてみた。
¥2,090
働かない、働けない、働きたくない……。 「普通の働き方」ってなんだろう? ロスジェネ世代、非正規雇用、職場のハラスメント、うつと休職、生活保護、障害年金──。 『ぼそぼそ声のフェミニズム』著者がつづる〈働けない〉側から考える、あたらしい労働論。「ウェブ平凡」で話題を呼んだ好評連載に、書き下ろしを加え書籍化。 [出版社より] 著 者|栗田隆子 出版社|平凡社 定 価|1,900円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|216 ISBN|9784582839654 発 行|2025年02月 Contents はじめに 一章 働かない、働けない、働きたくない ……時代が私に追いついてきてしまったのか? 「正規雇用」の「正」ってナニ? ──正規雇用と非正規雇用の分断の正体 働けない人間の身に起きたこと──年金制度に潜む差別 独身女性のイメージの変遷を追ってみる──ゼロ年代から二〇年代まで インボイス制度──国家や企業の本音が透け透け 「女性活躍」とは何なのか? ──「女性の人権」とは似て非なるもの 世界は無償労働で回っている──有償労働と無償労働の違いって? 二章 「普通になりたい」という願望 “怠ける”というタブー ──うつ病の人が闘う相手とは 「お天気屋さん」として生きている いつまでも楽にならない労働の話 頑張りゃいいってものじゃない 「おおきなかぶ」と「新時代の『日本的経営』」 三章 不安定な私の労働と、働かなくてもよい人たち 「怠け者」列伝 働いているけど、働いてない 不労所得──あるいは「稼ぎ」が目的ではない仕事 ポイ活──消費の導火線、あるいは労働の残滓 おわりに Author 栗田 隆子 Ryuko Kurita 文筆家。1973年生まれ。大阪大学大学院で哲学を学び、シモーヌ・ヴェイユを研究。その後、非常勤職や派遣社員などのかたわら女性の貧困問題や労働問題を中心に新聞・雑誌などで執筆。著書に『ぼそぼそ声のフェミニズム』(作品社)、『呻きから始まる 祈りと行動に関する24の手紙』(新教出版社)、『ハマれないまま、生きてます こどもとおとなのあいだ(シリーズ「あいだで考える」)』(創元社)、共著に『1995年 未了の問題圏』(大月書店)、『フェミニズムはだれのもの? フリーターズフリー対談集』(人文書院)、『高学歴女子の貧困 女子は学歴で「幸せ」になれるか?』(光文社新書)など。
焼死体たちの革命の夜
¥3,256
病に倒れる直前までに書かれた短篇を集成。馬に乗って新宿を彷徨う「あの農場には二度と」など、時代の危機を先取りする崩壊感覚と、生のあり方を問う真摯さに貫かれた世界水準の傑作。 [出版社より] 著 者|中原昌也 出版社|河出書房新社 定 価|2,960円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|224 ISBN|978-4-309-03960-2 発 行|2025年04月 Author 中原 昌也 Masaya Nakahara 1970年東京都生まれ。「暴力温泉芸者」名義で音楽活動の後、「HAIR STYLISTICS」として活動を続ける。著書に『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』『知的生き方教室』ほか多数。
ヘルシンキ 生活の練習はつづく
¥1,980
ガチ多様性。 「1日8時間労働だったら、3時間ちょっと、ぼんやりしてください」。ふたりの子どもと北欧へ渡った社会学者による、現地レポート。 「一日八時間労働だったら、三時間ちょっと、ぼんやりしてください」――健康診断の看護師さん 「自分のホームはフィンランドだと思って、ここに根づいてほしい」――ゲオルギー 「母ちゃんは戦争になったら、ユキとクマをすぐ日本に連れていってくれる?」――ユキ 「ここでどんなにたくさんのことを教わったか、みんながどれだけよく僕をお世話してくれたか、僕は言葉では言えない」――クマ 「日本ではどうも、おじいさんが偉くなるルールがあるっぽいな」――ユキ 「言葉で世界があんねん」――ユキ 「みんしゅしゅぎのくにでは、みんながいやだといったら、せんそうが続けられない」――クマ etc. 「多様なのが普通」って、こういうことなのか。 [出版社より] 著 者|朴沙羅 出版社|筑摩書房 定 価|1,800円+税 判 型|四六版/並製 頁 数|336 ISBN|978-4-480-81581-1 発 行|2024年08月 Contents はじめに 1 大人と働く 2 戦争と平和(前編) 3 戦争と平和(後編) 4 特殊なのは誰か 5 見えないルール 6 エリライシアが普通 7 みんなのための善いこと おわりに 注 装丁・装画・本文設計 寄藤文平+垣内晴(文平銀座) Author 朴 沙羅 パク・サラ 専攻は社会学(ナショナリズム研究)。ヘルシンキ大学文学部文化学科講師。著作に『ヘルシンキ 生活の練習』、『家(チベ)の歴史を書く』(ちくま文庫)、『外国人をつくりだす』(ナカニシヤ出版)など。
崩壊概論
¥1,540
現代の黙示録、ここに甦る。 透徹した懐疑が矛盾の総体たる世界を熾烈なまでに問いただす。信念は解体され、拠って立つ基盤は崩壊する――。幻影の破棄と新たな幻影を希求した本書は、シオランが母語であるルーマニア語ではなくフランス語で初めて著した作品。未来に倦み、同時に言いようのない渇きに襲われながら、思想家は敗滅へと向かう人間の宿命を凝視する。繊細と皮肉、陶酔と幻滅、憤怒と倦怠、明視と錯乱……。不眠の夜々に咲いた断章群、それは、まぎれもなく現代の黙示録としてわれわれの精神に浸潤し、揺さぶりをかけるだろう。解説=大谷崇。 [出版社より] 著 者|E.M.シオラン 訳 者|有田忠郎 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|1,400円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|352 ISBN|978-4-480-51297-0 発 行|2025年04月 Contents 日本語版への序 崩壊概論 発作的な思想家 頽廃(デカダンス)のさまざまな顔 聖性と「絶対」のしかめ面 知の舞台装置 放棄 訳者あとがき 解説 大谷崇 Author E.M.シオラン E. M. Cioran 1911-95年。ルーマニア生まれの作家、思想家。1937年パリに移り住み、後年はフランス語で数多くの著作を残した。『歴史とユートピア』によりコンバ賞を受賞。著書に『絶望のきわみで』『思想の黄昏』『告白と呪詛』(以上、紀伊國屋書店)、『敗者の祈?書』『悪しき造物主』『四つ裂きの刑』(以上、法政大学出版局)など。 Translator 有田 忠郎 Tadao Arita 1928-2012年。九州大学大学院第二期修了。詩人、翻訳家、フランス文学者。専門はフランス詩。西南学院大学名誉教授。
毛糸のズボン——直野祥子トラウマ少女漫画全集
¥1,100
甦る恐怖。 いちばん恐ろしいのは、人間――。 誰もが思い当たる人間心理を突き詰めたサスペンスで70年代の少女たちを震え上がらせた直野祥子のトラウマ少女漫画をここに集成。全収録作への自作解説付き。 おばあちゃんの手編みのズボンを穿きたくないひろしが取った行動は?(「毛糸のズボン」)、「両親に似ていない」と言われたマリは不安のあまり弟を……(「マリはだれの子」)、家族旅行を楽しむさち子はアイロンを切り忘れてきたのではと不安に思い始める――(「はじめての家族旅行」)。 [出版社より] 著 者|直野祥子 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|1,000円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|336 ISBN|978-4-480-44009-9 発 行|2025年02月 Contents マリはだれの子 毛糸のズボン おつたさま 宿題 ひも かくれんぼ 復讐 こじきの死 はじめての家族旅行 首かざり 雨 シャイアンの大わし 血ぞめの日記が空を舞う へび神さま 自作解説――漫画と私 Author 直野 祥子 Yoshiko Naono 漫画家、イラストレーター。神戸・六甲で生まれ、夙川で育つ。1968年、「ガロ」の新人募集コーナーで「実験」が入選し、漫画家としてデビュー。1971年~1973年にかけて少女漫画雑誌「なかよし」「少女フレンド」誌上にて、人間心理をえぐるような異色のサスペンス作品の数々を発表、そのショッキングな内容は当時の読者に多大なトラウマを植え付けた。以降は「ビッグコミック」や「女性セブン」、「女性自身」などで活躍を続けるも1995年の阪神淡路大震災で被災し、初期の原稿はほぼ消失。2005年、生まれ育った昭和30年代の夙川での家族の暮らしを絵日記として記した『夙川ひだまり日記』を小学館スクウェアより出版。
映画 視線のポリティクス——古典的ハリウッド映画の戦い
¥1,210
フィルム・スタディーズという研究領域を切り拓いた画期的な映画生成批評。 スタジオ・システムという強力な支配形態のもとにおかれた、古典的ハリウッド映画産業。利潤追求を至上命令とする製作会社によって俳優・監督・脚本家他あらゆる関係者が管理されるなか、激動期のアメリカで、いかにして映画は製作されたのか。監督と撮影所の対立、陸軍による検閲、自主検閲的倫理規定ヘイズ・コード、第二次世界大戦のプロパガンダ映画、それに携わった黒人映画作家……。複雑な力学が働く映画の生成過程に、文書資料や関係者インタビューなど一次資料を用いて実証的に迫る。映画学(フィルム・スタディーズ)という研究領域を切り拓いた画期的作品。 解説=板倉史明。 [出版社より] 著 者|加藤幹郎 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,100円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|256 ISBN|978-4-480-51299-4 発 行|2025年05月 Contents 第1章 検閲と生成 スクリューボール・コメディ論 プレストン・スタージェス・コレクション/ジャンルと作家/フランク・キャプラと人民喜劇/署名のないフィルム/世界の中心ハリウッド/笑いの数値化/検閲と生成 第2章 喜劇映画作家がプロパガンダを撮るとき キャプラ都へ行く/ハリウッド戦時娯楽映画/戦前の喜劇映画/「キャプラ組」顛末記/システムと戦う個人/プロパガンダ映画のディコンストラクション/ディズニー・アニメーション/最後の人民喜劇 第3章 雇われた黒人 カールトン・モス・インタビュー 老兵は死なず/プロパガンダを撮る/黒人よ銃を取れ/ワシントンから来た男/銃口は誰に向けられたか 第4章 ジャンルとジェンダー ジャンルの混淆/年少犯罪もの/ハリウッドの戦後体制/女のフラッシュバック/?の編集/最後の教訓 補 遺 映画製作倫理規定 文庫版解説 種蒔かれた映画学 板倉文明 映画題名索引 Author 加藤 幹郎 Mikiro Kato 1957-2020年。長崎生まれ。筑波大学比較文化学類卒業、同大学大学院文芸・言語研究科単位取得退学。京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て、同名誉教授。日本映画学会初代会長。著書に『映画館と観客の文化史』(中公新書)、『日本映画論 1933-2007』(岩波書店)、『荒木飛呂彦論』(ちくま新書)、『映画とは何か』『映画ジャンル論』(ともに増補改訂版、文遊社)などがある。
ベオグラード日誌 増補版
¥1,056
SOLD OUT
戦争の傷、読書の歓び、セルビアでの暮らし。 日記文学の傑作、待望の増補文庫化。読売文学賞受賞作に、新たに最近6年間の日誌を増補。 セルビア語と日本語の詩を読み書く毎日、街角で語られるNATO空爆の悲惨な記憶、難民のこどもたちとの触れ合い、各地の戦争や東日本大震災へ寄せられる人びとの言葉、友人たちとの親密な時間、そして別れ……セルビアの首都ベオグラードで詩人が記した、歓びと哀しみの日々のかけら。読売文学賞受賞の日記文学の傑作に新たに最近6年間をまとめた日誌を増補。解説=小林エリカ。 [出版社より] 「激動の時代は続く。それでもささやかな営みが、出会いと別れが、細やかな他者との繋がりが、きっと世界を変える」 ――宇垣美里 著 者|山崎佳代子 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|960円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|286 ISBN|978-4-480-44019-8 発 行|2025年04月 Contents はじめに またひとつ舟が出ていく ―― 2001年6月23日~12月26日 貝のための子守唄 ―― 2002年1月26日~12月27日 血まみれの童話 ―― 2003年1月1日~12月25日 痕跡 ―― 2004年1月2日~12月26日 谷に響く笛 ―― 2005年1月1日~12月24日 骸骨の瞳、骸骨の口 ―― 2006年1月5日~10月8日 軽くて小さいが麗しいもの ―― 2007年1月3日~5月7日 あきらめないでください ―― 2009年5月~2012年6月 終わりに ―― 「小さな言葉」という小窓から 続・ベオグラード日誌 ―― 2019年1月1日~2025年2月18日 解説 小林エリカ Author 山崎 佳代子 Kayoko Yamasaki 詩人、翻訳家。1956年生まれ、静岡市に育つ。北海道大学露文科卒業。サラエボ大学文学部、リュブリャナ民謡研究所留学を経て、1981年よりセルビア共和国ベオグラード市在住。ベオグラード大学文学部にて博士号取得(比較文学)。著書に『そこから青い闇がささやき』(ちくま文庫)、『パンと野いちご』(勁草書房)、『ドナウ、小さな水の旅』(左右社)など、詩集に『黙然をりて』『みをはやみ』(書肆山田)、『海にいったらいい』(思潮社)など、翻訳書にダニロ・キシュ『若き日の哀しみ』『死者の百科事典』(創元ライブラリ)などがある。
傷のあわい
¥880
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『傷を愛せるか』の著者の原点となるエスノグラフィ。 米国で何者かになろうと海を越えた青年、夫の海外転勤に合わせて渡米した女性、人生に詰んで海外へ拠点を移した男性──。異国の地で、不安定さや傷つきに揺れながらも、そのとき成しえる最良の力で人生にぶつかっていく。その語りに、若き日の著者が耳を傾け、生きるということを同じ目線で考えた記録。解説=奈倉有里。 [出版社より] 著 者|宮地尚子 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|800円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|240 ISBN|978-4-480-44015-0 発 行|2025年04月 Contents 文庫版まえがき はじめに 孤独の物語 アメリカン・ドリーム 移民候補生 リミナリティ PTSD(前編) PTSD(後編) ステレオタイプ 恋愛と結婚 邦人援護 二〇歳の人生落伍者 謎の女 パレスチナ レクイエム GOOD BYE=THANK YOU あとがき 解説 ひとりひとりの顔が見える 奈倉有里 Author 宮地 尚子 Naoko Miyaji 一橋大学大学院社会学研究科特任教授。専門は文化精神医学・医療人類学・トラウマとジェンダー。精神科の医師として臨床をおこないつつ、研究をつづけている。1986年京都府立医科大学卒業。1993年同大学院修了。主な著書に『傷を愛せるか 増補新版』(ちくま文庫)、『トラウマ』(岩波新書)、『ははがうまれる』(福音館書店)、『環状島=トラウマの地政学』(みすず書房)、『傷つきのこころ学』(NHK出版)がある。
傷を愛せるか 増補新版
¥792
どれほど医療が進んでも、傷ついた心を癒す薬はない。悲痛に満ちた被害者の回復には何が必要か。臨床医による深く沁みとおるエッセイ。 たとえ癒しがたい哀しみを抱えていても、傷がそこにあることを認め、受け入れ、傷の周りをそっとなぞること。過去の傷から逃れられないとしても、好奇の目からは隠し、それでも恥じずに、傷とともにその後を生きつづけること──。 バリ島の寺院で、ブエノスアイレスの郊外で、冬の金沢で。旅のなかで思索をめぐらせた、トラウマ研究の第一人者による深く沁みとおるエッセイ。解説=天童荒太。 [出版社より] 著 者|宮地尚子 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|720円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|256 ISBN|978-4-480-43816-4 発 行|2022年09月 Contents Ⅰ 内なる海、内なる空 なにもできなくても 〇(エン)=縁なるもの モレノの教会 水の中 内なる海 泡盛の瓶 だれかが自分のために祈ってくれるということ 予言・約束・夢 Ⅱ クロスする感性――米国滞在記+α 二〇〇七―二〇〇八 開くこと、閉じること 競争と幸せ ブルーオーシャンと寒村の海 冬の受難と楽しみ 宿命論と因果論 ホスピタリティと感情労働 右も左もわからない人たち 弱さを抱えたままの強さ 女らしさと男らしさ 動物と人間 見えるものと見えないもの 捨てるものと残すもの ソウル・ファミリー、魂の家族 人生の軌跡 Ⅲ 記憶の淵から 父と蛇 母が人質になったこと 母を見送る 溺れそうな気持ち 本当の非日常の話 張りつく薄い寂しさ Ⅳ 傷のある風景 傷を愛せるか あとがき 文庫版あとがき 解説 切実な告白と祈り 天童荒太 初出一覧 エピグラフ・出典 Author 宮地 尚子 Naoko Miyaji 一橋大学大学院社会学研究科特任教授。専門は文化精神医学・医療人類学・トラウマとジェンダー。精神科の医師として臨床をおこないつつ、研究をつづけている。1986年京都府立医科大学卒業。1993年同大学院修了。主な著書に『傷を愛せるか 増補新版』(ちくま文庫)、『トラウマ』(岩波新書)、『ははがうまれる』(福音館書店)、『環状島=トラウマの地政学』(みすず書房)、『傷つきのこころ学』(NHK出版)がある。
目的をもたない意志 増補版 ——山川方夫エッセイ・コレクション
¥1,100
大江健三郎、アントニオーニ、若尾文子、東京、戦争、恋愛論……。夭折の天才作家、唯一のエッセイ集。妻・山川みどりの回想などを増補。 『文学』は私にとり、まず私の存在のしかたであり、態度なのだ——。 大江健三郎、サルトル、石原慎太郎、若尾文子、日劇、『去年マリエンバートで』、『キングコング対ゴジラ』……。文学はもちろん映画や自由、恋愛まで作家がクールな文体で語るエッセイ集。新たな7篇のほか、妻・山川みどりによる作家との出会いや夫婦の生活をめぐるエッセイ4篇を増補した決定版。 [出版社より] 著 者|山川方夫 編 者|高崎俊夫 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|1,000円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|320 ISBN|978-4-480-44020-4 発 行|2025年04月 Contents 第一章 灰皿になれないということ 灰皿になれないということ 〝自由〟のイメージ 永井龍男氏の「一個」 ―― 〈作家論の試み〉 サルトルとの出逢い 早春の記憶 ―― グレアム・グリーンをめぐって 大江健三郎『われらの時代』 高橋和巳『悲の器』 村松剛『文学と詩精神』 獅子文六『町ッ子』 可笑しい奴 ―― 西島大君のこと 江藤淳氏について 中原弓彦氏について 『遠来の客たち』の頃 ―― 曾野綾子氏について 石原慎太郎氏について 第二章 わが町・東京 わが町・東京 神話 「日々の死」の銀座 正常という名の一つの狂気 ―― 「りゅうれんじん」〈仮題〉の原作者として 恋愛について 日劇 ―― 都会化のシンボル 麻美子と恵子と桐子の青春 海を見る 山を見る――ある心象風景として 「ザ・タリスマン」白書 半年の後…… わがままな由来 ―― ペンネーム誕生記 あの頃 一通行者の感慨 私の良妻論 第三章 目的をもたない意志 ―― 映画をめぐる断章 増村保造氏の個性とエロティシズム ―― 主に『妻は告白する』をめぐって 映画批評家への公開状 目的をもたない意志 ―― マルグリット・デュラスの個性 『情事』の観念性 中途半端な絶望 ―― アントニオーニの新作をめぐって 『二十歳の恋』 『去年マリエンバートで』への一つの疑問 『かくも長き不在』 『シルヴィ』の幻 『肉体市場』 『恋や恋なすな恋』 『オルフェの遺言』 『キングコング対ゴジラ』 付録 『山川方夫全集』月報より 山川みどり なにもかも忽然と 最初で最後の夏 ようこそ、はるばる二宮へ 三十三年目の二宮 批評家・エッセイストとしての山川方夫 高崎俊夫 ちくま文庫版のための編者あとがき 高崎俊夫 Author 山川 方夫 Masao Yamakawa 1930年、東京生まれ。慶應義塾大学大学院中退後、第3次「三田文学」編集長として、江藤淳、坂上弘、曾野綾子をデビューさせるかたわら、自らも創作を発表する。「日々の死」で注目を集め、1958年に商業誌に進出。「演技の果て」「海の告発」など5作が芥川賞、「クリスマスの贈物」が直木賞の候補となる。65年、交通事故にて逝去。著書に『箱の中のあなた』『長くて短い一年』(ちくま文庫)、『親しい友人たち』(創元推理文庫)、『夏の葬列』『安南の王子』(集英社文庫)などがある。 Editor 高崎 俊夫 Toshio Takasaki 1954年福島県生まれ。「スターログ日本版」「月刊イメージフォーラム」「一枚の繪」「AVストア」編集部等を経て、フリーランスの編集者・映画評論家。編集した書籍に『ものみな映画で終わる ―― 花田清輝映画論集』(清流出版)、『テレビの青春』(今野勉著・NTT出版)、『ニセ札つかいの手記 ―― 武田泰淳異色短篇集』(中公文庫)、『親しい友人たち ―― 山川方夫ミステリ傑作選』(創元推理文庫)、『むしろ幻想が明快なのである ―― 虫明亜呂無レトロスペクティブ』(ちくま文庫)ほか多数。著書に『祝祭の日々 ―― 私の映画アトランダム』(国書刊行会)がある。
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