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遺言——対談と往復書簡
¥1,045
未曽有の大災害の後、言葉を交わしあうことを強く望んだ作家と染織家。残された時間を自覚する中で実現した対談と往復書簡。 東日本大震災後、自らの仕事の根本が揺らぐように感じた染織家・志村ふくみが、長年交流のあった作家・石牟礼道子へ手紙を送って始まった往復書簡。折しも、石牟礼は生涯最後の作品として新作能を構想しているところだった。作家と染織家が新しいよみがえりを祈って紡いだ次世代へのメッセージ。往復書簡と二度の対談、遺作となった「沖宮」を収録。解説=志村洋子、志村昌司。 [出版社より] 著 者|石牟礼道子・志村ふくみ 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|950円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|304 ISBN|978-4-480-43531-6 発 行|2018年09月 Contents 二〇一一(平成二十三)年 書簡 二〇一二(平成二十四)年 書簡 第一回対談(四月二十二日) 沖宮 二〇一三(平成二十五)年 書簡 第二回対談(五月三十一日) Author 石牟礼 道子 Michiko Ishimure 1927-2018年。作家。熊本県天草郡に生まれ水俣市に育つ。69年『苦海浄土――わが水俣病』を刊行。73年マグサイサイ賞、86年西日本文化賞を受賞。93年に本作『十六夜橋』で紫式部文学賞受賞。2001年度朝日賞受賞。02年『はにかみの国――石牟礼道子全詩集』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。他の著書に『アニマの鳥』『椿の海の記』『石牟礼道子全集 不知火』などがある。 志村 ふくみ Fukumi Shimura 1924年滋賀県近江八幡生まれ。55年植物染料による染色を始め、57年第四回日本伝統工芸展に初出品で入選。83年『一色一生』で大佛次郎賞受賞。86年紫綬褒章受賞。90年国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。93年『語りかける花』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。著書に『色を奏でる』『小裂帖』『ちよう、はたり』『つむぎおり』など。
十六夜橋 新版
¥1,100
うつつとまぼろし、生と死、恋の道行き――。 石牟礼道子、名著復刊。 南九州・不知火(しらぬい)の海辺の地「葦野」で土木事業を営む萩原家。うつつとまぼろしを行き来する当主の妻・志乃を中心に、人びとの営み、恋、自然が叙情豊かに描かれる傑作長編。作者の見事な筆致で、死者と生者、過去と現在、歓びと哀しみが重なり、豊饒な物語世界が現れる。第三回紫式部文学賞受賞作品。解説=米本浩二。 [出版社より] 著 者|石牟礼道子 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|1,000円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|432 ISBN|978-4-480-43860-7 発 行|2023年01月 Author 石牟礼 道子 Michiko Ishimure 1927-2018年。作家。熊本県天草郡に生まれ水俣市に育つ。69年『苦海浄土――わが水俣病』を刊行。73年マグサイサイ賞、86年西日本文化賞を受賞。93年に本作『十六夜橋』で紫式部文学賞受賞。2001年度朝日賞受賞。02年『はにかみの国――石牟礼道子全詩集』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。他の著書に『アニマの鳥』『椿の海の記』『石牟礼道子全集 不知火』などがある。
新装版 苦海浄土 わが水俣病
¥836
人の尊厳とは何か——。いまこそ心打つ<声>を聞いてください。 文字が大きく読みやすくなった新装版。 工場廃水の水銀が引き起こした文明の病・水俣病。この地に育った著者は、患者とその家族の苦しみを自らのものとして、壮絶かつ清冽(せいれつ)な記録を綴った。本作は、世に出て30数年を経たいまなお、極限状況にあっても輝きを失わない人間の尊厳を訴えてやまない。末永く読み継がれるべき<いのちの文学>の新装版。 [出版社より] 著 者|石牟礼道子 出版社|講談社[講談社文庫] 定 価|760円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|416 ISBN|9784062748155 発 行|2004年07月 Contents 第1章 椿の海 第2章 不知火海沿岸漁民 第3章 ゆき女きき書 第4章 天の魚 第5章 地の魚 第6章 とんとん村 第7章 昭和四十三年 Author 石牟礼 道子 Michiko Ishimure 1927年、熊本県天草郡に生まれる。’69年、『苦海浄土』を刊行、水俣病の現実を伝え、魂の文学として描き出した作品として絶賛される。’70年、第1回大宅壮一賞に選ばれるが受賞辞退。’73年、マグサイサイ賞受賞。’93年、『十六夜橋』(ちくま文庫)で紫式部文学賞受賞。2002年、朝日賞受賞。同年、新作能「不知火」を発表。’03年、『はにかみの国―石牟礼道子全詩集』(石風社)で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。
さみしくてごめん
¥1,760
ロングセラー『水中の哲学者たち』で颯爽とデビューした在野の若手哲学者・永井玲衣の最新エッセイ。世界の奥行きを確かめる。 「わたしはいつまでも驚いていたい。こわがっていたい。絶望して、希望を持ちたい。この世界から遊離せずに、それをしつづけたい。世界にはまだまだ奥行きがあるのだから」 今、もっとも注目される書き手、永井玲衣の最新刊。 [出版社より] 著 者|永井玲衣 出版社|大和書房 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|240 ISBN|9784479394532 発 行|2025年06月 Contents 1 やっぱりハリーポッタリ わたしが飲むとこ見ててよ タイツを履き忘れてすみませんでした ばかものよとかうざいんだけど シーサーには怖い顔をしていてほしい 箸、ごめんなさいね 夜に手紙を書くな 思ったより小さい あたらしい犬を提案する 2 念入りな散歩 1月1日の日記 思い出せないことが絶えず思い出される街、渋谷 見られずに見る 試みる 3 さみしくてごめん それ、宇宙では通用しないよ iPadを叩き割れ 後ろの風景を置き去りにすれば見える そうなのか これが そうなのか 身に覚えのない場合はご対応ください なんだかさみしい気がするときに読む本 考えるための場 4 この本はもう読めない 枕辺の足 きみの足を洗ってあげる 穴だらけの幸福 ただ存在するたけ運動 徹夜のための徹夜 ないがある 今は、知っている ただ、考えたい あとがき Author 永井 玲衣 Rei Nagai 1991年、東京都生まれ。哲学研究と並行して、学校・企業・寺社・美術館・自治体などで哲学対話を幅広く行っている。哲学エッセイの連載なども手がける。独立メディア「Choose Life Project」や、坂本龍一・Gotch主催のムーブメント「D2021」などでも活動。詩と植物園と念入りな散歩が好き。
到来する女たち——石牟礼道子・中村きい子・森崎和江の思想文学
¥2,620
不揃いなままで「わたし」が「わたしたち」になる──。 1958年に創刊された雑誌『サークル村』に集った石牟礼道子、中村きい子、森崎和江が聞書きなどの手法で切り拓いた新たな地平を、『中上健次論』が話題を呼んだ著者が「思想文学」の視点で読み解く。 「『サークル村』を通して、彼女たちが手に入れたのは、儚い「わたし」(たち)の小さな「声」を顕すための言葉であったにちがいない。この新しい集団の言葉は、異質なものと接触し遭遇することで自らを鍛え、異質な他者とともに葛藤を抱えながらも不透明な現実を生きようとする言葉でなければならなかった。支配や権力、垂直的な位階制や序列的な差別から自由で、不揃いなままで水平的に「わたし」は「わたしたち」になる。 三人の女たちは、そのような「わたし」と「わたしたち」を創造/想像し、「わたし」と「わたしたち」とを表現しうる言葉を発明しようとしたのではなかったか」 ・石牟礼道子(1927-2018)【熊本】……熊本県天草生まれ。詩人、作家。生後すぐに水俣へ。著書に『苦海浄土』『椿の海の記』『西南役伝説』ほか。 ・中村きい子(1928-1996)【鹿児島】……鹿児島生まれ。小説家、作家。母をモデルにした小説『女と刀』は大きな話題を呼び、木下恵介監督によりドラマ化もされた。 ・森崎和江(1927-2022)【福岡】……朝鮮大邱生まれ。詩人、作家。17歳で単身九州へ渡り、58年筑豊炭鉱近郊の中間に転居、谷川雁らと『サークル村』創刊。著書に『まっくら』『慶州は母の呼び声』『非所有の所有』など。 [出版社より] 著 者|渡邊英理 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|400 ISBN|978-4-86385-678-3 発 行|2025年07月 Contents はじめに 1 集団・聞書き・女たち 2 「思想文学」として読む 3 三人の横顔 4 本書の構成と概要 第1章 はじまりとしての『サークル村』 1 戦後文化運動と『サークル村』 2 『サークル村』の「女性表現」 3 九州の「南」 4 「南」の女たち 5 「南九州」の集団と文化 6 「戦争小説」/「戦後文学」 7 「エロス」と女たち 8 〈非所有の(非)所有〉 第2章 母の肖像/群像──中村きい子『女と刀』 1 娘による母の伝記 2 「南九州」の宗教と「差別」 3 下級武士の娘 4 不適切な擬態 5 意に沿わぬ結婚 6 抜かれぬ刀、女の争闘 7 〈借り物〉からはじめる 8 あらがねの肌と性愛(エロス) 第3章 連なり越えゆく世界を感受する──石牟礼道子『椿の海の記』 1 あわいを漂う言葉 2 交通と(被)開発の時空 3 分解と再生産、「生類世界」とコモンズ 4 家父長制とケアの実践 5 ケアする人びと 6 「女」という階級 第4章 不透明な他者と女同志の絆──森崎和江『遙かなる祭』 1 小フィクション説という言葉の機構 2 放浪という運動性 3 日本の二重構造 4 批判としてのフィクション 5 階級/性/「民族」 6 異郷の神々と女たちの「交流」 7 海と女の思想圏 第5章 交差する言葉、流動する女たち 1 「失対人夫」、「都市雑業層」 2 階級と性、あるいは労働と愛 3 「流民/型労働者」と被差別民 4 「流民」の女たち 5 到来する女/言葉 註 あとがき Author 渡邊英理 Eri Watanabe 熊本県生まれ、鹿児島県(霧島市・鹿児島市)育ち。大阪大学大学院人文学研究科教授。日本語 文学、批評/批評理論、思想文学論。東京大学大学院総合文化研究科単位取得後満期退学。博士 (学術、東京大学、二〇一二年)。 主要著書に、単著『中上健次論』(インスクリプト、二〇二二年七月、第一四回表象文化論学会 賞)、共編著『クリティカルワード 文学理論』(三原芳秋・鵜戸聡との編著、フィルムアート社、 二〇二〇年)、共著『〈戦後文学〉の現在形』(紅野謙介・内藤千珠子・成田龍一編、平凡社、二 〇二〇年)、共著『文学理論の名著50』(大橋洋一・三原芳秋編著、平凡社、二〇二五年)、共著 『二十一世紀の荒地へ』(酒井直樹・坪井秀人との鼎談収録、以文社、二〇二五年)など。 論文に、「戦争と女たち― 鈴木忠志の演劇における「現代世界」と「戦後日本」」『思想』二〇 二四年八月号(岩波書店、二〇二四年七月)、「復讐と砂漠― 安部公房『砂の女』と〈戦後文 学〉」『現代思想』一一月臨時増刊号(青土社、二〇二四年一〇月)、「未完の晩年様式、未決の 「アジア的想像力」」『群像』二〇二四年七月号(講談社、二〇二四年六月)など。文芸批評では、共同通信・文芸時評「いま、文学の場所へ」(二〇二三年四月〜)、「女たちの群像」 『群像』(講談社、二〇二五年五月号〜)、「おごじょの本棚」『西日本新聞』(二〇二五年六月〜)、 「新人小説月評」『文學界』(文藝春秋、二〇二三年八月号〜二〇二四年七月号)などを連載。森崎和江 『能登早春紀行』「解説・旅する言葉、海と女の思想圏」(中公文庫、二〇二五年)、温又柔 『魯肉飯のさえずり』「解説」(中公文庫、二〇二三年)など、文庫解説も手がけている。
シャーロック・ホームズの護身術 バリツ
¥2,420
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「崖っぷちから落ちかけたぼくたちは一瞬ふたりそろってよろめいたんだ。でもぼくは日本の格闘術であるバリツを少々かじっていて、何度もそれに救われたことがあってね」 ――サー・アーサー・コナン・ドイル『空き家の冒険』より 名探偵シャーロック・ホームズが宿敵モリアーティ教授とライヘンバッハの滝で対決した際に披露した伝説の格闘術バリツ(Baritsu)。 そのルーツはイギリス人エドワード・W.バートン=ライトが日本の柔術にボクシング、サバット、ステッキ術を組み合わせて生み出した護身術「バーティツ(Bartitsu)」ではないかと言われている。1899~1900年に発表された当時そのままの120点を超える写真と文章で幻の護身術を一挙紹介。第58回造本装幀コンクール「読書推進運動協議会賞」受賞作品。 [出版社より] 「夢にまで見たバリツ!! ホームズを救った謎の護身術の正体がついにここまで詳しくわかるだなんて驚いた!!“最後の事件”の大解決」 ——シャーロキアンの大槻ケンヂさん 著 者|エドワード・ウィリアム・バートン=ライト 訳 者|田内志文 監 修|新美智士 出版社|平凡社 定 価|2,200円+税 判 型|四六変型判/上製 頁 数|192 ISBN|9784582839555 発 行|2024年03月 Contents 新しい護身術 厄介者を部屋から追い出す 顔面を狙ってきた相手を無力化する 背後からの奇襲で羽交い絞めにされ両腕を封じられてしまったら 腰のベルトをつかまれたり、コートのポケットをつかもうとされたら あなたの襟をつかんでいる相手の右手を振りほどき、投げ飛ばす 背後から捕まえ、力を使わずに転がす 地面に倒れて動けない相手を押さえこむ 相手に両手首をつかまれてしまったら 襟の折り返しをつかんで相手から逃れ、投げ飛ばす 相手にコートをつかまれ揺さぶられる――相手からどう逃れ、どう投げ倒すか 右手で顔面に殴りかかってくる相手から防御する 背後から襟をつかんできた相手から逃れる方法 相手に右腕をつかまれてしまったら 杖を使った護身術 間合いで防御する――相手との間合いを広げ、攻撃を受けるリスクを回避しつつ相手を射程に捉え続ける 相手の杖の射程から外に出つつ攻撃をする 両手で杖を使う――軽い杖を持った相手に襲われたときに、片手では扱いきれない重い杖を持っていたら 軽い杖や傘しか持っていないのに、頑丈な杖を持つ相手に襲われたなら 杖を使ってボクサーから身を護る 同じような杖を手にした相手を無力化するには 背が高く、すばやさにもステッキ術にも自信がない人が、自分より背が低い熟練の相手と出くわしたら 杖を持っているときにキックの達人が襲ってきたら 普通の杖しか持っていないのに、先の尖った棒や長い棒を持つ相手に襲われたときには 杖を使えなくしようと飛びこんでくる相手を撃退する まっすぐな杖を持った相手から、フック状の柄の杖を使って身を護る 人混みの中で杖を武器として使うには 杖で頭を狙われたら――防御とカウンターにはこんな方法がある 両手を駆使した防御と攻撃 付録 強い男に見せるには 監修者まえがき/あとがき 訳者あとがき Author エドワード・ウィリアム・バートン=ライト 1860年、イギリス領インド帝国で生まれる。技術者として活動し、日本に滞在中に柔術を学ぶ。1898年、ロンドンに戻り柔術にボクシング、サバット、ステッキ術を組み合わせた独自の護身術「バーティツ(Bartitsu)」を考案、翌年『ピアソンズ・マガジン』誌に発表。バーティツの道場を開くも数年で閉鎖。以後は理学療法士として活動。1951年、逝去 Translator 田内 志文 Shimon Tauchi 文筆家、スヌーカー・プレイヤー、シーランド公国男爵。スヌーカーではアジア選手権、チーム戦世界選手権の出場歴も持つ。 Supervisor 新美智士 Satoshi Niimi DAI認定ファイト・ディレクター。2005年から米国でステージ・ファイトを学び始め、2015年にファイト・ディレクターとなる。米国と日本で俳優の育成事業に携わる一方で、ヨーロッパの武器術の専門家として執筆、監修なども務める。
帰れない探偵
¥2,035
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『続きと始まり』『百年と一日』が話題の柴崎友香による全く新しい「探偵小説」。 「世界探偵委員会連盟」に所属する「わたし」は、ある日突然、探偵事務所兼自宅の部屋に帰れなくなった。急な坂ばかりの街、雨でも傘を差さない街、夜にならない夏の街、太陽と砂の街、雨季の始まりの暑い街、そして「あの街」の空港で……。「帰れない探偵」が激動する世界を駆け巡る。 [出版社より] 「最高。何度も何度も読んだ。この小説を読み直すためにだけでも、十年先まできっと生きていたい」 ——斎藤真理子 著 者|柴崎友香 出版社|講談社 定 価|1,850円+税 判 型|四六変型判・上製本 頁 数|304 ISBN|9784065397107 発 行|2025年06月 Author 柴崎 友香 Tomoka Shibasaki 1973年、大阪府生まれ。99年「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー」が文藝別冊に掲載されデビュー。2007年『その街の今は』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、10年『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、14年「春の庭」で芥川賞、24年『続きと始まり』で芸術選奨文部科学大臣賞、谷崎潤一郎賞を受賞。その他の小説に『パノララ』『かわうそ堀怪談見習い』『百年と一日』など、エッセイに『よう知らんけど日記』ほか、著書多数。
世界 2025年8月号
¥1,045
戦後80年特集「民主主義の興亡」 【第1部】遠い平和 戦争が戦争を呼ぶ。その状況すら次第に受けいれつつある自分がいる。 強国の横暴、それにより命が、日常が奪われ続ける状況をとめられない。公然と噓が言われ、事実が隠され、悪法が生まれる。叫び合う声のほかに、話しあい、歩み寄る土台をもてない。 私たちはこのまま民主主義を手放すのか。 【第2部】「戦後」の現在 歳月の経過のなか、戦争体験世代は減少。日本における平和意識は揺らぐかに見える。 だが、目をこらせば、「戦争」の継続があちこちに存在する。沖縄の日常に。朝鮮半島や台湾との関係に。空襲など民間人被害者への処遇のなかに。戸籍や家族のありかたの構造に……。 これは果たして「戦後」なのか。国際社会で武力・暴力による抑圧が一方的になされる現在、戦争のなかを生き、あるいは生きられなかった声から考える。 [出版社より] 出版社|岩波書店 定 価|950円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|296 発 行|2025年07月 ISBN |4910055010854 Contents ┏━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃戦後80年特集 民主主義の興亡 ┃第1部 遠い平和 ┗━━━━━━━━━━━━━━╋…────────────────────── 〈対談〉 「12日」の代償──米イラン攻撃は何をもたらすか 三牧聖子(同志社大学)×中西久枝(同志社大学) 〈連載特別編〉 銃口を内側に向けた国の戦後──アジアとアメリカのあいだ 第8回 望月優大(ライター) もはや時間はない──アウシュヴィッツ解放八〇周年に 最上敏樹(バーゼル大学客員教授) 原始化される社会──ロシア内政学者が解説する教育・徴兵・法制度の現在 奈倉有里(ロシア文学研究者) 〈対談〉 メディアは公共性を取り戻せるか 宇野重規(東京大学)×国谷裕子(ジャーナリスト) 「失敗」という本質──民主主義は幻滅から立て直せる 山本昭宏(神戸市外国語大学) 〈対談〉 日本滅亡を回避できるか 柳井 正(ファーストリテイリング)×寺島実郎(日本総合研究所) 日本学術会議 悪法の核心 加藤陽子(東京大学) 〈対談〉 憲法は生きている──公共訴訟という可能性 江島晶子(明治大学)×谷口太規(弁護士) 民主主義を手放せるか 暉峻淑子(経済学者) ┏━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃戦後80年特集 民主主義の興亡 ┃第2部 「戦後」の現在 ┗━━━━━━━━━━━━━━╋…────────────────────── 「昭和一〇〇年」の政治的文脈 吉田 裕(一橋大学名誉教授) 閉じ込められた声を聴き続ける──沖縄と社会的記憶 謝花直美(琉球大学) 日本と台湾のあいだ──成熟する台湾の民主主義と日本の責任 家永真幸(東京女子大学) 〈インタビュー〉 アジアにいちばん近い場所から──戦後80年、日韓基本条約60年に思う 姜尚中(東京大学名誉教授)、聞き手=前川仁之(ノンフィクションライター) 戦後80年 最初と最後の政治風景 大澤真幸(社会学者) 〈リレー連載 「戦後」解体〉 植民地化された他者の声──フェミニズムを/から問う 髙内悠貴(弘前大学)×趙慶喜(聖公会大学)×本山央子(フェミニズム運動・研究)、司会=福永玄弥(東京大学) 日々戦争を体験する私たち 玉城 愛(沖縄女性運動史研究) 吉原と日本人──性の尊厳にたどり着くまで 横山百合子(国立歴史民俗博物館名誉教授) 教科書のなかの太平洋戦争──戦争児童文学教材はいま 黒川麻実(愛知県立大学) 戦争被害 放置されてきた軍民・内外差別 有光 健(早稲田大学国際和解学研究所) 〈インタビュー〉 空襲被害者は訴える──救済法の実現を、今年こそ 根本徳三(東京空襲犠牲者遺族会) 長崎から「地球市民」になる──被爆者から受け取ってきたもの 平林千奈満(小学校教諭) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆注目記事 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〈スケッチ〉 聞けるものなら 滝口悠生(小説家) 〈シリーズ夜店〉 表現の自由のフロンティア──「思想の市場」とその外部 山羽祥貴(東京都立大学) この社会の社会学 第7回 社会学的な死 石岡丈昇(日本大学) 〈対談〉 ひとりで暮らすふたりの話 津村記久子(作家)×和田靜香(ライター) 言葉と言葉のかくれんぼ 第16回 戦争のあとがき 斎藤真理子(翻訳家) 〈SEKAI Review of Films〉 私たちの新しい根拠──『黒川の女たち』 胡桃澤伸(劇作家、精神科医) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇世界の潮 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇韓国大統領選を読む──世代、ジェンダー、アスファルト右派 堀山明子(毎日新聞) ◇アベノマスク訴訟──安倍政権、隠蔽体質のその一端 大瀧哲彰(朝日新聞) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇本との出会い ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇読書・観賞日記 読んで、観て、聴いて 酒井啓子(千葉大学) ◇本とチェック 第27回 詩の魔法 金承福(クオン代表) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●連載 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 連載 隣のジャーナリズム ブレる皇位継承報道 井上 亮(ジャーナリスト) あたふたと身支度 第11回 戦争なんて地獄に落ちろ 高橋純子(朝日新聞) 午前1時のメディアタイムズ 第5回 ケイトリン・クラークは敵か味方か 若林 恵(編集者/黒鳥社) 片山善博の「日本を診る」(189) 県議への情報漏洩事案から「議会根回し」を診る 片山善博(大正大学) 「変わらない」を変える 第27回 反自由主義政治への転換 三浦まり(上智大学) 気候再生のために 第35回 異常高温の脅威 いのちをまもるための行動 高村ゆかり(東京大学) ドキュメント激動の南北朝鮮 第336回(25・5~6) 編集部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○記憶をもった鏡 平敷兼七『山羊の肺』 戸田昌子(写真史家) ○岩波俳句 選・文 池田澄子(俳人) ○アムネスティ通信 ○読者談話室 ○編集後記 ○表紙画 土屋未久(表紙・裏表紙 響く 2025) ○キャラクター・扉絵 西村ツチカ ○アートディレクション 須田杏菜 ○本文デザイン 大原由衣+都井美穂子
すばらしき特殊特許の世界[OUTLET]
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「特殊特許」と筆者が呼ぶ、個性的な特許を紹介。松本人志が発明した目覚まし時計など、ユニークな題材を取材や調査を通じてドラマチックに描く。新しいアイデアづくりのヒントも満載。笑えて学べる特許入門書。 [出版社より] 著 者|稲森謙太郎 出版社|太田出版 定 価|1,600円+税 判 型|四六変型判/上製 頁 数|288 ISBN|9784778313883 発 行|2014年01月 Contents まえがき―特殊特許の世界へ、ようこそ 本書を読む前に——押さえておきたい基礎知識 第1章 こんな発明が出願されていた! ・ダウンタウン松ちゃんが発明! 必ず起きることのできる驚異の目覚まし時計! ・秋元康が発案! AKB48を振りまくるハードな恋愛ゲームが特許出願されていた! ・iPS騒動の森口尚史氏が発明したC型肝炎薬は本当に効き目があるのか? ・東日本大震災も予知できた? 植物の予知能力を使った地震警報装置は本当に使えるのか? ・富士フイルムの多角化もここまで来た? 暴漢を撃退するデジタルカメラ! ・パナソニックのインターホンシステムで「招かざる客」を追い返すことができるのか? ・いつでもお墓参りが可能! 鉄道高架下の墓地は特許されるのか? コラム1.知的財産権って何? コラム2.どんな発明が特許になるの? コラム3.特許はどうやったら取れるの? コラム4.特許の出願書類はどう書いたら良い? 第2章 こんな発明が特許されていた! ・人気作家・東野圭吾がサラリーマン時代にガリレオ風の特許を取得していた! ・考古学者・吉村作治の発案によるエジプトビールはなぜ京都で実現したのか? ・巨大津波が来てもダイジョーブ!? どこにでも自由自在に移動できる原子力発電所! ・阪急不動産と竹中工務店が、大阪駅前の巨大観覧車ビルを特許にしていた! ・増加する離婚率を減少させることができるのか?夫婦が分かれることのない指輪! ・切り込み位置がそんなに重要? 越後製菓VSサトウ食品 切り餅を巡る熱き戦い ・これでもう台風シーズンになっても怖くない! ?驚異の台風防止装置! ・縄文人と弥生人は惹かれあう!? この結婚情報システムで本当に結婚できるのか? ・葬式のやり方が特許になっていた! 故人がよみがえる「動く遺影」とは? ・ビールのおつまみに欠かせない! ニッスイが取得した塩味冷凍枝豆の特許の行方 コラム5.特許が取れたら何ができるの? コラム6.中国が知らぬ間に世界一の知財大国になっていた! コラム7.アップル vs サムスン 特許訴訟の行方 コラム8.アンジェリーナ・ジョリーと遺伝子特許 コラム9.グーグルの知的財産権を使った究極の節税とは? あとがき 巻末資料(料金表) おことわり 主要参考文献 著者紹介
本の美術誌——聖書からマルチメディアまで[OUTLET]
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中世キリスト教絵画から現代美術、マルチメディアまで、美術の視点から「本とは何か?」をたどる書物論。古今東西の美術家の本にまつわる30作品余を収録。朝日「天声人語」でも紹介。 [出版社より] 著 者|中川素子 出版社|工作舎 定 価|2,500円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|220 ISBN|978-4-87502-247-3 発 行|1995年01月 Contents 巻頭カラー:本の美術ギャラリー 第1章 一冊の本 パントクラトール像と聖書 本のかたち 呪物的な宝物 燃え落ちた本の幻 第2章 複数の本 聖母子像と聖書 「受胎告知」の舞台風景 所有熱 第3章 人間の時代 デューラー「四人の使徒」の時代精神 意識の図像学 きらめく思想の宇宙と印刷術 第4章 本の虫への皮肉 アルチンボルドの「法律家」と「司書」 魔術の帝国にて ルドルフ二世の肖像「ウェルトゥムヌス」 “目の人”が描く戯画 第5章 ヴァニタス メイプルソープとヴァニタス 空虚なる画布 日常的な死 西村陽平の燃えつきた本 第6章 読書する女 「源氏物語絵巻」と読書 浮世絵に描かれた母と子の読書 江戸の絵本文化 第7章 学問の道具 李朝の文房図:斬新な書架の絵 絵画への知的な思考 本が奏でる夢空間 ゆるやかな教育 第8章 アートワークとしての本 柏原えつとむの本とは何か? 加納光於と大岡信の本と箱 若林奮と吉増剛造の箱宇宙 河原温の数字本 第9章 記憶と創造力 ボルヘスの無限の本 星野美智子の溶解する本 第10章 大量消費生産物 デイヴィッド・マックの大量消費物アート 彫刻素材としての本 反個人的イメージの氾濫 現実のはざまで 第11章 滅亡のしるし 知の罪を暴くアンゼルム・キーファー 鉛の本の衝撃 滅びの時代 第12章 メディア マルチメディアへのターニング・ポイント ウェンヨン&ギャンブルのホログラム・イコン 山口勝弘の鏡の本 第13章 未来 ゲーリー・ヒルのビデオ・イメージ 河口龍夫の本と種子 本の“光年” 不死という未来 Author 中川 素子 Motoko Nakagawa 1942年、東京生まれ。東京芸術大学美術学部大学院修了。文教大学教育学部教授(造詣芸術論)。 著書に現代美術の視点から新しい絵本論を展開した『絵本はアート:ひらかれた絵本論をめざして』(教育出版センター)があるほか、新聞や雑誌の読書欄、文化欄などで絵本論、現代美術論を執筆している。
洪水[OUTLET]
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百年前の洪水、第二次大戦、秘密裡に猛威を振るう「伝染病」……ピアニストと恋に落ちた主人公がパリを舞台に綴る美しき消失の物語。 忽然と姿を消した迷い猫、強制収容所に移送された人々、キリストのような風貌の路上生活者、90歳の誕生日を目前に亡くなった母…。ヨーロッパでもっとも古くもっとも大きい都市の場末で暮らす男が、火事現場で不思議な男女と出会う。すべての出来事が環のようにつながっていると語る作家と、魔法使いのようなやり方で「別の音楽」を奏でるピアニスト。やがて3人の奇妙な関係がはじまる。百年前の河の氾濫を通奏低音に、破局の徴に満ちた街で繰り広げられる、美しくも崇高なる消失の物語。 [出版社より] 著 者|フィリップ・フォレスト 訳 者|澤田直・小黒昌文 出版社|河出書房新社 定 価|3,250円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|296 ISBN|978-4-309-20805-3 発 行|2020年10月 Author フィリップ・フォレスト Philippe Forest 1962年パリ生まれ。現代フランスを代表する作家のひとり。1997年『永遠の子ども』でフェミナ処女作賞。ほかに、『シュレーディンガーの猫を追って』、『さりながら』(12月賞)、『夢、ゆきかひて』など。 Translator 澤田 直 Nao Sawada 1959年東京生まれ。立教大学文学部教授。著書に『<呼びかけ>の経験』『新・サルトル講義』、訳書にペソア『[新編]不穏の書、断章』、フォレスト『さりながら』『シュレーディンガーの猫を追って』など。 小黒 昌文 Masafumi Oguro 1974年東京生まれ。駒澤大学准教授。著書に『プルースト 芸術と土地』。澤田直との共訳にP・フォレスト『シュレーディンガーの猫を追って』『荒木経惟 つひのはてに』『夢、ゆきかひて』。
ヘアヌードの誕生——芸術と猥褻のはざまで陰毛は揺れる[OUTLET]
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ヘアヌード30周年特別書き下ろし。 「ヘアー、それはたかが陰毛であり体毛に過ぎない。しかし、女性のそれが見えたか、見えないか。見せようとする側と決して見せまいとする側は、泣き笑いかつ死に物狂いの戦いを繰り広げてきた。その攻防の歴史を追うことは、日本人にとっての猥褻観とは何かを突き詰めることであり、否定しようのない日本文化史なのである」——「はじめに」より。 [出版社より] 著 者|安田理央 出版社|イースト・プレス 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|280 ISBN|9784781619903 発 行|2021年06月 「『陰毛はどこから来たのか、陰毛とは何か、陰毛はどこに行くのか』とはゴーギャンの名高い絵のタイトル、というのは嘘で、『陰毛』ではなく『人間』だ。だが、この本の読者は、大河ドラマのような陰毛の歴史を見て、そう呟くに違いない。ちなみに、ゴーギャンも陰毛はばっちり描いてます」 ——高橋源一郎(作家) Contents はじめに 日本人にとって陰毛とはなんだったのか 第一章 陰毛をめぐる世界史 第二章 奪われた日本の陰毛 第三章 陰毛闘争 第四章 ヘアヌードの誕生 第五章 ヘアヌードの終焉 終 章 そして誰も陰毛を語らなくなった おわりに 結局、陰毛は猥褻なのだろうか Author 安田 理央 Rio Yasuda 1967年埼玉県生まれ。ライター、アダルトメディア研究家。美学校考現学研究室(講師:赤瀬川原平)卒。主にアダルトテーマ全般を中心に執筆。特にエロとデジタルメディアとの関わりや、アダルトメディアの歴史をライフワークとしている。AV監督やカメラマン、またトークイベントの司会や漫画原作者としても活動。主な著書として『痴女の誕生 アダルトメディアは女性をどう描いてきたのか』『巨乳の誕生 大きなおっぱいはどう呼ばれてきたのか』『日本エロ本全史 』(すべて太田出版)、『AV女優、のち』(角川新書)、『日本縦断フーゾクの旅』(二見書房)、雨宮まみとの共著『エロの敵』(翔泳社)などがある。
ぼくらのSEX[OUTLET]
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名著復活! みんな、ちゃんと考えないまま大人になった。 この本は、SEXをまじめに考える、性教育の本です。 「SEXは、人間が生きていくためのエネルギーであり、生きることの核心だ」 SEXにまつわるさまざまな疑問を橋本治が丁寧に解きほぐす、1993年刊行の不朽の名著が新装版で復活。男らしさ、女らしさ、大人らしさとは。恋愛と友情、純愛とSEX。「母親になる」ということ。「父親であること」と、思いやり。「欲望」とは。同性愛は「ヘンなこと」じゃない。 SEXをまじめに考えるための、唯一無二の性教育の本。 [出版社より] 著 者|橋本治 出版社|イースト・プレス[文庫ぎんが堂] 定 価|750円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|368 ISBN|9784781671994 発 行|2021年02月 Contents まえがき SEXって本当はどういうものなんだろう 1 こども──まだSEXを考えなくてもいい頃 2 Hなことばかりが気になっちゃう 3 もうこどもじゃない、でも、まだ大人じゃない 4 「かわいい」ということ 5 「第二次性徴」という時期0 6 男らしさ、女らしさ 7 大人らしさ 8 はじめて“それ”がやって来た──初潮とはじめての射精 9 オナニーがSEXの基本 10 「性交」って、なんだ? 11 どうしてオナニーは「いけないこと」なのか 12 自分を成熟させる訓練 13 感じちゃう体 14 「純潔」ということ 15 思春期には「自分」をつかまえる 16 「性的な自分」を知る 17 恋愛と友情、純愛とSEX 18 人はなぜ人とSEXをするのか? 19 「恋」ということを知らなくちゃ 20 いやらしい言葉 21 あいさつのキス、SEXのキス 22 ペッティングとネッキング 23 「C」 24 「C」に関するよぶんな知識(その一) 25 「C」に関するよぶんな知識(その二) 26 SEXに関する「かんじんなこと」 27 「母親になる」ということ 28 「父親であること」と、思いやり 29 コンドームのあるSEX 30 結婚したっていいんだよ 31 いけないSEXたち 32 「欲望」というもの 33 「教えてやるッ!」のサディズムと「ごめんなさい……」のマゾヒズム 34 ファザコンとマザコン──誰の中にも「大人」と「こども」はいる 35 同性愛は「ヘンなこと」じゃない 36 「男であること・女であること」の混乱 37 いろんな「混乱」 38 AIDSと浮気 39 「もうそんなにSEXをしたくないな」と思う年頃 エピローグ なぜ死ぬことを恐がるのか? 解説 欲望をもつことに罪悪感を抱かなくていい 二村ヒトシ(AV監督) Author 橋本 治 Osamu Hashimoto 作家。1948年、東京生まれ。東京大学文学部国文学科卒業後、イラストレーターとなり、1977年、小説『桃尻娘』でデビュー。小説、評論、戯曲、エッセイ、古典の現代語訳などさまざまなフィールドで活躍。『桃尻語訳枕草子』『窯変源氏物語』『貧乏は正しい! 』『恋愛論』『美男へのレッスン』『宗教なんかこわくない! 』『双調平家物語』『「わからない」という方法』『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』『人はなぜ「美しい」がわかるのか』『上司は思いつきでものを言う』『蝶のゆくえ』『日本の行く道』『あなたの苦手な彼女について』など著書多数。
聖者のレッスン[OUTLET]
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古今東西、19世紀から現在まで、映画に描かれた聖者を辿ることで映画史を書き換え、あふれるような知と閃きから人間と信仰を根底から問い直す空前の映画講義。四方田映画学の集大成。 往古のジョルジュ・メリエスから、カール・テオドア・ドライヤー、ロベルト・ロッセリーニ、ピエル・パオロ・パゾリーニ、ルイス・ブニュエルまで、キリスト教の聖者物語を監督した巨匠たち。海の女神をはじめ、神道仏教の改革者たちに魅惑されたアジアの監督たち。強制収容所の悲惨を映画で描きうるかと悩んだ現代の監督たち。映画の聖性と表象不可能性を論じた、映画宗教学講義がここに開帳! [出版社より] 著 者|四方田犬彦 出版社|河出書房新社 定 価|4,800円+税 判 型|四六変形判/上製 頁 数|360 ISBN|978-4-309-25643-6 初 版|2019年10月 Contents 聖者とは誰か ジャンヌ・ダルクの系譜 ジャンヌ・ダルクの諸相 神の道化師、フランチェスコ 聖セバスチャンの殉教 イエス・キリストの映画的表象 東アジア最大の女神 媽祖 出口王仁三郎とトランスジェンダー 三國連太郎による親鸞 アウシュヴィッツと事後性 それでも映像を残す 奇跡と愚行 無戒と破戒 Author 四方田 犬彦 Inuhiko Yomota 1953年、大阪箕面に生まれる。東京大学で宗教学を、同大学院で比較文学を学ぶ。長らく明治学院大学教授として映画学を講じ、コロンビア大学、ボローニャ大学、清華大学(台湾)、中央大学校(ソウル)などで客員教授・客員研究員を歴任。現在は映画、文学、漫画、演劇、料理と、幅広い文化現象をめぐり、著述に専念。『月島物語』で斎藤緑雨文学賞を、『映画史への招待』でサントリー学芸賞を、『モロッコ流謫』で伊藤整文学賞を、『ルイス・ブニュエル』で芸術選奨文部科学大臣賞を、『詩の約束』で鮎川信夫賞を受けた。
夢を描く女性たち イラスト偉人伝[OUTLET]
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教科書に出てくる偉人はなぜ男性だけ? なのでつくった、女性偉人伝! 世界各地に、さまざまな国籍、時代、活動分野で活躍した女性たちがいる。夢に向かって行動したその人生を、現代の女性作家たちのイラストとともに描く。韓国のフェミニズム出版社ボムアラムによる、歴史上の女性のあたらしい検証。 [出版社より] 編 集|ボムアラム 訳 者|尹怡景 出版社|タバブックス 定 価|1,700円+税 判 型|B5変型判・並製 頁 数|64 ISBN|978-4-907053-41-3 発 行|2020年05月 Contents フロレンス・ナイチンゲール エメリン・パンクハースト チャ・ミリサ ヘレン・ケラー キム・ジョムドン 山川菊栄 キム・ミョンスン ヴァージニア・ウルフ クォン・キオク ナ・へソク ブ・チュンファ ローザ・パークス ホ・ジョンスく イ・テヨン キャサリン・ジョンソン 石牟礼道子 ト・ユウユウ パク・ナムオク ジェーン・グドール 田中美津 ベルタ・カセレス マリアム・ミルザハニ チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ ジャシンダ・アーダーン マララ・ユスフザイ グレタ・トゥーンベリ Editor ボムアラム 性差別と女性嫌悪に対応するプラットフォームを作ろうとする女性たちが作った韓国の出版社。2016年7月刊行『우리에겐 언어가 필요하다 : 입이 트이는 페미니즘』(私たちには言語が必要である:口を開くフェミニズム)をはじめ、今必要な「多様なフェミニズムの本を出版している。 http://baumealame.com 尹怡景 ユン・イギョン/Yoon Ekyung ソウル生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科修士課程修了。専門は文化人類学。慶應義塾大学大学院非常勤講師。
ケアの物語——フランケンシュタインからはじめる
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強者が押しつける「正しさ」と暴力や分断がはびこる現代社会。そこで置き去りにされているのは、尊厳を踏みにじられた人々が紡ぐ〈小さな物語〉――。恐ろしい怪物の物語として知られる『フランケンシュタイン』を、10のテーマを通して多様な作品群と縫い合わせ、読む者をケアの本質へと誘う。想像力を解き放つ文学論。 [出版社より] 著 者|小川公代 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|1,000円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|302 ISBN|9784004320715 発 行|2025年06月 Contents はじめに 1 戦 争 『進撃の巨人』『三ギニー』 1 「壁」を乗り越えて――小さな物語へ 2 アウトサイダーの女性たち 3 『フランケンシュタイン』――生の平等を問う 2 論破と対話 『もうひとつの声で』『バービー』『バタードウーマン』 『バグダードのフランケンシュタイン』 1 関係性を結んで対話する 2 対話と共話 3 ヴィクターがSNSを使えたなら 4 『バグダードのフランケンシュタイン』 3 親ガチャ 『親ガチャの哲学』『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』『波』 『山上徹也と日本の「失われた30 年 」 』 『SPY×FAMILY』『キン肉マン』 1 共同体幻想を打ち砕く人間の流動性 2 「これからの時間」を生きるために 3 「無敵の人」としてのクリーチャー 4 ジークの反出生主義とアーニャの反・反出生主義 4 マンスプレイニング 『哀れなるものたち』『吸血鬼ドラキュラ』 1 “声”とは何か 2 エドワード・トレローニーの誹謗中傷 3 『哀れなるものたち』と女性たちの声 4 愛と自由について語る 5 レイシズム 『ウォッチメン』「オジマンディアス」 1 レイシズムとは何か 2 『ウォッチメン』は何をケアするか 3 タルサ暴動を語り直す 4 『フランケンシュタイン』におけるレイシズム批判 6 インターセクショナリティ 『カラーパープル』 1 インターセクショナリティとは何か 2 “声”を獲得していく物語 3 『フランケンシュタイン』のインターセクショナリティ 7 愛 『ワンダー・ウーマン』『もう一人、誰かを好きになったとき』 『鬼滅の刃』『偽姉妹』 1 ゼロサム的な恋愛に抗して 2 ポリアモリーとは 3 メアリ・シェリーの愛の実践 8 エコロジー 『優しい語り手』『オーランドー』『センス・オブ・ワンダー』 1 エコロジー運動の黎明期 2 ワーズワスからウルフまで 3 カーソンの『センス・オブ・ワンダー』 9 ケアの倫理 『虎に翼』『ダロウェイ夫人』 1 〈ケアの倫理〉とは何か――『虎に翼』とケア 2 弱者の「声」に耳を澄ませる 3 『フランケンシュタイン』に描かれるケアの倫理 10 アンチ・ヒーロー 『僕のヒーローアカデミア』『外套』 『「性格が悪い」とはどういうことか』『ベル・ジャー』 1 アンチ・ヒーローとは 2 “ギフテッド”の功罪 3 なぜトガヒミコはヴィランになったのか 4 ロマン主義時代の反逆者たち 参考文献一覧 あとがき Author 小川公代(おがわ・きみよ) 1972年和歌山県生まれ.上智大学外国語学部教授.ケンブリッジ大学政治社会学部卒業.グラスゴー大学博士課程修了(Ph.D.). 専門―ロマン主義文学,および医学史. 著書に『ケアの倫理とエンパワメント』 『ケアする惑星』『翔ぶ女たち』(講談社) 『世界文学をケアで読み解く』(朝日新聞出版) 『ゴシックと身体――想像力と解放の英文学』(松柏社)など. 訳書 に『エアスイミング』(シャーロット・ジョーンズ著,幻戯書房) 『メアリ・シェリー――『フランケンシュタイン』から〈共感の共同体〉へ』(シャーロット・ゴードン著,白水社).
ラテン語の世界史
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ローマ帝国は滅びても、ラテン語は滅びない。 いかにして西洋文化の基盤となったのか「世界最強言語」の謎に満ちた運命に迫る。 イタリアの一地方言語に過ぎなかったラテン語は、ローマ帝国の公用語として世界に広まり、西ローマ帝国崩壊後もキリスト教と結びついて普遍的公用語としての地位を築いた。しかし、やがて主要言語としての地位を失い、「教養」語となって現代に至る。長く歴史上に君臨したラテン語はいかにして広まり、生き続けてきたのか。ギリシア語との覇権争い、キリスト教との蜜月、各国の近代俗語との交代──「世界最強の言語」が歩んだ2000年以上に及ぶ数奇な運命に迫る。 [出版社より] 著 者|村上寛 出版社|筑摩書房[ちくま新書] 定 価|1,050円+税 判 型|新書判 頁 数|304 ISBN|978-4-480-07687-8 発 行|2025年06月 Contents 第1章 現代のラテン語 「ラテン」とは何か?/ラテン文字の広がり/日本の大学ではラテン語が人気/キリスト教とラテン語/現代に「生きている」ラテン語/身の回りにはこんなにラテン語がある/学術用語はなぜラテン語なのか? 第2章 ラテン語の起源 ローマ建国の伝説/エトルリア語とラテン語/ギリシア語という先駆者/ギリシア語の韻律/ギリシアに魅了されたローマ/弁論家キケロの生涯/ギリシア哲学の導入/散文ラテン語の完成/ウェルギリウス――ラテン文学最高の詩人/ウェルギリウス『アエネイス』/ギリシアとローマを接続する叙事詩/ホラティウス――多彩なる韻文/オウィディウス――諧謔の詩人/ラテン語独自の恋愛詩/オウィディウス『変身物語』 第3章 古代末期までのラテン語 劇作家/古代ローマの出版流通/古代ローマの図書館/ラテン語の識字率/古代ローマの教育/役立つラテン語/ラテン語はいかにして伝わったのか?/ギリシア語圏への伝播/古典ラテン語と俗ラテン語/俗ラテン語の台頭/古典教養の衰退 第4章 ラテン語とキリスト教 「公用語」としてのラテン語/キリスト教は何を信じているのか?/原始教会とその言語状況/ラテン語圏の初期キリスト教とその言語/ローマ司教とキリスト教/東方ギリシア語圏との溝/新旧訳聖書/聖書のギリシア語訳/ヒエロニュムス/ウルガタ訳聖書/アウグスティヌスの生涯/聖書の文体とラテン語/中世キリスト教のラテン語へ 第5章 初期中世から盛期中世のラテン語 中世という時代/ラテン語からロマンス語へ/ラテン語発音の変化/ゲルマン諸王国はなぜラテン語を使ったのか?/修道院の生活/修道院における古典伝承/北方の修道院における古典伝承/古典を継承する修道士、ベタ・ウェネラビリス/イベリア半島の古典伝承/カロリング朝の教育復興/正しいラテン語を取り戻せ/正書法と発音/写本はいかに伝わったのか?/写本のために考案された書体/「ゴート族風の」ゴシック体 第6章 学校・教育のラテン語 修道院での教育/キリスト教と古典文学の葛藤/修道院に弁証論は必要?/移動する教師と生徒/弁証論の大流行/教科書や選集での教育/女性はラテン語とは無縁だったのか?/「教養ある女性」へ/修道女、ビンゲンのヒルデガルト/世俗女性の学識、エロイサ/フランス語前夜/ラテン語を駆逐するフランス語/聖書の俗語翻訳 第7章 イタリア・ルネサンスから現代へ ラテン語からイタリア語へ/ラテン語の復興/大学で使われ るラテン語/ラテン語と教育/ラテン語賛美の陰り/エラス ムスの『キケロ主義者』/人文主義の陰り/ラテン語からス ペイン語へ/翻訳運動/日本宣教とラテン語/明治以後のラ テン語 文法コラム 1:文字・発音/2:動詞/3:名詞/4:前置詞・人称代名詞/ 5:形容詞/6:不定詞・命令法/7:修辞学・現在分詞 読書案内 人名・書名索引 Author 村上 寛 Hiroshi Murakami 1981年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。立教大学、明治学院大学、早稲田大学などで講師を務めるほか、人文知のプラットフォーム「クェス(QeS:Quid est Sapientia)」代表。2017年度よりKUNILABOでラテン語の講座を開講。専門は西洋中世思想。著書に『鏡・意志・魂─ポレートと呼ばれるマルグリットとその思想』(晃洋書房、2018年)などがある。
生きのびるための事務 全講義
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10万部突破のべストセラー漫画『生きのびるための事務』、ついに原作テキスト版が書籍化。 あなたに足りないのは、才能や能力や運ではなく、《事務》でした。ピカソもやってた《夢》を《現実》にする具体的なヒントと方法を全11講で学べます。 書籍化にあたって新たに書き下ろされた「あとがき」や坂口さん本人が描き下ろした多数の挿絵に加え、巻末には坂口恭平さんと糸井重里さんによる5万文字にも及ぶ特別対談を収録。 糸井 坂口恭平という人のことは、僕ももともと、うすうす知っている状態で。 坂口 あ、ほんとですか。 糸井 でも「この人は天才だから、会わないほうがいいな」と思ってたの。 -- 中略 -- 坂口 僕自身やっぱり、糸井重里という人を参考にしているところが、たぶんあるんです。 糸井 ある……かもね(笑) [出版社より] 著 者|坂口恭平 出版社|マガジンハウス[マガジンハウス新書] 定 価|1,500円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|368 ISBN|9784838775286 発 行|2025年06月 Contents 第1講 事務は「量」を整える 第2講 現実をノートに描く 第3講 未来の現実をノートに描く 第4講 事務の世界には失敗がありません 第5講 毎日楽しく続けられる事務的「やり方」を見つける 第6講 事務は「やり方」を考えて実践するためにある 第7講 事務とは「好きとは何か?」を考える装置でもある 第8講 事務を継続するための技術 第9講 事務とは自分の行動を言葉や数字に置き換えること 第10講 やりたいことを即決で実行するために事務がある 第11講 どうせ最後は上手くいく あとがき 特別講座 坂口恭平と糸井重里、はじめ Author 坂口 恭平 Kyohei Sakaguchi 1978年、熊本県生まれ。2001年、早稲田大学理工学部建築学科を卒業。作家、画家、音楽家、建築家など多彩な活動を行なう。2004年に路上生活者の家を収めた写真集『0円ハウス』(リトルモア)を刊行。著作は『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』(太田出版)、『独立国家のつくりかた』『苦しい時は電話して』(講談社)、『モバイルハウス 三万円で家をつくる』『TOKYO一坪遺産』(集英社)、『家族の哲学』(毎日新聞出版)、『継続するコツ』『幸福人フー』(祥伝社)、『TOKYO 0円ハウス 0円生活』(河出書房新社)、『躁鬱大学』(新潮社)、『発光』『よみぐすり』(東京書籍)、『自分の薬をつくる』『お金の学校』『中学生のためのテストの段取り講座』(晶文社)、『土になる』(文藝春秋)『まとまらない人』(リトルモア)など。 小説家として『幻年時代』(幻冬舎)、『徘徊タクシー』(新潮社)、『けものになること』(河出書房新社)を発表。ほか画集や音楽集、料理書など、多数の著作がある。 自ら躁鬱(そううつ)病であることを公言。2012年から死にたい人であれば誰でもかけることができる電話サービス「いのっちの電話」を自身の携帯電話(090-8106-4666)で続けている。2023年2月には熊本市現代美術館にて個展「坂口恭平日記」を開催。
朝のピアノ——或る美学者の『愛と生の日記』
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「しばらく外国にいたとき、この本を1日いちど、3回読んだ。毎日読んでもいい本」 ーーハン・ガン[ノーベル賞作家] 余命を知ったとき、残りの日々をどう生きるか。 日常がシャッターを下ろすように中断されると知った時……残ったのは「愛」。 韓国の哲学アカデミー代表も務めた美学者キム・ジニョンは癌を宣告される。本書は天に召される3日前、意識混濁の状態に陥るまでの日々を記録した散文集だ。死に対する不安を率直に綴りながらも、世界のささやかな美を発見し、周囲の人たちを愛し、人間としての威厳を最後まで保ち続ける記録である。 [出版社より] 著 者|キム・ジニョン 訳 者|小笠原藤子 出版社|CEメディアハウス 定 価|2,200円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|272 ISBN| 9784484221274 発 行|2025年03月 Contents [抄録] 〈1〉 朝のピアノ。ベランダで遠くを眺めながら、ピアノの音に耳を傾ける。わたしはこれから何をもってしてピアノに応(こた)えられるのだろうか。この質問は妥当ではない。ピアノは愛である。ピアノに応えられるもの、それも愛あるのみだ。 〈3〉 いまわたしに必要なものは、病(やまい)に対する免疫力だ。免疫力は精神力。最高の精神力、それは愛である。 〈8〉 突として心がぽきぽき折れる。 秋日の枯れ木のように。 〈10〉 イウォンを会社に送り届けた帰り道、道端に車を停める。煙草をくゆらせながら朝の風景を眺める。駅前の駐車場はがらがらだ。毎日わたしの古びた車を停めていた場所。わたしを日常に送り出し、夜遅くまた戻ってくるのを待ってくれていた場所。その空っぽの場所で、心がまたもぽきっと折れる。 〈11〉 どうすればすべてを守れるだろうか。 自分を守れるだろうか。 〈12〉 昨晩、Cがメールを送ってきた。 「先生はいつもおっしゃっていましたよ。希望のない場所に希望はあるのだと」 〈15〉 今日はジュヨンがアトリエに行く日。外出をためらう彼女の背中を押す。わたしにせっつかれて、とうとう鏡の前に座ったジュヨンの姿を眺める。小さく丸い体つき。いつでも笑みを絶やさず、どんなときも大笑いして重い世の中を明るく一蹴する、笑いの塊のような体。 わたしは笑顔が素敵なこの女性から旅立つことができるのか。 Author キム・ジニョン 哲学者/美学者 高麗大学ドイツ語独文学科と同大学院を卒業し、ドイツのフライブルク大学大学院(博士課程)留学。フランクフルト学派の批判理論、特にアドルノとベンヤミンの哲学と美学、ロラン・バルトをはじめとするフランス後期構造主義を学ぶ。 小説、写真、音楽領域の美的現象を読み解きながら、資本主義の文化および神話的な捉えられ方を明らかにし、解体しようと試みた。市井の批判精神の不在が、今日の不当な権力を横行させる根本的な原因であると考え、新聞・雑誌にコラムを寄稿。韓国国内の大学で教鞭をとり、哲学アカデミーの代表も務めた。バルト『喪の日記』の韓国語翻訳者としても知られる。 Translator 小笠原 藤子 上智大学大学院ドイツ文学専攻「文学修士」。 現在、慶應義塾大学、國學院大學他でドイツ語講師を務める傍ら、 精力的に韓国語出版翻訳に携わる。 訳書にチョン・スンファン『自分にかけたい言葉 ~ありがとう~』(講談社)、 リュ・ハンビン『朝1 分、人生を変える小さな習慣』(文響社)、 イ・ギョンヘ『ある日、僕が死にました』(KADOKAWA)、 ケリー・チェ『富者の思考 お金が人を選んでいる』(CEメディアハウス)など多数。
パレスチナ、イスラエル、そして日本のわたしたちーー〈民族浄化〉の原因はどこにあるのか
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パレスチナ/イスラエル問題を「自分のこと」として考えるために 国際法に明確に違反する虐殺であるにもかかわらず、「停戦」まで長すぎる月日を要し、さらにいまだ続くイスラエル軍によるガザ侵攻。 イスラエル建国を支持し、その筆舌に尽くし難い暴力を黙認し続けてきた欧米諸国の責任が問われる現在、かつて東アジア史におけるグレート・ゲームに名乗り出た帝国日本との関わりを起点に、国際的な植民地主義の負の遺産を検証する。そして、ユダヤ人国家・イスラエル建設の発想はどのように生まれ、知識人たちはどのように正当化/批判してきたのか、思想史の観点からも経緯を追う。 社会思想史研究者であり、パレスチナ/イスラエル問題にかかわってきた著者によるこれまでの主な対談のほか、また南アフリカ現代史の研究者・牧野久美子さんと植民地期および解放期における在日朝鮮人の生活史/ジェンダー史研究者・李杏理さんとの新規鼎談も収録。 [出版社より] 著 者|早尾貴紀 出版社|皓星社 定 価|2,500円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|344 ISBN|978-4-7744-0857-6 発 行|2025年04月 Contents まえがき 本書関連年表・地図 第Ⅰ部 東アジア史とパレスチナ/イスラエル問題の交差 はじめに/1帝国によるグレート・ゲーム/2パレスチナ一〇〇年戦争の起点/3セトラー・コロニアリズムの同時代性/4レイシズムによる同化と差別のダブルバインド/5民族浄化と「一九四八年体制」/6オスロ体制の欺瞞とハマースの台頭/7徐京植を読む(一)/8徐京植を読む(二)/9徐京植を読む(三)/おわりに 第Ⅱ部 欧米思想史から見たパレスチナ/イスラエル はじめに/1モーゼス・ヘスとテオドール・ヘルツル/2ダヴィド・ベングリオン/3コーエン、ローゼンツヴァイク、ショーレム、ブーバー/4ハンナ・アーレント/5エマニュエル・レヴィナス/6ジャック・デリダ(一)/7ジャック・デリダ(二)/8ハミッド・ダバシ(一)/9ハミッド・ダバシ(二)/10ボヤーリン兄弟とパレスチナ・フェミニスト・コレクティヴ/おわりに 第Ⅲ部 世界の矛盾が集約したパレスチナ ふたたび過ちを繰り返さないための日本・朝鮮・南アフリカ 牧野久美子×李杏理×早尾貴紀 第Ⅳ部 パレスチナ/イスラエル問題を語る 「大災厄」は過去ではない イラン・パペ『パレスチナの民族浄化』と米・エルサレム首都承認問題 臼杵陽×早尾貴紀 野獣の膨れた腹の中にサイードを解き放つ 批判的知性の再構築がどうできるのか 姜尚中×洪貴義×早尾貴紀 負の遺産として当時を知る 重信房子『戦士たちの記録 パレスチナに生きる』(幻冬社)から考える 小杉亮子×早尾貴紀 あとがき 幾重にも転倒した世界に抗して 索引 Author 早尾 貴紀 Takanori Hayao 一九七三年生まれ。東京経済大学教員。専門は社会思想史。二〇〇二〜〇四年、ヘブライ大学客員研究員として東エルサレムに在住し、西岸地区・ガザ地区・イスラエル国内でフィールドワークを行なう。 著書に『パレスチナ/イスラエル論』(有志舎、二〇二〇年)、『ユダヤとイスラエルのあいだ――民族/国民のアポリア』(青土社、二〇〇八年、新装版二〇二三年)、『イスラエルについて知っておきたい30のこと』(平凡社、二〇二五年)、訳書にジョー・サッコ著『ガザ 欄外の声を求めて』(Type Slowly、二〇二五年)、共訳書にサラ・ロイ『なぜガザなのか――パレスチナの分断、孤立化、反開発』(岡真理/小田切拓との共訳、青土社、二〇二四年)、イラン・パペ『パレスチナの民族浄化――イスラエル建国の暴力』(田浪亜央江との共訳、法政大学出版局、二〇一七年)、ハミッド・ダバシ『ポスト・オリエンタリズム――テロの時代における知と権力』(洪貴義ほかとの共訳、作品社、二〇一八年)など。
ケアの倫理——フェミニズムの政治思想
¥1,364
身体性に結び付けられた「女らしさ」ゆえにケアを担わされてきた女性たちは、自身の経験を語る言葉を奪われ、言葉を発したとしても傾聴に値しないお喋りとして扱われてきた。男性の論理で構築された社会のなかで、女性たちが自らの言葉で、自らの経験から編み出したフェミニズムの政治思想、ケアの倫理を第一人者が詳説する。 [出版社より] 著 者|岡野八代 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|1,240円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|342 ISBN|9784004320012 発 行|2024年01月 Contents 序 章 ケアの必要に溢れる社会で 第1章 ケアの倫理の原点へ 1 第二波フェミニズム運動の前史 2 第二波フェミニズムの二つの流れ――リベラルかラディカルか 3 家父長制の再発見と公私二元論批判 4 家父長制批判に対する反論 5 マルクス主義との対決 第2章 ケアの倫理とは何か――『もうひとつの声で』を読み直す 1 女性学の広がり 2 七〇年代のバックラッシュ 3 ギリガン『もうひとつの声で――心理学の理論とケアの倫理』を読む 第3章 ケアの倫理の確立――フェミニストたちの探求 1 『もうひとつの声で』はいかに読まれたのか 2 ケアの倫理研究へ 3 ケア「対」正義なのか? 第4章 ケアをするのは誰か――新しい人間像・社会観の模索 1 オルタナティヴな正義論/道徳理論へ 2 ケアとは何をすることなのか?――母性主義からの解放 3 性的家族からの解放 第5章 誰も取り残されない社会へ――ケアから始めるオルタナティヴな政治思想 1 新しい人間・社会・世界――依存と脆弱性/傷つけられやすさから始める倫理と政治 2 ケアする民主主義――自己責任論との対決 3 ケアする平和論――安全保障論との対決 4 気候正義とケア――生産中心主義との対決 終 章 コロナ・パンデミックの後を生きる――ケアから始める民主主義 1 コロナ・パンデミックという経験から――つながりあうケア 2 ケアに満ちた民主主義へ――〈わたしたち〉への呼びかけ あとがき 参考文献 Author 岡野 八代 Yayo Okano 1967年三重県生まれ.早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了.博士(政治学).現在―同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授.専攻―政治思想,フェミニズム理論. 著書―『シティズンシップの政治学――国民・国家主義批判 増補版』(白澤社),『フェミニズムの政治学――ケアの倫理をグローバル社会へ』(みすず書房),『戦争に抗する――ケアの倫理と平和の構想』(岩波書店),『ケアするのは誰か?――新しい民主主義のかたちへ』(共著・訳,白澤社),エヴァ・F.キテイ『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』(共監訳,白澤社),アイリス・M.ヤング『正義への責任』(共訳,岩波書店)など.
ケアと編集
¥1,056
〈ケアをひらく〉の名編集者が一人ひとりの「弱さ」という傾きを後押し。自分を変えずに生きやすくなる逆説の自他啓発書。 もはやこれまでと諦めてうなだれたとき、足元にまったく違うモノサシが落ちている。与えられた問いの外に出てみれば、あらふしぎ、あなたの弱さは克服すべきものじゃなく、存在の「傾き」として不意に輝きだす──。〈ケアをひらく〉の名編集者が一人ひとりの弱さをグッと後押し。自分を変えずに生きやすくなる逆説の自他啓発書。 [出版社より] 著 者|白石正明 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|960円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|254 ISBN|9784004320630 発 行|2025年04月 Contents Ⅰ いかにして編集の先生に出会ったか 1 ケアとは 刹那的なケア リハビリの昼と夜 失禁と世界の回復 太陽と空気と地面とケア 2 べてるの家との出会い 意外に遠い福祉と医療 病院のにおい もうけている作業所 網走での出会い 自分自身で、共に 「反」ではなく「非」 戦わないでさっさと逃げる 3 編集の先生 試されている感じがしない 肯定と否定の外側で 「そこがいいね!」がなぜ通用するか 〈図〉は変えないで〈地〉を変える 「商業」という魔法 医学的編集とソーシャルワーク的編集 Ⅱ ズレて離れて外へ 1 問いの外に出ざるを得ない人たち 問いの外に思考が流れてしまう人たち 風変わりな言葉たち 主語が患者と入れ替わる 土管の中で話を聞く 二つのことを同時に伝える 因果沼から“かどわかし”へ 問いの圏外に出るために 2 分母を変えるのが編集 強いロボットは歩けない 依存症は依存が足りない 「治す」「克服する」ではない物語へ 3 吃音者は分母を変えて生きていく 『どもる体』のはじまり 吃音者の方法(1)〜(4)諦める・準備しない・波に乗る・周囲を変える 分母を変える一発逆転芸 4 面と向かわない力 架空の劇なのに言えない 後ろから、波のような温かい圧が…… 「信」をめぐって――東大での体験 内面の「信」から、対人の「信」へ 「側聞」という方法 「正対」から逃れて Ⅲ ケアは現在に奉仕する 1 ケアと社交 ヘルパーへのアドバイスがなぜ役に立つ? 社交するために社交する 対話するために対話する 過程に内在するための工夫 二〇年以上前の潔さんの言葉 2 消費と浪費と水中毒 過食嘔吐の記憶 「浪費」としての飲水へ 十全な、今ここでの満足 3 今ここわたし 「惚れる」の謎 人がもっとも充実しているとき すでに本番は、はじまっている リスクとワクワク 4 ナイチンゲールを真に受ける 生体は善き方向に進む 本来治りやすい病気である ケアと痛み止め 俺はすでにして完全 Ⅳ ケアが発見する 1 原因に遡らない思考 因果論から構成論へ 幻視・幻聴を聞きまくってデータ収集 幻覚妄想の社会モデル? 前提を変えること 2 手を動かすより口を動かせ 依存症の回復モデル マイノリティの逆襲? 「ケア論的転回」としてのハームリダクション 3 同じと違う 中井久夫と発達障害 見ている世界が違う 住む星が違うから体も違う 量的な違いが無視される 発達障害と「脳の多様性」 言語化への努力 4 いつも二つある 輻輳する時間 チキンカレーとラムカレー 食べると逃げるが併走する 一列に並べることの利点 Ⅴ 「受け」の豊かさに向けて 1 蘭の花のように愛でる ALSとは 身体への着目 意図の推測から勝手な解釈へ 蘭の花のように 生を享受する人 2 受ける人 接続詞はドアを閉める 世界は受け取ることで発生する 「いる」のは忙しい 受け身と可能がなぜ同じ言葉なのか 3 いい「波」はどこから来るか よそに行ったら縛るから 「内面」という無間地獄に落ちる前に べてるに来れば病気が出る なぜ、いい「波」が来るのか 規範から遠く離れて 4 受動性と偶然性 蹴る前に受けるスポーツ 受動性や偶然性が排除される 中動態と能動的受動 弱い編集 Ⅳ 弱い編集――ケアの本ができるまで 1 山の上ホテルのペーパーナプキン ――中井久夫・山口直彦著『看護のための精神医学』 地下の薄暗い書庫で 病院のカビ臭い倉庫で ニワトリと卵と、拾う人 生活の政治学 普通への愛と憧れ 2 魔法と技術のあいだ ――本田美和子、イヴ・ジネスト、ロゼット・マレスコッティ著『ユマニチュード入門』 「好き」にさせる技術 人間的というより動物的? 属人化と標準化のあいだで 3 弱いロボットの吸引力 ――坂口恭平著『坂口恭平 躁鬱日記』、岡田美智男著『弱いロボット』 ひとり音楽会と中二病 閉じない人たち あとがき 主な参考文献 Author 白石 正明 Masaaki Shiraishi 1958年東京都生まれ.青山学院大学法学部卒業.中央法規出版を経て1996年に医学書院入社.1998年に雑誌『精神看護』を,2000年に〈ケアをひらく〉シリーズを創刊.同シリーズは現在50冊を数え,川口有美子『逝かない身体』が大宅壮一ノンフィクション賞(2010年),熊谷晋一郎『リハビリの夜』が新潮ドキュメント賞(2010年),六車由実『驚きの介護民俗学』が日本医学ジャーナリスト協会賞(2013年),國分功一郎『中動態の世界』が小林秀雄賞(2017年),東畑開人『居るのはつらいよ』が大佛次郎論壇賞(2019年),鈴木大介『「脳コワさん」支援ガイド』が日本医学ジャーナリスト協会賞(2020年)を受賞.シリーズ自体も2019年に毎日出版文化賞を受賞する.2024年3月に医学書院を定年退職.
ロゴスと巻貝
¥1,980
小津夜景とは何者なのかが垣間見える40篇の読書エッセイ。 小津夜景さんはフランス・ニース在住の俳人です。綴る文章は言葉のつながりが瑞々しく、しなやかな連想に魅力があります。これまでの著作では谷川俊太郎さんなどから帯の推薦コメントをもらい、書籍が文庫化するなど注目が集まっています。本書は単なる読書エッセイではなく、これまでの小津さんの人生と、そこから結びつく本の記憶を手繰り寄せ、芳醇な言葉の群で紡ぎ合わせ、過去と現在、本と日常、本の読み方、人との交際などについて綴った一冊になっています。 [出版社より] 「細切れに、駆け足で、何度でも、這うように、本がなくても、わからなくても——。読書とはこんなにも自由なのですね、小津さん」 ——山本貴光[文筆家・ゲーム作家] 著 者|小津夜景 出版社|アノニマ・スタジオ 定 価|1,800円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|256 ISBN|978-4-87758-855-7 発 行|2023年12月 Contents 読書というもの それは音楽から始まった 握りしめたてのひらには あなたまかせ選書術 風が吹けば、ひとたまりもない ラプソディ・イン・ユメハカレノヲ 速読の風景 図書館を始める 毒キノコをめぐる研究 事典の歩き方 『智恵子抄』の影と光 奇人たちの解放区 音響計測者(フォノメトログラフィスト)の午後 再読主義そして遅読派 名文暮らし 接続詞の効用 恋とつるばら 戦争と平和がもたらすもの 全集についてわたしが語れる二、三の事柄 アスタルテ書房の本棚 ブラジルから来た遺骨拾い 残り香としての女たち 文字の生態系 明るい未来が待っている 自伝的虚構という手法 ゆったりのための獣道 翻訳と意識 空気愛好家の生活と意見 わたしの日本語 ブルバキ派の衣装哲学 わたしは驢馬に乗って句集をうりにゆきたい そういえばの糸口 月が地上にいたころ 存在という名の軽い膜 プリンキピア日和 軽やかな人生 料理は発明である クラゲの廃墟 人間の終わる日 本当に長い時間 梨と桃の形をした日曜日のあとがき 引用書籍一覧 Author 小津 夜景 Yakei Odu 1973年北海道の生まれ。俳人。2000年よりフランス在住。2013年「出アバラヤ記」で攝津幸彦記念賞準賞、2017年『フラワーズ・カンフー』(2016年、ふらんす堂)で田中裕明賞、2018年『カモメの日の読書 漢詩と暮らす』(東京四季出版)、2020年『いつかたこぶねになる日 漢詩の手帖』(素粒社)、2022年『なしのたわむれ 古典と古楽をめぐる手紙』(素粒社)共著、『花と夜盗』(書肆侃侃房)、2023年11月『いつかたこぶねになる日』(新潮文庫)。
木ひっこぬいてたら、家もらった。
¥1,760
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生きづらければ、つくるのだ。 尼崎「ガサキベース」の店主・足立さんは、300 坪の土地と2軒の家をほぼゼロ円でもらった。それは足立さんがどん底を経験しながらも、つくり続けたから生まれたお話。 「経済合理性」は、一つじゃない。 生きづらさを抱え「つくれる本屋」を開いた著者との対話から、生き方を探る一冊。 兵庫県尼崎市のガサキベース。工場をリノベーションしたその場所は、コーヒーも飲めるし、DIY を教えてくれる不思議な場所。店主の足立繁幸さんはガサキベースの縁で島根の家を1 軒タダで譲り受け、その家の木を引っこ抜いていたら、うしろのもう1 軒ももらうことに。 どうしてそんなできごとが起こったのか? 足立さんの幼少期からの生きづらさ、家族・DIY・仕事・お金……現代人に共通する悩みとともに紐解いていきます。つくれば人とモノの縁がつながる。 [出版社より] 著 者|足立繁幸・平田堤 出版社|DIY BOOKS 定 価|1,600円+税 判 型|四六版/並製 頁 数|144 ISBN|978-4-9914014-0-4 発 行|2025年03月 Contents はじめに 『わらしべ長者』みたいなできごとはなぜ起こった? なぜ空き家が増えるのか 経済合理性って何だ? 疲弊の果てのDIY BOOKS 人生はDIYでしかない ガサキベース=「オムツの履き替え場所」 焼け野原のあとの、島根で モテるために始まったDIY道 DIYと愛と「巣」 カクカクしていたあのころ ガサキベースの誕生と変化 買うことで自分を高める機会と縁が切れる メイカームーブメントと、ブリコラージュ、そして編集 作為的でない美しさと「普通」 いろんなかたちがあっていい 新しい家族との出会い 里親という家族のかたちと「波紋」 ガサキベースをちゃんと死なせたかった 「アマ」ではなく「ガサキ」なのはなぜか 手を動かすと昔と繋がる 子どもにはDIYをさせよ(まず大人から) 二項対立と秩序 生命はエントロピー増大に抗い「系」をつくる 人は自分の「系」をつくる存在 木を引っこ抜いてみた 愛のあった家と、ルーツへ 親心と戦争と百姓 根っこを逆に帰る それぞれの論理へ つくるから縁ができる 論理的思考は一つではない 根を張って生きる 終わりにかえて。文とつくること あとがき Author 足立 繁幸 Shigeyuki Adachi 島根県生まれ。尼崎でガサキベースを開き、DIYをデリバリーで行い、つくり方を教える。2025年以降はもらった島根の2 軒の古民家を改造して新しい拠点をつくる予定。 平田 提 Dai Hirata 秋田県生まれ。Web 編集者・ライター。尼崎に「つくれる本屋」DIY BOOKS を2023 年10 月に開店。その際に足立さんと出会う。ZINEの作り方のスクールなどを開催。
ユーモアの鎖国 新版
¥990
14歳から銀行で働き、焼けた東京で詩を書いた。日本を代表する詩人が己の人生とくらしを鮮やかにつづった自伝的傑作エッセイ集、復刊! 戦後日本を代表する詩人・石垣りん。実母を4歳で亡くし、その後3人の母を持った1920年生まれの少女は、自ら生きる糧を求めて銀行に就職。単身、定年まで勤めあげる。戦火をくぐり抜けながら、復興する都市に働きながら、あるいは暮らしの窓辺から、転換期にある国を見つめた。人ひとりの自由と時を重ねる日々の強さを真摯かつ鮮やかに綴った、自伝的エッセイ集。解説=牟田都子。 [出版社より] 著 者|石垣りん 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|900円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|320 ISBN|978-4-480-44040-2 発 行|2025年06月 Contents 待つ Ⅰ 新巻/花嫁/宿借り/夜叉/朝のあかり/はまぐり/甘栗/美味/ラーメン/バナナ/お茶/うわさ/季節/シジミ/おそば/まじめな魚 Ⅱ 夏の日暮れに/試験管に入れて/鍵/ユーモアの鎖国/炎える母の季節/お酒かかえて/お礼/日記/春の日に/けちん坊/絵の中の繭/花よ、空を突け Ⅲ 事務員として働きつづけて/五円が鳴いた/花とお金/目下工事中/よい顔と幸福/事務服/晴着/領分のない人たち/生活の中の詩 Ⅳ 詩を書くことと、生きること/女湯/立場のある詩/事実とふれ合ったとき/持続と詩/表札のうしろ/第一行はとび出してきます/あとがきのこと/清岡卓行『四季のスケッチ』感想/生活詩/出来ること出来ないこと/風信 Ⅴ 食扶持のこと/眠っているのは私たち/買えなかったもの/私の新しい空/仕事/個人の手・公の手/生活と詩/犯された空の下で 文庫版あとがき 解説 牟田都子 Author 石垣 りん Rin Ishigaki 1920年、東京生まれ。詩人。2004年没。高等小学校時代から詩作を始め、少女雑誌に投稿。卒業後、14歳で日本興業銀行に就職し、25歳の時に敗戦を迎えた。1938年、同人誌「断層」創刊。福田正夫に師事する。1959年、第一詩集『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』刊行。1969年に第二詩集『表札など』でH氏賞、1972年に『石垣りん詩集』で田村俊子賞、1979年に『略歴』で地球賞をそれぞれ受賞。エッセイに『ユーモアの鎖国』『焔に手をかざして』『夜の太鼓』などがある。
クィア
¥1,100
麻薬中毒者リーは「触れあい」を求めて近づいた青年アラートンとともに南米へと旅に出る……笑いにまみれた孤独と喪失感、デビュー直後に執筆されながら長らく封印されてきた告白的純愛小説。 [出版社より] 著 者|ウィリアム・バロウズ 訳 者|山形浩生・柳下毅一郎 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,000円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|208 ISBN|978-4-309-46813-6 発 行|2025年04月 Author ウィリアム・S・バロウズ William S. Burroughs 1914年、米国ミズーリ州生まれ。作家。53年、麻薬中毒者を描いた『ジャンキー』でデビュー。『裸のランチ』は世界的な反響を呼び、ビートニク文学の代表作となる。著書に『ソフトマシーン』『ノヴァ急報』他。 Translator 山形 浩生 Hiroo Yamagata 1964年東京都生まれ。評論家、翻訳家。訳書にオーウェル『動物農場』、ケインズ『新訳 平和の経済的帰結』、ミルグラム『服従の心理』、ピケティ『21世紀の資本』(共訳)他。著書に『翻訳者の全技術』他。 柳下 毅一郎 Kiichiro Yanashita 1963年大阪府生まれ。特殊翻訳家、映画評論家。訳書に、ウルフ『ケルベロス第五の首』、ラファティ『第四の館』他。監修に『J・G・バラード短編全集』、著書に『皆殺し映画通信』『新世紀読書大全』他。
歌の祭り
¥1,155
インディオたちの生活の美しさと秘められた知恵、そして深遠な宇宙観――。 若き日のル・クレジオにまったく新しい宇宙と生き方を開示した、パナマのエンベラ族との出会いを語る表題作をはじめ、著者が一貫して熱情にみちた関心をそそぐ、南北両アメリカ先住民世界をめぐる、しずかな抒情と宇宙論的ひろがりをたたえた民族誌。 [出版社より] 著 者|ル・クレジオ 訳 者|管啓次郎 出版社|岩波書店[岩波文庫] 定 価|950円+税 判 型|文庫判・並製 頁 数|340 ISBN|9784003860182 発 行|2025年06月 Contents 歌の祭 インディオの書三つ ミチョアカン、神々の征服 祭から戦へ 先住アメリカの黄金の夢 チチメカ人 インディヘニスモと革命 アメリカ先住民神話と文学 豊饒の角 タレクアトのハコボ・ダシアーノ メキシコ、三つの礼賛 鳥の人々 ジビルノカク、夜の書 先住民の声――リゴベルタ・メンチュー すべては結ばれている 大洪水に抗して踊る
最初の哲学、最後の哲学——形而上学と科学のあいだの西洋の知
¥2,090
西洋の知を支配し諸科学を基礎づけてきた形而上学に、いまなお存在意義はあるのか。アリストテレス、スコトゥス、カント、ハイデガーを読み解きながら哲学史における形而上学の機能を剔抉し、その放浪の歴史を描き出す。アガンベンによる最良の形而上学入門。 [出版社より] 著 者|ジョルジョ・アガンベン 訳 者|岡田温司 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|1,900円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|224 ISBN|9784582769913 発 行|2025年06月 Contents Ⅰ 第二哲学 Ⅱ 分裂した哲学 Ⅲ 超越論批判 Ⅳ 無限の名 Ⅴ 超越論的対象=X Ⅵ 形而上学的動物 原註 訳註 ドン・キホーテの存在論──訳者あとがきに代えて 参考文献 索引 Author ジョルジョ・アガンベン Giorgio Agamben 1942-。イタリアの哲学者・美学者。 Translator 岡田温司 Atsushi Okada 1954年、広島県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。京都大学名誉教授。専門は西洋美術史・思想史。著書『モランディとその時代』(人文書院、2003年)で吉川秀和賞、『フロイトのイタリア』(平凡社、2008年)で読売文学賞を受賞。
開かれ——人間と動物
¥1,430
人間と動物が交錯する未決定な例外状態の閾を、バタイユのアセファルから、コジェーヴのスノッブ、ユクスキュルのダニ、ハイデガーの倦怠へと縦横無尽に描き出す、生政治の超克と人類学機械の停止へむけた壮大な系譜学。“剥き出しの生”のさらなる探究。 [出版社より] 著 者|ジョルジョ・アガンベン 訳 者|岡田温司・多賀健太郎 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|1,300円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|240 ISBN|9784582767452 発 行|2011年10月 Contents 動物人 無頭人 スノッブ 分接の秘儀 至福者たちの生理学 経験的認識 分類学 序列なし 人類学機械 環世界 ダニ 世界の窮乏 開かれ 深き倦怠 世界と大地 動物化 人類創生 あいだ 無為 存在の外で Author ジョルジョ・アガンベン Giorgio Agamben 1942-。イタリアの哲学者・美学者。
ジェイムズ
¥2,750
逃亡奴隷ジェイムズの過酷な旅路の果てに待つものとは──。「ハックルベリー・フィン」を過激な笑いと皮肉でくつがえした、前代未聞の衝撃作。全米図書賞&ピュリツァー賞受賞。 全米図書賞&ピュリツァー賞、驚異のW受賞。 ブリティッシュ・ブック・アワード、カーネギー賞、カーカス賞受賞。 ニューヨーク・タイムス・ベストセラー1位、2024年ベストブック最多選出。 各賞を総なめにした、2024年アメリカ文学最大の話題作。 我が身を売られる運命を知り、生き延びるために逃げ出した黒人奴隷ジェイムズ。しかし少年ハックをともないミシシッピ川をくだる彼を待ち受けるのは、あまりに過酷な旅路だった。奴隷主たちを出し抜き、ペテン師を騙し返し、どこまでも逃げていくジェイムズの逃避行の果てに待つものとは──。 黒人奴隷ジムの目から「ハックルベリー・フィン」を語り、痛烈な笑いと皮肉で全世界に衝撃を与えた怪物的話題作。 [出版社より] 「物語は往々にして誰かの人生を破壊し、利用する。だが、鮮やかなやり方で新たな命を与えることも出来る。この小説のように」 ───西加奈子 「読み始めたが最後、『ハックルベリーの冒険』を愛する私がいかに「白人」であったか、自分を笑い飛ばして痛快になる」 ───星野智幸 「米文学界の巨人、エヴァレット。容赦なくも慈悲深く、美しくも残酷で、悲劇であり茶番劇でもあるこの見事な小説は、文学史を書き換え、長らく抑圧されてきた声を私たちに聞かせてくれる」 ───エルナン・ディアズ 著 者|パーシヴァル・エヴェレット 訳 者|木原善彦 出版社|河出書房新社 定 価|2,500円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|416 ISBN|978-4-309-20928-9 発 行|2025年06月 Author パーシヴァル・エヴェレット Percival Everett 1956年生まれ。アフリカ系アメリカ人作家。南カリフォルニア大学卓越教授。これまで20作以上の長編を発表し、高い評価を受ける。"Erasure"が2023年『アメリカン・フィクション』として映画化。 Translator 木原 善彦 Yoshihiko Kihara 1967年生まれ。京都大学大学院修了。大阪大学大学院人文学研究科教授。著書に『アイロニーはなぜ伝わるのか?』ほか。訳書にウィンターソン『フランキスシュタイン』、ダーラ『失われたスクラップブック』など。
山脇道子バウハウス回想集
¥4,950
ナチズム前夜、ヴァイマール期ドイツに花開いた最先端の造形学校バウハウス。留学生としてモダニズムを痛快に生きたテキスタイル・デザイナー山脇道子(1910-2000)のエッセー20編を収める。 1930(昭和5)年、建築家の夫・巖とともに、ニューヨーク経由、大西洋航路でデッサウ・バウハウスへ。予備知識もなく門をくぐったが、「ア! これはいける」。シンプルで機能的、「芸術と技術の統合」をめざす教育に、東京・築地で茶人の家に生まれ育った道子は茶の湯と共通する感覚を見出したのだった。 カンディンスキーやアルベルスに基礎課程を学び、織物科に進級。帰国後、「図案を織る」から「素材を織る」へ、日本の織物に新しい視野を開いた。やがて晩年、機能主義に息が続かなくなって、抜け道や無駄、「間」を求める心がきざす日々にも、思い出すのは懐かしい師や友たちのこと。 巖がバウハウス校内で撮影した貴重なスナップ写真を含む図版130余点、編者による評伝と年譜を付す。 [出版社より] 著 者|山脇道子 編 者|川畑直道 出版社|みすず書房 定 価|4,500円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|336 ISBN|978-4-622-09796-9 発 行|2025年06月 Contents バウハウスの一研究生として 日本と逆にゆくドイツの新興織物 バウハウス織物の話 バウハウスの織物について バウハウスの新標準文字 室内設備と織物 新しい手織物 バウハウス・デッサウの思い出 楽しみ――織物 建築用織物について 婦人と工芸について 五月三一日夜のグロピウス御夫妻 アルベルスの思い出 我が師カンディンスキー バウハウス・デッサウと私 バウハウスとそのデザインについて バウハウスに学んで バウハウスでの学生生活 デッサウ・バウハウス四方山ばなし わたくしのものさし 解説 年譜 文献 Author 山脇 道子 Michiko Yamawaki 1910年、裏千家の茶人の長女として東京・築地に生まれる。東京女子高等師範学校付属高等女学校卒業後、1928年、建築家・藤田巖と結婚。1930-32年、巖とともにドイツの造形学校、建築家のミース・ファン・デル・ローエ学長率いる「バウハウス」で学ぶ。初の日本人女子留学生として織物科に進級。1932年ナチの台頭を前にして帰国。テキスタイル・デザイナー、最先端のモダンガールとして活躍。1936年、「第一回帝国美術院展覧会[帝展改組一回展]」第四部・美術工芸に入選。戦後、昭和女子大学文家政学部被服美学科や日本大学芸術学部美術学科で講師をつとめた。著書に『バウハウスと茶の湯』(新潮社、1995年)がある。2000年、90歳で逝去。 Editor 川畑 直道 Naomichi Kawabata 1961年、長崎県生まれ。グラフィック・デザイナー。著書に『原弘と「僕達の新活版術」』(トランスアート、2002年/Workroom Press、韓国、2017年)。編著に『青春図會 河野鷹思初期作品集』(河野鷹思資料室、2000年)、『紙上のモダニズム』(六耀社、2002年)、『山名文夫』(トランスアート、2004年)、『亀倉雄策』(同、2006年/磐築創意有限公司、台湾、2011年)。共著に「混沌とした一九三七年」(五十殿利治・水沢勉編『モダニズム/ナショナリズム』せりか書房、2003年)、「写真壁画の時代」(五十殿利治編『「帝国」と美術』国書刊行会、2010年)など。1994-95年、山脇道子著『バウハウスと茶の湯』に編集協力。
新版 散文
¥2,420
SOLD OUT
旅、音楽、季節、そして言葉。 詩人・谷川俊太郎が60~70年代に綴った思索の記憶。 「どこまでも言葉に誠実であろうとしたひとりの詩人の文章を受け取ることができるわたしたちは、このうえなく幸福なのだと言わねばならない」──永井玲衣 旅と出会い。音楽・映画・美術についての感想。日々の思索。書くことへの自問。世界の美しさに人一倍酔いながらも、どんなささやかなものも決して感じつくし、知りつくすことができない自分に奇妙ないらだちを覚える……。詩作の根源にふれた重要な論考「発語の根はどこにあるのか」「『何ひとつ書く事はない』と書けるということ」を含む、詩人・谷川俊太郎が60~70年代に綴った貴重なエッセイ集〔1972年初版〕。解説=永井玲衣(哲学研究者)。 [出版社より] 著 者|谷川俊太郎 出版社|晶文社[晶文社ライブラリー] 定 価|2,200円+税 判 型|四六版・並製 頁 数|320 ISBN|978-4-7949-7474-7 発 行|2025年05月 Contents 旅 出会い/ニューヨークからの手紙/橋をかけろ、トンネルを掘れ!/道三態/ぶらりドライブ/自動車から馬へ/一九七二東京 季節 春の臨終/五月の空/五月に/五月の海/梅雨の季節/テーブルの上に……/室内について/青空/私の海/永遠/三好さん/不思議な力/昨日今日など 聴く 音楽のとびら/〈好き〉から〈愛〉へ/ピアノを開く時/耳で聞く詩/或る苦痛について/立ちばなし 見る クローズアップ/見知らぬ人間/静けさ/私のマリリン・モンロー/ツタンカーメンの黄金のマスク/ピカソを所有する権利/ガラスのむこう/何かしている/競技者のイメージ/LSDリポート/青い映画と無邪気/フェルメールへの渇き/暗闇の中の地球 思う 最も大切なもの/どうしてもほしいもの/思いつめる/おそろしい/チャーリーブラウンの世界/太平洋の小さなヨット/漂流者たち/教育について/本について/友情について/カネについて/後悔について/忙しいですか/おさな友だち/ひとりっ子 /自分自身への注文/前提として 言葉 発語の根はどこにあるのか/仮に勘と呼ぶ曖昧なものについて/「何ひとつ書く事はない」と書けるということ/〈公〉という一文字に発する断想/詩の現場がどこかにあるはずだ/自問自答 あとがき 解説 ためらう詩人 永井玲衣 Author 谷川 俊太郎 Shuntaro Tanikawa 1931年東京生まれ。詩人。1952年第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。1962年「月火水木金土日の歌」で第四回日本レコード大賞作詩賞、1975年『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞、1982年『日々の地図』で第三十四回読売文学賞、1993年『世間知ラズ』で第一回萩原朔太郎賞など受賞・著書多数。詩作のほか、絵本、エッセイ、翻訳、脚本、作詞など幅広く作品を発表。作品は海外でも多数翻訳され、2020年に国際交流基金賞、2022年にストゥルガ詩の夕べ金冠賞を受賞。全国各地での朗読、ライブ活動にも力を注ぎ、詩の裾野を大きく広げた。2024年11月逝去。
あなたの肌を描く とし総子詩集
¥2,200
花の色の爪が はがれた 花弁の中に 埋もれてしまう 鮮やかすぎる 赤を残して ますます 肌は青くなる [「彩」より] 「世界のまっ心をつかみ ひかりをまぜたことばたち。とし総子の詩にはこの世界のほんとう、そのかけらだけがとどめられている」 ——茉莉亜まり[川柳人] 「海も 山も 空も 全ての宇宙を内包している とし総子さん」 ——福永祥子[詩人] 著 者|とし総子 出版社|澪標 定 価|2,000円+税 判 型|13mm*21.5mm/上製 頁 数|58 ISBN|978-4860785963 発 行|2024年11月 Author とし 総子 Souko Toshi 1987年生まれ。詩人。2024年11月澪標社より第一詩集『あなたの肌を描く』を上梓。 https://note.com/akitukiyuka/ https://www.instagram.com/akituki0530/
スピン / spin 第12号
¥330
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16号限定・オールジャンルの新雑誌が創刊。 2026年に創業140周年を迎える河出書房新社が、そのカウントダウン企画として刊行する16号限定・オールジャンルの季刊誌です。小説からエッセイ、コラム、企画連載、さらには新たな書き手の誕生まで、毎号ジャンルを超えた作家による作品をお届けします。 多種多様な本や書き手との出会いをお楽しみください。 ー 日常に「読書」の「栞」を──オールジャンルの新雑誌「スピン/spin」12号目です。ジャンルに縛られない「書き手」との出会いの場を「紙」でお届けします(16号限定)。 [出版社より] 出版社|河出書房新社 定 価|300円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|160 発 行|2025年06月 ISBN |4910078220759 Contents [新連載] ・佐々木譲 路上の輝き ・澤田瞳子 おぼろ影 [短歌] ・鳥さんの瞼 風にいる [短篇] ・横山拓也 潮時 [特別掲載 楽曲・歌詞] ・高田漣 街の彼方のワルツ [エッセイ] ・松本英子 湯気 ・劉佳寧 龍彥親王と中国 [連載小説] ・芦沢央 短期集中連載 おまえレベルの話はしていない(芝)(最終回) ・一穂ミチ ハイランド美星ヶ丘(第12回) ・大森美香 花と葉(第11回) ・尾崎世界観 すべる愛(第11回) ・恩田陸 そして金魚鉢の溢れ出す午後に、(第12回) ・堂場瞬一 連作 罪と罪(第12回) ・中村文則 彼の左手は蛇(最終回) ・藤沢周 利休残照(第12回) [連載詩]第9回 ・最果タヒ キャラクターの血のみずうみに、ぼくの瞳が映ってる――火の鳥未来編詩集 [紙の話] 第12回 ・奈良裕己 紙とシルクスクリーン印刷の話 [詩歌の話/詩歌の楽園 地獄の詩歌]第12回 ・渡辺祐真 俳句の歴史 その2 〜明治末期から昭和初頭まで、俳壇はいかに分裂したのか?〜 [本の話] ・西岡勉 山根さんの本作り [連載書評/絶版本書店 手に入りにくいけどすごい本] ・服部真里子 無表情の神 ・昼間匠 書店員としての原点 [連載エッセイ/書を買おう、街へ出よう。] 第12回 ・斉藤壮馬 「THE WORLD (IS MADE OUT OF) CLOSED ROOMS.」 [紙のなまえ]
世界 2025年7月号
¥1,045
【特集1】憎悪の政治学 憎しみはどこから生まれるのか。 財務省解体を訴えるデモ、誹謗中傷が続く兵庫県知事選問題、 クルドの人々 や在日外国人への差別的言動……。「既得権益側」「自分たちの領分を脅かす」とみなす相手への敵意を煽り、それがSNSを通じて増幅される。 とどまるところを知らない苛烈な攻撃、その根源を照らす。 【特集2】私たちはなぜ不安なのか 癒えない疲労、頭から離れない不安、やめられないメールやSNSのチェック……この心の危機は、何が原因なのだろう。 個人に問題を閉じ込めない社会へ。生きづらさの構造を解きほぐしてみる。 [出版社より] 出版社|岩波書店 定 価|950円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|296 発 行|2025年06月 ISBN |4910055010755 Contents ┏━━━┓ ┃特集 1┃憎悪の政治学 ┗━━━╋…──────────────────────────────── 誹謗中傷の洪水に立つ──「報道特集」兵庫県知事選検証から 曺琴袖(TBS「報道特集」編集長) 取り残された人々の財政ポピュリズム──財務省解体デモの論理と心情 伊藤昌亮(成蹊大学) 女性への制裁という「エンタメ」──ミソジニーの収益化とColabo攻撃 小川たまか(ライター) どのような憎悪か?──ランシエールから考える 鈴木亘(東京大学) 排外主義を動かす政治──クルド人差別とヘイトの本質 倉橋耕平(創価大学) ┏━━━┓ ┃特集 2┃私たちはなぜ不安なのか ┗━━━╋…──────────────────────────────── 〈座談会〉 人は会話しながら生きている 小澤いぶき(児童精神科医)×名郷直樹(医師)×松山純子(社労士)×森川すいめい(精神科医) SOSを出さない日本人──規範を優先する社会 石井敬子(名古屋大学) 〈インタビュー〉 雑談が人を救うこともある 松本俊彦(精神科医) 「自分疲れ」と社会──やさしく混じり合う場所がどこかにある 頭木弘樹(文学紹介者) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆注目記事 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 米中対立はグローバルな自由貿易体制をどう変えるのか 梶谷 懐(神戸大学) 終末ファシズムの勃興 ナオミ・クライン(ジャーナリスト)、アストラ・テイラー(ドキュメンタリー作家)、訳=中村峻太郎(翻訳家) 〈連載〉 午前1時のメディアタイムズ 第4回 ニュースをめぐる分断線 若林 恵(編集者/黒鳥社) 日米「コメ密約」の闇─ミニマム・アクセス米と塩飽文書 山田 優(農業ジャーナリスト) 研究不正の蔓延──日本の科学はどのように蝕まれているか 田中智之(京都薬科大学) 〈連載〉 最後は教育なのか? 第10回 みんな受験を語りたがる──中村高康さんに聞く 武田砂鉄(ライター) 〈リレー連載〉 隣のジャーナリズム 「大谷バブル」と忖度報道 水谷竹秀(ノンフィクションライター) 〈スケッチ〉 ひらめきを書きとめる 古賀及子(エッセイスト) 〈シリーズ夜店〉 猟師の眼で見る 「熊問題」の人類学 北川真紀(東京大学) 〈連載〉 原発事故 検証の空白 第2回 隠された雨の汚染 添田孝史(科学ジャーナリスト) 拘禁刑で刑務所はどうなる──刑務官は変われるか 浜井浩一(龍谷大学) 市民的エネルギー管理の可能性──理想と現実のあいだから 古賀勇人(マンチェスター大学博士課程) 〈シリーズ〉 この社会の社会学 第6回 都市の「棲み分け」を可視化する 川野英二(大阪公立大学) 〈連載小説〉 不屈のひと 物語「女工哀史」 第3回(最終回) 敵、襲来 石田陽子(文筆業、編集者) 〈シリーズ〉 「戦後」解体 第4回 交差する暴力に抗う回路──在日朝鮮人の記憶とケアの倫理 李 杏理(東京経済大学) 〈インタビュー〉 「白人女性の闘いは、私たちの闘いではなかった」──『チャーチ・レディの秘密の生活』著者インタビー ディーシャ・フィルヨー(作家)、聞き手=押野素子(翻訳家) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇世界の潮 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇「エルドアンのトルコ」の急展開 今井宏平(ジェトロ・アジア経済研究所) ◇憲法問題としての教員の働き方改革──給特法等改正は学校を救えるか 髙橋 哲(大阪大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇本との出会い ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇読書・鑑賞日記 読んで、観て、聴いて 中村佑子(作家/映像作家) ◇本とチェック 第26回 神保町の隣人たち 金承福(クオン代表) ◇言葉と言葉のかくれんぼ 第15回 隣国語の森 チョン・スユン(翻訳家) ◇戦後の悪人正機説──大澤真幸『西洋近代の罪』 藤沢 周(小説家) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●連載 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アジアとアメリカのあいだ 第7回 人間を消す国、記憶も消す国 望月優大(ライター) あたふたと身支度 第10回 いつかはグレイヘア 高橋純子(朝日新聞) 彼女たちの「戦後」 第10回 平野レミ──自由と歓待 山本昭宏(神戸市外国語大学) 「変わらない」を変える 第26回 バックラッシュとミソジニー 三浦まり(上智大学) 脳力のレッスン(277) ウクライナの影 ロシア革命そして満州国へ 寺島実郎 片山善博の「日本を診る」(188) これまでのコメ政策はミッションを間違えている 片山善博(大正大学) 気候再生のために 第34回 気候と社会の悪循環 江守正多(東京大学) いじめ後遺症 第5回 「否認」という病理 斎藤 環(精神科医) ドキュメント激動の南北朝鮮 第335回(25・4~5) 編集部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○記憶をもった鏡 西野壮平『Short Stories: Beppu』 戸田昌子(写真史家) ○岩波俳句 選・文 池田澄子(俳人) ○アムネスティ通信 ○読者談話室 ○編集後記 ○表紙画 土屋未久(表紙 問う、 2025、裏表紙 夜になる 2025) ○キャラクター・扉絵 西村ツチカ ○アートディレクション 須田杏菜 ○本文デザイン 大原由衣+安賀裕子+都井美穂子
世界 2025年6月号
¥1,045
【特集1】科学vs政治 科学者の大量解雇、研究予算の縮減。第二次トランプ政権下ですすむかつてない規模での科学への弾圧。気候変動や環境正義、DEI……。政権による言葉狩りは、大学における研究の自由をも侵食している。 日本では、任命拒否の理由も一切説明されないまま「学術会議解体法案」が今国会に提出された。法人化以降、研究力を削がれてきた日本の学術の「終わりの始まり」となってしまうのか。 民主主義の基盤を揺るがす科学への攻撃に、私たちはどう対峙すべきか。 【特集2】老いる社会 社会全体を覆っている閉塞感。その背後には何があるのだろうか。 止まらない少子高齢化と産業、社会保障への不安、深刻化するインフラ老朽化、そして、この現状へ対応できない制度の硬直……。これまでも課題とされてきた人・物・システムのありようは、いまや限界にきている。 「老い」の先を見通すことができるのか。4つの考察から探る。 [出版社より] 出版社|岩波書店 定 価|950円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|296 発 行|2025年05月 ISBN |4910055010656 Contents ┏━━━┓ ┃特集 1┃ 科学VS政治 ┗━━━╋…──────────────────────────────── 〈対談〉 科学という制度の破壊 隠岐さや香(東京大学)×松村一志(大阪大学) 〈インタビュー〉 学術会議解体法案は、日本の科学の死だ 山極壽一(総合地球環境学研究所所長、日本学術会議元会長) 〈ルポ〉 トランプ2・0 文化戦争と気候危機 八田浩輔(毎日新聞) 「多様性」の蹉跌──アメリカの大学で何が起きているのか 宮本ゆき(デュポール大学) ┏━━━┓ ┃特集 2┃老いる社会 ┗━━━╋…──────────────────────────────── インタビュー 就職氷河期世代の老後 近藤絢子(東京大学) 少子化・地方創生・ジェンダー──「高齢社会」の袋小路 松浦 司(中央大学) 「国民の選択」としてのインフラ老朽化 杉浦 勉(関西大学) 「まち」も歳をとっていく──北海道周縁からみえる生活基盤の臨界 勝木晃之郎(北海道新聞) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆注目記事 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「思想家」J.D.ヴァンスを読み解く 井上弘貴(神戸大学) 午前1時のメディアタイムズ 第3回 「MAGA左翼」の衝撃 若林 恵(編集者/黒鳥社) そして、「渚」へ──辺野古 軟弱地盤と呼ばれるものから 赤坂真理(作家) 〈新連載〉 原発事故 検証の空白 第1回 「安定ヨウ素剤投与指示」はどこで止まったのか? 吉田千亜(ライター) 中国の“天は崩れない”か──第二次貿易戦争を見通す視座 高口康太(ジャーナリスト) ネタニヤフ政権の延命策──ガザ 遠ざけられた恒久停戦 鈴木啓之(東京大学) 戦争を糧に増殖を遂げるロシア経済 服部倫卓(北海道大学) 韓国政治と「民主主義の後退」 磯崎典世(学習院大学) 採掘をめぐる“ディール”──終わりなきコンゴ民主東部紛争 今泉 奏(朝日新聞) 〈リレー連載〉 隣のジャーナリズム 私の「八月ジャーナリズム」 栗原俊雄(毎日新聞) 〈スケッチ〉 雑誌の庭 しりあがり寿(漫画家) 〈シリーズ夜店〉 立場性を引き受けること──「慰安婦」問題に関わる日本人男性たちの語りから 朴沙羅(ヘルシンキ大学) 〈連載小説〉 不屈のひと 物語「女工哀史」 第2回 それぞれの紡績工場 石田陽子(文筆業、編集者) 〈戦後80年対談〉 田中角栄は何を見ていたのか 田中眞紀子(元外務大臣)×真山 仁(小説家) 虚構の黙秘権 取調べ拒否できない日本 デイビッド・T.ジョンソン(ハワイ大学) 訳=秋元由紀(翻訳家) 〈シリーズ〉 「戦後」解体 第3回 自発的優生思想の源流を探る 横山 尊(広島大学) ヨーロッパで踊りながら採集したクルド移民の物語 金井真紀(文筆家、イラストレーター) 〈連載〉 この社会の社会学 第5回 「三歳児神話」に挑む 柴田 悠(京都大学) 「この糸につかまりなさい」──『編むことは力』著者インタビュー ロレッタ・ナポリオーニ(エコノミスト)、聞き手=佐久間裕美子(ライター) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇世界の潮 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇トランプ関税 国際経済体制を揺るがす政権内対立 高橋和宏(法政大学) ◇軍政下のミャンマー大地震──人道支援のジレンマ 今村真央(山形大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇本との出会い ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇中国ディアスポラ書店の風 吉岡桂子(朝日新聞) ◇本とチェック 第25回 社長の仕事 金承福(クオン代表) ◇言葉と言葉のかくれんぼ 第14回 「サラン」を使うとき 斎藤真理子(翻訳家) ◇読書・観賞日記 読んで、観て、聴いて 長谷部恭男(早稲田大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●連載 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アジアとアメリカのあいだ 第6回 敵でもなく友でもなく、ただの隣人として 望月優大(ライター) あたふたと身支度 第9回 若作り 高橋純子(朝日新聞) 彼女たちの「戦後」 第9回 吉田ルイ子──Something we can do 山本昭宏(神戸市外国語大学) 「変わらない」を変える 第25回 「超現実」のアメリカ 三浦まり(上智大学) 気候再生のために 第33回 米国 気候科学の危機 高村ゆかり(東京大学) 片山善博の「日本を診る」(187) 図書館閉館問題から見えてくる自治体のモラル欠如 片山善博(大正大学) 脳力のレッスン(276) 「北の黒船」ロシアの来航再考 寺島実郎 いじめ後遺症 第4回 長期的影響のエビデンス──旭川市いじめ自殺(3) 斎藤 環(精神科医) ドキュメント激動の南北朝鮮 第334回(25・3~4) 編集部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○記憶をもった鏡 岩波友紀『Blue Persimmons』 戸田昌子(写真史家) ○岩波俳句 選・文 池田澄子(俳人) ○アムネスティ通信 ○読者談話室 ○編集後記 ○表紙画 土屋未久(表紙 何処へ 2025、裏表紙 残る 2025) ○キャラクター・扉絵 西村ツチカ ○アートディレクション 須田杏菜 ○本文デザイン 大原由衣+安賀裕子
百年の孤独
¥1,375
蜃気楼の村を開墾しながら孤独に生きる一族。目も眩むその宿命を描いた百年の物語。 蜃気楼の村マコンドを開墾しながら、愛なき世界を生きる孤独な一族、その百年の物語。錬金術に魅了される家長。いとこでもある妻とその子供たち。そしてどこからか到来する文明の印……。目も眩むような不思議な出来事が延々と続くが、予言者が羊皮紙に書き残した謎が解読された時、一族の波乱に満ちた歴史は劇的な最後を迎えるのだった。世界的ベストセラーとなった20世紀文学屈指の傑作。 [出版社より] 著 者|ガブリエル・ガルシア=マルケス 訳 者|鼓直 出版社|新潮社[新潮文庫] 定 価|1,250円+税 判 型|文庫版/並製 頁 数|672 ISBN|978-4-10-205212-9 発 行|2024年06月 Contents 百年の孤独 注解 訳者あとがき 改訳新装版のための訳者あとがき 解説 筒井康隆 Author ガブリエル・ガルシア=マルケス Marquez,Gabriel Garcia 1927-2014。コロンビア、アラカタカ生まれ。ボゴタ大学法学部を中退し、新聞記者となって欧州各地を転々とした後、1955年に処女作『落葉』を発表。1967年『百年の孤独』によって一躍世界が注目する作家となった。『族長の秋』『予告された殺人の記録』『コレラの時代の愛』『迷宮の将軍』など次々と歴史的傑作を刊行し、1982年にはノーベル文学賞を受賞した。 Translator 鼓 直 Tadashi Tsudumi 1930-2019。旧朝鮮生れ。東京外事専門学校卒業。神戸市外大、神奈川大などでスペイン語を講じながらボルヘス、アストゥリアス、カルペンティエール、コルタサル、ドノソ、ガルシア=マルケスなどの主要作品を翻訳し、ラテンアメリカ文学ブームを牽引した。法政大学教授や日本スペイン協会理事長を歴任。瑞宝中綬章、スペイン民功騎士十字章を受章。
私たちはどう生きるべきか
¥1,650
社会の10%の人が倫理的に生きれば、政府が行う社会変革よりもずっと大きな力となる。環境・動物保護の第一人者が、現代に生きる意味を鋭く問う。 私的利益と倫理が衝突する場合、あなたならどうするか。もしもあなたが姿を消して、誰にも知られずに何でも好きなものを手に入れられるような場合、すべての倫理的基準を捨て去るのが合理的な判断なのだろうか。それでも正義を重んじるとすれば、そこにはどんな理由があるだろう。 西洋倫理学の伝統からプラトン、ルソー、カント等の豊富な議論をとりあげて新たな角度から解明しつつ、経済倫理、遺伝子操作等のアクチュアルな問題を考察。『実践の倫理』『動物の解放』の著者であり、環境・動物保護運動のリーダーとしても活躍する著者が、理論と実践の両側面から現代倫理を徹底的に再考する! [出版社より] 著 者|ピーター・シンガー 訳 者|山内友三郎 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,500円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|472 ISBN|9784480095817 発 行|2013年12月 Contents 第1章 究極の選択 第2章 「そのどこが私のためになるんだ」 第3章 世界を使い果たす 第4章 この生き方の由来はどこにあるのか 第5章 利己心は人の遺伝子の中にあるか 第6章 日本人の生き方 第7章 お返し戦術 第8章 倫理的に生きる 第9章 倫理の本性 第10章 ある目的のために生きる 第11章 よい生き方 Author ピーター・シンガー Peter Singer 1946年生まれ。オーストラリア生まれ。メルボルン大学をへてオックスフォード大学で、R.M.ヘアのもとで学位取得。メルボルンのモナッシュ大学生命倫理学センター所長、国際生命倫理学会会長歴任。現在プリンストン大学、モナッシュ大学教授。優れた倫理学者として世界的に高名なだけでなく、動物解放、菜食主義、難民救済、環境保護などの実践運動のリーダーとして国際的、精力的に活躍。 Translator 山内 友三郎 Tomosaburo Yamauchi 年秋田県生まれ。京都大学文学部卒業。大阪教育大学名誉教授。
外道の細道
¥1,320
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ドキュメンタリー製作のため、敬愛する作家ブコウスキーの足跡をたどる旅に出る作家「マーチダ」。プロデューサー・蟇目ヒシャゴ、笑福亭鶴瓶然としたディレクター・稲村チャルベなど、メディア界隈に棲息する外道どもに導かれる珍道中は、次第に地獄めぐりの様相を呈していく。最高にくだらなく、オフビートな実録ロード小説。『真説・外道の潮騒』を文庫化。 [出版社より] 著 者|町田康 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,200円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|368 ISBN|978-4-309-42167-4 発 行|2025年02月 Author 町田 康 Ko Machida 1962年大阪生まれ。「きれぎれ」で芥川賞、『告白』で谷崎潤一郎賞、『宿屋めぐり』で野間文芸賞など、受賞多数。他の著書に『くっすん大黒』『ホサナ』『ギケイキ』『口訳 古事記』『宇治拾遺物語』など。
インドラネット
¥946
SOLD OUT
おまえのために死んでもいい。危険な目に逢い続ける男が最後に見たものは。 平凡な顔、運動神経は鈍く、勉強も得意ではない――何の取り柄もないことに強いコンプレックスを抱いて生きてきた八目晃は、非正規雇用で給与も安く、ゲームしか夢中になれない無為な生活を送っていた。唯一の誇りは、高校の同級生で、カリスマ性を持つ野々宮空知と、美貌の姉妹と親しく付き合ったこと。だがその空知が、カンボジアで消息を絶ったという。空知の行方を追い、東南アジアの混沌の中に飛び込んだ晃。そこで待っていたのは、美貌の三きょうだいの凄絶な過去だった……。 [出版社より] 著 者|桐野夏生 出版社|KADOKAWA[角川文庫] 定 価|860円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|432 ISBN|9784041143209 発 行|2024年07月 Contents 第一章 野々宮父の死 第二章 シェムリアップの夜の闇 第三章 ニェットさんの青唐辛子粥 第四章 さらば青春 第五章 冷たい石の下には 第六章 インドラの網 解説 高野秀行 Author 桐野 夏生 Natsuo Kirino 1951年生まれ。93年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞を受賞。99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞、10年、11年に『ナニカアル』で島清恋愛文学賞と読売文学賞の二賞を受賞。1998年に日本推理作家協会賞を受賞した『OUT』は04年エドガー賞候補となる。15年紫綬褒章を受章。
詩の構造についての覚え書——ぼくの《詩作品入門》
¥1,210
詩とは何か。 詩を、作者の心情の直接的発露であり、それを伝える手段だとする見方は根強い。だが、詩において言葉は日常の用法とは異なる態度で取り扱われる。それゆえ、著者が「詩は表現ではない」と明言したとき、旧来の詩観は大きく揺さぶられることとなった。 言葉を関係性によって捉えることが重視され、「作者─発話者─主人公」の区別に紙幅が費やされる。これらを通し、われわれは詩がどのようにして成り立つのか、その秘密に近づけるだろう。詩とはいったい何か。この問題を追究したものとして本書に並び立つ書はいまもって少ない。実作者も鑑賞者も一度は読んでおきたい詩作品入門。解説=野村喜和夫。 [出版社より] 著 者|入沢康夫 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,100円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|208 ISBN|978-4-480-51292-5 発 行|2025年03月 Contents 第1回 はじめに Ⅰ 手もちの材料と道具の点検 A 詩は表現ではない B 作品の構成の素材は単語だけではない 第2回 C 詩が、主として語のイマージュに依存するという考えは不適当であり、同様に、比喩(直喩・暗喩)に主な拠り所を持つという説にも、無限定には同意できない D 個々の要素の持つ意味の重層性や潜在的情動力は、適切な構造の中にところを得て、はじめて発揮される E 擬物語詩は、あり得べき詩作品の構造の一つのタイプである 第3回 Ⅱ なぜ詩の構造を云々するのか 第4回 Ⅲ 基本的な諸問題についての雑然たるメモと、そのまとめ A 作品とその要素(素材) B 素材としての言葉のありよう C 言葉を素材とするということ 第5回 D 詩人 ―― 発話者 ―― 主人公 E どんな作品においても《詩人》と《発話者》は別である Author 入沢 康夫 Yasuo Irisawa 1931-2018年。島根県生まれ。詩人、フランス文学者。東京大学文学部フランス文学科卒業。同大学大学院フランス語フランス文学科修士課程修了。詩集『季節についての試論』でH氏賞を受賞。長詩と注釈からなる『わが出雲・わが鎮魂』で読売文学賞を受賞。『入澤康夫〈詩〉集成 1951-1994』『唄──遠い冬の』の詩作で毎日芸術賞受賞。詩論も多数執筆。『ネルヴァル全集』の監修や『新校本宮沢賢治全集』の編集にも携わる。
新編 人と人との間
¥1,430
「あいだ」理論の出発点。 精神病理を人間の在り方の一様相として論じてきた著者によるキー概念「間」(「あいだ」)。自己存在の根底にある超個人的な場所としての「人と人との間」は、現代思想に大きな影響を与えた。本書は、ドイツ留学時に思索した日本人論としてこの概念を世に問うた一冊である。 日本人特有の精神病的生き方をさまざまな現象を通して思索するとともに、日本的精神症状とされる対人恐怖、貰子幻想の病理を解明。さらに「間」理論を和辻哲郎の『風土』、土居健郎の「甘え」理論と併せて検討して、人間存在の様相を詳らかにする。文庫化にあたり講演「人と人とのあいだの病理」を併録。解説=清水健信。 [出版社より] 著 者|木村敏 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,300円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|320 ISBN|978-4-480-51299-4 発 行|2025年03月 Contents 人と人との間――精神病理学的日本論 はしがき 第一章 われわれ日本人 第二章 日本人とメランコリー 第三章 風土と人間性 第四章 日本語と日本人の人間性 第五章 日本人の精神病理 第六章 文化を超えた精神医学 人と人とのあいだの病理 一 交換不可能な個人の心 二 人と人との“あいだ”への関心 三 “あいだ”をめぐる病理 四 自己と“あいだ” 文庫解説 木村敏とドイツの間、木村敏と京都学派の間 清水健信 Author 木村 敏 Bin Kimura 1931年、旧朝鮮生まれ。1955年、京都大学医学部卒業。現在、京都大学名誉教授、河合文化教育研究所所長・主任研究員。専攻、精神病理学。著書に『自覚の精神病理』(紀伊國屋書店)、『異常の構造』(講談社現代新書)、『時間と自己』(中公新書)、『木村敏著作集』全8巻(弘文堂)、『関係としての自己』(みすず書房)、『臨床哲学講義』(創元社)、『あいだ』『自己・あいだ・時間』『分裂病と他者』(ちくま学芸文庫)など。訳書多数。1981年にシーボルト賞、1985年にエグネール賞、2003年に和辻哲郎文化賞、2010年に『精神医学から臨床哲学へ』(ミネルヴァ書房)で毎日出版文化賞を受賞。
純喫茶図解
¥1,650
『銭湯図解』で話題の画家・塩谷歩波が建築の図法で描く、唯一無二の空間。都内近郊の“純喫茶図解”18軒をオールカラーで収録!眺めて、読んで楽しいイラストエッセイ集。 アンティークの調度品にシェードランプの薄明り、個性あふれる床タイル、妖しく微笑むトーテムポール……。都心には、建築やインテリア、メニューの隅々にまで店主のこだわりが詰まった魅力あふれる純喫茶がひしめき合っています。 そんな純喫茶の魅力を、画家・塩谷歩波さんが建築の図法で描き、実際に足を運んで食べたメニューや店主へのインタビューなど、イラストと写真、文章でお届けします。著者の緻密で温かい絵に思いを巡らせながら、純喫茶に足を運んでみませんか? [出版社より] 著 者|塩谷歩波 出版社|幻冬舎 定 価|1,500円+税 判 型|新書判 頁 数|128 ISBN|9784344044258 発 行|2025年04月 Contents 第1章 ノスタルジックな純喫茶 西荻窪 それいゆ/蔵前 らい/渋谷 茶亭羽當/神保町 ラドリオ/津田沼 珈琲屋からす/高円寺 珈琲亭七つ森 第2章 豪華絢爛な純喫茶 上野 Coffee Shopギャラン/銀座 トリコロール 本店/上野 喫茶 古城 第3章 音を楽しむ純喫茶 渋谷 名曲喫茶ライオン/阿佐ヶ谷 ヴィオロン/吉祥寺 バロック/新宿 らんぶる 第4章 ひとクセ光る純喫茶 神保町 さぼうる/阿佐ヶ谷 gion/吉祥寺 くぐつ草/御茶ノ水 穂高/都立家政 Coffee&Lunch つるや Author 塩谷歩波 Honami Enya 1990年東京都生まれ。早稲田大学大学院(建築学専攻)修了。設計事務所、高円寺の銭湯・小杉湯の番頭を経て、2021年より画家として独立。設計事務所休職中に通い始めた銭湯に救われ、銭湯の建物内部を俯瞰で描く「銭湯図解」をSNS上で発表し、話題に。2019年に『情熱大陸』(TBS)に出演、2022年には自身の半生をモデルにしたドラマ『湯あがりスケッチ』(ひかりTV)が配信されるなど注目を集める。現在は、飲食店、ギャラリー、茶室など、様々な建物の図解を制作するほか、入浴施設などのデザイン監修も手がける。著書に『銭湯図解』(中央公論新社)、『湯あがりみたいに、ホッとして』(双葉社)、『塩谷歩波作品集』(玄光社)がある。
自分の感受性くらい
¥770
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自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ もっとも人気のある詩人の、もっとも有名な詩集。なかでも突出した人気を誇る表題作は、自分で考え続けること、自立した知性を磨き続けることの大切さをうたい、そのメッセージ性の強い言葉は、自分自身への問いかけとして多くの読者の共感をよび、やすきに流れる心を戒めてきた。現代詩の枠をこえた感動の名著。解説=伊藤比呂美。 [出版社より] 著 者|茨木のり子 出版社|岩波書店[岩波現代文庫] 定 価|700円+税 判 型|文庫判・並製 頁 数|124 ISBN|9784006023683 発 行|2025年04月 Contents 詩集と刺繡 癖 自分の感受性くらい 存在の哀れ 知命 * 青年 青梅街道 二人の左官屋 夏の声 廃屋 孤独 友人 底なし柄杓 波の音 * 顔 系図 木の実 四海波静 殴る 鍵 茨木のり子の詩の魅力(伊藤比呂美) 初出一覧 茨木のり子著作目録 Author 茨木 のり子 Noriko Ibaragi 1926–2006年.〈現代詩の長女〉とも称される,戦後の日本を代表する現代詩人.1953年,川崎洋と二人で同人詩誌「櫂」を創刊.「わたしが一番きれいだったとき」をはじめとする作品群で戦時下の女性の青春を描く.敗戦を契機にひらかれた幅広い社会意識と健康な批評精神が特徴で,スパッと歯切れのいい言葉が断言的に出てくる,主張のある詩,論理の詩,倫理の詩,あるいは「自分の感受性くらい」のような,読者を励ます,人を奮い立たせてくれる詩が多い.他の詩集に,『対話』『見えない配達夫』『倚りかからず』『歳月』など,また訳詩集に『韓国現代詩選』(読売文学賞)がある.
エスノグラフィ入門
¥1,056
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「場面を描く、生活を書く」『タイミングの社会学』(紀伊國屋じんぶん大賞2024第2位)の著者、最新刊。エスノグラフィの息遣いを体感する入門書。 生活を書く、それがエスノグラフィの特徴です。そして、もっとも良質なエスノグラフィの成果は、 苦しみとともに生きる人びとが直面している世界を表し出すところに宿るものです。もともと人類学で発展したこの手法は、シカゴ学派を拠点に、 社会学の分野でも広がっていきました。本書では、5つのキーワードに沿って、そのおもしろさを解説していきます。予備知識はいりません。ぜひ、その魅力を体感してください。 [出版社より] 著 者|石岡 丈昇 出版社|筑摩書房[ちくま新書] 定 価|960円+税 判 型|新書判 頁 数|304 ISBN|978-4-480-07646-5 発 行|2024年09月 Contents はじめに エスノグラフィとは/本書の著者について/エスノグラフィの核心/本書のスタイル/あるひとつの入門書 第1章 エスノグラフィを体感する 通夜と賭けトランプ/センス・オブ・ワンダー/海の少年/場面と主題/二重写しに見る/フィールド調査の十戒/フィールドの人びととの関係のあり方/調査の進め方/社会学的に観察する/フィールド調査のねらい/本章のまとめ コラム1 サイクリストの独自世界 第2章 フィールドに学ぶ 経験科学/フィールド科学/雪かきの現場から/モノグラフ/可量と不可量/不可量を書く/ボクサーの減量の事例/人びとの経験に迫る/身体でわかる/フィールドへのエントリー/漁民から見る/人びとの対峙する世界/本章のまとめ コラム2 ペットによる社会的影響とその効果 第3章 生活を書く シカゴ学派/生活を見る眼/アフリカの毒/同時代の人びとへ/地続きの人類学/生活実践へ/日常生活批判/差別の日常/「いま―ここ」の注視/「人びとの方法」への着目/遠近法的アプローチ/まひるのほし/本章のまとめ コラム3 遊びとしての公的空間での眠り 第4章 時間に参与する 生活論/生活を読み取る/生活環境主義/「森林保護」による生活破壊/時間へ/ボクサーの「典型的な一日」/時間的単位を知る/周期性とリズム/時間をめぐる困難/生が「生活」になるとき/共に活動すること/私の失敗談/本章のまとめ コラム4 手話サークルから見るろうコミュニティとコロナウイルス 第5章 対比的に読む 図書館の歩き方/探索することの魅力/「赤青」の色鉛筆/読みの体感/エスノグラフィを読む/裏舞台だけを読まない/着眼点の移植/対比的に発見する/データをつくる/本章のまとめ コラム5 リスクから見るサブカルチャー 第6章 事例を通して説明する フィリピンとの出会い/繰り返し通うこと/対比という方法/事例を通した説明/論理の解明へ/羅生門的手法/客観性から客観化へ/ミクロ・マクロ問題/バンコクのバイクタクシー/エスノグラフィとルポルタージュ/本章のまとめ コラム6 部活動におけるケガの社会学 おわりに――次の一歩へ 学ぶこと/受苦を生きる/楽しみと苦しみ あとがき――読書案内をかねて 参考文献 索引 Author 石岡 丈昇 Tomonori Ishioka 1977年、岡山市生まれ。専門は社会学/身体文化論。日本大学文理学部社会学科教授。フィリピン・マニラを主な事例地として、社会学/身体文化論の研究をおこなう。著作に『タイミングの社会学──ディテールを書くエスノグラフィー』(青土社、2023年、紀伊國屋じんぶん大賞2024第2位)、『ローカルボクサーと貧困世界──マニラのボクシングジムにみる身体文化』(世界思想社、2012年、第12回日本社会学会奨励賞。2024年に増補新版)、共著に『質的社会調査の方法──他者の合理性の理解社会学』(岸政彦・丸山里美との共著、有斐閣、2016年)など。
世界の教育はどこへ向かうか——能力・探究・ウェルビーイング
¥990
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デジタル化やグローバル化などの社会変化を背景に、世界各国が教育改革を加速させている。本書は国連やOECD、ユネスコなどの国際機関、各国での議論を踏まえ、これからの教育を考察する。新たな時代に求められる能力や主体性、ウェルビーイングとは何か。各国が直面する教師不足や過重なカリキュラムへの対応策は。そして、日本に欠けている点とは。一人ひとりの子供が尊重された、あるべき教育、学校の未来を探る。 [出版社より] 著 者|白井俊 出版社|中央公論新社[中公新書] 定 価|900円+税 判 型|新書判 頁 数|232 ISBN|978-4-12-102844-0 発 行|2025年02月 Contents はじめに 序 章 変わる世界の教育 1 デジタル化の影響 2 「学力世界一」の交替 3 教師を取り巻く環境の変化 第一章 教育は何を目指すべきか 1 世界のパラダイム転換 2 国連が採択したSDGs 3 ウェルビーイングへの注目 4 人間重視に立ち返る 第二章 「主体性」を捉え直す 1 理想と現実のギャップ 2 そもそも共通理解はあるのか 3 国際的な視点から問い直す 第三章 子供たちに求められる「能力」 1 能力とは何か 2 「非認知能力」の重要性と落とし穴 3 能力を発揮する方向 第四章 「探究」の再検討 1 「総合的な学習の時間」の導入 2 前提としての方法論 3 成功するための条件 第五章 何をどこまで学ぶべきか 1 「広さ」と「深さ」のトレードオフ 2 問題の背景 3 見えてきた解決策 Author 白井 俊 Shun Shirai 1976年生まれ。埼玉県出身。東京大学法学部卒業。コロンビア大学法科大学院修士課程修了。2000年文部省(現・文部科学省)に入省し、同省生涯学習政策局(現・総合教育政策局)、初等中等教育局、高等教育局、国際統括官付等で勤務。その間、徳島県教育委員会、OECD(経済協力開発機構)、独立行政法人大学入試センターに出向。2023年8月より内閣府に出向し、現在、同府科学技術・イノベーション推進事務局参事官(研究環境担当、大学改革・ファンド担当)。
緑地と文化——社会的共通資本としての杜
¥1,034
明治神宮外苑において百年の星霜を重ねた樹木の伐採が強行された。これは決して一地域の問題にとどまらない、持続可能な社会の根幹に関わる事態だ。なぜこのような事態が起きてしまったのか。人間と自然の未来はどうなっていくのか。都市と緑地の持続可能性を歴史的パースペクティブと国際比較の視点から問い直す。 [出版社より] 著 者|石川幹子 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|940円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|252 ISBN|9784004320609 発 行|2025年04月 Contents はじめに 序 章 問題の根源はどこにあるのか 1 神宮外苑で強行された都市の杜の伐採 2 何のための再開発か 3 水資源の枯渇による内苑の杜の危機 4 市民との対話の拒否 第一章 社会的共通資本としての緑地とは何か 1 社会的共通資本としての緑地(グリーンインフラ) 2 時空を超えた社会的イノヴェーション 第二章 林泉都市・東京の歴史的パースペクティヴ 1 東京の基層としての「林泉都市」 2 太政官布達による「公園」の誕生 3 林泉都市の消長 4 東京市区改正設計における公園 5 幻の日本大博覧会 6 世紀のプロジェクトの始動 第三章 歴史の重層する杜──明治神宮内苑 1 井伊家下屋敷・共楽の林泉 2 難問を解く 3 百年の杜の実験と現在 第四章 別天地をつくる 1 別天地 2 代々木野の美の発見 3 水の枯渇による小川の消滅 4 杜を創り出した人びと 第五章 民衆がつくった杜──明治神宮外苑 1 林泉をつくる 2 都市美運動・イチョウ並木・パークシステム 3 ナンジャモンジャ物語 4 近代スポーツ揺籃の地 5 外苑を襲う荒波 第六章 不都合な真実──怒涛の規制緩和 1 外苑再開発事業の構図 2 「公園まちづくり制度」 3 外苑に適用された規制緩和の段階的検証 4 環境影響評価の検証 5 都市計画関連「手続き」の検証 6 再開発に伴うイチョウ並木のサステイナビリティの危機 7 失われていく文化資産――外苑を彩る歴史的樹木 第七章 文化を支える緑地 1 手渡された文化資産 2 杜の都・仙台の四百年 3 水と緑の回廊を創る 4 復興まちづくりと文化の再生 5 北の大地・帯広の森 6 鎮魂の杜・広島 展 望 未来へと手渡していく社会の冨 1 市民的自由の場 2 挫折することのなかった東京の杜 3 伊勢神宮・千三百年の杜 4 「千年の杜・東京」へ 5 杜の思想 6 「社会的共通資本」のサステイナビリティ あとがき 参考文献・出典 Author 石川 幹子 Mikiko Ishikawa 1948年宮城県生まれ.東京大学農学部卒業,ハーバード大学デザイン学部大学院修了.環境計画・設計.農学博士,技術士.計画・設計に,「21世紀の公園」(EU環境基金最優秀賞),「学びの森」(土木学会デザイン賞最優秀賞),「水と緑の回廊計画」(みどりの学術賞),「四川汶川大地震・農耕文明遺産地設計」(都江堰市文化功労栄誉賞),「東日本大震災復興・宮城県岩沼市」(日本都市計画学会石川賞),「ブータン王国ロイヤルパーク設計」など.東京都都市計画審議会委員,公園審議会委員などを歴任. 現在─中央大学研究開発機構・機構教授.東京大学名誉教授, 著書─『都市と緑地』(岩波書店,日本都市計画学会論文賞),『グリーンインフラ』(中央大学出版部,日本造園学会学会賞)など.
ザ・ブック・オブ・ザ・リバー
¥2,420
フーダニットの針が挿さってゆく水風船 現代川柳の到達点とも言える、異次元の2025句を収録する川合大祐第三川柳句集。『スロー・リバー』『リバー・ワールド』と続いてきた前人未到の現代川柳プロジェクト「リバー」シリーズ、ついに完結。 [出版社より] [ 収録句より ] ずっとのろしをみていた鼻行類の図鑑 奥村という説得を思いつく 未確認飛行物体(F・カフカ) 砂漠から巨大舞妓が立ちあがる 9の字を校庭に描く時の暮れ バカミスに犬小舎をでる犬 朝だ 納屋を焼く完全言語もとめつつ 著 者|川合大祐 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,200円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|336 ISBN|978-4-86385-671-4 発 行|2025年05月 Contents 第一章 モルグ街の殺人 第二章 父が消えた 第三章 森の生活 第四章 失踪日記 第五章 言葉と物 第六章 われ逝くもののごとく 第七章 非現実の王国で 第八章 重力と恩寵 第九章 櫻の園 第十章 時間 第十一章 S,M,L,XL 第十二章 天井桟敷の人々 第十三章 燃える世界 第十四章 バベルの図書館 第十五章 ディコンストラクション 第十六章 襞 第十七章 森の生活 Author 川合大祐 Daisuke Kawai 川柳作家。1974年長野県生まれ。「川柳の仲間 旬」同人を経て、「川柳スパイラル」同人。ブログ「川柳スープレックス」共同執筆者。著書『スロー・リバー』(あざみエージェント、2016年)、『リバー・ワールド』(書肆侃侃房、2021年)、共著『はじめまして現代川柳』(書肆侃侃房、2020年)。
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